2011年9月30日(金)・1日目フリー走行 会場:ツインリンクもてぎ 天候:晴れ/曇り 気温:26℃
コースコンディション:ドライ
第15戦日本GPのフリー走行は、7年ぶりの日本GP制覇に気合を入れるHonda勢が好調なスタートを切り、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)がトップタイムをマーク、2番手にケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)、3番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、4番手にマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)と続きました。タイム差も、ペドロサとストーナーが0.054秒、ストーナーとドヴィツィオーゾが0.108秒と大接戦。トップ3の差がわずか0.162秒と互角の走りとなり、4番手にシモンチェリが続くも、Repsol Honda Teamの3人がライバルを圧倒する初日となりました。
昨年の大会では、好調なスタートを切りながらペドロサが負傷欠場。代わってドヴィツィオーゾがPPを獲得して決勝で2位になっています。今年はこの2人にストーナーが加わり、チームメート同士のし烈なトップタイム争いが繰り広げられました。
初日トップと快調なスタートを切ったペドロサは、3月の東日本大震災で被害を受けて舗装が新しくなったコースに好感触を得て、快調にラップを刻みました。また、2日目土曜日の天候が下り坂のため、セットアップに集中、ドライコンディションのセッティングを進めました。
午前中1回目の走行でトップタイムを刻んだストーナーは、午後の走行も順調にタイムを更新しますが、最終的にセッティングの方向を間違えて足踏み。2番手にダウンも手応えをアピールしました。
ドヴィツィオーゾも、ペドロサとストーナーに遜色のないアベレージで3番手。Repsol Honda Teamの表彰台独占の期待がふくらみました。
4番手にはシモンチェリ。ツインリンクもてぎは苦手なサーキットと語るも、初日4番手と好調なスタートを切りました。午前から午後にかけて、セットアップが大幅に前進するも、アベレージではトップ3にわずかに及ばず。今季2回目の表彰台を狙うためには、さらなるペースアップが必要で、2日目もセッティングに集中することになります。
ホームGPに闘志を燃やす青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)も、7番手と好調なスタートを切りました。午前中の走行では、セッティングの方向性を決めるために、異なるセッティングにした2台のマシンを乗り比べました。これでセットアップの方向性が定まった青山は、午前から午後にかけて約1秒タイムを短縮することに成功しました。
以下、トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)が15番手、LCR Honda MotoGPから出場の秋吉耕佑が17番手、ワイルドカードで出場の伊藤真一(Team HRC)が18番手と、トップ10入りを逃したHonda勢は、2日目のポジションアップに挑みます。
Moto2クラスは、トーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2)がトップタイム。以下、ステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)、高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)、ドミニク・エージャーター(Technomag-CIP)と続き、トップから1秒差以内に14台という接戦になりました。Italtrans Racing Teamから代役で出場の中上貴晶は、トップから1秒差以内の13番手、ワイルドカードで出場の小山知良(CIP with TSR)は34番手。2日目のポジションばん回に闘志を燃やしています。
125ccクラスはワイルドカードで出場の4選手がHonda RS125Rで出場。大久保光(18 Garage Racing Team)が17番手。以下、山本剛大(Team Noby)が30番手、渡辺陽向(Project u 7C Harc)33番手、大西隼(Project u 7C Harc)が34番手でした。アプリリアのマシンで代役出場の森俊也(Phonica Racing)は24番手から2日目のポジションアップに挑みます。
ダニ・ペドロサ(MotoGP 1番手)「今日はいい仕事ができました。午前中の走行で、いい方向を見つけることができました。そのために午後は1秒タイムを短縮することができました。これはとても大事なことですし、マシンのセットアップに集中して、さらにタイムを上げていきたいです。明日は、天気が不安定な予報なので、なるべくセットアップを進めたかったです。明日雨が降っても、すでにドライコンディションでいいセットアップを見つけることができたので心配はありません。もてぎの新しい路面は、以前にくらべてとてもいいです。昨年に比べてラップタイムがよくなっているのは、これが理由の1つだと思います」
ケーシー・ストーナー(MotoGP 2番手)「マシンの感触はかなりよかったです。1回目の走行を終えたときのセッティングで午後もスタートしましたが、感触はよかったです。それで、もっともっと前進することができると思っていましたが、残念ながら少し違う方向にセッティングを振ってしまいました。そのため、コース終盤でマシンをうまく切り返せませんでした。ピットに戻ってセッティングを変える時間が十分にありませんでしたし、今日は、仕方がないです。今は向かうべき方向は分かっていますし、心配はしていません。明日はもう少し前進したいです。新しい路面の感触はとてもいいです。とてもスムーズでグリップレベルはよかったです。Hondaに乗って日本のファンの前でレースができるのは、本当にすばらしいことだと思います。明日はいい予選にしたいです。日曜日のレースへ向けてベストな準備をしたいと思います」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 3番手)「今日のセッションにはとても満足しています。Honda勢は、みんな安定して速く、そしてタイムも僅差でした。新しい舗装は、昨年までとまるで違うフィーリングでしたが、すごくよかったです。まだバンピーな部分は残っていますが、それでも2010年のタイムよりよかったです。路面が変わったことで、タイヤのフィーリングも全く違いました。一番の問題はコーナー進入時のリアのグリップ。明日はこの部分を集中して改善したいです」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 4番手)「今日は午前から午後にかけて、大きく前進することができました。マシンの感触もかなりよくなりました。午後はいくつかテストを行って、ブレーキングが改善されました。でもフロントフォークの選択を間違えてしまいました。明日は反対の方向でセッティングしていけばいいことがわかったので心配はしていません。タイヤには、まだ問題があります。レースの最後までタイヤが持つように解決策を見つけたいです。ペドロサやストーナーのペースについていけるように、あと、0.3秒縮めたいです。それが明日の目標です」
