round 17

October 21/22/23 2011 MotoGP Shell Advance Malaysian Motorcycle Grand Prix 第17戦 マレーシアGP

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マレーシアGPプレビュー

第16戦オーストラリアGPからの連戦となる第17戦マレーシアGPが、10月21日から23日までの3日間、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開催されます。マレーシアGPは1991年にシャーアラムでスタートして今年で21回目。99年にセパンに会場が移ってからは、今年で13回目の開催となります。熱帯気候のマレーシアは、一年中気候が安定しているため、セパンはウインターテストの会場として定着しました。そのため、各チームにとってもシーズンを通じてもっともデータの豊富なグランプリ。初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。

マレーシアGPプレビュー

前戦オーストラリアGPでは、今季9勝目を挙げたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がタイトルを獲得しました。2位にマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)、3位にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)と今季2度目の表彰台独占も果たし、最高峰クラス18回目(全クラス通算60回目)のコンストラクターズタイトルも獲得しました。今大会は、チームタイトル獲得をかけた戦いになります。

マレーシアGPは、2008年ごろまでは3万人から4万人の観客数となっていましたが、地元ライダーがワイルドカードで出場するようになった09年以降は、着実に観客が増え、昨年は6万2141人というマレーシアGP史上最高の観客を集めました。シーズン終盤戦の大会としてすっかり定着。チャンピオン決定戦となることも多く、今大会も、Moto2クラス、125ccクラスでタイトル争いが決着を迎える可能性があり、大きな注目を集めています。

前戦オーストラリアGPでキャリア2度目のタイトルを獲得したストーナーは、今年2月のウインターテストで最速ラップを刻み、すばらしい走り見せています。セパンとの相性もよく、250cc時代は04年と05年に優勝、MotoGPクラスでは、07年と09年に優勝。今年はMotoGPクラスで3度目の優勝を狙います。

前戦オーストラリアGPで念願のタイトルを獲得したストーナーは、タイトル争いのプレッシャーから解放されました。「ラスト2戦はレースを楽しみたい」と語っているだけに、伸び伸びとした走りが見られることは間違いありません。今大会はシーズン10勝目を狙う戦い。予選では、ミック・ドゥーハンが持つシーズン12回の最多PP記録が目標になります。

前戦オーストラリアGPで2位争いに加わるも、レース終盤に降った雨の影響で4位に終わったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、その雪辱と今季4勝目に闘志を燃やしています。セパンでは、125ccと250ccで優勝していますが、最高峰クラスでは、2位が2回、3位が2回と、これまで優勝のないサーキット。「大好きなサーキット」と語るだけに、今大会は最高峰クラス初のマレーシアGP制覇に闘志を燃やしています。

ドヴィツィオーゾもセパンを得意としています。最高峰クラスにスイッチした08年には、セパンでの初表彰台を獲得、Repsol Honda Teamに移籍した09年も表彰台争いを繰り広げましたが、レース中にスコール(熱帯特有のにわか雨)となる大荒れの戦いとなり、転倒リタイアと悔しいレースに終わっています。その雪辱に挑んだ昨年は、優勝争いを繰り広げて2位。今年はマレーシアGP初制覇に闘志を燃やしています。

総合3位のドヴィツィオーゾと総合4位のペドロサの差はわずか4点。チームメート同士のランキング争いがし烈となっていますが、今大会はRepsol Honda Teamの表彰台独占が期待されています。

前戦オーストラリアGPで今季2度目の表彰台に立ったシモンチェリも、MotoGPクラス初優勝に気合いを入れています。ウインターテストではすばらしい走りで、Repsol Honda Teamの3人とともにトップタイム争いを繰り広げました。セパンは、08年に250ccクラスのタイトルを決めた思い出深いサーキット。勢いに乗るシモンチェリは、「MotoGPクラス初優勝を狙ってみたい」と気合満点。大きな注目が集まっています。

青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)も、セパンでは250cc時代に2度の優勝を経験。MotoGPクラスにスイッチした昨年も、シーズンベストリザルトとなる7位でフィニッシュしました。来季はスーパーバイク世界選手権に戦いの舞台を移すことが決まっています。MotoGPクラスで戦うのもあと2戦。気合いの入った走りが期待されます。

昨年、マレーシアGPでMoto2クラスのタイトルを決めたトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も、思い出深いサーキットで今季ベストリザルトに闘志を燃やしています。前戦オーストラリアGPでは、今季ベストリザルトの8位でフィニッシュ。今大会はさらに上位を狙います。

Moto2クラスは、総合首位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)と総合2位のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)のタイトル争いに大きな注目が集まっています。2戦を残し、2人の差は3点。今大会、計算上では、ブラドルにタイトル決定の可能性があります。しかし、一進一退の戦いを繰り広げてきた2人だけに最終戦までもつれ込む可能性は高く、2人の戦いに世界中が注目することになります。高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)も残り2戦で今季初優勝を狙っています。

