round 06

June 15/16/17 2012 MotoGP Hertz British Grand Prix 第6戦 イギリスGP

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イギリスGPプレビュー

第6戦イギリスGPが、6月15日から17日の3日間、ノーザンプトン近郊のシルバーストーン・サーキットで開催されます。イギリスGPの歴史は、1949年のマン島に始まり、以後、1976年まで「Tourist Trophy」としてマン島の公道コースで開催されました。その後、1977年から1986年までシルバーストーンに舞台は移り、1987年から2009年まで23年間は、ドニントンパークで行われました。

イギリスGPプレビュー


その間、シルバーストーンは、F1サーキットとして世界中にその名を知られることになりますが、2010年、コースが大幅に改修されて、2輪グランプリの舞台として復活することになりました。今年で3年目の開催となります。1986年まで開催されていた旧コースは、長いストレートと高速コーナーを組み合わせた一周4.710kmのシンプルなレイアウトで、この年にNSR500でPPを獲得したワイン・ガードナーの平均時速は192.332km/hでした。改修された現在のコースは、一周5.900km。以前、グランプリが開催されていたコースに比べて、コーナーの数は2倍の18(左8、右10)となりましたが、現在も、イタリア・ムジェロ、オーストラリア・フィリップアイランドと並ぶ高速サーキットの1つであり、昨年PPを獲得したケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が記録したファステストラップ時のアベレージは、174.128km/hでした。

チャンピオンのストーナーは、今季5戦を終えて総合2位。前戦カタルニアGPでは、不安定な天候に翻ろうされ、タイヤの選択に失敗して4位。昨年のポルトガルGPから続いていた表彰台記録が「19」でストップしました。今大会は、再び、表彰台と優勝を目指す戦いになります。昨年の大会ではPPを獲得。激しい雨の中で行われた決勝では見事に優勝。今年は、イギリスGP2連覇と今季3勝目を狙います。

昨年、ケガのためにイギリスGPを欠場しているダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、2年ぶりのイギリスGP出場となります。コースレイアウトは一昨年と同じですが、ピットビルの完成にともない、昨年、スタート&フィニッシュラインが変わっています。印象としては初めて走るサーキットに近いものとなりますが、2年ぶりのシルバーストーンで今季初優勝を狙います。前回カタルニアGPでは、レース終盤にタイヤのグリップをうまく引き出せず苦戦。今季初優勝を逃しました。今大会は、ストーナーとともに、シルバーストーンでイギリスGPでのHonda2連覇に挑みます。

前戦カタルニアGPで今季3回目の6位でフィニッシュしたアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)も、今季ベストフィニッシュに闘志を燃やします。昨年、雨のレースでは、自己ベストとなる5位でチェッカー。今年もレースをこなすごとにトップグループとの差を縮めています。得意とするコースで、今季ベスト、そして自己ベスト更新を狙っています。

昨年、Moto2クラスで優勝しているステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、得意のコースに気合が入っています。雨になった第4戦フランスGPでは、ベストリザルトの5位でフィニッシュ。今大会も不安定な天候が予想されるだけに、ブラドルの活躍に注目が集まります。

CBR1000RRのエンジンを搭載するCRTマシンで出場するミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)も、3戦連続14位。3戦連続でポイントを獲得しています。Moto2クラスに参戦していた昨年は、3位初表彰台に立っているコース。相性のいいサーキットで今季ベストリザルトを狙っています。

激戦のMoto2クラスは、チャンピオンシップでも接戦となっています。総合首位のトーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)とマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)の差は2点。ポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)とアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)が、ルティから17点差で並びます。タイトル争いは、この上位4選手に絞られた印象ですが、5位以下も僅差で続いているために、これからの戦いに注目が集まります。日本人選手では、総合11位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)が初めて経験するサーキットとなるため、コース攻略のためにもドライコンディションに期待。昨年、雨のレースで7位でフィニッシュの高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は、今季初ポイント獲得に気合を入れています。

