round 3

June 12 2011 MotoGP AirAsia British Grand Prix 第6戦 イギリスGP
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ストーナーが3連勝達成で総合首位に浮上
ドヴィツィオーゾは2位で今季2回目の表彰台に立つ

2011年6月12日(日)・決勝  会場:シルバーストーン・サーキット  天候:雨
コースコンディション:ウエット  気温:11℃  観客:7万2544人(3日間:15万7708人)

カタルニアGPから2週連続の開催となった第6戦イギリスGPは、断続的に強く降る雨の中で行われ、今季4回目のPPから好スタートを切ったケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、独走で優勝しました。これで、フランスGP、カタルニアGPに続いて3連勝、今季4勝目を達成しました。

  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • トニ・エリアストニ・エリアス
  • 青山博一青山博一
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ

ストーナーは、オープニングラップこそチームメートのアンドレア・ドヴィツィオーゾに先行を許しますが、2周目に首位に浮上すると、2分21秒から22秒台のハイペースで周回。中盤には後続に5秒以上のリードを築いて独走状態に持ち込みました。最終的に15秒の大量リードでライバルを圧倒。この優勝で総合ポイントを116点としたストーナーは、転倒リタイアに終わったホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)を逆転し、18点のリードで総合首位に浮上しました。

予選5番手、2列目から好スタートを切ってオープニングラップを制したドヴィツィオーゾが2位になり、第4戦フランスGP以来、2戦ぶりにRepsol Honda Teamが1-2フィニッシュを果たしました。ウオームアップでセッティングが決まったというドヴィツィオーゾは、絶好のスタートで首位に浮上。2周目にストーナーにかわされてからは、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)、ロレンソとし烈な2位争いを繰り広げました。

しかし、この日のドヴィツィオーゾは、ブレーキングでアドバンテージを築き、シモンチェリとロレンソを抑えます。3台による壮絶なバトルは、9周目にロレンソ、11周目にシモンチェリが転倒して脱落し、決着が付きました。3台のうち2台が転倒するという限界ギリギリの戦いを制したドヴィツィオーゾは、総合3位は変わらずも、2位のロレンソとの差を28点から15点へと縮めることに成功しました。

第3戦ポルトガルGPから、フランスGP、カタルニアGPに続いて4戦連続フロントローから2位争いに加わったシモンチェリは、3番手を走行中に転倒して今大会も表彰台に立てませんでした。しかし、初表彰台、初優勝が近いことを感じさせる力強い走りでした。

予選14番手からオープニングラップ8番手に浮上したトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)が、今季ベストリザルトとなる8位でフィニッシュ。今大会、ドライコンディションでは、まだまだ課題の多い状態でしたが、ウエットコンディションでは、復調を感じさせる走りを披露しました。

終盤、そのエリアスを猛追した青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)が、9位でチェッカーを受けました。今大会は、ドライ、ウエットともに、いい状態を見つけることができませんでした。しかし、ウオームアップのあとに行ったウエットセッティングの変更で、ややペースを取り戻しました。青山は、予選11番手からオープニングラップ11番手。その後、バレンティーノ・ロッシ(ドゥカティ)、ロリス・カピロッシ(ドゥカティ)にかわされて13番手にダウンするも、その後、転倒者があったことで順位を上げ、終盤、カピロッシを抜いて9番手に浮上。最終ラップには、エリアスの背後に迫りました。

この日は、最高気温が11℃。雨量も多く、風も強いという厳しいコンディションとなりましたが、Repsol Honda Teamが1-2フィニッシュ。エリアスと青山もシングルフィニッシュを果たす、すばらしい成績を収めました。

