round 15

September 30 - October 1/2 2011 MotoGP Grand Prix of Japan 第15戦 日本GP

SCHEDULE

  • レース情報
  • プレビュー
  • 1日目フリー走行
  • 予選
  • 決勝

日本GPプレビュー

ロードレース世界選手権第15戦日本GPが、9月30日から10月2日までの3日間、栃木県のツインリンクもてぎで開催されます。今年は3月に発生した東日本大震災の影響で、第3戦(4月25日決勝)の予定が、10月2日決勝の第15戦へと延期されました。

日本GPプレビュー

今大会、Hondaは、復興支援のために大震災の被災者でもある伊藤真一(Team HRC)をワイルドカードで出場させます。さらに、RC212VのテストライダーとしてHonda勢の活躍を支えてきた秋吉耕佑もLCR Honda MotoGPから出場と、レギュラー6名に2名を加えた合計8名の選手がグリッドに並びます。

前戦アラゴンGPでは、チャンピオンシップで総合首位に立つケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がシーズン8勝目を挙げて、念願のタイトル獲得に大きく前進しました。日本GPは、125ccと250cc時代に表彰台に立ち、MotoGPクラスでは、2008年に2位、昨年はアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)と激しい戦いを繰り広げて優勝しました。今年はHondaに乗り換えてどのサーキットでもすばらしい走りを見せているストーナーだけに、今年の日本GPでは、2連覇の期待が膨らんでいます。

前戦アラゴンGPで2位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も、今大会は優勝候補の筆頭です。昨年は初日のフリー走行で負傷して大会を欠場しましたが、今年はその雪辱に闘志を燃やしています。今年はシーズン前半から中盤にかけて右鎖骨骨折のために4戦欠場しましたが、第8戦イタリアGPに復帰してからの7戦で優勝1回、2位3回、3位1回と着実に表彰台に立ち、着実に調子を上げています。もてぎでは、125ccと250cc時代に優勝。最高峰クラスでは2度表彰台に立っていますが、これまで優勝はありません。それだけに体調がほぼ完ぺきに戻ってきた今年の日本GPでは、今季3勝目を狙う戦いとなります。

昨年の大会でPPを獲得、決勝でも快走を見せて2位でフィニッシュしたドヴィツィオーゾが、2年連続PP、そして2年連続表彰台に闘志を燃やします。後半戦に入ってからの過去3戦は、ドヴィツィオーゾにとって悔しいレースが続いています。第12戦インディアナポリスGP、第13戦サンマリノGPでは、最終ラップまでバトルした相手にわずかの差で負けての連続5位。その雪辱に闘志を燃やしたアラゴンGPでは、オープニングラップに痛恨の転倒を喫しました。この3戦の悔しさをバネに、今大会はストーナー、ペドロサと優勝を争う意気込みです。

今季好調なマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も、日本GPに気合を入れています。今年は後半戦に入って、シーズン前半戦の速さに安定性が加わってきました。後半戦のスタートとなった第11戦チェコGPから4戦で3位1回、4位2回と安定した走りを見せているだけに、日本GPでは今季2度目の表彰台が期待されます。

シモンチェリは、250cc時代の08年に優勝、この年と09年にPPを獲得しています。ツインリンクもてぎは、これまであまり得意とするサーキットではありませんでしたが、今大会は、Repsol Honda Teamの3選手とのバトルに注目されます。

チームメートの青山博一は、250cc時代に2度の優勝(05年と06年)、09年に2位になっているだけに、今年は第2戦スペインGPの4位を目標に、気合の入った走りを見せてくれることになりそうです。シーズン中盤に痛めた背中の状態はほぼ完治、後半戦はレースをこなすごとに確実に調子を上げています。ホームGPとなる今大会は、予選、決勝ともに地元ファンの期待に応える意気込みです。

