2011年8月26日(金)・1日目フリー走行 会場:インディアナポリス・モータースピードウェイ 天候:晴れ 気温:31℃ コースコンディション:ドライ
第12戦インディアナポリスGPの1日目フリー走行は、朝から青空が広がり、最高気温も31℃まで上昇する暑い一日の中で行われました。Honda勢は、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がトップタイムをマーク。さらに、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が5番手と、順調なスタートを切りました。
マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も一時は上位に名前を連ねましたが、最終的には7番手となりました。以下、青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は12番手、トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は16番手で初日を終えました。
インフィールドの路面が改修されたインディアナポリス・モータースピードウェイ。新しい舗装のために、午前中のセッションはグリップが悪く、タイムも伸びませんでした。それでも、午後になってグリップが向上し、ほとんどの選手が3秒以上のタイム短縮を果たしました。
この日のトップタイムをマークしたストーナーは、午前中のベストタイムが1分43秒552で2番手でしたが、午後の走行では1分40秒724までタイムを上げて、インディアナポリスでは初のトップタイムをマークしました。この日は各選手が新しい路面のグリップの悪さに苦戦していましたが、ストーナーは着実にタイムを上げて首位に浮上。インディアナポリス初優勝と、アメリカGPからの3連勝、そして、今季7勝目に向けて絶好のスタートを切りました。
昨年に続いてインディアナポリスGP2連覇がかかるペドロサは、グリップの悪い午前中のセッションでは、慎重な走りを見せて10番手。しかし、午後の走行では着実にタイムを上げて、トップタイムをマークしたストーナーから0秒481差の3番手に浮上しました。この日は新しい舗装のために、タイヤの消耗が激しく、タイヤのセットアップに集中しました。路面のグリップが上がるとともに快調な走りを見せたペドロサは、ストーナー同様に予選ではPP、決勝では優勝の期待が膨らみます。
今季初優勝に闘志を燃やすドヴィツィオーゾも、快調な走りを見せました。最終的に5番手にポジションを落としましたが、何度も首位に浮上して好調ぶりをアピールしました。この日は2日目の予選と、決勝に向けてタイヤをセーブしましたが、予選ではPP、決勝では今季6回目の表彰台はもちろんのこと、今季初優勝を狙っています。
シモンチェリは、両セッションともに順調にタイムを上げましたが、新しいアスファルトとタイヤのマッチングに問題を抱え、最終的に7番手に終わりました。この日は、ほとんどの選手が激しいタイヤの消耗に苦戦しました。その中でもシモンチェリのタイヤの消耗は激しく、2日目はその問題解決に取り組むことになります。
第7戦オランダGPで痛めた背中の状態がほぼ回復した青山は、久しぶりに万全の体調で大会に挑むことになりました。午前中は予想以上にグリップが悪い路面に苦戦して、トップから2秒899差の14番手でした。しかし、午後の走行では3秒以上タイムを短縮して、12番手までポジションを上げました。この日の走行でセッティングの方向性をつかんだことからも、2日目はさらなるタイム短縮とポジションアップを狙います。エリアスも、午前中の走行から4秒以上タイムを短縮して16番手で続きました。青山とともに、土曜日の予選ではトップ10入りを狙っています。
Moto2クラスも、午前中から午後にかけて、大幅にタイムが短縮されました。トップタイムをマークしたのは、シモーネ・コルシ(Ioda Racing Project)、2番手にマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)、3番手にマティア・パシーニ(Ioda Racing Project)、4番手にステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)と続き、トップから1秒差以内に17台が入る接戦になりました。
高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は、午後の走行で一気にタイムを上げて2番手まで浮上しましたが、セッション中盤に痛恨の転倒を喫してしまい12番手。しかし、好調な走りを見せていただけに、2日目のポジションアップが期待されます。
ケーシー・ストーナー(MotoGP 1番手)「セッションが進むにつれて路面のコンディションがよくなり、午後のセッションはだいぶんグリップがよくなりました。でも、まだ快適ではありませんでしたし、非常にすべりやすいです。今シーズンの中で、最も厳しいコンディションかもしれません。路面の汚れだけではなくて、舗装し直した路面のつなぎ目の油のようなものが状況を悪くしているようです。しかし、とにかくいい感触を得るためにがんばりました。午後は硬めのフロントタイヤを試したらフィーリングがよくなりましたが、セッティングの方向を決める前に、もう少し路面コンディションがよくなってほしいです。セッション終盤は、コース上の渋滞とコース上に出てきた動物のためにタイムを伸ばせませんでした。たぶん、ホリネズミだと思いますが、最初はコーナーの外側に何か見えたのです。マシンのパーツでも落ちているのではないかと思いましたが、本当に驚きました。とにかく、お互いケガがなくてよかったです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)「2回目のフリー走行で、路面の状態が少しよくなりました。少なくとも走行ライン上のグリップはかなり改善されました。しかしラインを外すと、とてもすべりやすかったです。そういう状態で満足のいく周回はできませんでしたが、ラップタイムはよくなりました。タイムが上がった理由は、路面のグリップがよくなったことと、タイヤのセットアップがよくなったためだと思います。とにかく今大会は、タイヤを消耗させないようにやさしく乗る必要があります。決勝日に向けてコンディションがよくなることを願うばかりです。今回は、タイヤがレースのキーポイントになると思いますし、一歩一歩セットアップしていきたいです。今日は午前から午後にかけて4秒も速くなりました。明日も引き続き集中してさらに前進したいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手)「午前から午後にかけて路面コンディションがよくなりました。そのおかげでラップタイムも3秒速くなりました。もっと路面にラバーが乗れば、グリップはどんどん変わると思います。今回はタイヤのセットアップがとても重要になっています。新しいアスファルトではよくあることのため、タイヤを慎重に使わなければいけません。特にフロントタイヤは注意しなければいけません。タイヤマネジメントがレースのキーポイントとなるはずです。明日はコンディションがもっとよくなることを願っています。今日の状況ではレースを完走するのは不可能だと思います。今日は5番手でしたが何も心配はしていません。明日のためにタイヤをキープしなければならなかったですからね」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 7番手)「初日の結果には満足しています。しかし、新しい路面はまるでグリップせず、それに合わせてセッティングをしたら、午後の走行ではタイヤがあっという間に消耗してしまいました。特にフロントの左側は、4、5ラップでダメになってしまいました。そのため、思うようにタイムを上げることができませんでした。今日はメカニックやブリヂストンのスタッフと問題を解決するために話し合いたいです。自分のライディングスタイルが原因なのか、それともマシンのバランスの問題なのか。とにかく明日に向けてしっかり解決したいです」
青山博一(MotoGP 12番手)「コースの下見をしたときに、新しい路面のグリップがあまりよさそうではありませんでしたが、予想以上に悪くて驚きました。午前中の走行はまったくタイムを上げられませんでしたが、午後の走行では路面のグリップも上がり、3秒以上タイムを短縮することができました。マシンのセッティングも、基本的にグリップを上げる方向がいい感じがします。タイヤもハードではタイムを上げられませんでしたが、ソフトでグリップを上げるセッティングがよかったです。明日もこの方向でセットアップをしていきたいです。今年は身体の状態もいいので、30℃を超える暑さも苦になりませんでした」
トニ・エリアス(MotoGP 16番手)「今朝の路面コンディションはあまりにもひどく、グリップも悪くてマシンを調整できませんでした。まるで氷の上を走っているようでした。午後は路面の状況もよくなり、同じマシン、同じタイヤで4秒以上タイムを上げられました。前後のバランスと、ハードブレーキングのときにちょっと問題がありますが、明日へ向けて大きく前進することができました。(テストでケガをした)右足の状態があまりよくなかったので、明日の予選は痛みどめの注射を打って挑みたいです」
