ペドロサ2戦連続表彰台となる3位
エリアス6位と健闘する
- 2009年10月4日(日)
決勝
-
会場:エストリル・サーキット
天候:晴れ
気温:27℃
コースコンディション:ドライ
観客:4万5539人(3日間7万8839人)
第14戦ポルトガルGP決勝は、PPから好スタートを切ったホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が優勝。2位にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が入り、この2人と序盤トップグループを形成したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3位でフィニッシュした。ペドロサは、これで2戦連続今季8回目の表彰台に立ち、総合3位をキープした。予選13番手から決勝に挑んだトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)は6位。以下、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)7位、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)11位、ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)14位、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)はリタイアに終わった。
エストリル・サーキットは、路面コンディションが難しく、フリー走行、予選の仕上がりが、そのまま決勝のリザルトに反映することになった。そうした状況の中でペドロサは、セッションを追うごとにマシンのセットアップを確実に進め、決勝では好スタートからホールショットを奪った。しかし、セットアップが完全でなかったことからオーバーランを喫し、ロレンソに先行される。その後、ストーナーとの接近戦でもブレーキングミスでリードを広げられ、トップの2人に後れをとり、3位に終わった。それでもファステストラップを刻む快走を見せるなど、随所で光る走りを見せ、次戦に期待をつないだ。
予選13番手から決勝に挑んだエリアスが6位でチェッカーを受けた。序盤は混戦にもまれたが、確実にポジションを上げた。中盤には、ニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)とロリス・カピロッシ(スズキ)をかわし、終盤にはドヴィツィオーゾを抜いて6位でチェッカーを受けた。一方、予選8番手から追い上げのレースに挑んだドヴィツィオーゾは、カピロッシ、ヘイデンをかわし6番手に浮上も、終盤、痛恨のミスでエリアスに先行を許し、し烈なバトルとなったが、わずか0.014秒差で7位だった。
予選6番手から好リザルトが期待されたデ・ピュニエは、スタート直後にブーツが開いてしまうというトラブルで順位を落とし11位。タルマクシもペースが上がらず14位だったが、ともにポイントを獲得した。予選11番手から決勝に挑んだデ・アンジェリスは、電気系のトラブルでリタイアした。
250cc クラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。総合首位で予選4番手から決勝に挑んだ青山博一(Scot Racing Team 250cc)が4位でフィニッシュ。総合2位のアルバロ・バウティスタ(アプリリア)がリタイアしたことで、13点差から26点差へとリードを広げた。予選を終えた段階でマシンの状態はほぼ完ぺきだったが、決勝では、コンディションの変化の影響でタイヤのフィーリングが悪くペースを上げられなかった。そのため8番手までポジションを落としたが、粘り強く追い上げて4位でチェッカーを受けた。
以下、予選8番手から追走を見せたラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)が6位。第2戦日本GP以来の出場となった青山周平(Racing Team Germany)は12位。ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)、ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)、富沢祥也(CIP Moto-GP250)は転倒リタイアだった。
決勝リザルト
MotoGP
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
|
|
|
|
|
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 45:35.522 |
2 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +6.294 |
3 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +9.889 |
4 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +23.428 |
5 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +32.652 |
6 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +35.709 |
7 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +35.723 |
8 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +38.830 |
9 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +44.093 |
10 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +52.863 |
11 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +55.698 |
12 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1:04.515 |
13 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +1:04.538 |
14 | 41 | ガボール・タルマクシ | Honda | +1:27.299 |
RT | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +8Laps |
RT | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +20Laps |
RT | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +23Laps |
250cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
|
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|
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|
1 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | 44:04.298 |
2 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +5.317 |
3 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +5.317 |
4 | 4 | 青山博一 | Honda | +12.024 |
5 | 16 | J.クルーゼル | アプリリア | +14.349 |
6 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +18.256 |
7 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +27.631 |
8 | 75 | M.パシーニ | アプリリア | +34.667 |
9 | 6 | A.デボン | アプリリア | +45.410 |
10 | 17 | K.アブラハム | アプリリア | +45.891 |
|
12 | 73 | 青山周平 | Honda | +57.641 |
13 | 53 | V.ドゥビーズ | Honda | +1:21.309 |
RT | 48 | 富沢祥也 | Honda | +14Laps |
RT | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +19Laps |
RT | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +22Laps |
125cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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|
1 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | 41:00.421 |
2 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +0.394 |
3 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.581 |
4 | 17 | S.ブラドル | アプリリア | +11.048 |
5 | 6 | J.オリベ | デルビ | +16.830 |
6 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +17.170 |
7 | 12 | E.ラバト | アプリリア | +17.300 |
8 | 77 | D.エジャーター | デルビ | +17.546 |
9 | 14 | J.ザルコ | アプリリア | +17.666 |
10 | 35 | R.クルメンナッハ | アプリリア | +21.378 |
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ポイントスタンディング
ライダー | MotoGP
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
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1 | V.ロッシ | ヤマハ | 250 |
2 | J.ロレンソ | ヤマハ | 232 |
3 | ダニ・ペドロサ | Honda | 173 |
4 | C.ストーナー | ドゥカティ | 170 |
5 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | 142 |
6 | C.エドワーズ | ヤマハ | 134 |
7 | L.カピロッシ | スズキ | 97 |
8 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | 93 |
9 | M.メランドリ | カワサキ | 91 |
10 | トニー・エリアス | Honda | 90 |
11 | C.バーミューレン | スズキ | 90 |
12 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | 88 |
13 | J.トーズランド | ヤマハ | 85 |
14 | N.ヘイデン | ドゥカティ | 81 |
15 | M.カリオ | ドゥカティ | 51 |
16 | N.カネパ | ドゥカティ | 38 |
17 | ガボール・タルマクシ | Honda | 14 |
18 | S.ジベルノー | ドゥカティ | 12 |
19 | 高橋裕紀 | Honda | 9 |
20 | A.エスパルガロ | ドゥカティ | 8 |
コンストラクター | MotoGP
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | ヤマハ | 330 |
2 | Honda | 236 |
3 | ドゥカティ | 211 |
4 | スズキ | 126 |
5 | カワサキ | 91 |
ライダー | 250cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
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|
1 | 青山博一 | Honda | 218 |
2 | A.バウティスタ | アプリリア | 192 |
3 | M.シモンセリ | ジレラ | 190 |
4 | H.バルベラ | アプリリア | 174 |
5 | M.パシーニ | アプリリア | 128 |
6 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | 94 |
7 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 90 |
8 | A.デボン | アプリリア | 89 |
9 | T.ルティ | アプリリア | 89 |
10 | ヘクトル・ファウベル | Honda | 86 |
|
14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | 53 |
18 | 富沢祥也 | Honda | 25 |
20 | 青山周平 | Honda | 14 |
21 | V.ドゥビーズ | Honda | 14 |
