2011年第17戦としてセパン・サーキットで行われたマレーシアGPにおいて、チーム・サン・カルロ・ホンダ・グレッシーニのマルコ・シモンチェリ選手が第2ラップで発生した事故により逝去されました。享年24歳でした。
4番手走行中の2ラップ目、シモンチェリ選手は転倒、後続車と接触しました。事故後、レースはすぐに赤旗中断となり、その後中止が発表されました。現場にはメディカルスタッフがただちに駆けつけ、シモンチェリ選手はサーキットのメディカルセンターへ搬送されましたが、現地時間16時56分に死亡が確認されました。
マルコ・シモンチェリ選手のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
鈴木哲夫 HRC社長「本日起きてしまった悲しい事故で、飽くなきチャレンジングスピリットにあふれ、輝かしい未来を嘱望された若く優秀なライダーを失ってしまったことは、本当に残念で仕方ありません。彼のどこまでも妥協を許さないアグレッシブな走りを、世界中のファンはきっといつまでも忘れないことでしょう。マルコ・シモンチェリ選手並びにご家族に対し、私たちHRCのスタッフ全員は、 謹んで哀悼の意を表します」
中本修平 HRC副社長兼HRCチーム代表 「何と言っていいか分かりません。マルコはとてもいい男であると同時に才能豊かなライダーでした。彼に対しては、時に厳しく接したこともあります。ブルノで初めて表彰台に上った際『運が良かったね』と声をかけると、彼がとても怒ったのを覚えています。私は、もっといい走りができると信じていたので、モチベーションを上げようとしたのです。彼が優勝したときには、2人で喜び合うことができると思っていたのですが……。今はマルコにありがとうと伝えたいです。彼はたくさんのものを私にくれました。そして、今悲しみの中にいる彼のご家族に哀悼の意を捧げます」
生年月日:1987年1月20日
国籍:イタリア
世界選手権における戦績(2002〜2011年) 世界選手権デビュー戦:2002年チェコGP(125ccクラス)
チャンピオン:1回(2008年250ccクラス)
優勝:14回
ポールポジション:15回
シモンチェリ選手の略歴 1996年から2000年にかけて地元イタリアのミニバイク選手権で活躍し、2年連続のチャンピオンに輝きます。01年にイタリア選手権125ccクラスのホンダ・トロフィーに参戦。翌02年には、欧州選手権の125ccタイトルを獲得するとともに、ロードレース世界選手権(WGP)にも出場。03年からWGPにフル参戦を開始し、05年には125ccで総合5位と躍進すると、翌年から250ccにステップアップを果たしました。08年には250ccのタイトルを獲得し、09年は、最終戦までライバル青山博一選手とタイトル争いを繰り広げ、総合3位となりました。2010年に最高峰のMotoGPにステップアップ。参戦2年目の2011年、第17戦マレーシアGP決勝レースにおけるアクシデントで負傷し、サーキットのメディカルセンターで救命処置が行われましたが同日逝去されました。享年24歳。