ペドロサ4番手と、フロントローを逃す
デ・ピュニエ6番手、ドヴィツィオーゾは8番手

2009年10月3日(土)
予選
会場:エストリル・サーキット
天候:晴れ
気温:25℃
コースコンディション:ドライ

2日連続で快晴となったエストリル。最高気温も2日連続で25℃と、絶好のコンディションの中で予選が行われた。PPを獲得したのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)で、2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。この3選手とし烈なアタック合戦を繰り広げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、わずかの差で4番手と、惜しくもフロントローを逃した。ペドロサは午前中のフリー走行でセットアップにやや苦しんだことが、午後の予選に影響した。しかし、アベレージではフロントローに並んだ3選手とそん色なく、決勝での巻き返しが期待される。昨年は難しい天候の中で2位になり、エストリル初優勝に届かなかった。今年は決勝日も安定した天候となりそうで、シーズン中盤戦からの上り調子を、好結果につなげたい。

初日7番手と好調なスタートを切ったランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が、予選では1つポジションを上げて6番手につけた。第10戦イギリスGPで今季初表彰台となる3位になった後、トレーニング中に左足首を骨折。その影響でチェコ、インディアナポリス、サンマリノと苦しいレースを強いられてきたが、足の復調に併せグリッドを上げた。第9戦ドイツGP以来、5戦ぶりの2列目スタート。体調もよく、気分ものっているだけに決勝での快走が期待される。

初日6番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、この日、セットアップに苦しんで8番手へポジションを落とした。エストリルは自身が最も得意とするサーキットの1つ。今大会はサスペンションをオーリンズに変えて2戦目ということもあり、セットアップに多くの時間を要した。2日目のセッションを終えて、マシンの状態は依然として完全ではないが、決勝日のウオームアップでセットアップを決めて、追い上げのレースに挑む。

以下、カゼで体調を崩していたアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)が、セッション終盤にセットアップを決めて11番手。チームメートのトニー・エリアスは、午前中のフリー走行で8番手にポジションを上げ、午後の予選でも終始トップ6を快走した。しかし、セッション終盤のアタックの際にクリアラップが取れず13番手へと順位を落とした。しかし、セッションをこなすごとにバイクの状態がよくなっているだけに、決勝では追い上げのレースが期待される。一方、ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は、この日セットアップが進まず苦戦。17番手に終わった。

250ccクラスは、ヘクトール・バルベラ(アプリリア)がPPを獲得。初日10番手と出遅れた青山博一(Scot Racing Team 250cc)が、フリー走行、予選と調子を上げて4番手へと浮上し、7戦連続でフロントローを獲得した。今大会、新しいセットアップに取り組んだという青山博一。2戦連続PPこそ逃したが、今季4勝目に向け、気合を入れていた。以下、Honda勢は、青山博一のチームメートのラファエレ・デ・ロサが、第2戦日本GP以来となる予選6番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)が8番手と、4戦ぶりに2列目を獲得した。初日7番手と好調なスタートを切ったヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)は11番手へとポジションを落とすも、アベレージではトップグループに肉薄する好走。決勝では追い上げのレースが期待される。ここまでがトップから1秒差。今季最も激しい予選となった。今大会からWGP復帰の青山周平(Racing Team Germany)は15番手、富沢祥也(CIP Moto-GP250)は17番手。ともに追い上げのレースに挑む。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)

「今日はバイクのセットアップに苦労した。フリー走行ではいくつかの問題を解決するの手こずり、午後も引き続きセットアップに取り組んだ。今日のベストタイムはソフトタイヤでマークした。フロントローに並べたらもっとよかったが、4番手なのでそれほど悪くはない。午前から午後にかけてアベレージを上げられたが、もう少し上げられたら、いいレースができるはず。明日は今日より気温が下がると思うし、難しいレースになりそうだ。リズムよくラップを刻めるかどうかわからない。今日のケーシー(ストーナー)の速さには驚いていないが、3戦欠場していた後としてはすばらしいパフォーマンスだった。残り4戦。総合3位をキープすることが目標なので、明日は、その目標に向けてしっかりと戦いたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 6番手)

「今回はいいスタートが切れたし、こうして予選を6番手で終われたことも最高だった。昨日は、コーナーの出口でリアのトラクションに苦労したが、今日は、その問題をかなり改善することができた。決勝に向けてまだ改良したい部分はあるが、全体的にいい状態に仕上がっている。足のケガのためにこれまで厳しいレースをこなしてきたが、今回は自分でも驚くほどいい走りができた」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8番手)

「ここは路面がバンピーなので、セットアップに集中した。明日のウオームアップでも引き続きセットアップを続けるが、もしバイクの状態がよくなったとしても、8番グリッドなので厳しいレースになるはずだ。現状では、自分よりいいタイムをマークしている選手たちと対等に戦える状態ではないので、明日の決勝に向けてセットアップを進め、レースではベストを尽くしたい。前回のミサノで抱えていた課題が、ここではより顕著に出てしまった。しかし、オーリンズのポテンシャルは高く、必ずよくなると信じている。まだオーリンズで1レースしか戦っていないので、すべてはこれから。いいリザルトを残せるように全力を尽くしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 11番手)

「カゼの状態はかなりよくなった。今日は昨日に比べたら格段に気持ちよく走ることができた。しかし、どこのコーナーでもアンダーステアに苦しみ、それを改良するために多くの時間を使ってしまった。最終的にセットアップも進み、タイムを上げることもできた。明日は、天候を見てタイヤの選択を決めたい」

