round 3

May 1 2011 MotoGP bwin Grande Premio de Portugal 第3戦 ポルトガルGP
PhotoGallery

SCHEDULE

  • レース情報
  • プレビュー
  • 1日目フリー走行
  • 予選
  • 決勝

ペドロサ今季初優勝
ストーナー3位で今季2回目の表彰台に立つ

開催日:2011年5月1日(日)・決勝 会場:エストリル・サーキット
天候:曇り/晴れ コースコンディション:ドライ 気温:20℃ 観客:4万123人(3日間/6万2144人)

3日間を通じて不安定な天候となったポルトガルGPだが、決勝レースは青空が広がるまずまずのコンディションの中で行われた。その中で、開幕から3戦連続フロントロー、予選3番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が好スタートからホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)をピタリとマークし、ラスト4周となる25周目の1コーナーでトップに浮上すると一気にペースアップ。約3秒のリードを築いて28周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。開幕戦では予選2番手から決勝3位。第2戦スペインGPでは予選2番手から決勝2位。そして今大会は、予選3番手から今季初優勝を飾った。

  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサ(左)、ケーシー・ストーナー(右)ダニ・ペドロサ(左)、ケーシー・ストーナー(右)
  • ダニ・ペドロサ(左)、ケーシー・ストーナー(右)ダニ・ペドロサ(左)、ケーシー・ストーナー(右)
  • ケーシー・ストーナーケーシー・ストーナー
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • 青山博一青山博一
  • スタートシーンスタートシーン

前戦スペインGPを終えた後、ペドロサは昨年負傷した左鎖骨のプレートを取り除く手術をした。手術は成功し、リハビリを続けてきたが完全ではなく、今大会はレース中に痛みとけいれんに襲われる状態だった。そういったハンディキャップを乗り越えての優勝。Hondaとしては06年以来のポルトガルGP制覇。総合首位のロレンソとの差を4点とし、次戦フランスGPでは逆転を狙うことになった。

3位にはケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が入った。今大会はフリー、予選とセットアップに苦しんだ。しかし、予選セッション終盤になってやっといい状態を見つけ、決勝では好スタートを切った。しかし、オープニングラップにマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が転倒し、この転倒の影響でわずかに遅れ、さらにハイサイドを喫して腰を痛めたことからペースを上げられなかった。他者の転倒に巻き込まれてリタイアした前戦スペインGPの雪辱を果たす表彰台獲得で、総合3位をキープ。次戦フランスGPではペドロサとともに今季2勝目を狙う。

予選6番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は4位でフィニッシュした。オープニングラップはロレンソ、ペドロサ、ストーナー、バレンティーノ・ロッシ(ドゥカティ)に続いて5番手につけた。その後、ロッシとのマッチレースとなったが、最終ラップにロッシを抜き、4位でチェッカーを受けた。その差0.025秒。スリップから抜け出して逆転するスリリングな戦いに観客も大喜びだった。

その後方では、カル・クラッチロー(ヤマハ)、ベン・スピーズ(ヤマハ)、ニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)とし烈な7位争いを繰り広げた青山博一(Team San Carlo Honda Gresini)が、グループトップでフィニッシュした。抜きつ抜かれつという厳しい戦いは、終盤クラッチローとの一騎打ちとなり、最終ラップに青山が逆転した。予選17番手から決勝に挑んだトニ・エリアス(LCR Honda MotoGP)は、ロリス・カピロッシ(ドゥカティ)、ランディ・デ・ピュニエ(ドゥカティ)とし烈な10位争いを繰り広げ、カピロッシをかわし11位でフィニッシュした。

