2列目から好スタートを切ったペドロサが今季初優勝を達成

2009年7月5日(日)
決勝
会場:ラグナセカ・レースウェイ
天候:晴れ
気温:22℃
コースコンディション:ドライ
観客:4万6679人(3日間10万5817人)

第8戦アメリカGP決勝は、予選4番手から好スタートを切ってホールショットを奪ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、以後も快調にラップを刻み、今季初優勝を達成した。2位はバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3位にホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。以下、Honda勢はトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)が6位。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)9位、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)11位という結果だった。予選5番手から序盤トップグループにつけたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は転倒リタイア。ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)も転倒リタイアに終わった。

昨年のカタルニアGP以来、1年ぶりの優勝を飾ったペドロサは、スタートからフィニッシュまで一度も首位を譲らなかった。2列目から好スタートを切ってホールショットを奪うと、1分21秒から22秒台前半の快速ラップで後続を引き離した。中盤には、2番手を走るロッシに3秒以上のリードを築いた。終盤になってペースを緩めたことでロッシに追いつかれたが、危なげない走りで振りきった。ペドロサは、フリー走行、予選と1分22秒台でロングランをこなした。決勝では、さらにペースを上げることに成功し、ライバルを圧倒した。ペドロサとHondaにとっては、昨年のカタルニアGP以来の優勝となった。3位にはロッシとバトルを繰り広げたロレンソ。4位にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)という結果だった。

ペドロサとともに、好スタートからトップグループにつけたドヴィツィオーゾは、ペドロサ、ストーナー、ロッシに続いて4番手を走行していたが、7周目の5コーナーの立ち上がりで痛恨の転倒を喫してリタイアに終わった。

その後方では、今季ベストグリッドとなる予選6番手からまずまずのスタートを切ったエリアスが、序盤はロレンソ、中盤からはニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)とし烈な接戦を繰り広げて6位。今季ベストリザルトでチェッカーを受けた。予選14番手から決勝に挑んだデ・ピュニエはクリス・バーミューレン(スズキ)を追ったが届かず9位。マルコ・メランドリ(カワサキ)を最後まで追いかけたデ・アンジェリスが11位。MotoGP3戦目となるタルマクシは、15番手を走行していた4周目に転倒してリタイアに終わった。アメリカGP決勝レースは17台が出場。完走12台という厳しい戦いだった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 優勝)

「長い間、優勝することができなかったので、今日は本当にうれしい。シーズン序盤は体調が万全でなかったので勝てなかった。ここまで100%の状態で戦えたことがないし、それは昨年のザクセンリンクから続いている。トレーニングも十分にできなかった。しかし、チームもHondaも決してあきらめることはなかった。全力を尽くしてくれているみんなのためにも、これからも、こうしたリザルトを残したい。今日は序盤からリズムよく乗れた。ペースもよかったと思う。唯一のミスは、最終ラップにちょっとペースを落としすぎたこと。バレンティーノがあんなに近くに来ていて驚いた。とにかく、すばらしいレースだったし、最高の気分だ。ポイントリーダーとは差が開いているが、シーズンはまだまだ長い。一戦一戦、全力を尽くしていきたい」

トニー・エリアス(MotoGP 6位)

「それほど悪い結果ではなかったが、もう少し上の順位でフィニッシュしたかった。今日は予選と同じペースで走ることができた。何周かは、それ以上のペースで走ることもできた。しかし、全体的にペースが速くて、これ以上のリザルトは無理だった。今日のトップグループのペースは予想より速かった。6位というのはあまり喜べる数字ではないが、これまでのことを考えればよかったと思う。ここから先のレースでは、もっともっと上の順位でフィニッシュしたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9位)

「5列目からのスタートだったし、それを思えば、このコースで9位になれてよかった。今大会は、初日からグリップを出せず苦悩した。決勝になっても100%の状態にすることができなかった。今日はスタートで前に出られず、オープニングラップの渋滞にはまった。しかし、それからはリズムのある走りができたと思う。今日はリアにソフトをチョイスした。序盤はよかったが、終盤はグリップが落ちて厳しかった。8戦を終えて総合10位から9位へとランキングを上げることができた。自分にとってもチームにとってもいい結果を残せたと思う」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 11位)

