round 5

June 3/4/5 2011 MotoGP Gran Premi Aperol de Catalunya 第5戦 カタルニアGP

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カタルニアGPプレビュー

第5戦カタルニアGPが、6月3日から5日までの3日間、バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開催されます。6月、7月の2カ月8週間で6レースというハードスケジュール。その初戦となるカタルニアGPは、この連戦を占う意味でも、とても重要なレースとなります。

ポルトガルGPプレビュー

今年で20回目の開催となるカタルニアGP(1992〜94年のヨーロッパGPを含む)。バルセロナ出身のライダーが多いだけに、毎年、大きな盛り上がりを見せています。一周4.727kmのロングコース。高速コーナーが連続するハイスピードバトルは、見る者を興奮させます。MotoGPクラスでは、今年は開幕から4戦3勝と好調な走りを見せるHonda勢。3年ぶりのカタルニアGP制覇と今季4勝目に全力を尽くすことになります。

しかし、前戦フランスGPの決勝レースで転倒し、右鎖骨を骨折したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、レースを戦える状態ではないため、今大会を欠場することになりました。バルセロナで生まれ育ったペドロサにとって、カタルニアGPは一年で最も楽しみにしている大会でした。過去、この大会では、125cc、250ccで優勝、08年にはMotoGPクラスでも勝ち、念願の3クラス制覇を成し遂げています。一昨年はケガのため6位。昨年は2位表彰台と優勝を逃していますが、今年は体調もよく、3年ぶりの優勝が期待されていました。8週間で6レースというハードな連戦。チャンピオン争いに生き残るために今大会の欠場を決断しましたが、一日も早い復帰を願うばかりです。

ペドロサの欠場という残念なニュースで幕を開けることになったカタルニアGPですが、一方、前戦フランスGPで今季2勝目を挙げたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、今大会の優勝候補の筆頭に挙げられています。MotoGPクラスが800ccになった07年に優勝、08年から10年まで3年連続3位と確実に表彰台に立ってきました。Repsol Honda Teamに移籍した今年は、開幕戦からここまでRC212Vのポテンシャルを引き出し、4戦を戦って3回のPP、2勝を含む3回の表彰台で総合2位につけています。ストーナーにとっては、ここから先、得意なサーキットが続きます。その最初のレースとなるカタルニアGPには必勝態勢で挑みます。

前戦フランスGPで今季初表彰台に立ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)も、2戦連続表彰台に闘志を燃やしています。250cc時代は、05年に3位、06年に優勝、MotoGPクラスでは、08年、09年と連続4位を獲得しています。昨年は優勝争いに加わるも転倒を喫し、再スタートしたものの14位という悔しいレースに終わっています。今年はその雪辱を狙う意気込み。Repsol Honda Teamは今大会を2台体制で挑みますが、ストーナーとドヴィツィオーゾが、2戦連続の1-2フィニッシュを狙います。

開幕戦からすばらしいパフォーマンスを発揮しているマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)は、前戦フランスGPでペドロサと接触、その走りがアグレッシブだったとして、レース中にライド・スルーのペナルティを受けています。今大会は、そのペドロサが欠場することになり、肩を落とすシモンチェリですが、気持ちを新たに今大会に挑みます。

昨年、ケガのためにカタルニアGPに出場できなかった青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)は、2年ぶりの大会の開幕を楽しみにしています。今年はここまで4戦連続でポイントを獲得。決して相性のいいサーキットとはいえないポルトガル、フランスでトップ10フィニッシュを果たしているだけに、ここからの巻き返しが期待されます。ここから先は、カタルニア・サーキットを含めて得意なサーキットが続きます。バルセロナに住む青山にとって第2のホームGPとなるだけに、初日から気合の入った走りが見られそうです。

昨年のMoto2チャンピオンのトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)も地元GPに闘志をかき立てています。今年は4戦を終えて9位が最高位と、不本意なリザルトが続いています。今大会はニューシャシーの投入が決まり、復活が期待されます。今季ベストリザルトに向けて、どんな走りを見せてくれるのか。地元ファンの声援の中で熱い走りを見せてくれそうです。

大接戦が続くMoto2クラスは、今大会も厳しい戦いが繰り広げられそうです。前戦フランスGPでMoto2初優勝を達成して気合満点のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、ホームGPで2連勝を狙います。総合2位のフリアン・シモン(Mapfre Aspar Team Moto2)も、今季2回目の表彰台と初優勝に気合満点。総合首位のステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)は、開幕から続いている連続PP更新と今季3勝目に闘志を燃やしています。そして、ポルトガルGPで3位、フランスGPで2位と調子を上げている高橋裕紀(Gresini Racing Moto2)も、今季初優勝に向けて全力を尽くすことになります。高橋は昨年の大会で独走優勝。今年は2連覇の期待が膨らんでいます。

