round 9

July 15/16/17 2011 MotoGP eni Motorrad Grand Prix Deutschland 第9戦 ドイツGP

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ドイツGPプレビュー

シーズン前半の最後の連戦。その最初の大会となる第9戦ドイツGPが、7月15日から17日までの3日間、ドレスデン近郊のザクセンリンクで開催されます。長い伝統と歴史を誇るザクセンリンクは、1998年に全面改修を受けて「ドイツGP」が復活しました。今年で14回目の開催となります。

ドイツGPプレビュー

ザクセンリンクで初めてレースが開催されたのは1927年。当時は公道を使ってのレースでした。その後、61〜72年に「東ドイツGP」が開催されました。以後、東ドイツGPは中断しますが、東西ドイツが統合されたことで、98年にグランプリの舞台として復活しました。

ザクセンリンクは、アップダウンに富んだテクニカルコース。タイトなコーナーが続くショートサーキットで、最高峰クラスのパフォーマンスを引き出すには物足りないレイアウトでした。そのため、この10数年の間に2度の改修を受けて、一周3.671kmまで延長されました。

過去13回の戦いでは、Honda勢が7回の優勝を飾っています。昨年はダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が07年以来の優勝を達成しました。ペドロサは、最高峰クラスにデビューした06年に4位。07年に優勝、08年はトップを快走するも痛恨の転倒を喫してリタイア、09年は3位。そして昨年の大会で2度目の優勝と、このサーキットでは常に優勝争いに加わってきました。250cc時代も2度の優勝を経験。ケガから復帰して2戦目となる今大会は、最高峰クラスで2年連続、3回目の優勝を狙うことになります。

総合首位につけるケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、当然のように今大会の優勝候補の筆頭です。これまでザクセンリンクでは、ドゥカティ時代の08年に優勝。昨年の大会で3位と、好成績を収めてきました。Hondaチームに移籍した今年は開幕戦から好調で、8戦を終えて4勝を含む7回の表彰台。過去2戦はチャンピオン争いを視野に、着実に表彰台に立って来ましたが、今年は08年以来、2度目の優勝を狙っています。

8戦を終えて総合3位につけるアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)も、イギリス、オランダ、イタリアと3戦連続で表彰台に立ち、調子を上げています。前戦イタリアGPでは、ストーナーとし烈なバトルを繰り広げ、地元ファンを喜ばせました。ザクセンリンクは、125cc、250cc時代を含めて一度も表彰台に立ったことがないサーキットです。最高峰クラスでは、08年に5位、09年は表彰台争いに加わるもリタイア、昨年も5位と表彰台に立てていませんが、上り調子でドイツGPを迎える今年は、ザクセンリンク初表彰台、そして、今季初優勝を狙っています。

7戦を終えて、圧倒的な速さを見せて総合首位に立つストーナー。そのストーナーに肉薄するドヴィツィオーゾ。復帰2戦目ながら、表彰台争いに加わることが確実なペドロサと、今季、まだ果たせていないRepsol Honda Teamの表彰台独占が、今大会は期待されています。

今季、大きな成長を遂げて注目を集めているマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も、得意のサーキットに気合を入れています。今年は第3戦ポルトガルGP以降、2度のPP獲得を含む6戦連続フロントロー獲得を果たしています。念願の初表彰台、初優勝にはなかなか手が届きませんが、今大会は、250cc時代に優勝している得意のコースだけに大きな期待が寄せられています。最高峰クラスにデビューした昨年は6位。「ここは得意とするサーキットのひとつ」と語るだけに、Repsol Honda Teamの3選手とともに快走が期待されます。

青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、ケガのために昨年の大会に出場していないため、最高峰クラスでは初のザクセンリンクとなります。青山は、ペドロサの代役としてRepsol Honda Teamから出場した第7戦オランダGPのフリー走行で転倒、その際に背中を痛め、体調は完全ではありません。しかし、オランダGPで8位、続くイタリアGPで11位と熱走を見せています。イタリアGPから一週間のインターバルが空いたことで、体調も着実に回復しているだけに、今年は上位進出が期待されます。250cc時代には優勝しているサーキット。MotoGPマシンで初めて走るザクセンリンクを楽しみにしています。

トニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は、今季ベストリザルトに闘志を燃やしています。今年はマシンのセッティングがなかなか決まらず、第6戦イギリスGPの8位が最上位。第7戦オランダGP、第8戦イタリアGPは、上り調子も結果につながっていないだけに、その雪辱に気合を入れています。ザクセンリンクの最高峰クラスのベストリザルトは09年の6位。それを目標に、全力を尽くす意気込みです。