「昨日からセッティングを変えたのだが、朝のウオームアップは気温も路面温度も低かった。しかし、決勝は気温も路面温度も上がり、苦しい走りになってしまった。特に序盤はバイクの動きが大きくて、ペースを上げられなかった。後半はそれも収まり激しくプッシュしたが、すでに遅かった。できることなら、バーミューレンのグループについていって、8位争いに加わりたかった。残念だった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP リタイア)

「スタートからいいリズムで走ることができた。転倒したのは、これからペースを上げようと思っているときだった。いいレースができると思っていた。バレンティーノの後ろにいて、彼に追いつこうと思っていた。転倒は自分のミスだったし、本当に残念だ。今日はメインストレートとピットロードを分離するプラスチックのポールにあたり、そのときにクラッチレバーを曲げてしまった。それが原因でエンジンブレーキのコントロールがおかしくなり、うまく乗れなくなった。そういう状態だったがトップグループについていきたかった。次のレースでは、トップグループで最後まで戦いたい」

ガボール・タルマクシ(MotoGP リタイア)

「今日はいいスタートが切れたし、いい感じで走れていた。15番手を走っていたが、どうしてなのかわからないがフロントから転んでしまった。本当に残念。今日はいいリザルトを残せると思っていた。次のレースでは、今回の自信を結果につなげたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「1年以上優勝から遠ざかっていたので、今日の勝利は本当にうれしい。今の我々には大きな勝利になった。レースに勝つセオリーというのは十分知っているはずだが、この1年、なかなかそこにたどり着けなかった。それを払拭する勝利になったと思うし、この1勝を次につなげていきたい。今回のダニは、フリー、予選とメニューを完ぺきにこなした。厳しいレースだったし、最後は差を縮められたが、後ろの距離をしっかり見ながら真っ先にチェッカーを受けてくれた。アンドレアは残念ながら転んでしまったが、アンドレアもトップで戦える状態が出来上がったと思う。チームのモチベーションはとても高かったが、それをやっと形にすることができた。応援していただいているファンの方々には、今までがっかりさせてきたが、今回のようなレースをこれからも見せられるようにがんばりたい。これからも応援よろしくお願いします」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
13ダニ・ペドロサHonda44:01.580
246V.ロッシヤマハ+0.344
399J.ロレンソヤマハ+1.926
427C.ストーナードゥカティ+12.432
569N.ヘイデンドゥカティ+21.663
624トニー・エリアスHonda+22.041
75C.エドワーズヤマハ+30.201
87C.バーミューレンスズキ+32.857
914ランディ・デ・ピュニエHonda+40.325
1033M.メランドリカワサキ+48.028
1115アレックス・デ・アンジェリスHonda+48.810
1288N.カネパドゥカティ+1:18.531
RT4アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+26Laps
RT59S.ジベルノードゥカティ+26Laps
RT65L.カピロッシスズキ+29Laps
RT41ガボール・タルマクシHonda+29Laps
DQ 52J.トーズランドヤマハ -

ポイントスタンディング

ライダー | MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1V.ロッシヤマハ151
2J.ロレンソヤマハ142
3C.ストーナードゥカティ135
4ダニ・ペドロサHonda92
5C.エドワーズヤマハ76
6アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda69
7M.メランドリカワサキ61
8C.バーミューレンスズキ61
9ランディ・デ・ピュニエHonda58
10L.カピロッシスズキ56
11J.トーズランドヤマハ39
12N.ヘイデンドゥカティ38
13トニー・エリアスHonda37
14アレックス・デ・アンジェリスHonda36
15M.カリオドゥカティ26
16N.カネパドゥカティ16
17S.ジベルノードゥカティ12
18高橋裕紀Honda9

コンストラクター | MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1ヤマハ185
2ドゥカティ135
3Honda123
4スズキ79
5カワサキ61