今季2勝目に向けて
ペドロサが2番手から決勝に挑む

2009年11月7日(土)
予選
会場:バレンシア・サーキット
天候:晴れ
気温:22℃
コースコンディション:ドライ

最終戦バレンシアGPの予選は、初日トップタイムのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がPPを獲得。ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が0.263秒差で2番手につけた。3番手にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。4番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。以下、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、ニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)と続き、ここまでがトップから1秒差以内という接戦となった。7番手にランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、8番手にトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)、10番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)と、4台のHonda勢がトップ10に入り、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)12番手、ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)17番手という結果だった。

この日もバレンシアは、終日、青空が広がった。しかし、前日よりも風が強く、選手たちを悩ませることになった。初日、風の影響を受け、セクター3でタイムロスしていたペドロサは、2日目はこの区間の改善に全力を尽くした。午前中のフリー走行では、トップタイムをマークしたストーナーとわずか0.168秒差の2番手。午後の予選でも0.263秒差の2番手と、着実にタイムを上げて今季10回目のフロントローを獲得した。一昨年は優勝。昨年は2位。今大会は惜しくもフロントローを逃したが、2年ぶりの優勝に向けて絶好のグリッドを獲得した。

初日5番手と好調なスタートを切ったデ・ピュニエは、この日も快調にラップを刻んだが、セッション終盤に転倒を喫し7番手へとポジションを落とした。しかし、レースラップではトップグループに肉薄する好タイムを連発。3列目からの追い上げに期待が膨らんだ。初日14番手と苦しいスタートとなったエリアスは、この日、8番手に浮上した。初日はタイヤのグリップに苦しんだが、この日はセットアップが進み、気温と路面温度が上がったことも追い風となり、一気にタイムを上げた。

対照的にドヴィツィオーゾは、初日の8番手から10番手へとポジションを落とした。ドヴィツィオーゾは、2日間、サスペンションのセットアップに集中、着実にペースを上げることに成功したが、ソフトタイヤでのアタックがうまくいかなかった。4列目という厳しいグリッドから決勝に挑むドヴィツィオーゾだが、追い上げのレースに闘志を燃やす。初日6番手のデ・アンジェリスも予選タイヤのアタックが決まらず12番手。タルマクシは17番手だった。

250ccクラスは、アレックス・デボン(アプリリア)がPPを獲得。Honda勢は、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)が好走を見せて初のフロントローを獲得。タイトル王手の青山博一(Scot Racing Team 250cc)はトップから0.540秒差の5番手とフロントローを逃すも、念願のタイトル獲得に向けて大きく前進した。以下、ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)10番手。ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)11番手。富沢祥也(CIP Moto-GP250)16番手、青山周平(Racing Team Germany)はセッティングが決まらず20番手だった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)

「今日のセッションは順調で、フロントローを獲得できてとてもうれしい。しかし、昨日から課題になっているセクター3の問題はまだ完全に直らず、今日もこの区間で多少タイムをロスしてしまった。ここを解決できれば、PPを狙えたと思うし、もっと速いペースを刻めたと思う。ライバルたちはとても手ごわいし、優勝するのは決して容易なことではない。明日のコンディションがどうなるかわからないが、チームのためにも、優勝争いに加わってシーズンを締めくくりたい。バレンシアのレースはいつもモチベーションが高い。大勢のファンがかけつけてくれるし特別な大会。いいレースにしたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 7番手)

「7番手という結果には満足していないが、Honda勢で2番手だったことは自信になった。今回はいいスタートが切れたし、昨日も今日も安定して走ることができた。予選もセッション序盤から快調に走れたし、順調にタイムを上げることができたが転倒してしまった。しかし、全体的に仕上がりもよく、レースペースも悪くなかった。明日はトップグループでレースをしたい」

トニー・エリアス(MotoGP 8番手)

「昨日から大きく前進することができた。セッション終盤のアタックで渋滞にひっかかりロスしたが、それがなければ、5、6番手に入れたと思う。明日はいいスタートを切ってトップグループについていきたい。今日は路面コンディションがよくなったが、風が強くて難しかった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 10番手)

「フリー、予選とセットアップは進んだが、ソフトタイヤのアタックがうまくいかず10番手に終わった。トップグループに加わるためにも、あと1秒タイムを短縮しなければならない。フリー走行よりもトップとの差が開いてしまったことにもがっかりした。明日のウオームアップでさらにセットアップを進めなくてはいけない。4列目なので、いいスタートを切ってベストを尽くしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 12番手)

「昨日からあまり進歩することができなかった。タイトコーナーで思うように向きが変わらず、決勝に向けて、この問題を解決しなくてはいけない。今日は、ソフトタイヤのアタックよりも、レースタイヤの方がタイム差が小さかったので、決勝では前のグループについていきたい」

ガボール・タルマクシ(MotoGP 17番手)

「今日の結果には満足している。最下位じゃなかったし、ハードタイヤでアベレージもよかった。もし、これが初めてのMotoGPクラスのレースだったら最高の内容だったと思う。バレンシアは大好きなサーキットだが、MotoGPマシンではいろんなことにトライしなければならなかった。今日は、MotoGPクラスで走れることを証明できたと思う。シーズン途中からの参戦だったが、1つの目標を達成できたと思う」