今季初フロントローの2番手から決勝に挑んだシモンチェリは好スタートを切るも、オープニングラップの4コーナーで転倒を喫し、惜しくもリタイアとなった。

Moto2クラスは、ステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)、フリアン・シモン(Mapfre Aspar Team Moto2)、アンドレア・イアンノーネ(Speed Master)の優勝争いとなり、ブラドルが開幕戦カタールGPに続いて今季2勝目。シモンが2位で今季初表彰台を獲得した。イアンノーネはトップに立つも23周目に転倒。この3人のわずか後ろで単独4位を走行していた高橋裕紀(Gresini Racing Team)が今季初表彰台となる3位でフィニッシュした。この結果、ブラドルが総合首位に浮上。イアンノーネが2位にポジションを落とし、高橋裕紀は総合9位から6位へとランキングを上げた。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 優勝)「今日の優勝はとてもうれしい。ホルヘの後ろを走っていて、残り15周のときにけいれんが始まったので、ときどき腕を休ませながら走っていた。そのうち、これまでみたいに脱力感やしびれがくるのではないかと思っていたが、こなかった。手術がうまくいったことがわかって本当にうれしい。こうなるまでに、約半年かかった。やっとケガから解放された気分だ。レースではベストを尽くした。ホルヘはエストリルではいつもすばらしく速い。今日も速くスムーズに乗っていたので、彼に離されないようがんばっていた。ここで優勝できて、本当にうれしい。このサーキットでは初めての優勝だった。お世話になった医者やトレーナーに感謝している。ここまで来るのは本当に大変だった」

ケーシー・ストーナー(MotoGP 3位)「スタートは決まったのだが、ダニが前を横切ったのでブレーキをかけなければならず、それで後退してしまった。第1コーナーでは、マルコと3位争いとなり、彼に妨害されてしまった。その後、第4コーナーで彼が転倒して、その影響でダニとホルヘに離されてしまった。最初の数周はリアタイヤのグリップが足りなかった。特に左側のグリップが足りず、何回か転倒しそうになった。そのときに腰を痛めてしまい、しばらく何もできなかった。ピットに戻ろうかと思ったが、半周したら少し楽になって、走り続けることにした。こんな状態でも完走できたし、3位になれたこともうれしい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4位)「難しい週末だったが、最後にいいレースができた。最終ラップにベストラップも出せたし、バレンティーノをオーバーテイクすることもできた。今日はずっと限界で走っていた。バレンティーノはいくつかのコーナーで自分より速かったのでなかなか抜けなかった。そして最終ラップの10コーナーで抜こうとしたけれど抜けず、最終コーナーの立ち上がりでスピードを乗せて立ち上がり、ストレートでスリップを使って彼を抜くことができた。今日の結果には満足しているけれど、トップからはかなり離れている。ダニ、ケーシーそしてロレンソと競うには初日からもっと接近していないと無理だ。明日のテストでは、セットアップに集中したい」

青山博一(MotoGP 7位)「3日間通じて不安定な天候、難しいコンディションだったが、最後まで思いきり走ることができた。今回も、序盤にペースを上げられず混戦にもまれた。ここから抜けだし、クラッチロー、ヘイデン、スピーズとバトルになったけれど、このグループのトップでフィニッシュできたこともよかった。今回は本当に難しいコンディションだったが、そのコンディションに合うようにチームが全力を尽くしてくれた。7位という結果はよくもなく悪くもないというリザルトだが、今日のレースの内容には満足している」

トニ・エリアス(MotoGP 11位)「難しくて厳しいレースだった。序盤はフロントのフィーリングが悪くてペースを上げられなかった。でもカピロッシとランディの速度が落ちてきたので追いつくことができた。カピロッシは追い越した。あと2周あればランディも追い越せたと思う。今日の結果には満足していないが、最後まで一生懸命がんばれたし、自分のパフォーマンスには満足している。大きなポテンシャルを得られたし、金曜日から一歩前進することができた。明日のテストでは、今回のデータを元にセットアップを行いたい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP リタイア)「残念な結果に終わってしまった。第1コーナーを出るときにタイヤから警報が出ていた。ペドロサとストーナーも問題がありそうなので、自分も落ち着いていこうと思った。第3コーナーは高いギアを使ってスムーズに走った。次の4コーナーもあまりアグレッシブにならないように走ったのだが、スロットルを戻したところでハイサイドを喫した。本当にがっかりしている。何と言ったらいいのかわからない。間違いなく自分のミスだった。次はもっと慎重にならなければいけない。ルマンではこんなミスをしないようにしたい」

