round 09

July 13/14/15 2012 MotoGP Gran Premio d'Italia TIM 第9戦 イタリアGP

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イタリアGPプレビュー

オランダGP、ドイツGPに続く、第9戦イタリアGPが、7月13日(金)から15日(日)までの3日間、フィレンツェ近郊にあるムジェロ・サーキットで行われます。ムジェロは、1976年に初めてグランプリが開催されました。当時のイタリアは、イモラ、モンツァなど、いくつかのサーキットの持ち回り開催となっていましたが、1991年にサーキットの全面改修を受けてからは、グランプリのパーマネントサーキットになり、イタリアGPの舞台として定着しました。

イタリアGPプレビュー

ムジェロは、アップダウンに富んだ一周5.245kmのハイスピードコース。中速コーナーが連続し、下り勾配から延びる1.1kmのホームストレートでは、320km/hを超える最高速をマークします。2010年に優勝したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、170.437km/hのアベレージを記録。昨年の大会でポールポジションを獲得したケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、174.778km/hのアベレージをマークしました。シーズンを通じて屈指のハイスピードサーキットとなっています。

1993年以降、最高峰クラスでHondaは、ムジェロ通算12勝を達成しています。昨年は優勝を逃しましたが、今年は2年ぶりとなるイタリアGP制覇と、オランダ、ドイツに続く3連勝を目指します。

前戦のドイツGPで今季初優勝を達成したペドロサは、今季最高の状態でイタリアGPに挑みます。一昨年の大会では、見事に優勝を達成しました。しかし、昨年の大会はケガからの復帰戦となり8位。2年連続優勝は果たせませんでした。ムジェロでは、05年の250cc時代に優勝。最高峰クラスでは、07年に2位、08年に3位、10年に優勝と3度の表彰台を獲得しています。今年は最高峰クラスで2度目、ドイツGPからの今季2連勝に挑みます。

ドイツGPで最終ラップに転倒し、表彰台を逃したストーナーも、今大会はその雪辱に挑みます。ムジェロでは、ドゥカティ時代の08年に2位、09年に優勝。Hondaに移籍した昨年は、ポールポジションを獲得しましたが、決勝ではタイヤのオーバーヒートに苦しんで3位でした。今年は7月中旬の開催となり、30℃を超える暑さが予想されます。昨年同様、マシンとタイヤ、そしてライダーにとって厳しい条件の戦いが予想されますが、「ムジェロは大好きなサーキット」と語るだけに、今季4勝目が期待されます。

前戦ドイツGPで、し烈な戦いを制し、5位でフィニッシュしたステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、大好きなムジェロに闘志を燃やします。ブラドルは、高速コースを得意としています。Moto2クラスに参戦していた昨年は、大激戦となった優勝争いに加わり、2位でフィニッシュしています。オランダGPではベストグリッドの予選4番手(決勝は転倒リタイア)、ホームGPとなったドイツGPでは予選6番手、決勝は今季ベストタイの5位でフィニッシュ。念願の表彰台にあと一歩の好走を見せているだけに、3連戦最後の戦いに注目されます。

前戦ドイツGPで最後尾スタートから7位まで追い上げたアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)も、「ムジェロは大好きなサーキット」と語るだけに、今季ベストリザルトが期待されます。第6戦イギリスGPでは初ポールポジションから決勝4位。続く第7戦オランダGPは気合が入りすぎて転倒。その転倒で他車を巻き込んだことから、第8戦ドイツGPは最後尾スタートのペナルティを科せられました。今大会は本来の戦いに戻り、予選では2度目のフロントロー、決勝では念願の初表彰台に挑みます。チームメートでCRTマシンに乗るミケーレ・ピロも、今大会はCRT勢トップを狙います。

LCR Honda MotoGP、そして、Team San Carlo Honda Gresiniにとっては、シーズンを通じて最も気合の入るホームGP。Repsol Honda Teamとともに、Honda勢の活躍がイタリアGPを盛り上げることになりそうです。