Moto2クラスも、ウエット、気温11℃という厳しい条件の中で決勝が行われ、38台中13台が転倒などでリタイアする厳しい戦いとなりました。優勝したのは、予選3番手から好スタートを切ったステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)で、カタルニアGPから2連勝で、今季4勝目を達成。総合ポイントでも2位以下に大きなリードを築きました。2位にホームGPに気合満点のブラッドリー・スミス(Tech 3 Racing)が入り、Moto2クラスで初の表彰台登壇。そして、ミケーレ・ピロ(Gresini Racing Moto2)が続き、初の表彰台となる3位でフィニッシュしました。予選12番手から追い上げが期待された高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)は、序盤に19番手までポジションを落とすも7位でチェッカーを受け、総合ポイントで5位から3位へと浮上しました。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP 優勝)「スタートが決まらず、おまけにタイヤが温まるのを待たなければなりませんでした。最初の数周、他のライダーの後ろにいたときは、水しぶきがバイザーの内側に入って視界が悪く、プッシュするのが難しかったです。この時は注意深く走りました。自分のラインを守って、インに入られないようにしました。しかし、5周を終えるころには視界もはっきりしてきて、バイザーから水もなくなったので、気持ちよく走ることができました。ラップタイムも上がり、差を広げ始めることができました。今日は信じられないくらい寒くて、こういうコンディションは転倒しやすいので、とてもナーバスになりました。そういう状況の中で最後まで転ばずに走りきれたことがとてもうれしいです。今日はとても難しいコンディションでした。なにが起きてもおかしくなかったです。そのような状況ですばらしいレースができたし、優勝することができて最高の気分です」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 2位)「今日の表彰台はとてもうれしいです。この2位は、まるで金メダルを獲得したような気分。路面コンディションはとても滑りやすく、今朝のウオームアップのときよりも水の量は多かったです。リアのグリップを出すためにセットアップを修正しました。そのおかげでとてもいい状態になり、タイヤが温まるまでの序盤にペースを上げることができました。とてもいいスタートが切れました。そしてケーシーについていき2位をキープすることに集中しました。ロレンソとシモンチェリに抜かれないようにブレーキングでがんばりました。いいリズムで走れたし、ケーシーからそれほど離れませんでした。でも彼はこのようなコンディションにとても強いので、自分のレースをすることに集中しました。全力で僕をサポートしてくれたチームに感謝したいです。今日はレースという大事なときにいいパフォーマンスができましたが、これからは、予選でのパフォーマンスをよくする必要があります。今日の2位獲得で、ロレンソとの差が縮みました。シーズンはまだ長いので、あきらめず全力を尽くしていきます」

トニ・エリアス(MotoGP 8位)「ウエットコンディションになり、今日はトップ10でフィニッシュしたかったので、とてもうれしいです。マシンのセットアップにはまだ苦戦しています。ドライコンディションだったら同じ順位でフィニッシュできなかったと思います。でも自分とチームにとっては、とてもポジティブな週末でした。ロッシとアブラハム(ドゥカティ)とバトルすればもっといいポジションになると思いました。でも序盤にヘルメットの視界が不明瞭になり、数回バイザーを開けなければなりませんでした。14番手というグリッドを考えれば、いいスタートが切れたと思います。でも第1コーナーでふくらんでしまったのが残念。運よくコースに戻ってレースを続けられたことに感謝しています」

青山博一(MotoGP 9位)「スタートして数周は、前がまったく見えなくてどこを走っていいのか分かりませんでした。新しい部分のアスファルトは水はけが悪く、古い部分は水たまりが多かったです。今日は、ウオームアップのときからフィーリングがよくなく、決勝はいい状態になりましたが、それでも万全ではなく、難しかったです。しかし、ウオームアップの状態だったら、まったく走れなかったと思います。決勝に向けてセッティングを変えてよかったです。しかし、カピロッシをなかなか抜けませんでした。彼を抜いてからペースも上がり、エリアスに追いつくことができました。9位という順位には満足していませんが、MotoGPクラスで初めての雨のレースを、きちんと走れたという点では、いい経験になりました」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP リタイア)「毎戦、トップグループでレースを戦えているのに、こうしてなにかが起きてしまいます。今日の結果には、がっかりしたというか、言葉もありません。あのコーナーではすでに危ない瞬間があったので、十分に気をつけていました。それでも、フロントからあっという間に転倒してしまいました。再び、表彰台にさよならを言うことになってしまいました。今日もがっかりして家に帰ることになりますが、明日からはアッセンに向けて気持ちを切り替えたいです。そして、ここまで続いた不運もこれが最後だと思いたいです」

中本修平|HRCチーム代表「今日はとても難しいコンディションでした。雨と風と寒さ、こういうときはライダーのがんばり以外のなにものでもなく、ケーシーとアンドレアには感謝したいです。今日はウオームアップで、雨のレースに向けて細かい調整をしましたが、それも結果につながりました。ケーシーは、序盤の5周くらいはタイヤが温まらず難しかったと言っていましたが、それからは順調にラップを刻めていました。アンドレアは、ウオームアップの調整でブレーキングがすごくよくなり、それが好結果につながりました。チームの総合力で獲得した表彰台でした。マルコは残念でした。特別攻めていたわけじゃないようですが、フロントから転んでしまったようです。マルコが転ばなければ1-2-3フィニッシュを達成できたので残念です。今回の優勝でケーシーは総合首位に立ちました。次のオランダも勝てるように全力を尽くしたいです」