青山博一(MotoGP 7番手)「走り出しとしては、まずまずでした。午前中は、セッティングの違う2台のマシンを乗り比べて、セッティングのよい方のマシンで午後は走行しました。今日は、ソフトもハードもタイヤは悪くありませんでした。ウオームアップの発熱と序盤のグリップを考えると、ソフトを使う可能性もありますが、現状ではハードを選択したいです。今日はこれからしっかりとデータを分析して、明日につなげたいです。今回は新しい路面と古い路面のグリップの違いに戸惑いました。そういった違いをしっかり頭に入れて明日のセッションに挑みたいです」
トニ・エリアス(MotoGP 15番手)「前回のレースと同じように、マシンのパフォーマンスを引き出すことを目標に、日本に到着しました。前を走る選手たちとのギャップを縮めたいです。このサーキットでは、これまでいいパフォーマンスを発揮してきました。初日のセッションを終えて、やらなければいけないことはまだたくさんありますが、最後にはかなりいいリズムで走ることができました。このセッティングは、とてもいい感じでした。明日のセッションに向けて自信を持つことができました」
秋吉耕佑(MotoGP 17番手)「このサーキットは知り尽くしているし、こうして、GPという舞台で、日本のファンの前でレースができることがとてもうれしいです。こうしたすばらしい機会を与えてくれたHondaとLCRのスタッフに感謝したいです。今日はこのマシンで初めて走ることになりましたが、さまざまなセットアップにトライしました。特にエンジンマネジメントに集中しましたが、明日はもっともっといいタイムを出すことができるはずです。明日がすごく楽しみです」
伊藤真一(MotoGP 18番手)「今日は4年ぶりにMotoGPを走ることになりましたが、グランプリの雰囲気はやっぱり最高でした。Hondaのすべての人に感謝したいです。チーム監督のタディや、昔一緒にやったことがあるメカニック、そして、HRCの鈴木社長と副社長の中本さんと一緒に働くことができてとてもうれしかったです。みんなが声をかけにボックスに来てくれました。本当にうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいでした。今日、2回のフリー走行を終えて、800ccのMotoGPマシンへの自信がわいてきました。ラップするごとに感触がよかったです。でも、今日のタイムは、スーパーバイクの自己ベストよりも遅いです。今日は、FP1からFP2で約2秒速くなりました。明日はもう一歩前に進みたいです」
中本修平|HRCチーム代表「おおよそ、順調に一日のメニューを消化することができました。上位4位までを独占しましたが、今日はまだ金曜日なので、あまり順位は気にしていません。こういう順位を日曜日に達成できるように明日も全力でセットアップを進めたいです。今年の目標は優勝することです。2004年以来、もてぎでは優勝がないので、Honda勢のだれかに優勝してもらいたいです。あとは、チャンピオン争いをするケーシーには、取りこぼしがないようにしっかりと走ってもらいたいです。この調子で明日、明後日と戦っていきたいですね」
高橋裕紀(Moto2 3番手)「前回のアラゴンとマシンの状態はあまり変わりません。自分のリズムで乗れない部分があって、それを明日のセッションで詰めていきたいです。タイムはよかったですが、もう少しアベレージを上げたいです。もてぎは走り慣れているサーキットなので、ドライでもウエットでもかまわないのですが、マシンのセットアップを考えると、明日はドライで走りたいです」
中上貴晶(Moto2 13番手)「初めてのマシンとタイヤの組み合わせとしては、13番手は悪くない順位でした。しかし、セッション中盤までは、シングルにいましたし、そのポジションをキープできなかったのが残念でした。今日は、リアの滑りがなかなか止められず、それを止めようとするとタイムが落ちてしまいました。マシンを乗りこなしている感じはありますが、タイムにはつながりません。明日も引き続き、セッティングに取り組みたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | 1:46.790 |
2 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | +0.054 |
3 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.162 |
4 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.398 |
5 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.520 |
6 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +0.591 |
7 | 7 | 青山博一 | Honda | +0.995 |
8 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.185 |
9 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.265 |
10 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.286 |
11 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.307 |
12 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +1.407 |
13 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.584 |
14 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.589 |
15 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +1.953 |
16 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.515 |
