2日連続で快晴となったバレンシアGPの予選は、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がPPを獲得した。以下、1秒差以内に8台という接戦になり、マルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)が初フロントロー獲得となる3番手、ケガから復帰2戦目となるダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が8番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)9番手、マルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)10番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)11番手とHonda勢が僅差で続き、青山博一(Interwetten Honda MotoGP)15番手だった。
MotoGPクラスで初フロントローを獲得したシモンチェリは、シーズン後半にかけて、徐々にリザルトを上げてきた。その中でも、第14戦日本GP以降は随所で目立つ走りを披露、第16戦オーストラリアGPでは今季ベストグリッドとなる予選4番手を獲得して決勝6位。前戦ポルトガルGPでは、表彰台争いを繰り広げて4位と大きな成長を感じさせていた。今大会が開催されるバレンシアは、250cc時代からシモンチェリが得意とするサーキットの1つ。今大会前、シモンチェリは初フロントローと初表彰台を目標に掲げていたが、見事に最初の目標を達成。決勝では念願の初表彰台に挑むことになった。
ケガから復帰2戦目となるペドロサは、この日、大きなステップを刻んだ。初日のフリー走行では12番手と厳しい走りを強いられたが、2日目のフリー走行では大幅にタイムを短縮して3番手に浮上、地元ファンの声援に応えた。午後の予選では接戦の中で8番手。左鎖骨の回復が完全ではないために、ソフトタイヤを装着してのアタックは厳しい状態だったが、4年連続表彰台に向けて期待をつないだ。
初日5番手。2日目のフリー走行で6番手と着実にセットアップをつめたドヴィツィオーゾは、予選では9番手だった。この日のドヴィツィオーゾは、昨日から課題になっているコース後半部分でタイムをロス。しかし、決勝に向けてのアベレージでは、トップグループとそれほどの差はなく、決勝日のウオームアップでさらにセットアップを進め、優勝争いに絡む意気込みだ。
初日8番手のメランドリは、2日目のフリー走行でセットアップを進められず、予選でも思うようなパフォーマンスを発揮できず10番手。フリー走行で7番手と着実にタイムをつめたデ・ピュニエも、予選ではタイムを出せず11番手だった。しかし、バレンシアを得意とする両選手だけに、決勝では追い上げのレースに期待が膨らむ。青山は、着実にセットアップを進め、タイムも上げたが15番手。厳しいグリッドから決勝に挑むことになるが、シーズン最後のレースに闘志を燃やしている。
Moto2クラスは、今季タイトルを獲得したトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)がPPを獲得。以下、1秒差以内に20台という大接戦となった。2番手にステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)。3番手にアンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed Up)と続き、高橋裕紀(Tech 3 Racing)は、思うようにセッティングが進まず1.111秒差の22番手。國川浩道(Bimota-M Racing)は42番手だった。
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 3番手) 「昨日、今日とすばらしいセッションになった。ベストタイムはもちろんのこと、アベレージもよく、こうしてフロントローを獲得できてとてもうれしい。この数戦、いいレースをしてきたし、この2日間を終えて、明日はいいレースをする自信がある。明日はシーズン最後のレース。フロントローに並んでいるケーシーとホルヘと戦って表彰台に立ちたい。バレンシアは好きなサーキットだし、フロントローに並びたいと思っていた。それが実現してうれしい。明日は、もう1つの目標である表彰台を目指して全力を尽くしたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手) 「もっと上のリザルトを狙っていたが、いまの自分の体調を考えれば、8番手は決して悪い順位ではないと思う。ここは一周の距離が短いので、すごくタイムが接近している。0.2秒違えば、もっといいグリッドに並べるし、その反対もある。そういう厳しい予選で8番手につけられたのでよかった。今日は、フリーでセットアップが進み、午後の予選では、ほとんど変更する必要もなかった。明日の決勝は30ラップと長く、厳しいレースになる。そのレースを最後まで走りきるためにもいいスタートを切って、いいリズムで走るようにしたい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9番手) 「昨日と今日のフリー走行は、セッションをこなすごとにセットアップがよくなり、着実に前進することができた。しかし、午後の予選では、そのポテンシャルをフルに発揮することができなかった。特に後半部分のセクション3と4でタイムをロスしている。もっとセットアップをつめるか、ライディングでカバーしなければいけないのかも知れない。しかし、アベレージではトップグループとそれほど差はないし、明日のウオームアップでさらにセットアップをつめて表彰台争いに加わりたい。明日も同じようなコンディションなら、タイヤはハードを選びたい」