ステファン・ブラドル(Moto2 優勝)「本当に難しいコンディションで、とても大変なレースでした。どちらかといえばドライコンディションのレースが好きなので、今日のようなウエットコンディションで優勝できたことは、自分たちにとって本当にすばらしいことです。今日は自分の走りに集中しました。他のライダーがどんな走りをしていようと、そんなことはどうでもよかったです。しかし、集中を続けるのは、本当に難しかったです。しかし、ここまでは、なにもかもが順調に進んでいます。でもまだ先は長いので、同じように仕事を続けていきたいです」

ブラッドリー・スミス(Moto2 2位)「28番グリッドだったので、今日はいいスタートを切らなければならないと思っていました。第3コーナーに入るとき、5人くらいを外側から抜きました。それからは、とにかく前に出ようと思っていました。集団の中では水しぶきが本当にひどかったです。なにも見えませんでした。だから、ただ下を向いて走りました。いいペースで走れたけれど、ステファンにはかないませんでした。速いペースを保つようにして彼にプレッシャーを与えようとしたけれど、彼はクールでミスをしなかったので、チャンスもなかったです」

ミケーレ・ピロ(Moto2 3位)「路面がとても濡れていて、序盤は本当に厳しかったです。とにかく、落ち着かなくてはいけないと思いました。正直、こんなコンディションではどこまで走れるのか自信がありませんでしたが、周を重ねるごとにフィーリングがよくなったので前に出ようとがんばりました。このサーキットは初めてだったし、すごくうれしいです。チームにとってもこの結果は重要なので、とてもうれしい。これからも同じようなレースをしていきたいです。チームとスポンサーに心から感謝しています」

高橋裕紀(Moto2 7位)「ウオームアップはすごく感触がよくて、今日はいいレースができると思っていました。しかし、スタートして何周かは、視界が悪かっただけでなく、フィーリングも悪くてペースを上げられませんでした。それで19番手まで順位を落としましたが、だんだんリズムよく走れるようになり、ペースを上げられました。最終的に7位でフィニッシュ。ピットに帰ってきたら、みんなすごく喜んでくれました。表彰台には立てなかったけれど、総合ランクで5位から3位に上がることができました。今回はフリー、予選といろいろなことにトライしました。全力を尽くしてくれたチームとモリワキのスタッフに感謝したいです」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127ケーシー・ストーナーHonda47:53.459
24アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+15.159
35C.エドワーズヤマハ+21.480
469N.ヘイデンドゥカティ+26.984
519A.バウティスタスズキ+35.569
646V.ロッシドゥカティ+1:04.526
717K.アブラハムドゥカティ+1:32.650
824トニ・エリアスHonda+1:51.938
97青山博一Honda+1:52.350
1065L.カピロッシドゥカティ+2:03.312
118H.バルベラドゥカティ+1Lap
1214R.デ・ピュニエドゥカティ+1Lap
RT58マルコ・シモンチェリHonda+10Laps
RT1J.ロレンソヤマハ+12Laps
RT11B.スピーズヤマハ+13Laps

