2011年7月22日(金)・1日目フリー走行 会場:ラグナセカ・レースウェイ 天候:晴れ
気温:22℃ コースコンディション:ドライ
2011年シーズン前半戦の締めくくりとなる第10戦アメリカGPの1日目フリー走行が行われ、午前中1回目の走行で、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がトップタイムをマーク。ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も2番手で続き、Honda勢は好調なスタートを切りました。5番手にはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が入り、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も6番手と、それぞれ上位に名前を連ねました。午後の2回目の走行でも、大接戦の中でペドロサが2番手、ストーナー3番手、ドヴィツィオーゾ4番手と、フリー走行を通して、Repsol Honda Teamの3選手は順調にセットアップを進めました。
1日目を終えて総合2番手につけたペドロサは、午前、午後の両セッションともに2番手をキープしました。午前中の走行ではシフトミスをしてコースアウトしたほか、グラベルで軽い転倒を喫しましたが、順調にセットアップを進めました。優勝した前戦ドイツGPが行われたザクセンリンクに比べると、ラグナセカは路面がバンピーで、さらにコースの特性からすばやい切り返しを要求されるため、それに合わせたセットアップが必要とされます。また、ハードブレーキングが必要とされるポイントも多く、ザクセンリンクより体力を要求されます。右鎖骨骨折で2度手術を受けて3戦を欠場し、今大会が復帰3戦目となるペドロサは、この日はセットアップを中心に体力を温存し、決勝に向けて照準を合わせるスタートになりました。
午前中1回目の走行でトップタイムをマークしたストーナーは、午後2回目の走行で大きなセッティングの変更を行いました。セットアップに集中したために、3番手に終わりましたが、午前と午後で気温と路面温度が変わりやすいラグナセカに合わせて、いろいろなことにトライしました。ストーナーは、ここ3戦表彰台には立つも優勝からは遠ざかっています。そのため今大会では、今季5勝目と4年ぶりのアメリカGP制覇に闘志満々です。2日目もセットアップに集中し、予選では今季7回目のポールポジションを狙う意気込みです。
1回目のフリー走行で5番手だったドヴィツィオーゾは、午後の2回目の走行では4番手に浮上しました。この日はセットアップが順調に進み、ベストタイムもアベレージも更新。ラグナセカでの初の表彰台に向けて大きく前進しました。
シモンチェリは6番手で続きました。コース前半と後半のハイスピード区間でうまく走れず、思うようにタイムを伸ばせませんでしたが、コース攻略ができれば一気にタイムを縮められるだけに、2日目も苦手区間の攻略に全力を尽くすことになります。
ラグナセカを得意とするトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は15番手。今大会は1台のマシンでレースに挑むため、午前、午後のセッションともに、着実に周回を重ねました。2009年の大会では6位に入っているサーキットだけに、2日目の予選ではトップ10入りを狙います。また、昨年はケガのためにアメリカGPを欠場し、今大会でラグナセカを初めて走った青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、コースに慣れることに集中して17番手。ワイルドカードで出場のベン・ボストロム(LCR Honda MotoGP)は、初めてのマシンと初めてのタイヤに慣れることに集中して18番手でした。3選手ともに、2日目の予選でタイムを更新することが期待されます。
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手) 「午前中は、バンピーですばやい切り返しを必要とされるラグナセカに合わせたセットアップに集中しました。このサーキットはハードなブレーキングも要求されるので、体力的には、前回のドイツよりも厳しいと感じました。それでも、まずまず順調なスタートが切れました。午後の走行では、引き続きバンピーな路面に合わせたセットアップを行いましたが、まだフロントに課題が残りました。今日はグリップもあまりよくなかったです。風も強くて、完ぺきな状態ではありませんでした。午前中はソフトで走行しましたので、タイヤのグリップは悪くなかったです。明日の予選は路面コンディションもよくなると思うので、引き続きセットアップに集中したいです」