今季ここまで精彩を欠いているトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も、得意とするツインリンクもてぎでの戦いに闘志を燃やしています。250cc時代の02、03年には(ともにパシフィックGP)優勝を達成、昨年はMoto2で優勝、最高峰クラスでも07年に3位表彰台に立っているだけに、今年のベストリザルトを狙っています。

今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝、今大会に出場する伊藤と秋吉にとっても、ツインリンクもてぎは、全日本ロードレースやテストでも十分な走り込みを行っているサーキットだけに、3日間を通じて、地元ファンの期待に応えてくれそうです。

今大会は、04年の玉田誠以来となるHonda勢の優勝と、今季2回目の表彰台独占が期待されています。また、今大会の結果次第では、ストーナーが念願のタイトル獲得に王手をかけることになります。総勢8名のHonda勢の活躍が、日本GPを盛り上げることになりそうです。

Moto2クラスも、終盤戦に入って、チャンピオン争いが激しくなっています。総合首位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)と総合2位のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)の差はわずか6点。タイトル争いは、総合3位のアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)と総合4位のアレックス・デ・アンジェリス(JIR Moto2)まで資格が残っていますが、点差が大きく開いているために、事実上、ブラドルとマルケスの一騎打ちとなっています。

ツインリンクもてぎでは、125cc時代の08年にブラドル、09年にイアンノーネ、10年はマルケスがそれぞれ優勝しています。今大会もこの3人とデ・アンジェリス、そして高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)が優勝争いに加わることは確実で、さらに、代役出場の中上貴晶(Italtrans Racing Team)、小山知良(CIP with TSR)の日本人勢の活躍にも期待されています。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位)「もてぎは独特なサーキット。強いて言えば、ル・マンに似ていて、ストップ&ゴーのサーキットです。ゴーカートコースに似ているかもしれません。でも、全体的には、とてもいいレイアウトです。そして他のサーキットより、走っていて楽しい。ハードブレーキングと豪快に立ち上がるコーナーがたくさんありますからね。だから、体力のいるサーキットです。ブレーキングでミスをすると、すぐにはらんでしまいます。だからマシンのセットアップがとても重要になってきます。チャンピオンシップポイントのことはもちろん、今回もアラゴンのように優勝を目指してがんばりたいです。昨年は最高のレースができました。もしかしたら、ベストレースだったかもしれません。今年は、Hondaでもてぎを走るのをすごく楽しみにしています。どんな走りができるのか、早く体験してみたいです」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位)「表彰台に上がることを目標に日本に向かいます。昨年と同じランキングで日本GPを迎えることになりました。アラゴンでは転倒してしまいました。ゼロポイントに終わり、絶望的な気分でした。その悔しさをバネに今大会は戦いたいです。昨シーズンはすばらしいレースでした。もう少しで優勝できるところでした。だから、今年もすばらしいパフォーマンスを見せたいです。このサーキットは大好き。すべてのクラスで表彰台に上がってきました。さらに、ここはHondaのホームGPになるので、いい結果を残したいです。ツインリンクもてぎは、たくさんの加速ポイントがあるのでRC212Vに合っています。マシンのアドバンテージをすべて生かすことができます。今回はランキング3位をキープしたいです。ロレンソとの差をまた縮めて、ダニとの差を維持したいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位)「もてぎは大好きなサーキットの1つです。レイアウトだけではなく、雰囲気も好きです。もてぎではいつもいい走りをしてきました。そして、日本のファンのサポートをとても感じます。特に、今年は日本のファンにとっては特別なレースになると思います。昨年はケガのために大変なレースになりましたが、今年は自分のライディングに集中してGPを楽しみたいです。これまでのレースと同様のアプローチをしたいです。すべてのセッションでベストを尽くします。もてぎでは125と250で勝っています。MotoGPでは、表彰台に立っているけれど、まだ勝てていないのでモチベーションは高いです。もてぎでのレースをチームとともに楽しんで、ベストを尽くして、いい走りを見てもらいたいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング8位)「アラゴンでは4位でした。残念ながらフロントタイヤが消耗して、ロレンソをパスすることができませんでした。彼はレース中、かなり安定していましたからね。タイヤの問題がなくても抜けなかったかもしれません。今回はなんとしても表彰台に立って、その雪辱を果たしたいです。もてぎは正直、得意なサーキットではありません。ストップ&ゴーのレイアウトは、僕の走りには向いていません。でもがんばってベストを尽くしたいです。得意ではないけれど、昨年のレースは悪くありませんでした。コーリン・エドワーズ(ヤマハ)と5番手争いをすることができましたからね。そして250ccクラスでは2008年に優勝しています。08年と09年はポールポジションを獲得しています。苦手なのにいい思い出があります」