マルコ・メランドリ(MotoGP 10番手) 「今日はあまりいい一日ではなかった。ブレーキングがあまりうまくいかず、そのためにコーナリングもよくなかった。立ち上がりでもウイリーしてしまうので、ストレートの加速でロスしていた。今年最後のレースだし、もう少しいいグリッドを期待していたので、残念だった」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 11番手) 「フリー走行は順調だったし、7番手で終えることができた。予選セッションも、レースタイヤの確認をするなど、すべてが予定通りだった。それからソフトタイヤでアタックしたが、それまでのいいフィーリングで走れなかった。特にリアタイヤの動きが大きくて、アクセルコントロールが難しかった。しかし、決勝に向けていいペースを刻めているので、明日はいいスタートを切りたい。明日はLCR Hondaで3年間の最後のレースなので、いいリザルトで終えたい」
青山博一(MotoGP 15番手) 「昨日、課題になっていたウイリーの問題は解決して、タイムも徐々に上がった。午前中のフリー走行では、セットアップを進める中で、いい部分も悪い部分もあったので、午後の予選では、悪い部分はフリー走行の状態に戻して走った。まだ気持ちよく走れていないので、もう少しセッティングをつめていきたい。もしかすると決勝は、ぶっつけ本番になるかも知れないが、シーズン最後のレースなので全力を尽くしたい」
山路敏幸|Repsol Honda Team 監督 「このサーキットは予選グリッドが重要になるので、今日はフロントローを獲得するためにがんばったが、残念ながら、2人ともに3列目から決勝に挑むことになった。厳しい状況だが、セッションをこなすごとに、ともにタイムは上がってきているし、改善ポイントも見えてきているので、明日のウオームアップで、さらにレベルアップできるようにトライしていきたい。ダニもアンドレアも、明日はいいスタートを切って、いいリズムでレースを戦えるようにしたい。シーズン最後のレースとなるので、トップグループについていって、よい結果を残せるようにしたい」
トニー・エリアス(Moto2 ポール・ポジション) 「タイトルを獲得してから、オーストラリア、ポルトガルといいレースができなかった。オーストラリアはクラッチ。ポルトガルは自分のミスだが、今回はホームGPなので、よい結果でシーズンを終えたいと思っていた。こうしてフロントローを獲得できたし、決勝でも優勝を目標に全力を尽くしたい。今回はニューフレームを使っているが、セットアップも進み、決勝レースが楽しみだ。厳しい一年だったが、よい形でシーズンを締めくくりたい」
ステファン・ブラドル(Moto2 2番手) 「先週のポルトガルで初優勝を達成した後だったので、プレッシャーはあったけれど、こうして、フロントローに並べて本当によかった。そして、前回の優勝がまぐれじゃなかったことも証明できたし、自信にもなった。今日はPPを取りたかったが、今日のトニーは、とても速かった。今年は厳しいシーズンだった。しかし、終盤になって、いいレースができるようになり、とてもうれしい。来年に向けて、いいリザルトでレースを終えたい」
アンドレア・イアンノーネ(Moto2 3番手) 「昨日の走行で転倒していたので、今日は不安だったが、こうしてフロントローに並べてとてもよかった。昨日の課題だったリアのトラクション不足も改善されてきたし、いい状態で明日の決勝に挑むことができる」
高橋裕紀(Moto2 22番手) 「昨日とマシンの状態は変わらず、タイムを上げていくのが厳しかった。今日は全体的にタイムが上がったが、同じようにペースを上げていこうとすると、何度も転びそうになった。特にフロントの接地感がなくて、難しかった。今日は午前中のセッティングの方がよかったので、明日は、フリー走行の状態に戻して決勝に挑みたい」
MotoGP
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | 1:31.799 |
2 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.331 |
3 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.445 |
4 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.531 |
5 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +0.623 |
6 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.767 |
7 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.780 |
8 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.804 |
9 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +1.087 |
10 | 33 | マルコ・メランドリ | Honda | +1.118 |
11 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +1.126 |
12 | 41 | A.エスパルガロ | ドゥカティ | +1.286 |
13 | 40 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.371 |
14 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1.540 |
15 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.544 |
16 | 71 | C.チェカ | ドゥカティ | +1.700 |
17 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.716 |
Moto2
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 24 | トニー・エリアス | MORIWAKI | 1:36.141 |