Moto2クラスは、連戦となる次戦アメリカGPではレースがないため、今大会が前半戦最後のレースとなります。昨年の大会では、シーズンを通じて最も接戦が繰り広げられた大会の1つとなりました。今年は総合首位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)が、地元ファンの声援を一身に集め、今季5勝目に挑みます。そのブラドルを追うマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)は、過去2戦連続優勝と絶好調。ブラッドリー・スミス(Tech 3 Racing)も3戦連続表彰台に立ち、今季初優勝に気合満点。過去4戦続けて表彰台を逃している高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)も、ザクセンリンクは06年に優勝している相性のいいサーキット。今季3回目の表彰台と今季初優勝に闘志を燃やしています。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位) 「ザクセンリンクはこの数年、いいレースができているし、すごく楽しみにしています。コースのレイアウトは独特でタイトなコーナーが続くし、ザクセンリンクならでというライディングを要求されます。恐らく、これまでとは違うセットアップが要求されると思うし、初日からセットアップに集中したいです。ここは左コーナーが多く、左のロングコーナーもあるので、左側のグリップがとても重要になります。最後までいいペースをキープするためにも、マシンをいい状態に仕上げることが要求されます。ザクセンリンクは、とてもすばらしい環境の中にサーキットがあって、とても美しい。サーキットの盛り上がりもすばらしく、ドイツGPはいつもエンジョイしています。このサーキットではいつもいい走りをしてきました。Hondaで走るザクセンリンクを本当に楽しみにしています」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位) 「いい状態でドイツGPに挑むことができてうれしいです。前回のイタリアGPは、地元ファンの前で2位になれたことで、モチベーションも上がっています。レース後のテストでは、新しいスイングアームを試すなど、重要なテストになりました。いままで以上にいいベースセッティングを見つけられたし、いままでよりも楽にペースをキープすることができます。テストでは、全体的にいいフィードバックを得られたし、新しいスイングアームを今回使う予定です。ムジェロのように、今回も初日から全力でセットアップに取り組みたいです。3戦連続で表彰台に立っているし、総合3番手をキープしています。さらにポイントを獲得するためにも全力を尽くしたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング7位) 「前回のムジェロの8位というリザルトは、長い間レースから離れていたことを思えば、とてもよかったと思います。序盤に遅れてしまったので追い上げるのが厳しかったですが、速く走れることを確認できたし、早くベストな状態に戻れるように、今週も全力でレースに取り組みたいと思います。これまでザクセンリンクでは常にいいレースをしてきました。自分の得意とするサーキットで、こうして復帰2戦目を迎えられることがうれしいです。ここはムジェロとはまったく反対で、左コーナーが続くので、右鎖骨を負傷している自分には大きな助けになると思います。昨年は、ここで優勝することができました。今年もプラクティスからいい仕事ができるように全力を尽くしたいです。不運に襲われないように、レースに向けていいチャンスが来ることを願っています」

青山博一(MotoGP ランキング8位) 「アッセンでRepsol Honda Teamのファクトリーマシンに乗ったので、ムジェロでは、自分のマシンの感触を取り戻すのに少し苦労しました。おまけに、オランダの転倒で背中を強く打って、まだ身体に不快感が残っています。でも、徐々に自分のペースを取り戻しています。ムジェロのテストでは、ザクセンリンクを視野に入れたテストを行い、とてもポジティブでした。昨年はケガのためにドイツGPを走っていないので、最後に走った2年前の250cc時代の経験を思い出さなければいけません。2005年には表彰台に立ち、07年には優勝しています。MotoGPマシンは、250ccとはまるで違うので、どんな走りができるのか想像もできないけれど、ドイツGPを楽しみにしています」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング10位) 「ムジェロの結果には満足していないが、いいレースができたと思っています。悪いドラマもなく、無事にレースを終えられたことが何より重要でした。シルバーストーンとアッセンの悪い出来事を忘れることができました。レース後の月曜日のテストも、とてもよかったです。ムジェロでは、路面温度が上がるにつれて他のライダーよりグリップに苦しみましたが、そういった問題を解決するために、いろんなことにトライできました。イタリアGPは、ドイツGPに向けて自信もモチベーションも高まりました。ザクセンリンクは大好きなサーキットです。125ccや250ccではいつも速かったです。2008年と09年には250ccで優勝しています。昨年はMotoGPクラスで5位争いのいいレースをしました。目標は、ベストを尽くして、ムジェロよりいいリザルトを残すことです」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位) 「ここまで7戦を戦い、4回優勝しています。カタール、エストリル、ル・マン、カタルニアと、どのサーキットもキャラクターが違います。これは、どんなサーキットでもいいパフォーマンスができている証拠だし、今回のザクセンリンクも自信があります。今回は、自分にとって本当に特別なレースになります。この数カ月、自分をサポートしてくれた人たちの前でレースを戦うことになります。もし、ここで優勝することができて、国歌を聞けたら、こんなすばらしいことはないと思っています。父のヘルムートは、ホッケンハイムで行われたドイツGPの250ccで優勝しています。自分も優勝できたら、こんなにすばらしいことはありません」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング2位) 「2連勝しているので、最高の状態でドイツGPを迎えることができます。しかし、これまでと同じようにセットアップに集中して決勝に挑みたいです。ザクセンリンクは、コースも短く、スローコーナーが多いので、すごい接戦になります。Moto2クラスは、どのサーキットでもすごい接近戦になっていますが、ザクセンリンクは特にすごいことになりそうです。ここはアドバンテージを築くのが難しいですが、ここでいいレースをして、いい夏休みを迎えたいです」

ブラッドリー・スミス(Moto2 ランキング3位) 「Moto2クラスにとってザクセンリンクは、最高に面白いサーキットだと思います。コース幅は狭いし、いくつかのポイントでは、ゴーカートをやっているような感じになります。とても楽しい。だから、ここは土曜日の予選がすごく重要になります。いいグリッドを得ることが、いい結果を残すために決定的な要素となります」

高橋裕紀(Moto2 ランキング8位) 「フランスGPで優勝争いに加わって表彰台に立ってからの4戦は、なかなかいい流れに乗れませんでした。セッティングが決まらなかったり、セットアップが決まっても天候が悪かったり。何度か表彰台に立てそうなレースはありましたが、うまくいきませんでした。今回は、この4戦の反省から、前回のイタリアの決勝の状態から、しっかりとセッティングをつめていきたいです。ザクセンリンクは2006年に優勝しています。今年は表彰台に立つことを目標に、チャンスがあれば優勝を狙いたいです」