コンストラクター | 250cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 274 |
2 | Honda | 230 |
3 | ジレラ | 197 |
4 | ヤマハ | 2 |
ライダー | 125cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
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|
1 | J.シモン | アプリリア | 214 |
2 | B.スミス | アプリリア | 163.5 |
3 | N.テロール | アプリリア | 152.5 |
4 | P.エスパルガロ | デルビ | 129.5 |
5 | S.ガデア | アプリリア | 122 |
6 | A.イアンノーネ | アプリリア | 109.5 |
7 | S.コルテセ | デルビ | 96 |
8 | M.マルケス | KTM | 87 |
9 | S.ブラドル | アプリリア | 85 |
10 | J.オリベ | デルビ | 74 |
コンストラクター | 125cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 298.5 |
2 | デルビ | 168 |
3 | KTM | 89 |
4 | ロンシン | 17 |
5 | Honda | 14 |
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日はスタートもよく首位に立ったが、3コーナーでラインを外しホルヘに抜かれてしまった。それから彼についていったが、次第にリードを広げられてしまった。その後、ケーシーに抜かれてからは、彼についていったし、プレッシャーも与えることができた。しかし、シケインの進入でミス、転倒寸前でオーバーランしてケーシーから遅れてしまった。しかし、今日は表彰台に立てて満足している。ケーシーとのランキング3位争いが楽しみだ。残り3戦のうち、最低でもひとつは勝ちたい。次のレースがとても重要になる」
トニー・エリアス(MotoGP 6位)
「予選で失敗して13番グリッドからのレースになったけれど、このサーキットは大好きだし、いいリズムで走ることができた。今日はヘイデンとドヴィツィオーゾとのバトルが厳しかったけれど、終盤、ドヴィツィオーゾをリードできたし、先にチェッカーを受けられてよかった。とにかく、ワークスマシンより先にフィニッシュできたことがうれしい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 7位)
「厳しい接戦で6位を逃してしまった。今日は3列目からスタートを切って、序盤は9番手だったが、カピロッシ、エリアス、ヘイデンをパスして6番手まで上がった。後ろにいたエリアスとのギャップも開いていたし、それをキープするのも可能だった。しかし、コーナーでミスをしてエリアスに抜かれてしまった。それから追い上げたし、最終コーナーの立ち上がりで抜けると思ったのだが、届かなかった。今日の結果には本当にがっかりしている。今日の問題点を確認して、次のレースに挑みたい」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 11位)
「何をどう言っていいのかわからない。今日はトップ8でフィニッシュできると思っていたが、ツキがなかった。スタートして1コーナーで右のブーツが開いてしまった。それでコーナーリングすることができず、それを直そうとして遅れてしまった。その後、バーミューレン(スズキ)に追いつくために全力を尽くしたが、今度はハイサイドを喫し、ケガをしている左足を打ってしまった。終盤は足の痛みがあって厳しかった。今回は予選までいいリズムで走れていたし、こんな結果になるとは思わなかった」
ガボール・タルマクシ(MotoGP 14位)
「決勝に向けて全力を尽くしたが、結局、最後までタイムを更新できなかった。3日間を通じて、望むセッティングにならなかった。序盤はほかのライダーたちと一緒に走れたが、それからはペースを落としてしまった。とにかく、いい状態を見つけなくてはいけない」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)
「厳しい一日だった。おそらく電気系の問題だと思うのだが、思うように走れずリタイアを決めた。とてもフラストレーションのたまる一日になったが、次のレースでは問題は解決しているはずだ。今日はトップ10を目標にしていたし、本当にがっかりした。次のオーストラリアとマレーシアは好きなサーキットなので、いい結果を残したい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「ダニは、今回も表彰台に立つことができてよかった。チームも全力を尽くしてくれた。今日はいいペースで走ってくれた。特に、レース中盤にファステストラップを刻んだ走りは、次のレースに向けて明るい材料だった。ドヴィツィオーゾも全力で戦ってくれた。表彰台には届かなかったが、今回のレースで得たデータはとても有意義だった。今回は勝てなかったが、次のオーストラリアGPでは、再び、優勝を目指し全力を注ぎたい」
青山博一(250cc 4位)
「スタートしてからタイヤのフィーリングがよくなくて、序盤は様子を見ながら走っていた。ペースを上げたくてもなかなか上げられない状態で、トップグループに離されてしまった。次第にリズムも出てきてセカンドグループを抜け出し、トップグループを追いかけたかった。しかし、今日は最後まで自分の思うような走りができなかった。バウティスタが転んだことで点差は開いたが、納得のいく走りができなかったので、とても悔しい。今日はせめて表彰台に立ちたかった」
ラタパーク・ウィライロー(250cc 6位)
「スタートに失敗して序盤に順位を落としてしまった。しかし、すぐに何台か抜いて、青山博一、クルーゼル(アプリリア)とセカンドグループを形成した。中盤以降は、タイヤの消耗でペースを上げられず、ジリジリと離されてしまった。最後は単独になってしまったが、予選8番手、決勝6位という結果に満足している。今日はバイクの状態もよくて、自分の力を出しきれたこともうれしい」
青山周平(250cc 12位)
「スタートはすごくうまくいったのだが、1コーナーでイン側から突っ込んできた選手に押し出されて遅れてしまった。それから追い上げのレースになったが、今日は転倒者も多く、順位的に助けられた部分もある。それでも、初めてのチーム、初めてのバイクで戦ったレースとしては納得のいく走りができた。予選より0.5秒くらいペースが上がらなかったが、朝のウオームアップからコンディションが変わりすぎたことでチームもセッティングを迷ったようだ。とにかく、残り3戦、この調子でリザルトを上げていきたい」
富沢祥也(250cc リタイア)
「スタートに失敗して追い上げのレースになった。今日は転倒者が多く、みんなフロントから転んでいた。自分も気をつけていたのだが、最終コーナーでフロントから転んでしまった。今日は気持ちよく走れた。1周目19番手から10番手までポジションを上げることができた。シングルも見えていただけに悔しい」