中本修平|HRCチーム代表「予選を終えた時点で、マルコ、ダニ、ケーシーの3人の中からウイナーが出ると信じていたが、今日はダニが優勝してくれた。左肩が完ぺきではなく、レースディスタンスを走るとどうなるかわからない状態だったが、最後までがんばってくれた。ロレンソを抜いた後にペースを上げられたことも勝てた要因だった。今日はストーナーがレース中に腰を痛めてペースを上げられなかった。できることなら、1-2でフィニッシュしたかった。次のフランスもロレンソが勝っているサーキットなので、今回同様、優勝を狙っていきたい」

ステファン・ブラドル(Moto2 優勝)「とても大変なレースだった。いいスタートが切れたので走りに集中しようとしたが、簡単なことではなかった。路面が完全にドライじゃなかったし、ルティ(Interwetten Paddock Moto2)が強くプッシュしてきた。彼に抜かれたが目の前で転んだ。路面コンディションが微妙だったので集中を切らさないようにした。自分にはいいペースであったが、ほかのライダーを引き離すのは無理だと思った。そのうちイアンノーネに追いつかれ、彼にオーバーテイクされたが、イアンノーネもミスして転倒した。フリアンがすぐ後ろにいるのはわかっていたが、こうして勝つことができた。チームに感謝したい」

フリアン・シモン(Moto2 2位)「エストリルでは初めての表彰台なのでうれしい。序盤の2戦よりもマシンのレベルがだいぶ上がったので、いいレースができた。スタートは難しかったが、トップグループで走れると思った。ルティが転倒したあと、ステファンに一歩一歩近づくことができた。そしてイアンノーネに追い越された。その後、彼の転倒で再びステファンに近づくことができた。最終ラップで彼をシケインで抜こうとしたが、抜けなかった。ルマンでまた挑戦したい」

高橋裕紀(Moto2 3位)「今週は集中するのがとても大変だった。初日はとてもよかった。2日目も悪くなかった。決勝ではいいスタートが切れた。そしてトップグループについて行きたかった。でも、中盤過ぎからマシンの挙動がナーバスになって、何度も転倒しそうになった。今日はイアンノーネに抜かれたときにミスをしてしまい、前のグループと差が開いてしまった。その差を縮めることがなかなかできず苦しかった。最後、イアンノーネが転倒して表彰台に立つことができた。もしかしたら弟が助けてくれたのかもしれない」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
126ダニ・ペドロサHonda45:51.483
21J.ロレンソヤマハ+3.051
327ケーシー・ストーナーHonda+7.658
44アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+16.530
546V.ロッシドゥカティ+16.555
65C.エドワーズヤマハ+32.575
77青山博一Honda+38.749
835C.クラッチローヤマハ+40.912
969N.ヘイデンドゥカティ+54.887
1014R.デ・ピュニエドゥカティ+59.697
1124トニ・エリアスHonda+1:00.374
1265L.カピロッシドゥカティ+1:01.793
1319A.バウティスタスズキ+1:24.370
RT 11 B.スピーズ ヤマハ +16Laps
RT 17 K.アブラハム ドゥカティ +27Laps
RT 58 マルコ・シモンチェリ Honda -
RT 8 H.バルベラ ドゥカティ -

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
165ステファン・ブラドルKALEX44:40.765
260フリアン・シモンSUTER+0.147
372高橋裕紀MORIWAKI+6.188
477ドミニク・エージャーターSUTER+16.822
53シモーネ・コルシFTR+17.076
644ポル・エスパルガロFTR+25.956
74ランディ・クルメンナッハKALEX+26.102
825アレックス・バルドリーニSUTER+26.333
963マイク・ディ・ミリオTECH 3+26.636
1034エステベ・ラバトFTR+29.077
1171クラウディオ・コルティSUTER+39.637
1215アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI+39.913
1329アンドレア・イアンノーネSUTER+42.466
1488リカルド・カルダスMORIWAKI+47.382
1580アクセル・ポンスPONS KALEX+47.406
1635ラファエレ・デ・ロサMORIWAKI+48.025
179ケニー・ノイズFTR+52.538
1868ヨニー・ヘルナンデスFTR+53.478
1921ハビエル・フォレスSUTER+53.938
2075マティア・パシーニFTR+56.089
2193マルク・マルケスSUTER+1:04.697
2251ミケーレ・ピロMORIWAKI+1:04.890
2339ロベルティーノ・ピエトリSUTER+1:17.101
2464サンティアゴ・ヘルナンデスFTR+1:18.110
2545スコット・レディングSUTER+1:26.190
2619ザビエル・シメオンTECH 3+1:27.600
2713アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+1:36.540
2895マシェル・アル・ナイミMORIWAKI+1Lap
2938ブラッドリー・スミスTECH 3+2Laps
RT53バレンタン・ドゥビーズFTR+3Laps
RT14ラタパーク・ウィライローFTR+5Laps
RT36ミカ・カリオSUTER+8Laps
RT40アレックス・エスパルガロPONS KALEX+8Laps
RT54ケナン・ソフォーグルSUTER+9Laps
RT16ジュール・クルーゼルSUTER+15Laps
RT97スティーブン・オーデンダールSUTER+19Laps
RT12トーマス・ルティSUTER+22Laps