青山博一(MotoGP ランキング10位)「アラゴンGPはうれしさと悔しさが半々のレースでした。よかったのは、ロッシ(ドゥカティ)とクラッチロー(ヤマハ)とレースを通じてバトルができたこと。残念だったのは最終的なリザルトです。もう少し上にいけたはずでした。少なくともマシンのいい感覚は戻ってきていますし、ホームレースということもあってモチベーションは高いです。もてぎにはたくさんのファンが来てくれますから、いい結果をプレゼントしたいです。3月には大震災があり、この出来事を大きな強さと勇気で乗り越えようとしている日本でレースをすることは、僕にとって重要なことです。MotoGPは日本のみなさんと密接な関係にありますし、GPが開催されることでこの関係がより強固なものとなると思います。いいレースになることを願っています」

トニ・エリアス(MotoGP ランキング15位)「今年、日本で起きたことは、ただただ信じられませんでした。そして、もてぎでレースをするということは、日本の人々が普通の生活に戻るための、僕らなりの手助けだと思っています。もてぎのサーキットはすばらしい。2007年にはMotoGPで表彰台に上がりました。総合的に厳しい状況だけれど、モチベーションは高いです。目標は前とのギャップを縮めること。今回は秋吉がチームメートとして走ってくれます。チームメートのホームサーキットなので、彼がいいアドバイスをしてくれるでしょう」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位)「チャンピオンシップのことは忘れて、走ることに集中したいです。もう考えたくありません。とにかく、ここから先、2つのサーキットは、とても好きですからね。2008年には、125ccのレースで優勝しています。フィリップアイランドでは、昨年、予選でとてもいい走りができました。この2戦でいい結果を残したいです。前回のアラゴンは、タイヤがリムからずれてバランスが狂ってペースを上げられませんでした。ついていなかったけれど、ここから先は、すべてうまくいくことを願っています」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング2位)「日本でどんなレースができるのか、楽しみにしています。ツインリンクもてぎは、好きなサーキットです。今年の日本GP開催の安全性については、いろいろ話し合いが行われましたが、僕はもてぎが楽しみです。問題はありません。この数戦、調子はいいです。この調子をキープしたいです。金曜日にゼロからスタートします。いつものようにベストを尽くします」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「日本に行くことに少し不安がありましたが、こうして安全性が確認されて、もてぎに行けることがうれしいです。今大会も、いいレースをしたいです。チームはすばらしい仕事をしています。もてぎではできる限りのことをやって、早い段階でいいマシンに仕上げたいです。それができればレースではもっといい戦いができると思っています」

高橋裕紀(Moto2 ランキング8位)「日本GPはいつも気合が入ります。2002年に初表彰台に立って以来、もてぎでは表彰台がないので、今年はなんとしてもいいレースをしたいです。前戦アラゴンでモリワキのニューシャシーで走りましたが、手応えはありました。結果は残せませんでしたが、今回はアラゴンのデータを生かして完ぺきな状態に仕上げたいです。昨年は6位でしたが、マシンの状態を考えれば、力を出しきれたと思います。今年はマシンの状態もよくなってきているので、表彰台、優勝を狙っていきたいです」