激戦が続くMoto2クラスは、総合首位のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、オランダ、ドイツと2連勝を達成し、今大会は3連戦3連勝を目指します。マルケスは、8戦を終えてポールポジション6回で4勝。2連勝を達成したことで、総合ポイントで2位以下に大量リードを築き、念願のタイトル獲得に大きく前進しました。以下、ポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)、トーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)、アンドレア・イアンノーネ(Speed Master)がし烈な2位争いを繰り広げています。昨年の大会では、表彰台に立った3選手のタイム差が、わずか0.419秒。フィニッシュラインまで接戦になるコースだけに、今季最高のバトルが期待されます。

日本人勢は、総合15位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)、ここまでノーポイントながら上り調子の高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)の2人が、チームのホームGPを迎え、今季ベストリザルトに挑みます。

Moto3クラスは、雨のドイツGPで苦戦し、ノーポイントに終わり、総合首位から2位にポジションを落としたマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が、2戦ぶり5勝目を目指します。Moto3クラスもスリップストリームを使い合っての激戦が予想されます。Moto2クラスとMoto3クラスは、次戦アメリカGPがカレンダーに入っていないため、今大会がシーズン前半戦の締めくくりの大会となります。ビニャーレスは総合首位逆転を目指し、ランキング上位につけるHonda勢も、さらに上位を狙います。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「ムジェロへ行くのがとても楽しみです。レイアウトもすばらしく、雰囲気も大好きなサーキットなので、ドイツで優勝した勢いを維持したいです。体力的に厳しいサーキットで、昨年はケガの影響で厳しい戦いを強いられ、満足のいく結果を得られませんでした。でも、2010年には優勝しています。今年は体調もよく、再びここでいいレースをするための準備は整っています。ムジェロは、ほかのサーキットとは全く違います。コーナースピードを生かさなくてはいけませんし、Hondaエンジンのパワーをうまく活用しなければなりません。ザクセンリンクの今季初優勝は、僕とチームにとって、とても重要な勝利でした。チャンピオンシップでトップに近づきました。でも、一度の優勝ではタイトルは獲得できないので、これからも気を緩めず優勝を狙っていきたいです。チャンピオンを獲得するためには、すべてのレースを完ぺきにこなさなければなりません。これからも、一生懸命がんばります」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「ムジェロは好きなサーキットです。これまで、何度かいい結果を出したことがあります。昨年は計画通りいきませんでしたが、なにが悪かったのかは分かっていますので、今年はもう少しいいレースができるはずです。ここの高速コーナーはとても好きです。ホイールがスピンするところがたくさんありますし、高速で切り返しをするポイントもたくさんあります。ここは、フルスロットルで走れるサーキットです。ザクセンリンクは残念なレースでしたので、今回はチャンピオンシップに向けてポイントを獲得したいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位)「ザクセンリンクはユニークなサーキットで、レースも楽しかったです。最後尾からのスタートは楽ではありませんでしたが、いいペースを見つけて徐々にポジションを上げ、5番手争いに加わることができました。この経験は、全くレイアウトの違うムジェロでも役に立つと思います。いいレースをするためには、いいセッティングを見つけることが非常に重要になってきます。それができなければ、本当に苦しいレースになります。今大会はチームにとって非常に大事なレースなので、がんばりたいです。ここ数戦で前進していますし、イタリアではトップグループに迫る走りができる自信があります」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング9位)「ムジェロをとても楽しみにしています。僕にとっては、ザクセンリンクよりいいサーキットだと思います。レイアウトもよく、高速コーナーも好きです。今回は、トップグループに少しでも近づけるようにがんばりたいです。ザクセンリンクではいいバトルができましたが、エッジグリップにとても苦しみました。今回は気温がとても高いと思いますし、体力的にもとても厳しいです。でも、心配はしていません。ザクセンリンクの30周も決して楽ではなかったですし、その経験が生きるはずです。ここは、大好きなサーキットの一つです。チームにとっても、とても重要なレースなので、ドライでレースがしたいです。スポンサーのほとんどが観に来てくれますので、モチベーションはさらに上がっています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング14位)「ドイツGPでのリタイアにはがっかりしていますが、今回は大丈夫だと信じています。ザクセンリンクでは、CRTのトップ争いができたと思います。ムジェロはホームGPなので、いいレースを見てもらいたいです。どのサーキットでも、今年初めて走らせるマシンなので、いろんなことがあります。今回は、みなさんに喜んでもらえるようなレースにしたいです」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「ムジェロは、ザクセンリンクとは全く違うサーキットなので、金曜日はいいセットアップを見つけるために時間を使いたいです。切り返しと高速コーナーがたくさんあります。うまく走れれば、とても楽しいです。でも、いいセットアップを見つけるのは難しいです。いつものように、落ち着いて徐々にいいセッティングにしていきたいです。ここは、初めて125ccで優勝したサーキットですし、昨年Moto2でも優勝していますので、いい思い出があります。今年も落ち着いてレースに挑みたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「先週のドイツGPではスタートに失敗して、グラベルを走ってしまいました。グリッドが悪く、後方からのスタートだったので、あまりにも極端なラインを試してしまったのが敗因でした。そこから追い上げ、残り4周で疲れてしまって、4位がやっとでした。ですから、今週末のムジェロでは巻き返したいです。ムジェロはザクセンリンクとは全く違うサーキットで、高速サーキットの一つです。晴れが予想されていますが、これは重要なことです。いいレースをして夏休みを迎えたいです」