Moto3クラスも接戦が続いていますが、前戦カタルニアGPで今季2勝目を挙げたマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が、初の2連勝と今季3勝目に闘志を見せます。ビニャーレスは、昨年の125ccクラスでPPを獲得して決勝も表彰台争いに加わっていましたが、惜しくも転倒リタイアに終わりました。今季5戦を終えて総合2位。今大会は、昨年の雪辱と総合首位を狙う戦いになります。総合4位のロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)は初めて経験するサーキット。総合5位のルイス・ロッシ(Racing Team Germany)、総合6位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)の活躍にも注目されます。ルーキー藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)も初めてのサーキットに挑みます。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング2位) 「シルバーストーンをとても楽しみにしています。シルバーストーンは、とても楽しいサーキットです。昔の高速サーキットを今も走ることができたらいいのにと思います。今はコースが改修されて、新しくできたセクションは非常に狭い。それ以外は、すばらしいし、高速セクションは走っていてわくわくします。カタルニアGP後に行ったテストはポジティブな一歩となりました。でも完ぺきまではまだまだ遠い。チャタリングの解消に進展がありましたが、シルバーストーンでもそれがうまくいくかはどうかは分かりません。金曜日の走行を楽しみにしています。マシンのセットアップを進めるためにも、今回もドライになることを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位) 「昨年は、ケガの影響でシルバーストーンを走ることができませんでした。このサーキットに戻ってくることができてとてもうれしいです。カタルニアのテストでは、いろいろなセッティングに取り組みました。いくつか進展がありましたし、シルバーストーンでも前進できることを願っています。ここは高速で、切り返しが多い。低速、高速コーナーともに攻めの走りが必要になるし、そのためにもいいセットアップが必要です。イギリスの天気はいつも不安定ですが、今回は運が味方してくれることを願っています。そして、ドライコンディションになってほしいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位) 「カタルニアは、グリッドは悪かったのですが、スタートしてから何人かをパスすることができたし、表彰台に上がったライダーと同じペースで走ることができました。その点では、ポジティブなグランプリでした。予選とスタートがよくなれば、もっと前のグループで走れると思います。カタルニアGP後のテストはよかったし、シルバーストーンを楽しみにしています。マシンの感触はだいぶんよくなりました。これまで以上にコーナー進入に自信を持てるようになりました。このサーキットは長く、高速で、コースが広いのでとても好きです。もちろんすべては天気次第。イギリスは寒くてウエットになりやすいですからね。昨年とは全く違うマシンですが、いいレースができることを願っています。Honda RC213Vで今週末もポジティブな週末を楽しみたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位) 「シルバーストーンは僕にとって難しいサーキットになるでしょう。天気が不安定で、路面がとても変わりやすいですからね。昨年の大会では、Moto2で優勝しているし、基本的にコースは好きですが、今はまだマシンに慣れている段階。MotoGPマシンに早く自分のライディングスタイルを合わせたいです」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング15位) 「カタルニアのレースでは大きく前進することができました。トップのCRTのすぐ後ろでフィニッシュできましたからね。そのあとに行ったテストも楽しむことができました。シルバーストーンではうまく走れる自信があります。サーキットは好きです。ここまでの努力を結果につなげたいです。シルバーストーンでは、昨年Moto2で初めての表彰台に上がっています。今年もいいレースにしたいです」

トーマス・ルティ(Moto2 ランキング1位) 「シルバーストーンは独特ですが、好きなサーキットです。新しいサーキットで、自分の中にちゃんとしたデータがないので、今回はしっかりと走り込みたいです。とにかく、ドライになることを願っています。そうすればいいレースができると信じています」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング2位) 「シルバーストーンを走るのをとても楽しみにしています。シルバーストーンは好きなサーキット。125ccで優勝しているし、いい思い出があります。自分のライディングに合っているサーキットですが、天気がどうなるか様子を見たいです。ドライの週末になることを願っています。すべてのセッションが、同じようなコンディションになることを願っています。ル・マンの決勝で転倒してからトレーニングをすることができませんでしたが、今回から普通にトレーニングできるようになりました。いいレースにしたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング3位) 「カタルニアGPの決勝は転んでしまいました。コーナーでインからパスしようとしました。いいラインだったと思いますが、マルクがラインを閉めたので、結局クラッシュしてしまいました。足が腫れていますが、ベストコンディションで臨みたいです」

中上貴晶(Moto2 ランキング11位) 「シルバーストーンは、125cc時代に走っていないサーキットなので、今回が初めてです。ビデオなどでコースを知ろうとしたのですが、2010年と11年では、ピットビルの位置が変わり、スタートとゴール地点が変わっているので、よく分かりませんでした。決勝も雨だったので、あまり参考になりませんでした。とにかく、木曜日にしっかりコースの下見をして金曜日に臨みたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位) 「カタルニアGPで勝つことができたので、シルバーストーンに向けて気合も入っています。でもこのクラスで勝つのはいつも難しいです。母国で優勝したからといって、次も楽に勝てるとは言えません。今回のラウンドへ向けて、ライバルたちも十分に備えてくるでしょう。このサーキットは好きです。自分のライディングスタイルに合うレイアウトです。昨年初めてここでポールポジションを取りました。モチベーションは上がっていますが、しっかり落ち着いて戦いたいです」