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May 18/19/20 2012 MotoGP Monster Energy Grand Prix de France 第4戦 フランスGP

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フランスGPプレビュー

第4戦フランスGPが、5月18日から20日までの3日間、パリから南西約200kmに位置するル・マン・サーキットで開催されます。伝統あるフランスGPは1951年に第1回大会が行われ、今年で49回目を迎えます。ル・マンでは1969年に初めて開催されています。その後、ポールリカール、マニクールなどに舞台を移しますが、2000年にグランプリが復活、今年で13年連続、通算25回目のグランプリ開催となります。

フランスGPプレビュー

ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台として世界的に知られています。このレースは、一部市街地を利用するサルテ・サーキットが使われますが、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周、4.180kmのブガッティ・サーキットが舞台となります。

フランスGPは、2000年に復活してからは5月開催が定着しました。800cc時代の07年から09年までは、天候の変化により、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールが適用されるレースになっています。この時期のル・マンは、天候が変わりやすく、晴れると気温が高くなる一方、天候が崩れると気温が下がるという、選手やチームにとっては、コンディションの見極めが難しいレースになります。一昨年は快晴の中で行われましたが、昨年は時折り、小雨がぱらつく天候の中で行われました。

昨年の大会は、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、フリー、予選、決勝と完ぺきな走りを見せて、フランスGP初制覇を達成しました。今年も、第2戦スペインGP、第3戦ポルトガルGPとストーナーにとって初制覇を達成するレースが続いています。現在、総合首位。昨年のポルトガルGPから18戦連続表彰台記録が続いています。今大会は、ウインターテストから抱えているチャタリングが依然として解消せず、右腕の腕上がりという不安を抱えていますが、今季3勝目とフランスGP2連覇の期待が膨らみます。

ル・マンは、全体的に短いストレートとヘアピン、そしてシケインを組み合わせた典型的なストップ&ゴーサーキットで、こうしたレイアウトを得意とするダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、これまですばらしい成績を残してきました。125cc時代は03年に、250cc時代は04、05年と2年連続で優勝を達成しています。最高峰クラスでは、06年と09年の3位が最高位ですが、08年にマークしたタイムが、現在でもサーキットベストタイムとして残っています。昨年は、レース中の接触事故でリタイアに終わっています。今年は、ル・マンの3クラス制覇に闘志を燃やしています。

開幕戦カタールGPで7位、第2戦スペインGPと第3戦ポルトガルGPで連続6位のアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、着実にトップグループとの差を縮めてきました。ル・マンでは、さらにワンランク上を目指す戦いになります。ルーキーのステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、開幕戦から3戦連続でシングルフィニッシュ。開幕戦からこれまで、8位、7位、9位という結果を残してきましたが、リザルト以上の結果を残せる内容だけに、今大会はその成長ぶりに注目されます。

Moto2クラスは、3戦を終えて2勝、2位1回のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられています。昨年の大会では、Moto2クラスで初優勝を達成する思い出深いサーキットになりました。今年はフランスGP2連覇と、今季3勝目を狙う大会になります。

ル・マンは、シーズンを通じて最もタイムが接近するサーキット。昨年の大会の予選では、ポールポジションから1秒差以内に17台という大接戦となりました。今季総合2位で、マルケスと接戦を続けているポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)、総合3位のトーマス・ルティ(Interwetten Paddock)の走りにも注目されます。

日本人勢は、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が、第2戦スペインGPの5位をしのぐベストリザルトに闘志を燃やします。125cc時代の09年には、ベストリザルトとなる5位でフィニッシュしています。「トップグループで戦える自信がついた」と語るだけに、念願の初表彰台、初優勝の期待も膨らんでいます。昨年の大会で2位表彰台に立っている高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は、今年は開幕から3戦、まだ表彰台に立てないでいます。度重なるフレームの交換でなかなか結果を残せていませんが、ル・マンは得意とするコースだけに、巻き返しに期待されます。