2 | 65 | ステファン・ブラドル | SUTER | +0.106 |
3 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SPEED UP | +0.114 |
4 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.202 |
5 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.272 |
6 | 54 | ケナン・ソフォーグル | SUTER | +0.302 |
7 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +0.374 |
8 | 31 | カルメロ・モラレス | SUTER | +0.431 |
9 | 17 | カレル・アブラハム | FTR | +0.483 |
10 | 12 | トーマス・ルティ | MORIWAKI | +0.680 |
11 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +0.734 |
12 | 2 | ガボール・タルマクシ | SPEED UP | +0.744 |
13 | 9 | ケニー・ノイズ | PROMOHARRIS | +0.764 |
14 | 43 | ローマン・ラモス | MIR RACING | +0.815 |
15 | 46 | ハビエル・フォレス | AJR | +0.852 |
16 | 55 | ヘクトル・ファウベル | SUTER | +0.865 |
17 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +0.870 |
18 | 44 | ロベルト・ロルフォ | SUTER | +0.906 |
19 | 19 | ザビエル・シメオン | MORIWAKI | +0.967 |
20 | 3 | シモーネ・コルシ | MOTOBI | +0.999 |
21 | 40 | セルジオ・ガデア | PONS KALEX | +1.096 |
22 | 72 | 高橋裕紀 | TECH 3 | +1.111 |
23 | 56 | マイケル・ランセダー | SUTER | +1.121 |
24 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | BQR-MOTO2 | +1.136 |
25 | 6 | アレックス・デボン | FTR | +1.166 |
26 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.262 |
27 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | TECH 3 | +1.370 |
28 | 25 | アレックス・バルドリーニ | I.C.P. | +1.400 |
29 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +1.410 |
30 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | SUTER | +1.426 |
31 | 10 | フォンシ・ニエト | MORIWAKI | +1.436 |
32 | 61 | ウラジミール・イワノフ | MORIWAKI | +1.446 |
33 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | BIMOTA | +1.556 |
34 | 4 | リチャード・カルダス | BIMOTA | +1.586 |
35 | 70 | フェルッチオ・ランボルギーニ | MORIWAKI | +1.812 |
36 | 8 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +1.947 |
37 | 5 | ホアン・オリベ | PROMOHARRIS | +2.129 |
38 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +2.523 |
39 | 53 | バレンティン・ドゥビーズ | ADV | +2.959 |
40 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | BQR-MOTO2 | +3.041 |
41 | 88 | ヤニック・グエラ | MORIWAKI | +3.177 |
42 | 66 | 國川浩道 | BIMOTA | +4.545 |
125cc
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | M.マルケス | デルビ | 1:39.564 |
2 | 40 | N.テロール | アプリリア | +0.108 |
3 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.148 |
4 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +0.314 |
5 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +0.355 |
6 | 12 | E.ラバト | アプリリア | +0.895 |
7 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.051 |
8 | 39 | L.サロン | アプリリア | +1.807 |
9 | 26 | A.マーティン | アプリリア | +1.814 |
10 | 35 | R.クルメンナッハ | アプリリア | +1.887 |