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
165ステファン・ブラドルKALEX44:10.236
238ブラッドリー・スミスTECH 3+7.601
351ミケーレ・ピロMORIWAKI+12.241
416ジュール・クルーゼルSUTER+17.271
545スコット・レディングSUTER+23.531
634エステベ・ラバトFTR+28.661
772高橋裕紀MORIWAKI+32.391
854ケナン・ソフォーグルSUTER+34.662
968ヨニー・ヘルナンデスFTR+37.181
103シモーネ・コルシFTR+38.981
114ランディ・クルメンナッハKALEX+39.657
1276マックス・ノイキルヒナーMZ-RE HONDA+51.622
1349ケブ・コフランFTR+54.810
1425アレックス・バルドリーニSUTER+56.242
1512トーマス・ルティSUTER+1:00.769
1629アンドレア・イアンノーネSUTER+1:06.198
1763マイク・ディ・ミリオTECH 3+1:19.530
1840アレックス・エスパルガロPONS KALEX+1:27.092
1921ハビエル・フォレスSUTER+1:29.849
2077ドミニク・エージャーターSUTER+1:30.338
2135ラファエレ・デ・ロサFTR+1:57.792
2253バレンタン・ドゥビーズFTR+2:11.104
2339ロベルティーノ・ピエトリSUTER+2:29.168
2495マシェル・アル・ナイミMORIWAKI+1Lap
2596ナーセル・ハッサン・アル・マルキMORIWAKI+1Lap
RT44ポル・エスパルガロFTR+2Laps
RT13アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+4Laps
RT9ケニー・ノイズFTR+4Laps
RT71クラウディオ・コルティSUTER+5Laps
RT15アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI+7Laps
RT19ザビエル・シメオンTECH 3+8Laps
RT31カルメロ・モラレスMORIWAKI+10Laps
RT14ラタパーク・ウィライローFTR+10Laps
RT93マルク・マルケスSUTER+11Laps
RT75マティア・パシーニFTR+12Laps
RT36ミカ・カリオSUTER+12Laps
RT18ジョルディ・トレースSUTER+15Laps
RT80アクセル・ポンスPONS KALEX-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
194J.フォルガーアプリリア43:48.862
25J.ザルコデルビ+3.885
355H.ファウベルアプリリア+14.951
439L.サロンアプリリア+17.164
57E.バスケスデルビ+17.403
626A.マーティンアプリリア+19.236
711S.コルテセアプリリア+21.609
818N.テロールアプリリア+25.167
984J.コーンフェールアプリリア+32.345
1052D.ケントアプリリア+32.971

ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ケーシー・ストーナーHonda116
2J.ロレンソヤマハ98
3アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda83
4V.ロッシドゥカティ68
5ダニ・ペドロサHonda61
6N.ヘイデンドゥカティ60
7青山博一Honda43
8C.エドワーズヤマハ37
9B.スピーズヤマハ36
10K.アブラハムドゥカティ33
11マルコ・シモンチェリHonda32
12H.バルベラドゥカティ31
13C.クラッチローヤマハ30
14トニ・エリアスHonda28
15A.バウティスタスズキ22
16L.カピロッシドゥカティ22
17R.デ・ピュニエドゥカティ10
18J.ホプキンススズキ6

コンストラクター(MotoGP)

順位 コンストラクター ポイント
1Honda145
2ヤマハ114
3ドゥカティ76
4スズキ28

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ステファン・ブラドルKALEX127
2シモーネ・コルシFTR65
3高橋裕紀MORIWAKI56
4アンドレア・イアンノーネSUTER49
5フリアン・シモンSUTER49
6トーマス・ルティSUTER48
7ブラッドリー・スミスTECH 347
8マルク・マルケスSUTER45
9アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI42
10ミケーレ・ピロMORIWAKI37
11アレックス・エスパルガロPONS KALEX31
12ランディ・クルメンナッハKALEX29
13エステベ・ラバトFTR28
14ジュール・クルーゼルSUTER27
15ドミニク・エージャーターSUTER24
16ヨニー・ヘルナンデスFTR20
17マックス・ノイキルヒナーMZ-RE HONDA18
18スコット・レディングSUTER16
19ポル・エスパルガロFTR13
20アレックス・バルドリーニSUTER13
21ケブ・コフランFTR11
22ケナン・ソフォーグルSUTER8
23ミカ・カリオSUTER8
24マイク・ディ・ミリオTECH 37
25クラウディオ・コルティSUTER5
26アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA5
27ラタパーク・ウィライローFTR4
28マティア・パシーニFTR3
29ザビエル・シメオンTECH 32
30リカル・カルダスMORIWAKI2
31アクセル・ポンスPONS KALEX1

コンストラクター(Moto2)

順位 コンストラクター ポイント
1KALEX127
2SUTER123
3MORIWAKI74
4FTR69
5TECH 356
6MOTOBI42
7PONS KALEX32
8MZ-RE HONDA18

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1N.テロールアプリリア128
2J.フォルガーアプリリア93
3J.ザルコデルビ83
4S.コルテセアプリリア81
5E.バスケスデルビ68
6M.ビニャーレスアプリリア65
7H.ファウベルアプリリア48
8S.ガデアアプリリア36
9L.サロンアプリリア35
10A.マーティンアプリリア30

コンストラクター(125cc)

順位 コンストラクター ポイント
1アプリリア150
2デルビ92
3KTM12
4マヒンドラ 8