Moto3クラスも大接戦となっています。3戦を終えて2度の表彰台に立ち、首位から2点差で総合2位につけるマーべリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)は、前戦ポルトガルGPでは最終ラップ、周回遅れが絡む混戦の中で優勝を逃しているだけに、その雪辱に燃えています。昨年の大会では、GP初表彰台が初優勝となるうれしいレースになりました。今年はル・マン2年連続制覇と、カタールGP以来となる2勝目に期待がふくらみます。ルーキーで第2戦スペインGPで優勝、注目を集めるロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)は、前戦ポルトガルGPでは痛恨の転倒リタイア。今大会は、その雪辱に挑みます。ルーキーの藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、初めてのコースが続いています。今大会も初体験のコースとなりますが、チームのホームGPとなるだけに、今季初ポイント獲得に挑みます。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位)「ここ2戦、過去にあまりいい成績を残したことがなかったサーキットで、優勝することができました。だからル・マンでも、優勝争いができるような走りができればと思っています。ル・マンでは、これまでいろんな思い出がありますが、昨年はポールポジションを獲得して優勝することができました。コースレイアウトはユニーク。ストップ&ゴーのレイアウトで、ハードブレーキングのポイントも多いです。今年はHondaとヤマハの戦いになると思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)「ル・マンはエストリルに似て難しいサーキットです。ストップ&ゴーのサーキットで、マシンの安定性がとても重要になります。トラクションをしっかりかけて加速することがポイントになります。過去のレースでは、快適に走ることができました。125ccと250ccではいい結果を出すことができました。でもMotoGPではあまりいい結果を残せていません。だから、いい結果を出したいと思っています。昨年は、レース中のファステストラップを出しましたが、ペースを維持できなかったので、今回はもっとよくしたいです。ここまでの3レースはまずまずで、うまく走っています。でもどのレースも何かが足りませんでした。今回は全体的によくして、すべてをうまくまとめたいです。そして、いいスタートが切れれば、勝てるようになるでしょう」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング6位)「前回のエストリルでやっとドライでレースができました。マシンのセットアップも進んで、いいリズムで走ることができました。決勝では、序盤にフロントタイヤの感触に苦しみましたが、徐々によくなりました。ル・マンは、天気を予測するのが難しいです。だから、今回も不安定な天候を覚悟しなければなりません。でも、ポルトガルで得たデータを生かし、また一歩前進したいです。そしてトップのライダーたちとのギャップを縮めたいです。残念ながらこのサーキットはあまり好きではありません。ル・マンは切り返しや短いストレートが多く、悪いことにグリップレベルが低いです。しかも、路面温度が低いので、125ccと250ccではここで表彰台に上がったことはありませんでした。でも今週末はいいレースをして、エストリルよりいい結果を残したいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング7位)「ル・マンも好きなサーキットです。昨年はMoto2のレースで3位を獲得しました。でも以前にも言ったように、MotoGPマシンは、すべてのサーキットでこれまでとはまるで違います。でも、今回は、いい結果を出せるんじゃないかという自信がかなりあります。そのためには、いいブレーキングができるようなセットアップを見つけなければなりません。ここは、速く走るために、フロントタイヤがとても重要になります。天気予報によると、今週末も雨になりそうです。だから集中していかなければなりません」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「ル・マンはエストリルに似たサーキットで、ストップ&ゴーのコーナーが多いです。どんなサーキットも難しいポイントはあるけれど、落ち着いてセットアップを進め、レースに向けて最良のセッティングを見つけたいです。これが最も重要なことです。昨シーズンはここで優勝したし、いい思い出があります。もちろん今年は厳しい戦いになると思います。しかし、今年もすべてうまくいくことを願っています。マシンはレースをこなすごとに快適になっています。ポルトガルで優勝したあとなので、モチベーションも高いです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「マシンの感触はとてもよく、いいレースができています。ただ毎戦、サーキットが変わるので、フランスGPがどうなるかは分かりません。接戦が続いているし、Moto2では結果を予想するのがとても難しいです。でもチャンピオンシップのためにもトップグループでフィニッシュしなければなりません。開幕戦から3レースで、3回表彰台に上がっています。今回は、今季2勝目に向けて全力を尽くしたいです」

トーマス・ルティ(Moto2 ランキング3位)「とてもいいシーズンの序盤です。ここまで2回の表彰台に立っているし、とても満足しています。ポルトガルは、かなりいいレースでした。長い間レースをリードしていました。とてもいいフィーリングでした。だからル・マンが楽しみです。もっとペースを上げて、この先もっと強くなれると思います」

中上貴晶(Moto2 ランキング12位)「ル・マンは125cc時代にベストリザルトを残せたサーキットで、苦手意識もないので、すごく楽しみにしています。前戦ポルトガルはシフトのトラブルがあって、結果を残せませんでした。原因はクラッチに問題があった可能性が高いのですが、もしそうだとすると前日に転倒した影響かもしれません。でも、原因がはっきりしないので、今回の初日はしっかりと問題を解決したいです。開幕から3戦戦ってきて、トップグループで走れる自信がついたし、それを現実のものにしたいです。ル・マンはシーズンを通して、最もタイムが接近するサーキットの1つなので、予選でしっかりいいポジションを獲得して決勝に挑みたいです」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「開幕戦から厳しいレースが続いています。ウインターテストから、何回かフレームを交換してセットアップが進まず、そういう状態で決勝を迎えているためです。今回から12年型のスッターの新品が入る予定なので、それにかけたいです。とにかく、レースを戦えるベースのセッティングを出すのが先決で、セッティングはそれからになります。この3戦は、レースの組み立てが全くできませんでした。ル・マンは、昨年2位になったサーキット。新品のフレームが入ったとしても、いきなり表彰台争いは難しいと思いますが、これまでと違うレースにしたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「ここは昨年優勝しているし、とても好きなサーキットです。ル・マンは僕にとって相性がいいし、自分のスタイルに合っています。ハードブレーキングと速い加速があります。Hondaも僕たちも、ここから一生懸命がんばらなければならないと思います。総合ポイントで2位。トップと2点差でル・マンに行くことができるのでうれしい。カタールGPで優勝したようなレースをしたいです」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング4位)「ル・マンでは初めてのレースとなります。ル・マンは伝統あるサーキット、そのサーキットでレースを戦うのがとても楽しみです。前回のエストリルは、転倒リタイアに終わりました。ポルトガルGPの雪辱を今回は果たしたいです」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング6位)「チームはすばらしい仕事をしてくれているので、引き続きがんばらなければなりません。ル・マンに着いたら、できるだけ早くセットアップを進めなければなりません。このサーキットは初めてなので、ゲームで研究しました。サーキットに着いたら、チームスタッフにいろいろアドバイスしてもらってコースの攻略をしたいです」

ミゲル・オリベイラ(Moto3 ランキング14位)「ル・マンは好きなサーキット。速くてテクニカルです。ここ2戦は完走することができませんでしたが、ポイントを獲得することが目標なので、ル・マンを走るのが楽しみです。このサーキットでレースをするのは2度目。昨年はいいタイムを出すことができて快適でした。ポイントも獲得できました。今年は攻める走りがしたいです」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「前回のポルトガルGPは、電気系に問題があって、予選までエンジンがちゃんと回っていませんでした。トラブルは、スペインGPで転倒したのが原因でしたが、決勝は解決してよくなりました。今回はチームのホームGPなので、みんな気合が入っています。ここまで3戦ノーポイントなので、今回は、初日からきっちりとセッティングしていきたいです」