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
118N.テロールアプリリア41:21.986
211S.コルテセアプリリア+3.671
35J.ザルコデルビ+4.466
425M.ビニャーレスアプリリア+4.468
594J.フォルガーアプリリア+12.140
67E.バスケスデルビ+20.304
744M.オリベイラアプリリア+25.905
839L.サロンアプリリア+46.316
926A.マーティンアプリリア+46.395
1015S.グロツキーアプリリア+49.447

ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ロレンソヤマハ65
2ダニ・ペドロサHonda61
3ケーシー・ストーナーHonda41
4V.ロッシドゥカティ31
5N.ヘイデンドゥカティ30
6アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda30
7青山博一Honda28
8C.クラッチローヤマハ21
9C.エドワーズヤマハ18
10H.バルベラドゥカティ14
11K.アブラハムドゥカティ12
12トニ・エリアスHonda12
13マルコ・シモンチェリHonda11
14B.スピーズヤマハ10
15L.カピロッシドゥカティ9
16R.デ・ピュニエドゥカティ6
17J.ホプキンススズキ6
18A.バウティスタスズキ3

コンストラクター(MotoGP)

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 70
2 ヤマハ 65
3 ドゥカティ 36
4 スズキ 9

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ステファン・ブラドルKALEX61
2アンドレア・イアンノーネSUTER48
3シモーネ・コルシFTR37
4トーマス・ルティSUTER36
5フリアン・シモンSUTER36
6高橋裕紀MORIWAKI27
7アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI26
8ブラッドリー・スミスTECH 320
9ドミニク・エージャーターSUTER16
10ミケーレ・ピロMORIWAKI15
11ポル・エスパルガロFTR10
12ランディ・クルメンナッハKALEX9
13ジュール・クルーゼルSUTER9
14エステベ・ラバトFTR9
15アレックス・バルドリーニSUTER8
16ケブ・コフランFTR8
17マイク・ディ・ミリオTECH 37
18マックス・ノイキルヒナーMZ-RE HONDA7
19ヨニー・ヘルナンデスFTR6
20クラウディオ・コルティSUTER5
21アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA5
22アレックス・エスパルガロPONS KALEX5
23ラタパーク・ウィライローFTR4
24マティア・パシーニFTR3
25リカルド・カルダスMORIWAKI2
26アクセル・ポンスPONS KALEX1

コンストラクター(Moto2)

順位 コンストラクター ポイント
1 SUTER 65
2 KALEX 61
3 FTR 37
6 MORIWAKI 34
5 TECH 3 27
4 MOTOBI 26
7 MZ-RE HONDA 7
8 PONS KALEX 6

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1N.テロールアプリリア75
2S.コルテセアプリリア50
3J.フォルガーアプリリア42
4J.ザルコデルビ42
5E.バスケスデルビ30
6S.ガデアアプリリア20
7M.ビニャーレスアプリリア20
8D.ケントアプリリア17
9L.サロンアプリリア16
10M.オリベイラアプリリア15

コンストラクター(125cc)

順位 コンストラクター ポイント
1 アプリリア 75
2 デルビ 45
3 KTM 8
4 マヒンドラ 3