round 3

June 10/11/12 2011 MotoGP AirAsia British Grand Prix 第6戦 イギリスGP

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イギリスGPプレビュー

第5戦カタルニアGPから2週連続開催となる第6戦イギリスGPが、6月10日から12日までの3日間、ロンドンの北に位置するノーザンプトン近郊のシルバーストーン・サーキットで開催されます。昨年は1986年以来、24年ぶりにグランプリがシルバーストーンに移り、その開催に向けて、大改修を受けました。一周5.902km、全18戦で最も長いコースはスピード感あふれるもので、選手たちの評判は上々でした。今年はピットビルが新築され、今大会は、そのこけら落としとなります。

イギリスGPプレビュー

今季初の2連戦となるイギリスGPの優勝候補の筆頭は、フランス、カタルニアと2連勝を達成したケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)で、今大会は3連勝を狙うことになります。ドゥカティ時代の昨年は5位と表彰台に立てませんでしたが、今シーズンは、RC212Vのパフォーマンスを最大限に引き出し、苦手なサーキットでも優勝争いを演じ、得意なコースでは圧勝してきました。昨年は表彰台に立てませんでしたが、「シルバーストーンは好きなサーキット」と語っているだけに、今季4勝目の期待が膨らんでいます。ドニントンパーク時代のイギリスGPでは2007年、08年に優勝しています。今大会は、3度目のイギリスGP制覇を狙うことになります。

09年のイギリスGPで最高峰クラス初優勝を達成しているアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)も、イギリスとの相性がよく、今年も活躍が期待されます。昨年の大会ではイギリスGP2年連続表彰台となる2位でフィニッシュ。前戦カタルニアGPでは4位と表彰台に立てませんでしたが、その内容は上り調子を強烈にアピールするものでした。第4戦フランスGPで2位、第5戦カタルニアGPではトップとの差を大きく縮めての4位になっているドヴィツィオーゾ。確実に調子を上げているだけに、今大会は、今季2回目の表彰台と今季初優勝の期待が膨らんでいます。

前戦カタルニアGPでキャリア初のPPを獲得するも、決勝6位と初表彰台を逃しているマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)は、レースをこなすごとに自信を深めています。今大会は、初表彰台を初優勝で飾る意気込み。昨年の大会では表彰台争いに加わって7位でしたが、シーズンを通じて最も成長したサーキットであり、優勝候補のストーナーにとって、シモンチェリが最大のライバルに浮上する可能性もあります。

この数年、シーズン2〜4勝止まりとなっていたHonda勢ですが、今年は5戦を終えてすでに4勝を達成。今大会は、ストーナー、ドヴィツィオーゾ、シモンチェリの3選手の優勝争いとHonda勢の表彰台独占の期待が高まっています。

昨年の大会で負傷した青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)も、その雪辱に燃えています。前戦カタルニアGPでは、第2のホームGPとして気合を入れていましたが、転倒リタイアに終わりました。その雪辱と昨年の悔しさを晴らす大会に闘志満々。前戦カタルニアGPで、復調のきっかけをつかみかけているトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も、今大会は、その自信を結果につなげる意気込みにあふれています。

今季初の2連戦。ランキング2位のストーナーの総合首位奪還に、大きな注目が集まっています。また、前戦カタルニアGPを欠場したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、骨折した右肩が完全に回復していないため、今大会も欠場することになりました。