コメント

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング2位) 「ル・マンでのすばらしい週末を終えて、こうして、バルセロナに向かうのが本当に楽しみです。ここはグランプリで初めて走ったサーキットの1つで、いい思い出がたくさんあります。流れるようなリズミカルなサーキットで、スペイン人の観客もすばらしい。過去、ダニはここで、すばらしいパフォーマンスを見せてきました。ダニのようにいいセットアップを早く見つけて、いいレースをしたいです。序盤に失ったポイントを取り戻す必要があります。ダニの手術がうまくいってとてもうれしい。早く回復することを願っています。しかし、彼がホームレースで走れないのは本当に残念です。心から早くサーキットに戻ってきてほしいと願っています」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング4位) 「ル・マンで2位になり、こうしていい気分でカタルニアGPに向かえるのはうれしいです。ここは大好きなサーキットの1つ。自分のライディングスタイルに合っています。そして、RC212Vとも相性がいいです。ロングサーキットで高速コーナーがあります。ここでは常にいい結果を残してきました。ル・マンで表彰台に上がったあとなので、引き続き、いいパフォーマンスを繰り返せるようにしたいです。このサーキットの雰囲気はすばらしいです。いつも熱狂的な観客がたくさんいます。カタルニアGPから本格的な戦いが始まります。8週間に6つのレースがありますからね。個人的に連戦は好きです。休みなしに仕事を続けられるので、集中力を高められます。ダニのことは本当に気の毒に思います。彼のリハビリがうまくいくことを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位 今大会欠場) 「フランスGPのあと、骨折した右の鎖骨を固定するために手術を行いました。そしてバルセロナに向けて何とか治したいと思っていました。できる限りがんばりましたが、まだ治っていません。少し休んで、きちんと治さないといけません。今年はシーズンのはじめからたくさんの問題を抱え、手術もしました。やっといい状態に戻ったときだけに、本当に残念です。モンメロはたくさんの僕のファンがいるので大好きですが、僕がサーキットに行くということは、優勝争いをするということですし、いいレースを見せるということです。今の時点ではそれは不可能だから、出場するという選択はしないことにしました。起きてしまったことは本当に残念です。シーズン序盤に抱えていた問題もクリアになって、とても強い状態でした。ライバルに勝てると分かっていました。みんなのサポートに感謝しています。早く身体を治して、なるべく早く戻ってベストを尽くしたいです」

青山博一(MotoGP ランキング7位) 「ここまでの4戦の結果には、かなり満足しています。安定したレースができていますし、4戦連続でトップ10フィニッシュできました。ポイントも獲得してきました。バルセロナでは、次のステップに向けて一歩前進したいです。そのためにも、予選でいいグリッドを獲得することが必要になりますし、これまでのように追い上げのレースではなく、いい位置でレースを始めなければなりません。チームのサポートがあり、もっともっとマシンに自信が持てれば、そういうレースができると思います。昨年はケガのため、走ることができませんでした。バルセロナは好きなサーキットなので目標を達成したいです」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング8位) 「2週間の休暇中、ル・マンでのレースのことを考えていました。ダニに起きたことは、本当に残念に思っています。そして彼のケガが、早く治ることを願っています。フランスGPで、トップ4にHondaが4台入れるチャンスを失い残念でした。全体的に振り返ってみて、どこで自分がミスをしたのかがわかりました。そして今後はこのような状況をなくすように努力したいです。そしてもう少し注意深くなろうと思います。バルセロナではスタンディングオベーションは受けられないと思います。自分が批判されていることも知っています。すでにペナルティを受けているし、どんな状況になっても、レースに集中したいと思います。チームも自分も、いいレースができるポテンシャルがあることを確信しています」

トニ・エリアス(MotoGP ランキング14位) 「正直、自分の今の状況で、ホームレースに期待することはあまりありません。でも心配はしていません。プレッシャーも感じていません。引き続き前進して、マシンを一歩一歩、よくしていきたいです。これまでの3戦は、いくつか小さな進展がありましたが、全体的には、まだ完ぺきではありません。だから引き続きステップアップさせる仕事をして、ホームレースでまた一歩前進したいです。今大会、2011年型の新しい車体を用意してくれたHondaに感謝したいです。自分とチーム、そしてファンのために最高の結果を残せるようにベストを尽くします」

ステファン・ブラドル(Moto2 ランキング1位) 「フランスGPから2週間もインターバルがあったので、こうしてまたレースができることが本当にうれしいです。今はとにかく、早くバイクに乗りたいです。今週のはじめにアッセンで少しテストを行いました。バルセロナにはうれしい思い出があります。ここではいつもいい結果を出してきました。今回は、ホームレースとなるスペイン勢が強いと思いますが、自分はベストを尽くすだけです。プレッシャーは何もありません」

フリアン・シモン(Moto2 ランキング2位) 「ポルトガルで表彰台に上がり、前回のフランスでは、表彰台に立てなかったけれど、大接戦の中で4位になれました。上り調子でホームGPのカタルニアGPを迎えられます。先週、アラゴンでテストをしました。とてもすばらしいテストになりました。マシンのフィーリングはよくなりましたし、自信を持ってライディングできるようになりました。スペインのレースはいつもモチベーションが高いです。ファンのサポートを感じられるのはすばらしいことです。チャンピオンシップでも暫定2位。自信を持って挑みたいです。目標は表彰台に立つことです。そして、Moto2で初めての優勝に挑みたいと思います」

高橋裕紀(Moto2 ランキング4位) 「昨年ここで優勝しているので、モチベーションを高く保ってバルセロナに向かいたいです。この数戦の進歩はすばらしい。ポルトガルよりフランス。そしてフランスより今回と、その成果を結果で見せたいと思います。マシンの状態がよくなっているので、走りに集中できています。ここ2戦で3位、2位とリザルトも走りの内容もよくなっています。サスペンションのセッティングがよくなって、モリワキMD600のポテンシャルも一段と高くなっています。今大会は、昨年のようにみんなに喜んでもらえるようなレースにしたいです。とにかく、表彰台の一番上に立ちたいです」