round 03

May 4/5/6 2012 MotoGP Grande Premio de Portugal Circuito Estoril 第3戦 ポルトガルGP

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ポルトガルGPプレビュー


第2戦スペインGPから2週連続開催となる第3戦ポルトガルGPが、5月4日から6日までの3日間、リスボン近郊のエストリル・サーキットで開催されます。エストリルは、一周4.182km。第2戦スペインGPが開催されたヘレス・サーキットは、中速コーナーが連続してリズミカルな走りが要求されますが、対照的にエストリルは、ロングストレートとバラエティに富んだコーナーの組み合わせで、メリハリのある走りが求められます。約1kmのロングストレートでは800cc時代に約325km/hの最高速を記録しています。1000ccになった今年は330km/hを超える最高速が記録されることが予想されます。

ポルトガルGPプレビュー

サーキットにつめかけた観衆は、メインストレートでは、グランプリ最高峰クラスのマシンにふさわしいスピードを堪能することになります。しかし、最もスピードの落ちるヘアピンでは、50km/台のスローコーナーが待ち受けており、シーズンを通じて、最も速度差のあるサーキットレイアウトになっています。また、エストリルは右コーナーが続き、左側のタイヤの温度が上がりにくくライダーたちを悩ませます。そのためブリヂストンは、右側のコンパウンドに比べて左側にソフトなコンパウンドを組み合わせる左右非対称のタイヤを投入しています。

前戦スペインGPで今季初優勝を達成したディフェンディングチャンピオンのケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、250cc時代の2005年に優勝していますが、最高峰クラスではまだ優勝経験がありません。昨年の大会は、3日間ともに不安定な天候となり、予選ではシーズンを通じて唯一フロントローを逃すという悔しい大会でした。決勝では3位表彰台に立っていますが、今年は、スペインGP初制覇を達成した勢いで、ポルトガルGPでも最高峰クラス初制覇に闘志を燃やしています。

ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、昨年の大会ではポルトガルGP初制覇を達成しました。ペドロサは、07年、08年に2位、09年に3位と表彰台に立ってきましたが、125ccクラス、250ccクラスを通じてエストリルでは初めての優勝となり、喜びを爆発させていました。昨年はシーズン序盤に左肩の鎖骨の手術を行い、この大会から本来の調子に戻っていました。今年は体調も万全で、開幕戦カタールGPで2位、第2戦スペインGPで3位と、着実に表彰台に立ってきました。今大会は2年連続のポルトガルGP制覇を狙います。

Team San Carlo Honda Gresiniで着実にリザルトを上げているアルバロ・バウティスタは、前戦スペインGPの6位をしのぐベストリザルトに気合を入れています。125cc、250cc時代には3度の優勝を経験、それだけに今大会の走りに注目されます。ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、10年、11年とMoto2クラスで2年連続で優勝しているサーキット。開幕戦から8位、7位とリザルトを上げてきているルーキーも、今大会はベストリザルトに闘志を燃やしています。

激戦が続くMoto2クラスは、今大会も予測のつかない厳しい戦いが待ち受けています。前戦スペインGPでMoto2クラス初優勝を達成したポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)は、125cc時代の09年に優勝を経験、得意とするサーキットで2戦連続優勝に闘志を燃やしています。そのエスパルガロとスペインGPでバトルを繰り広げ、降雨赤旗中断のために悔しい2位に終わっているマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)は、10年に125ccクラスで優勝しています。開幕戦から優勝、2位と好調なマルケスが今季2勝目を狙っています。総合3位につけるトーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)も得意とするサーキットだけに、スペインGP同様のバトルが繰り広げられることになりそうです。

日本人勢は、高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)が昨年3位になっているサーキット。今年はここまでポイント獲得がないだけに気合が入っています。前戦スペインGPでキャリア初のフロントロー2番手を獲得、決勝で5位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)も、今大会は、初表彰台を狙います。

Moto2クラス同様、Moto3クラスも激戦が続いています。その中でHonda勢が開幕から2連勝を達成。開幕戦カタールGPで優勝のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)と、前戦スペインGPで優勝のロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)の活躍に期待されます。また、ホーム大会を迎えるミゲル・オリベイラ(Estrella Galicia 0,0)、チームメートで前戦4位のアレックス・リンスとマルク・マルケスの弟のアレックス・マルケスの走りにも注目です。スペインGPで転倒リタイアとなるも、調子を上げている藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、初めてのサーキットに挑みます。

