round 16

October 14 2011 MotoGP Iveco Australian Grand Prix 第16戦 オーストラリアGP

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オーストラリアGPプレビュー

第16戦オーストラリアGPが、10月14日から16日までの3日間、フィリップアイランド・サーキットで開催されます。フィリップアイランド・サーキットは、メルボルン市内から約150km、クルマで約2時間の距離にあります。サーキットがあるフィリップ島は、東西15km、南北5kmの小さな島で、オーストラリア大陸とは橋でつながっています。島内にはコアラやペンギンの保護区があり、メルボルン近郊の観光スポットとして知られています。

オーストラリアGPプレビュー

サーキットは、一周4.448km。高速コーナーが続くハイスピードサーキットで、毎年、し烈なバトルが繰り広げられファンを魅了しています。オーストラリアGPは今年で23回目。フィリップアイランドでは、今年で15年連続(通算17回目)の開催となります。

今年はここまで今季8勝を挙げて総合首位のケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、ホームGPをタイトル王手で迎えました。3戦を残し総合2位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)と40点差。今大会、10点以上のリードを築いてフィニッシュすればタイトルが決まります。ストーナーは、ホームGPでは過去3年連続でPPを獲得、4年連続で優勝していますが、今大会で優勝すれば、07年からスタートした800cc時代の最高峰クラスでただひとり、同一サーキットで5年連続優勝という記録を達成することになります。

前戦日本GPでは、トップを快走しながら、路面のギャップに乗り上げた際の衝撃でディスクブレーキのパッドが開き、そのためコーナーで止まりきれずコースアウトというハプニングに見舞われました。そのため7番手まで順位を落とし、その後、追い上げて3位でフィニッシュするという悔しいレースでした。今大会はその雪辱を果たし、タイトル決定に全力を注ぐことになります。

前戦日本GPで今季3勝目を達成したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も、今季4勝目に闘志を燃やしています。昨年の大会は左鎖骨骨折の影響で、初日のフリー走行を走るも、予選と決勝を欠場する悔しい大会になっていました。今シーズンもケガに苦しむ一年になりましたが、今年は万全の体調で挑むことができます。250cc時代の05年にフィリップアイランドで優勝しているペドロサ。最高峰クラスでも初優勝を狙います。

そのペドロサに1点のリードをつけて総合3位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)も、ここから3戦、総合3位をキープするために全力を注ぎます。フィリップアイランドでは、125ccクラスに出場した04年に優勝、250ccでは07年に3位表彰台に立っています。前戦日本GPでは、ジャンプスタートのペナルティがなければ今季初優勝、今季6回目の表彰台の可能性もあっただけに、その悔しさをぶつける大会になります。

マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も、前戦日本GPでは、ドヴィツィオーゾとともにジャンプスタートのペナルティで表彰台を逃しました。フィリップアイランドは、シモンチェリにとっては、シーズンを通じて最も得意とするサーキットの1つ。250cc時代には2度の優勝。最高峰クラスにデビューした昨年は、予選4番手、決勝6位とルーキーとしてはすばらしい走りを披露しました。大きく成長した今年は、今季2回目の表彰台と初優勝に挑みます。

チームメートの青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)も、シーズン終盤戦を迎えて闘志を燃やしています。ホームGPとなった前戦日本GPでは決勝11位と悔しい結果に終わっています。今大会はシングルフィニッシュはもちろん、今季ベストリザルトのスペインGPの4位を目標に全力を注ぎます。前戦日本GPで、転倒するも好パフォーマンスを見せたトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も上り調子で今季ベストリザルトを狙います。

また、今大会、Honda勢が3位以内でフィニッシュすれば、Hondaの18回目のコンストラクターズタイトルが決まります。

Moto2クラスは、前戦日本GPで総合首位に浮上したマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)と1点差で追うステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)の2人にタイトル争いは絞られています。シーズン中盤からシーズン7勝と猛列に追い上げたマルケスと、シーズン序盤に4勝を挙げてチャンピオンシップをリードするも、中盤戦に入って苦しい戦いを続けたブラドル。しかし、ここから先は、2人の一騎打ちとなるだけに、ミスの許されない2人の対決に大きな注目が集まっています。