トニー・エリアス(MotoGP 13番手)

「セットアップが進み、今日のアベレージにはとても満足している。チームはすばらしい仕事をしてくれた。今年は金曜日がダメで土曜日に劇的によくなるというレースを何度か経験しているが、今日もバイクの状態がすごくよくなってうれしかった。セッション中、5、6番手につけていたし、時折り、4番手まで上がれた。最後のアタックでも、このあたりのポジションをキープできると思っていたが、ソフトタイヤのアタックがうまくいかなかった。アタックしている周回で、トーズランド(ヤマハ)とドヴィツィオーゾに引っかかってしまった。そのため13番手になってしまった。明日は追い上げのレースに挑みたい」

ガボール・タルマクシ(MotoGP 17番手)

「普通なら、1回目のフリー走行からタイムが上がっていくはずなのに、まるで前進することができなかった。悪い流れに入ってしまったようで、何が悪いのか原因を見つけなくてはいけない」

山野一彦|Repsol Honda Team監督

「フロントローを逃したが、バイクの仕上がりは決して悪くはない。昨日、今日と、決勝に向けて順調にセットアップが進んだ。確かに、今日のロレンソは速くて、アベレージでも抜きんでているが、なんとかついていって、勝ちを狙っていけるようにしたい。ドヴィツィオーゾは、セットアップが遅れている部分もあるが、明日のウオームアップで改善したい。ドヴィツィオーゾは、レースになれば、より力を発揮してくれるライダーなので、その力を引き出せるように、明日のウオームアップでバイクを仕上げたい。厳しいレースになると思うが、両選手ともにいいレースができるよう、全力でサポートしていく」

青山博一(250cc 4番手)

「昨日から今日にかけて新しいセッティングにトライしていたが、最終的にいい感じに仕上がった。自分としては満足いく状態になったと思うが、今回はアプリリア勢が速くて、厳しいレースになると思う。正直、まったく予想がつかないし、やってみないと分からないという状態だ。しかし、タイヤも決まっているし、あとは自分の力を出しきるだけ。明日は積極的に前に出ていきたい」

ラファエレ・デ・ロサ(250cc 6番手)

「今日はチームがすばらしい仕事をしてくれた。予選では最初からいいペースで走れたし、今日の結果に満足している。正直、もう少しいいタイムをマークできたと思うが、渋滞にひっかかってベストタイムを更新できなかった。今回は、これまで見せられなかった自分のパフォーマンスを見せるレースにしたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 8番手)

「今日はセットアップに苦労したが、結果的にいい状態に仕上がった。今日はフロントローも狙えると思ったが、スリップに入って走っている時間が長すぎて、アタックのチャンスを逃してしまった。2列目からのスタートになるが、決勝に向けていい状態を作れたし、いいレースができると信じている。明日はドライでレースを戦いたい」

青山周平(250cc 15番手)

「昨日に比べると、バイクの状態ははるかによくなった。やっと250ccらしくなったし、自分の感覚も戻ってきた。昨日課題になっていたエンジンも、フリーから予選にかけてスピードが上がった。すべてがジャンプアップした感じだ。明日の決勝はどんなレースになるのか予想できないが、とにかく、このチームで最初のレースなので完走してポイントを獲得したい」

富沢祥也(250cc 17番手)

「序盤からいい感じでタイムを出すことができた。最後のアタックのときに、前にいた選手がハイサイドになり、ぶつけられてしまった。それで1秒くらいロスしてしまった。それがなければ41秒台には入れたと思うし、残念だった。今日はコースをだいぶ攻略できたと思うが、1コーナーが最後までうまく走れなかった。しかし、タイヤも決まったし、明日は速いグループについていってベストを尽くしたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:36.214
246V.ロッシヤマハ+0.260
327C.ストーナードゥカティ+0.314
43ダニ・ペドロサHonda+0.488
55C.エドワーズヤマハ+0.928
614ランディ・デ・ピュニエHonda+1.234
765L.カピロッシスズキ+1.275
84アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.327
969N.ヘイデンドゥカティ+1.440
1036M.カリオドゥカティ+1.599
1115アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.608
1252J.トーズランドヤマハ+1.609
1324トニー・エリアスHonda+1.697
1488N.カネパドゥカティ+1.828
157C.バーミューレンスズキ+2.128
1633M.メランドリカワサキ+2.324
1741ガボール・タルマクシHonda+3.106

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
140H.バルベラアプリリア1:40.596
219A.バウティスタアプリリア+0.058
358M.シモンセリジレラ+0.088
44青山博一Honda+0.283
56A.デボンアプリリア+0.412
635ラファエレ・デ・ロサHonda+0.573
775M.パシーニアプリリア+0.586
814ラタパーク・ウィライローHonda+0.594
916J.クルーゼルアプリリア+0.609
1063M.ディ・ミリオアプリリア+0.757
1155ヘクトル・ファウベルHonda+0.941
1573青山周平Honda+1.598
1748富沢祥也Honda+1.752
1953V.ドゥビーズHonda+2.831

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
160J.シモンアプリリア1:45.199
244P.エスパルガロデルビ+0.540
338B.スミスアプリリア+0.576
493M.マルケスKTM+0.857
517S.ブラドルアプリリア+0.857
618N.テロールアプリリア+0.900
711S.コルテセデルビ+0.988
824S.コルシアプリリア+1.108
929A.イアンノーネアプリリア+1.111
1099D.ウェッブアプリリア+1.243