トーマス・ルティ(Moto2 ランキング3位)「ムジェロをとても楽しみにしています。このサーキットはとても好きです。今年は雨のレースが多かったのですが、今大会は天気もよさそうです。アッセンでは不運でしたし、ドイツGPは厳しいレースでした。ですから、巻き返すためにも、全力でアタックするつもりです。ここ数戦で何度か転倒がありましたが、その影響はありません。コースに戻るのが楽しみです。ムジェロを終えれば夏休みがやってきます。シーズン前半をいい形で終えたいです」

中上貴晶(Moto2 ランキング15位)「カタルニアGPで6位になったあと、シルバーストーン、アッセン、ザクセンリンクと、予選も決勝もいい走りができていませんので、今回はいいレースをしたいです。とにかく、車体のセッティングが決まらず、それが予選と決勝に影響しています。今回はチームのホームGPですので、チームとともに全力を尽くして、スポンサーや応援してくれているファンの期待に応えたいです」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「前回のドイツGPでは、電気系のトラブルでリタイアしましたが、今年になって一番いいレースができました。やっとマシンの状態も普通になって、レースを戦える状態になってきました。しっかりとセットアップをして、納得のいく走りをしたいです。今回はチームのホームGPで、シーズン最終戦のように気合が入っています。シーズン前半戦最後のレースなので、いい結果を残して後半戦につなげたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「ドイツGPではノーポイントに終わり、総合2位にポジションを落としてしまいました。しかし、イタリアGPは第9戦です。まだシーズンの中間地点なので、ここからがんばりたいです。イタリアGPが終わっても、まだ同じ数のレースがあるので、チャンスはあります。これまで以上にモチベーションが上がっています。ムジェロは、大好きなサーキットで、美しいが難しいというレイアウトです。ここは、エンジンがカギとなるでしょう。KTMはとても速いですが、ギャップを縮めたいです」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング4位)「ムジェロは大好きなサーキットの一つです。しかし、難しいサーキットです。チームのホームGPなので、いい結果を出したいです」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング5位)「ドイツGPは大変でした。路面が乾き始めてから、ラップタイムが一気に上がりました。それについていけませんでしたが、多くのことをドイツで学びました。この経験は、きっと役に立つと思います。ドイツGPではいい結果を残せませんでしたが、ずっとサポートしてくれたチームに感謝したいです。大好きなムジェロで、ノーポイントに終わったドイツの雪辱を果たしたいです」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「初めてのサーキットが続いています。ムジェロもまた、日本では経験したことがないレイアウトですので、少しでも早くコースを攻略したいです。走ってみないと分かりませんが、第一印象は難しいコースです。リズムがすごく大事になるでしょう。とにかく今大会も、一つでも上のポジションを目指してがんばりたいです」