17 | 64 | 秋吉耕佑 | Honda | +2.674 |
18 | 72 | 伊藤真一 | Honda | +2.883 |
19 | 6 | D.カドリン | ドゥカティ | +4.559 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | 1:53.002 |
2 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.180 |
3 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +0.352 |
4 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +0.463 |
5 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +0.474 |
6 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +0.531 |
7 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +0.581 |
8 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.598 |
9 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +0.602 |
10 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.811 |
11 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +0.896 |
12 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +0.946 |
13 | 30 | 中上貴晶 | SUTER | +0.951 |
14 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.963 |
15 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +1.060 |
16 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +1.093 |
17 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | FTR | +1.140 |
18 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +1.151 |
19 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +1.178 |
20 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.356 |
21 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +1.375 |
22 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +1.395 |
23 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +1.480 |
24 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +1.591 |
25 | 88 | リカル・カルダス | MORIWAKI | +1.600 |
26 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +1.749 |
27 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +1.867 |
28 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +1.868 |
29 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +1.876 |
30 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +1.902 |
31 | 6 | ホアン・オリベ | FTR | +1.972 |
32 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +2.081 |
33 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +2.154 |
34 | 7 | 小山知良 | TSR 6 | +2.358 |
35 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +3.197 |
36 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +3.309 |
37 | 33 | セルジオ・ガデア | MORIWAKI | +3.850 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +4.165 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | 1:59.273 |
2 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.163 |
3 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +0.246 |
4 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +0.577 |
5 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +1.051 |
6 | 26 | A.マーティン | アプリリア | +1.131 |
7 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +1.158 |
8 | 39 | L.サロン | アプリリア | +1.165 |
9 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +1.233 |
10 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.545 |