ペドロサが3戦連続表彰台となる3位
デ・アンジェリスが4位でフィニッシュする
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2009年10月18日(日)
決勝
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会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:曇り/晴れ
気温:16℃
コースコンディション:ドライ
観客:5万94人(3日間:10万5037人)
第15戦オーストラリアGPは不安定な天候が続き、決勝日の午前中も雲の多い天気となった。しかし、決勝レースが行われた午後は青空が広がる絶好のコンディションとなった。MotoGPクラスは、今季2回目のPPからスタートしたケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が、地元ファンの声援に応えて優勝。2位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。この2人を抑えてオープニングラップ首位に立ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3位でチェッカーを受けた。これでペドロサは、3戦連続、今季9回目の表彰台に立った。
予選3番手から決勝に挑んだペドロサは、前日の予選の転倒で左足を痛め、苦しい走りを強いられたが、表彰台獲得に全力を注いだ。好スタートからホールショットを奪うと、2周目にはストーナーとロッシに先行を許したが、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)の追撃を振り切り3位でフィニッシュした。
予選6番手から好スタートを切ったデ・アンジェリスは、表彰台に立った3人には届かなかったものの、セカンドグループを突き放す快走だった。この日は、好スタートからストーナー、ロッシ、そしてペドロサとトップグループを形成した。最終的に4位に終わったが、フィリップアイランドに集まった5万人のファンの記憶に残るすばらしい走りだった。今大会は、予選で転倒したが、3日間を通じて快調だった。今大会の4位でポイントランキングでも7位に浮上した。
その後方で繰り広げられたセカンドグループの戦いは、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が制した。予選10番手からスタートし、序盤はセカンドグループの後方で厳しい走りを強いられた。しかし、確実にポジションを上げて集団を抜け出すと、5番手を走るコーリン・エドワーズ(ヤマハ)を激しく追撃した。今大会は体調を崩し、苦しい戦いを強いられたが、すばらしい追い上げだった。
ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も序盤の遅れが影響した。序盤の混戦が落ち着いてからは、快調にラップを刻んだが、序盤の追い上げの影響で後半にペースを落とした。目標とする6位には届かなかったが、8位でフィニッシュした。以下、ドヴィツィオーゾ、デ・ピュニエとともにセカンドグループに加わったトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)が10位。ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は13位だった。
250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。2位にヘクトール・バルベラ(アプリリア)。3位は、250cc初PPから好走を見せたラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)で、250cc初表彰台に立った。今大会は、レース終盤の19周目に転倒者が出て赤旗中断。25周のレースは18周で成立となった。大集団となったセカンドグループで19周目にグループトップとなる4番手に浮上していた青山博一(Scot Racing Team 250cc)は、18周目の7位で順位が確定。青山博一をマークしていたヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)が8位、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)9位という結果だった。総合首位の青山博一は表彰台を逃したものの、今大会も首位をキープ。シモンセリに12点差、10位に終わった総合3位のアルバロ・バウティスタに29点差をつけて、次戦マレーシアGPはタイトル獲得をかけた戦いに挑む。
決勝リザルト
MotoGP
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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1 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | 40:56.651 |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +1.935 |
3 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +22.618 |
4 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +32.702 |
5 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +35.885 |
6 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +38.482 |
7 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +44.461 |
8 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +44.941 |
9 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +54.345 |
10 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1:01.205 |
11 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +1:05.417 |
12 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1:05.950 |
13 | 41 | ガボール・タルマクシ | Honda | +1:17.951 |
14 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +1:17.985 |
15 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1Lap |
RT | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | DNS |
250cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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1 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | 28:17.403 |
2 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +2.434 |
3 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +2.604 |
4 | 16 | J.クルーゼル | アプリリア | +12.118 |
5 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +12.192 |
6 | 17 | K.アブラハム | アプリリア | +12.413 |
7 | 4 | 青山博一 | Honda | +12.455 |
8 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +13.112 |
9 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +13.560 |
10 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +27.779 |
|
14 | 73 | 青山周平 | Honda | +38.779 |
15 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +40.529 |
19 | 53 | V.ドゥビーズ | Honda | +1Lap |
125cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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1 | 60 | J.シモン | アプリリア | 37:55.798 |
2 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.313 |
3 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +2.057 |
4 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +2.161 |
5 | 24 | S.コルシ | アプリリア | +2.330 |
6 | 18 | N.テロール | アプリリア | +3.239 |
7 | 7 | E.バスケス | デルビ | +3.290 |
8 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +12.820 |
9 | 93 | M.マルケス | KTM | +22.355 |
10 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +22.602 |
ポイントスタンディング
ライダー | MotoGP
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
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1 | V.ロッシ | ヤマハ | 270 |
2 | J.ロレンソ | ヤマハ | 232 |
3 | C.ストーナー | ドゥカティ | 195 |
4 | ダニ・ペドロサ | Honda | 189 |
5 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | 152 |
6 | C.エドワーズ | ヤマハ | 145 |
7 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | 101 |
8 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | 101 |
9 | L.カピロッシ | スズキ | 101 |
10 | M.メランドリ | カワサキ | 100 |
11 | トニー・エリアス | Honda | 96 |
12 | C.バーミューレン | スズキ | 95 |
13 | J.トーズランド | ヤマハ | 87 |
14 | N.ヘイデン | ドゥカティ | 82 |
15 | M.カリオ | ドゥカティ | 58 |
16 | N.カネパ | ドゥカティ | 38 |
17 | ガボール・タルマクシ | Honda | 17 |
18 | S.ジベルノー | ドゥカティ | 12 |
19 | 高橋裕紀 | Honda | 9 |
20 | A.エスパルガロ | ドゥカティ | 8 |
コンストラクター | MotoGP
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
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|
1 | ヤマハ | 350 |
2 | Honda | 252 |
3 | ドゥカティ | 236 |
4 | スズキ | 121 |
5 | カワサキ | 100 |
ライダー | 250cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
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|
1 | 青山博一 | Honda | 227 |
2 | M.シモンセリ | ジレラ | 215 |
3 | A.バウティスタ | アプリリア | 198 |
4 | H.バルベラ | アプリリア | 194 |
5 | M.パシーニ | アプリリア | 128 |
6 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 106 |
7 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | 105 |
8 | ヘクトル・ファウベル | Honda | 94 |
9 | T.ルティ | アプリリア | 94 |
10 | A.デボン | アプリリア | 92 |
|
14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | 60 |
17 | 富沢祥也 | Honda | 26 |
20 | 青山周平 | Honda | 16 |
21 | V.ドゥビーズ | Honda | 14 |
コンストラクター | 250cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 294 |
2 | Honda | 246 |
3 | ジレラ | 222 |
4 | ヤマハ | 2 |
ライダー | 125cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | J.シモン | アプリリア | 239 |
2 | B.スミス | アプリリア | 183.5 |
3 | N.テロール | アプリリア | 162.5 |
4 | P.エスパルガロ | デルビ | 142.5 |
5 | S.ガデア | アプリリア | 128 |
6 | A.イアンノーネ | アプリリア | 117.5 |