さらに、後半戦に入って調子を上げているアンドレア・イアンノーネ(Speed Mater)、トーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2)も優勝争いに加わることは必至で、さらに、終盤3戦の巻き返しに燃える高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)の走りにも期待が集まっています。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位) 「毎年フィリップアイランドを楽しみにしています。ムジェロやブルノ同様に、本当に楽しいサーキットですからね。今年はどこのサーキットでもそうでしたが、Hondaで走ることを楽しみにしてきました。今年もこうして、オーストラリアに戻って来られて本当にうれしいです。ここは頻繁に来るサーキットではないですが、雰囲気は最高だしファンの声援もすばらしいです。今週はファンの期待に応えられるように、いいレースがしたいです。前回の日本GPの結果にはとてもがっかりしています。日本で優勝を果たせなかったので、今回はなんとしても優勝したいです。ここまでのところ、すばらしいシーズンになっているので、ホームグランプリでも優勝したいです。長く厳しい週末になると思います。そしてタイトルを獲得するためには、やらなければいけないことがたくさあります。開幕を待ちきれない気持ちです」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位) 「フィリップアイランドは素敵なサーキットです。昨年は表彰台に立てると思ったのですが、テクニカルな問題が発生してリタイアしています。だから、今年の目標は表彰台に立って、チャンピオンシップ3位をキープすることです。フィリップアイランドは、不安定な天候が大きな問題になります。強い風と雨、そして低い気温によってレースは難しくなります。そして、アグレッシブなライディングスタイルと、スライドしながらマシンを切り返す走りが要求されますし、とてもエキサイティングなサーキットです。たくさんの熱狂的なファンの中でレースができるのは、とてもうれしいです。2002年のGPデビュー以来、ずっとHondaでレースをしてきましたが、来年は新しいチャレンジに挑むことを決めました。でもそれは来年の話なので、今は残りのレースに集中したいです。Honda、チーム、そしてすべてのファンのためにすばらしいリザルトを残したいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位) 「フィリップアイランドへ向かうのが楽しみで仕方がありません。サーキットはとてもすばらしいです。高速コーナーがたくさんあり、スライドも激しいので、タイヤはとても大きな役割を持ちます。特に左側が消耗するので、耐久性がとても重要になります。昨年は、日本GPで骨折した鎖骨の手術をしてオーストラリアで復帰しましたが、プラクティスを走ってみて、レースに出場するのはとても不可能だと思いました。欠場するという判断は受け入れがたいものでした。そして帰国することになったのですが、それはとてもつらい経験でした。今年は普通のコンディションでレースができるし、それがうれしいです。いい結果を残して、次のマレーシアに向かいたいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング8位) 「もてぎでは、ジャンプスタートというにがい経験をしました。しかし、レースを終えたあと、来年の1000ccマシンのテストをする機会があり、すばらしい経験になりました。50ラップしましたが、とても楽しくて、5速でも6速でもウイリーすることに驚きました。そのあと、フィリピンのボラカイ島で休暇を過ごしました。リラックスできたし、この間に、自分のウェブサイト(www.58marcosimoncelli.it)を立ち上げることもできました。モチベーションは上がっています。フィリップアイランドで戦う準備はできています。250cc時代に優勝したサーキットで同じように戦えることを、もてぎで実感しました。フィリップアイランドでもいいレースをする自信があります。日本GPの雪辱を果たしたいです」

青山博一(MotoGP ランキング10位) 「ホームGPとなったもてぎでは、いいレースをしようとベストを尽くしました。しかし、序盤に思うようにグリップしなくてペースを上げられず、後半もグリップに苦しんでペースを落としてしまいました。後半戦に入って、身体の状態もよく、調子も上がっていただけに本当に残念でした。フィリップアイランドは、大好きなサーキットです。しかし、天候が不安定なのが心配です。今年は気温が低いレースはあまりいいパフォーマンスを発揮できていないので、寒くならないことを願っています。今シーズンも残り3戦。自分のパフォーマンスをしっかり発揮できるようにベストを尽くしたいです」

トニ・エリアス(MotoGP ランキング15位) 「フィリップアイランドはすばらしいサーキットです。トラクションがかかるサーキットなので、走っていていつも楽しいです。今年は、このトラクション不足に苦しんできました。もてぎでは、この問題が少し解消されて、レース終盤まで6番手を走ることができました。しかし、バンプに乗り上げて転倒してしまうという残念な結果に終わったけれど、自分やチームにとってはポジティブなレース内容でした。フィリップアイランドでも、日本GPのようなスピードが出せたらうれしいです」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位) 「オーストラリアGPは大好きなグランプリで、フィリップアイランドは最も好きなサーキットの1つです。少なくとも125ccではいい結果を残すことができました。Moto2でも、そういうレースができたらうれしいです。最終コーナーはとてもスピードが速いので、そこをMoto2で走ったらどんな感じになるのか、とても楽しみにしています。今大会はチャンピオンシップリーダーとして戦うことになりますが、だからといっていままでと何も変わりません。ここは天気に注意しなければなりません。寒いし、常に雨のリスクがあります。さらに風には慎重にならなければいけません。どんな状態になってもいい走りができるように準備したいです」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング2位) 「昨年の大会は5位。表彰台には立てなかったけれど、予選は3番手だったし、それほど悪くはありませんでした。ここからはマルケスとの戦いになります。自分にはもう失うものはありません。チャンピオンシップ2位はもう決まっているし、残り3戦の戦略はただ勝つことだけを目標に走りたいです。ここ数戦はベストな状態ではありませんでした。ザクセンリンクのセットアップに戻して戦おうと思っています。マルケスはとても強いライダーですが、チャンピオンシップをリードすることになったが彼が、プレッシャーとどう戦っていくのか見てみたいです」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位) 「ここは好きなサーキットです。昨年は少し苦しんだけれど、優勝争いに加わって3位表彰台に立つことができました。ここは高速サーキットなので、しっかりセットアップをして、いい状態にする必要があります。今回も優勝と表彰台を目標に全力を尽くしたいです」

高橋裕紀(Moto2 ランキング9位) 「アラゴンGPで新しい車体になりました。これまで2戦を戦い、方向性はわかっているのですが、まだ完全な状態ではありません。今回は過去2戦のデータを生かして、サスペションのセットアップをやり直したいです。日本GPは、なんとしても表彰台という気持ちで挑みました。しかし、転倒再スタートで30位という結果を受け入れるのには時間がかかりました。チームとモリワキ、そして応援してくれたファンに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ここからの3戦、みんなに喜んでもらえるような結果を残したいです」