高橋裕紀(Moto2 12番手)「午前中は恐ろしいほどグリップしませんでしたが、午後のセッションは、かなり普通に走れるようになりました。午前中はグリップが悪かったので、タイヤ1セットで走り通しました。そのため、午後のセッションは新品を2セット使う予定でした。コースインしてグリップが上がっているので新品を入れてもらったら、すごくよくなりました。とりあえず、いい状態なのでタイムを出そうと思いましたが、コース終盤の13コーナーで転んでしまいました。明日の予選、と日曜の決勝は気持ちを引きしめて挑みたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | 1:40.724 |
2 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.194 |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.481 |
4 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.737 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.812 |
6 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.975 |
7 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +1.018 |
8 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.065 |
9 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.507 |
10 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.615 |
11 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.681 |
12 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.949 |
13 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +2.196 |
14 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +2.310 |
15 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +2.361 |
16 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +2.506 |
17 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +2.804 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | 1:46.274 |
2 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.065 |
3 | 75 | マティア・パシーニ | FTR | +0.174 |
4 | 65 | ステファン・ブラドル | KALEX | +0.179 |
5 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.300 |
6 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +0.316 |
7 | 88 | リカル・カルダス | MORIWAKI | +0.380 |
8 | 40 | アレックス・エスパルガロ | PONS KALEX | +0.546 |
9 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | TECH 3 | +0.570 |
10 | 51 | ミケーレ・ピロ | MORIWAKI | +0.591 |
11 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +0.701 |
12 | 72 | 高橋裕紀 | MORIWAKI | +0.726 |
13 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +0.799 |
14 | 13 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +0.805 |
15 | 9 | ケニー・ノイズ | FTR | +0.807 |
16 | 34 | エステベ・ラバト | FTR | +0.889 |
17 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.925 |
18 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SUTER | +1.002 |
19 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +1.080 |
20 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +1.122 |
21 | 36 | ミカ・カリオ | SUTER | +1.146 |
22 | 32 | ヤコブ・ガニエ | FTR | +1.379 |
23 | 44 | ポル・エスパルガロ | FTR | +1.402 |
24 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +1.415 |
25 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.556 |
26 | 10 | マーチン・カルデナス | FTR | +1.671 |
27 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | FTR | +1.675 |
28 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | SUTER | +1.688 |
29 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +1.702 |
30 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +1.732 |
31 | 25 | アレックス・バルドリーニ | PONS KALEX | +1.870 |
32 | 73 | ジェイディ・ビーチ | FTR | +2.262 |
33 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | MORIWAKI | +2.395 |
34 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +2.826 |
35 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | MZ-RE HONDA | +2.894 |
36 | 18 | ジョルディ・トレース | SUTER | +3.012 |
37 | 53 | バレンタン・ドゥビーズ | FTR | +3.285 |
38 | 31 | カルメロ・モラレス | MORIWAKI | +3.305 |
39 | 64 | サンティアゴ・ヘルナンデス | FTR | +3.422 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 18 | N.テロール | アプリリア | 1:49.381 |
2 | 5 | J.ザルコ | デルビ | +0.774 |
3 | 23 | A.モンカヨ | アプリリア | +0.775 |
4 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +0.937 |
5 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.197 |
6 | 11 | S.コルテセ | アプリリア | +1.391 |
7 | 55 | H.ファウベル | アプリリア | +1.667 |
8 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +1.728 |
9 | 25 | M.ビニャーレス | アプリリア | +1.762 |
10 | 52 | D.ケント | アプリリア | +2.008 |