山野一彦|Repsol Honda Team監督

「全体的に順調だった。PPは獲得できなかったが、ダニが今季10回目のフロントローを獲得してくれた。ダニは、昨日、今日とT3に課題を残しているので、決勝に向けてこの問題を解消したい。この区間のタイムが上がれば、優勝に向けてさらに大きな自信になるはずだ。ドヴィツィオーゾは、セットアップは進んだが、予選のアタックがうまくいかず4列目に終わってしまった。厳しいグリッドになったが、本番に強い選手なので追い上げのレースに期待したい。シーズン最後のレースなので、優勝で締めくくりたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 4番手)

「初めてフロントローを獲得して、本当にうれしい。バイクの状態がよく、今日は気持ちよく走ることができた。一番の問題は強風で、ラインをキープするのが難しかった。しかし、リズムよく走れているし、明日は表彰台を目標にベストを尽くしたい。ファンはもちろんのこと、スポンサー、家族、そしてチームに心から感謝したい」

青山博一(250cc 5番手)

「フリー走行から予選にかけてセッティングを変えたのだが、風が強くて、それがいいのか悪いのかなかなか評価ができず、走り込むことにした。しかし、なかなかタイムを上げられず、午前中の状態に戻し、タイムを上げることができた。昨日より風が強く、風向きも変わり、難しいコンディションだった。明日の決勝に向けて緊張はないし、それ以上に、フロントローに並べなかったことが悔しい。僕だけじゃなく、みんな風の影響を受けてタイムがばらついている。明日のコンディションを見て、決勝のセッティングを決めたい」

ヘクトル・ファウベル(250cc 10番手)

「バレンシアはこの季節、強い風が吹くが、今日は特に風が強くて難しいセッションとなった。セッション終盤にアタックしているとき、転倒者がいて、アタックが不発に終わった。10番グリッドなので、トップグループについていくためにはいいスタートを切らなければならない。明日は最終戦。そして250cc最後のレース。地元ファンのためにも200%の走りをしたい」

ラファエレ・デ・ロサ(250cc 11番手)

「今日は風が強く、ときどき、突風が吹くのでとても難しかった。目の前でほかのライダーが転んだこともあって慎重になった。予選のアタックは、いくつかミスをしたし、100%のアタックができなかった。明日はいい気象条件になってほしい」

富沢祥也(250cc 16番手)

「フリー走行は順調だったが、予選は転倒者が多く、すごく難しかった。リアのグリップも悪くて、コーナーの立ち上がりでスライドが激しかった。そのために向きが変わらずタイムをロスした。明日のウオームアップは、違うセッティングにトライしてみたい。今年最後のレースになるので、シングルフィニッシュを目標にベストを尽くしたい」

青山周平(250cc 20番手)

「昨日から今日にかけて大きくセッティングを変更したのだが、結果的にあまりよくなく、思ったようにタイムを更新することができなかった。一番の問題はアクセレーション。コーナーの立ち上がりで思ったようにアクセルを開けられなかった。それが影響して、コーナーの脱出スピードが遅く、ストレートでロスしていた。決勝は厳しいレースになるが、最後まであきらめずポイントを獲得したい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127C.ストーナードゥカティ1:32.256
23ダニ・ペドロサHonda+0.263
399J.ロレンソヤマハ+0.281
446V.ロッシヤマハ+0.666
55C.エドワーズヤマハ+0.829
669N.ヘイデンドゥカティ+0.898
714ランディ・デ・ピュニエHonda+1.135
824トニー・エリアスHonda+1.219
911B.スピーズヤマハ+1.283
104アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.422
1136M.カリオドゥカティ+1.553
1215アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.588
1365L.カピロッシスズキ+1.841
1452J.トーズランドヤマハ+1.851
1533M.メランドリカワサキ+1.932
1644A.エスパルガロドゥカティ+2.052
1741ガボール・タルマクシHonda+2.101
187C.バーミューレンスズキ+2.281

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
16A.デボンアプリリア1:36.116
258M.シモンセリジレラ+0.334
340H.バルベラアプリリア+0.354
414ラタパーク・ウィライローHonda+0.447
54青山博一Honda+0.540
612T.ルティアプリリア+0.869
717K.アブラハムアプリリア+1.155
875M.パシーニアプリリア+1.162
919A.バウティスタアプリリア+1.187
1055ヘクトル・ファウベルHonda+1.202
1135ラファエレ・デ・ロサHonda+1.249
1648富沢祥也Honda+1.969
2073青山周平Honda+2.679
2153V.ドゥビーズHonda+3.167
DNQ33W.ダンロップHonda-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
160J.シモンアプリリア1:41.472
224S.コルシアプリリア+0.004
338B.スミスアプリリア+0.358
493M.マルケスKTM+0.519
56J.オリベデルビ+0.561
618N.テロールアプリリア+0.620
778M.シュローターHonda+0.639
844P.エスパルガロデルビ+0.690
945S.レディングアプリリア+0.761
1011S.コルテセデルビ+0.774