125ccクラスは、総合首位のニコラス・テロール(アプリリア)と総合2位のヨハン・ザルコ(デルビ)の一騎打ち。25点差で首位に立つテロールは、ザルコに先着すればチャンピオンが決定します。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP シリーズチャンピオン)「フィリップアイランドでタイトルを決めることができたので、プレッシャーから解放されてマレーシアへ向かうことができます。これからの2戦は、レースを楽しみたいと思います。しかし、ホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)が出場できないというのを聞いて、とても残念な思いです。手術がうまくいって、レースに出られることを願っていましたが、今回も彼のいないレースになってしまいました。セパンは、ウインターテストでいい走りができているので、とても楽しみにしています。そして、翌月曜日には1000ccのマシンのテストがあります。これも楽しみですね。チャンピオンシップが決まったので、来年のマシン開発に集中できます。今週もみんなの期待に応えたいです」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位)「マレーシアGPが行われるセパンは大好きなサーキットの1つです。だから100%の力を出して、優勝したいです。オーストラリアのレースを終えて、モチベーションは高いです。あのサーキットは、僕にとっていつも難しいところでした。そのサーキットで表彰台に立てたので、とてもうれしかったです。残り2戦は、自分にとって、とても大事なレースになります。ダニや他のライダーに勝つのが難しいのは分かっているけれど、チャンピオンシップ3位のポジションをキープしたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位)「オーストラリアGPを終えて、数日リラックスできました。マレーシアに行くのを楽しみにしています。セパンは好きなサーキットで、これまで、いい結果を残してきました。125ccと250ccで優勝しています。MotoGPではまだ勝ったことがないので、ぜひ、優勝したいです。これは自分にはとって、とてもいいモチベーションになっています。セパンのウインターテストは、とてもよかったです。データもあるし、いいレースができると思います。これから2戦、ベストを尽くしてシーズンを終えたいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング6位)「フィリップアイランドのレースを終えて、とても気分がいいです。いいグランプリでした。ドヴィツィオーゾとすばらしい戦いをして、2位でフィニッシュしましたからね。レース中はずっと2位を走っていたし、アンドレアにはどうしても負けたくありませんでした。250cc時代は、2度表彰台に立っているけれど、セパンでは勝てませんでした。この数戦、いい走りができるようになりました。勢いもあるし、今週はいいレースができると思います。今回も表彰台争いをしたいです。そして、できることなら一番上に立ちたいですね。マレーシアでは250cc時代にチャンピオンを決めています。今年は優勝を目標にがんばります」

青山博一(MotoGP ランキング10位)「オーストラリアGPは、初日からまずまず順調でした。しかし、天候が不安定で、力を出しきれませんでした。土曜日には大きな転倒もありました。そして日曜日の決勝でも雨の影響で転倒してしまいました。残り3戦、全力でがんばると決意していたので残念でした。MotoGPクラスを走るのは、今年が最後のシーズンとなります。残り2戦。悔いのないレースがしたいです。セパンでは250cc時代に2度優勝しています。MotoGPでは昨年7位でした。大好きなサーキットなので、みんなに喜んでもらえるようなリザルトを残したいです」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位)「フィリップアイランドでは、カタルニアGPのセットアップに戻しました。それがすごくよかったです。今回もマルケスに対してリードを広げられるチャンスだと思っています。オーストラリアは優勝を逃して残念でした。マルケスも、5番手くらいまでしか追い上げてこられないだろうと思っていたら、彼はすばらしいスピードで追い上げてきました。僕は優勝に向けて全力を尽くしました。優勝できなかったけれど、残り2戦に向けてチャンピオンシップを再びリードできました。マルケスは、もてぎとフィリップアイランドで優勝を逃しているけれど、中盤以降のレースは見事としか言いようがありません。自分にとっては、もう失うものは無いし、攻めの走りをするだけです。すばらしいチームといいマシンがあります。そしてもう1年、このチームでMoto2を戦うことになったのでプレッシャーは少なくなりました」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング2位)「オーストラリアGPは、いろんなことがあったが、3点差の総合2位でマレーシアGPを迎えられることがうれしいです。125cc時代のセパンは、フィーリングもよくて優勝することができました。だからMoto2でもいいレースができることを願っています。セパンは体力的に厳しいサーキット。オーストラリアの転倒でまだ少しあざがあって痛みがありますが、決勝に向けて100%の体調になることを願っています。セパンは最後に長いストレートがあるので、エンジンのセットアップがとても重要になります。あとは、スコールもあるので、それにも注意しなければなりません。残り2戦。ベストを尽くしたいです」

アレックス・デ・アンジェリス(Moto2 ランキング4位)「オーストラリアGPの目標は、レースに勝つことでした。それを達成することができたので、すごくうれしかったです。次の目標は、チャンピオンシップで自分の前にいるイアンノーネを抜くことです。8点差なので、残り2戦で逆転したいです。シーズン序盤の彼は非常に速かったし、終盤になって、また調子を上げています。セパンで彼の前を走るのは厳しいと思います。しかし、オーストラリアGPのように最後まであきらめず、全力を投入したいです」

高橋裕紀(Moto2 ランキング8位)「ニューシャシーになって3戦、確実にマシンのいいところを引き出せるようになってきました。オーストラリアGPが開催されたフィリップアイランドは、これまで苦手にしてきたサーキットでしたが、今年はフロントローに並べました。決勝では序盤にペースを上げられずポジションを落としたのが最後まで影響しました。フルタンクのときのブレーキングで安定しなかったのが原因でしたが、セパンはよりハードブレーキングのポイントが多いので、その部分をしっかりとセットアップして挑みたいです。シーズンも残り2戦。チームはもちろんのこと、応援してくれてる人たちが喜んでくれるリザルトを残したいです」