ポルトガルGPは、この数年、不運なことに、雨の多い不安定な天候の中で開催されてきました。大西洋に面し、天気が変わりやすく強風が吹き荒れることでも知られるサーキットですが、毎年、エキサイティングな戦いが繰り広げられます。ウエットコンディションになればスリッピーな路面との格闘になります。ポルトガルGPでは、天候をいかに攻略するかが、勝敗のカギを握ります。1972年に完成したサーキット。00年からグランプリが開催されて今年で13回目の開催となります。来年以降の開催が未定となっているエストリルですが、2週連続開催となるポルトガルGPで、Honda勢は2戦連続3クラス制覇に挑みます。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング2位)「スペインGPが終わり、スイスの家に飛んで戻りました。今週末はポルトガルGPがあります。ヘレスで優勝することができたし、エストリルへ向かうのがすごく楽しみです。ここ2レースは、いいペースを見せることができたので、この流れをキープしたいです。しかし、開幕戦から課題になっている腕上がりを直さなければなりません。ヘレスの前に直すことができなかったのは残念です。過去にエストリルでは、いい結果を残してきました。250ccの初優勝もここだったので、またいい結果を残したいです。週末がいい天気になればうれしいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)「最初の2つのレースのパフォーマンスには満足しています。でもまだ完ぺきではありませんが、結果は悪くなかったです。だからエストリルではもっとがんばります。昨シーズンはエストリルで初めて優勝しました。ロングコーナーとハードブレーキングを必要とするので、セットアップが重要です。1000ccのRC213Vでこのサーキットを走るのは初めてなので、セットアップに集中したいです。エストリルではグリッドがとても重要です。カタールやヘレスの時のように一生懸命仕事をしていかなければなりません。とくにエストリルは、今年が最後の大会になるかもしれないので、いい天気になってほしいですね。グランドスタンドには日曜日のヘレスのようにスペインのファンがたくさん来ることを願っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング6位)「ヘレスは天気が悪く、プラクティスで転倒もしたこともあって、難しいレースになりました。でも決勝では、次につながる結果を出すことができました。ここでは、125ccで1度、250ccで2度優勝しているけれど、それほど得意ではありません。このサーキットでもう少し自信をつけたいです。このサーキットはハードブレーキングが必要ですが、グリップレベルがあまりよくないので難しいです。でもこれまでは運があったし、今回もいい結果を残したいです。決勝まで着実にセットアップを進めたいです。そして、決勝で思いきり攻める走りがしたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位)「ポルトガルGPをとても楽しみにしていました。MotoGPマシンには、とても小さいサーキットに感じられると思うし、難しいでしょう。でも、この2年、Moto2で優勝しているので、ここを走るのを楽しみにしていました。サーキットは大好きです。サーキット周辺の環境も好きなのでいい週末にしたいです」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ノーポイント)「ヘレスでポイント獲得を狙っていましたが、できませんでした。残り数周になったところで、電子制御に問題が出て、夢は途絶えてしまいました。残念です。エストリルでも引き続き、がんばります。昨年Moto2クラスでは、予選で2列目を獲得しました。サーキットのレイアウトは好きです。マシンとの相性がいいことを願っています。モチベーションは高いです。サーキットでそのポテンシャルを見せたいです」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「カタールで優勝し、ヘレスで2位になれたので、ポルトガルGPに向けてモチベーションは高いです。つい数日前にヘレスのレースがあったばかりなので、今はとてもいい気分です。ここはとても特殊なサーキットなので、集中していきたいです。昨年、ここでとてもポジティブなテストができました。レースに向けていくつか役に立つデータもあります。またマシンに乗るのがとても楽しみです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「エストリルはとても好きなサーキットです。このサーキットのMoto2のレベルはとても高いので、厳しいレースになるでしょう。このサーキットは好きです。ここで初めて表彰台に上がっています。ベストを尽くします」

トーマス・ルティ(Moto2 ランキング3位)「カタールの後、表彰台に戻って来ることができてよかったです。チームはとてもいい仕事をしてくれたので、エストリルをみんな楽しみにしています。優勝争いができるでしょう。サーキットは好きです。ヘレスよりいいコンディションになることを願っています。そしてエストリルでも、いいレースができるよう、全力を尽くしたいです」

中上貴晶(Moto2 ランキグン8位)「スペインGPでは、初めてのフロントローを経験し、初めてトップグループが見える位置でレースを戦えました。リザルトは、125cc時代の自己ベストタイの5位でしたが、全然内容の違うレースでした。エストリルは、125cc時代にどんなレースをしたのか、あまり記憶がありません。もちろん、Moto2では初めて走るサーキットなので、初心に帰って、初日からセットアップに集中します。ヘレスでは、赤旗中断にならなければ表彰台争いができたと思います。今回はトップグループで戦いたいです」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「開幕から2戦連続ノーポイント。完走してこんなに悪い成績が続いているのは、自分の記憶でもあまりありません。とにかく、マシンの状態を少しでもよくして、決勝に挑みたいです」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング1位)「今シーズンは、信じられないくらいいいです。なんと言ったらいいのか分かりません。カタールでもそうでしたが、チームは初めてのサーキットでも僕を助けてくれるし、とてもいい仕事をしてくれます。エストリルは初めてですが、レイアウトなどは家で勉強してきました。ベストを尽くしたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「エストリルは好きなサーキットです。昨年は初めてのシーズンで4位とすばらしい結果を出しました。今回はベストを尽くせるように100%でなければなりません。ヘレスを6位で終えたので気持ちを入れ替えてモチベーションを維持したいです。2週連続のレースなので、すぐにヘレスの難しいレースのことを忘れられます。ポルトガルラウンドがとても楽しみです」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「初めてのサーキットなので、まずコースをしっかり攻略したいです。ここからは、初めてのサーキットが続きます。走り慣れているヘレスでも厳しいレースでした。ここから先はもっと厳しくなると思うし、とにかく、セッションごとに前進していきたいです」