7 | S.コルテセ | デルビ | 112 |
8 | M.マルケス | KTM | 94 |
9 | S.ブラドル | アプリリア | 85 |
10 | J.オリベ | デルビ | 74 |
コンストラクター | 125cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 323.5 |
2 | デルビ | 184 |
3 | KTM | 96 |
4 | ロンシン | 17 |
5 | Honda | 14 |
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「昨日の転倒を思えば、こうして表彰台に立てて本当によかった。今日はベストを尽くした。スタートもよくて、短い時間だったがレースをリードすることもできた。しかし、今日のケーシー(ストーナー)とバレンティーノ(ロッシ)はすばらしい速さで、とてもついていくことができなかった。とにかく、自分のリズムで走るように心がけて、ミスをしないように集中した。トップの2人から後れたことは残念だが、予選で転倒したにもかかわらず、表彰台に立てる状態を作ってくれたチームに感謝したい。次のマレーシアは好きなサーキットなので、すごく楽しみにしている」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 4位)
「シーズンを通じて、今大会はすばらしい3日間だった。決勝ではいい走りができたし、特に序盤の4、5ラップは、トップグループと一緒に走れて最高だった。それからは少しずつ離されたが、こうして4位でフィニッシュできてよかった。過去2戦、ノーポイントのレースが続いていたので、今回は特にうれしい。ランキングも7位になったし、自分の力を証明できるレースだった。すばらしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝したい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6位)
「スタートに出遅れたことで、集団を抜け出すのに時間がかかってしまった。それからはとてもいいペースで走ることができたし、3日間で一番いい状態だった。序盤に後れなければ、デ・アンジェリス、エドワーズと戦えたと思う。今週は体調が完全ではなく、辛いレースだった。次のマレーシアは好きなサーキットなので、いいレースにしたい」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 8位)
「もっといいポジションでフィニッシュできたと思うが、スタートがあまりにも悪すぎた。序盤の4ラップ、エリアスに引っかかったのも痛かった。彼をパスしてからはいいペースで走ることができた。しかし、リアタイヤが消耗してきてからはスピニングがひどかった。加えてフロントも安定しなくてペースを上げられなかったので、確実にポイントを獲得することにした。今日は6位を目標にしていた。次のレースでは今回の雪辱を果たしたい」
トニー・エリアス(MotoGP 10位)
「3日間の中で、バイクは最もいい状態になったが、完ぺきではなかった。今回はセカンドグループで走ることができたが、次第にペースを落とし、ポジションも落としてしまった。苦しいレースだったが、ポイントを獲得できてよかった。総合ポイントで11位だが、7位のデ・アンジェリスから接戦になっているので、この戦いで前に出たい。次のマレーシアでは、今回のようなトラクション不足はないと信じているし、いいレースにしたい」
ガボール・タルマクシ(MotoGP 13位)
「今日はバイクの状態がよく、エンジンも速かった。しかし、ブレーキングとスローコーナーでうまく走れなかった。この問題が解決できれば、もっといいリザルトを残せると確信した。今回はセットアップがうまくいった」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「トップの2台から大きく離されてしまったが、ダニ(ペドロサ)のがんばりで表彰台に立つことができた。今回のレースでは、あらためてまだまだ足りない部分があることを実感させられた。一気に改善することはできないが、確実に前進していく。次戦でもレベルを上げるためにトライしていきたい。昨日の転倒で、ダニは左足の状態があまりよくなかった。後半、痛みもひどかったようだが、最後までがんばってくれた。ドヴィツィオーゾも今大会は体調を崩していたが、最後までがんばってくれた。次戦のセパンは相性のいいサーキットなので、やるべきことをしっかりこなし、結果につなげたい。ファンのみなさんの期待に応えられるよう全力を尽くしたい」
ラファエレ・デ・ロサ(250cc 3位)
「表彰台に立ててすごくうれしい。予選でPPを獲得したし、決勝でも表彰台に立つことができた。こうして表彰台に立てるまでに長い時間がかかったし、本当に言葉もないほど幸せな気分だ。スタートはよくなかったが、慌てず落ち着いて走ることができた。赤旗中断になったときは、再スタートになると思っていたし、あの時点では表彰台に立てるとは思っていなかった。タイヤが消耗して厳しい走りを強いられたが、すばらしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝したい」
青山博一(250cc 7位)
「予選に比べて、バイクの状態は決して悪くなかったが、どういうわけか最終コーナーでスピードが乗せられなかった。そのためにストレートで抜かれて、苦しいレースになった。タイヤに問題はなかった。エンジンにも問題はなかった。最終コーナーを除けば、すべていい感じだったし、セッティングの問題だったのかも知れない。セカンドグループでトップに立ったときに赤旗中断になった。4番手に上がったときだったので残念。でも、レースなので仕方がない」
ヘクトル・ファウベル(250cc 8位)
「今日はスタートが決まり、予選9番手から1周目に3番手まで上がることができた。トップグループにつけられたことで、いつもよりアグレッシブに攻めたのだが、ギアボックスにちょっとした問題を抱え、シフトがスムーズにいかなかった。それがなければ表彰台争いもできたと思う。それを思うと残念だが、全体的にレースの内容はよかった」
ラタパーク・ウィライロー(250cc 9位)
「スタートも悪くなかったし、序盤は5番手につけられた。しかし、あまりフィーリングがよくなくて、ペースを上げられなかった。今日はタイヤをセーブしたかったし、リスクある走りを避けた。赤旗中断になったときはもっといいポジションだったので残念だった。今回は、レースウイークを通じていい状態を作れたと思う。決勝は100%ではなかったが、トップ10で終われてよかった」
青山周平(250cc 14位)
「今日はセッティングが決まり、エンジンも走っていたので、かなりいい走りができた。しかし、スタートに失敗して追い上げのレースになった。ペシェック(アプリリア)、ルティ(アプリリア)と11位争いに加われたが、タイヤの消耗が激しくてペースを落としてしまった。赤旗中断になったが、タイヤの状態を考えれば、ラッキーだった。結果は14位だが、今大会は、いろいろとパフォーマンスを発揮することができてよかった」
富沢祥也(250cc 15位)
「序盤はいいペースで走れたのだが、次第に左側がグリップしなくなり厳しくなった。アクセルの開けはじめはいいのだが、そこから先でどんどんスライドしていくので辛かった。フィリップアイランドは、今年走ったサーキットでは、一番難しかったが、決勝までにかなり攻略することができたと思う。たった1点だが、ポイントを獲得できてよかった」