ケーシー・ストーナー(MotoGP 3番手) 「午前中は順調にセットアップが進みました。セッション序盤はタイヤがよく機能していましたし、グリップもよかったです。しかし、次第にスピンするようになってしまいました。それが、路面温度が低いせいなのかどうかはわかりませんでした。午後は気温も路面温度も上がり、それに合わせてセットアップの変更を行いました。タイヤの温度があまり上がらないようなセッティングでうまくいったのですが、思っていたほどグリップを得られずに、スピンも多かったです。フロントもセッティングが決まりませんでした。いい状態を見つけようと努力しましたが、まだ自分が求めている状態にはないので、明日も引き続きセットアップに集中したいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4番手) 「午前と午後で違うセッティングを試してみたのですが、それがうまくいってフィーリングもよくなり、タイムを上げることができました。しかし、トップとはまだ0.4秒離されていますし、その差を縮めなければいけません。フロントグループで戦うためにも全力を尽くさなければならないです。明日は、さらに前進できると思っています。午前中より、気温も路面温度も上がった午後の方がタイムが出ましたし、アベレージもよかったです。今日の方向でセットアップを進めていきたいです」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 6番手) 「これまでのサーキットに比べると、少し苦労しています。セットアップもあまり進まず、最後までいいフィーリングにはなりませんでした。速く走るためのライン取りを見つけなくてはいけないです。今日はT2とT3は速く走れていましたが、T1とT4でタイムをロスしていましたので、この2つの区間でタイムを改善したいです」
トニ・エリアス(MotoGP 15番手) 「ラグナセカは独特なサーキットですが、いつも楽しみにしています。今回はマシンが1台なので、セッション中に大きな変更を試すことができないので、45分間を有効に使うようにしました。引き続き、明日もセットアップに集中して、いい状態にしたいです。マシンのセッティングが決まれば、もっと楽しく走れると思います」
青山博一(MotoGP 17番手) 「ラグナセカは、バンピーでブラインドコーナーが多く、特に上りでブラインドの1コーナーと8コーナーは、まるで攻略できませんでした。思うようなラインも通れませんでした。テレビで見て想像していたよりも難しかったです。今日は何人かの後ろについて走りました。ニッキー(ヘイデン、ドゥカティ)の後ろについたときは、ほかのライダーとは少しラインが違っていました。さすがに地元の走りをしていると感じました。ここはブレーキングもハードで、オランダGPで傷めた背中には厳しかったです。タイヤはソフトもハードも試しましたが、どちらもよかったです。天候に合わせてタイヤを選ぶことになります。明日もコース攻略に時間を割きたいです」
ベン・ボストロム(MotoGP 18番手) 「今日はすばらしい経験ができました。そして、すごく楽しむこともできました。初めてのマシン、初めてのタイヤなので、午前中は走ることに集中しました。午後に向けてセットアップを変えましたが、それがよくて、フィーリングは一段とよくなりました。ただ、今日はコーナーの進入がうまくいかず、ほかのライダーの走りを観察しました。初めて経験したブリヂストンタイヤは非常にグリップ力が高かったです。明日は、もっとタイムを伸ばしたいと思っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | J.ロレンソ | ヤマハ | 1:22.056 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.141 |
3 | 27 | ケーシー・ストーナー | Honda | +0.175 |
4 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.481 |
5 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.559 |
6 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.747 |
7 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.000 |
8 | 14 | R.デ・ピュニエ | ドゥカティ | +1.079 |
9 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.127 |
10 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.139 |
11 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +1.313 |
12 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.368 |
13 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +1.651 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1.755 |
15 | 24 | トニ・エリアス | Honda | +1.774 |
16 | 65 | L.カピロッシ | ドゥカティ | +2.510 |
17 | 7 | 青山博一 | Honda | +2.534 |
18 | 23 | ベン・ボストロム | Honda | +4.103 |