毎戦、し烈な戦いが繰り広げられているMoto2クラスも、今大会は一段と厳しい戦いが繰り広げられそうです。加えてチャンピオン争いもし烈で、群雄割拠の様相。ランキング首位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)が5戦3勝と圧倒的な強さで102点を獲得していますが、2位のシモーネ・コルシ(Ioda Racing Project)が59点、以下、トップ10内が大接戦となっています。前戦カタルニアGPで転倒リタイアに終わっているランキング5位の高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)も、その雪辱に気合を入れています。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング1位) 「すばらしいレースを数戦続けられたし、今、シルバーストーンへ向かうのがすごく楽しみです。昨年は自分たちにとってシルバーストーンはあまりよくなくて、力強いレースができませんでした。Hondaに移籍した今年は、ここまでいいレースができているし、この調子をキープできればいいレースが期待できるかもしれません。ここまでは、すべてがスムーズに進んできています。集中力を保ち、チャンピオンシップの最大のライバルで、昨年優勝したホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)に気をつけなければいけません。シルバーストーンはとても楽しいサーキットです。どのように週末が始まるか楽しみです。ダニがまた欠場するのは非常に残念ですが、これは彼の決断なので、この厳しい時期をがんばって乗り越えることを祈っています」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位) 「シルバーストーンは好きだし、自分たちにはいいサーキットだと思います。今年は、たくさんあったバンプが舗装されてよくなっているはずです。先週のカタルニアは、 2位になったル・マンに比べて、レースペースの面において前進することができたのですが、4位に終りました。ころころ変わる路面コンディションのためにマシンのポテンシャルをフルに使えませんでした。でも、速いペースを刻めましたし、優勝したケーシーと5秒差でフィニッシュしました。イギリスでのレースに向けてモチベーションはとても上がっています。一昨年、ドニントンのイギリスGPではMotoGPクラスで初めて優勝しました。昨年、初めて走ったシルバーストーンでは2位でした。最初のセッションから最善のセットアップを見つけることに集中したいです。ダニがシルバーストーンに参戦しないと聞いて残念です。早く回復して早く復帰することを願っています。シルバーストーンは美しいサーキット。優勝争いに加わりたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位) 「ケガを直すことに全力を尽くしてきましたが、今週のイギリスGPに参戦しないことを決めました。シルバーストーンに出られるように、できることはすべてやってきました。でも今のコンディションでは、レースを戦える保証はありません。次にマシンに乗るときは、100%の状態で優勝争いをする自信が必要です。ただ周回を重ねるために走りたくはありません。これまでも、痛みをこらえながらたくさんのレースをしてきました。その経験から、今は、戦うにはまだ十分ではないと思っています。これ以上リスクを負わないと決めました。その代わりに回復するためのプロセスを続け、ベストの状態で戻れるようにしたいと思っています。今は、走りたい、戻りたいという気持ちだけで決めるのではなく、現実を見つめたいと思います。できるだけ早く復帰したいのですが、優勝できる力が戻った時に復帰したい。今はまだその時ではありません」

青山博一(MotoGP ランキング8位) 「先週のカタルニアGPは、ランディ(デ・ピュニエ、ドゥカティ)を巻き込んで転倒してしまいましたが、シルバーストーンでは、その分もがんばりたいです。残念ながら、シルバーストーンには、いい思い出がありません。昨年は転倒して、そのために6レース欠場することになってしまいました。これは忘れたいことの一つで、そのためにも今週末は、いいグランプリにしたいです。いいレースをするポテンシャルはあるので、できる限りポイントを獲得して、チャンピオンシップに近づくためにベストを尽くしたいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング9位) 「バルセロナではポールポジションを獲得したのに、6位に終わったのは残念でした。もっといいレースができたかもしれないけれど、全体的にはいいレースでした。ライディングもラップタイムも悪くありませんでした。カタルニアで果たせなかった表彰台を獲得したいです。シルバーストーンでは、そのチャンスがあります。昨年もシルバーストーンではいい走りができました。MotoGPクラスで初めて大きな前進だったので、とても楽しかったです。今回は優勝することを目標に全力を尽くしたい。準備はできています。MotoGP初の表彰台が待ちきれません。その一番上に上がりたいです」

トニ・エリアス(MotoGP ランキング14位) 「先週のホームGPはちょっと残念な結果だったけれど、シルバーストーンでは心機一転、ゼロからスタートしたいです。ウインターテスト以降、ここまで一生懸命がんばってきました。でも、いいペースを刻むには、まだなにかが足りません。以前のような走りをしたいので、解決策を見つけなければいけません。昔より緻密なセッティングが必要ですし、これまでのデータを生かして前進したいと思います。Honda勢はいいレースをしています。自分もそういうレースをするためには、根本的な調整が必要なのだと思います」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位) 「シルバーストーンは本当に楽しみです。昨年は、イギリスGPでいいリズムを見つけました。そして予選では3番手になれたのですが、決勝はミスをして転倒してしまいました。今年は、ここまでとてもいいパフォーマンスを見せられていると思うし、今回もいい流れをキープしたいです。今はチャンピオンシップにとても重要な時だから、頭を使って冷静なレースをしなければいけません」

シモーネ・コルシ(Moto2 ランキング2位) 「マシンのちょっとした問題を別にすれば、先週のバルセロナはよかったと思います。しかし、カタルニアで表彰台に上がれなかったことは後悔しています。表彰台まであと少しでした。とにかく、チャンピオンシップで6位から2位になれたことには満足しています。シルバーストーンでは、昨年完走できなかったので、今年はいい結果を残したいです」

高橋裕紀(Moto2 ランキング5位) 「カタルニアGPは本当に残念でした。前を走るルティが転ぶとは思わなかったし、避けたと思ったら追突されてしまいました。仕方ないと思っても、そういうところを走っていたことが悔やまれるし、もう少し積極的にいってもよかったかなと思います。しかし、そのためには予選が終わったときにセットアップを完全にしていなくてはいけないし、今回は、しっかりとマシンを仕上げたいと思います。シルバーストーンは昨年いいレースができませんでした。今年はその経験を生かし、初日からいい走りをしたいです」