ペドロサ、ドヴィツィオーゾ、エリアスが
2列目から決勝に挑む

2009年7月4日(土)
予選
会場:ラグナセカ・レースウェイ
天候:曇り/晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ

第8戦アメリカGPの予選は、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われた。トップタイムをマークしたのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。3番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。2日間のフリー走行でトップ3につけた3選手がフロントローを獲得した。今大会は、PPを獲得したロレンソから1秒差以内に10台という大接戦となり、Honda勢は、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)の3選手が2列目を獲得した。以下、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)12番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)14番手、ガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)17番手だった。

この日の予選は、PPを獲得したロレンソがセッション中に2回の転倒、3番手につけたストーナーも転倒する激しいアタック合戦となり、2番手につけたロッシと2列目につけたHonda勢の3選手が、転倒もなく順調にセットアップを進めた。

Honda勢トップのペドロサは、初日のフリー走行で4番手、2日目のフリーで6番手。そして予選で4番手と順調にセットアップを進めた。フロントローを獲得することはできなかったが、セッションをこなすごとにトップ3との差を確実に縮めた。アベレージでもPPのストーナーと2番手のロッシのヤマハ勢に匹敵するもので、ケガの回復はもちろんのこと、バイクの仕上がりのよさを感じさせる走りだった。昨年は決勝をキャンセルしているのでアメリカGPは2年ぶりの決勝出場となる。ラグナセカは、MotoGPにデビューを飾った06年に2位表彰台に立っている。今大会は、3年ぶりの表彰台と今季初優勝に闘志を燃やす。

5番手につけたドヴィツィオーゾもセッションをこなすごとに確実にタイムを上げた。フリー、予選ともに決勝に向けてハードタイヤでロングランをこなした。予選のアタックでは、転倒者が出たことでスピードを落とさねばならず、完ぺきなアタックは果たせなかったが、念願の今季初表彰台に大きく前進。ペドロサとともに優勝争いの期待が膨らんだ。

エリアスは、今季ベストグリッドとなる6番手。この数戦、調子を上げていたが、今大会は見事、予選結果につなげた。初日のフリー走行で5番手。2日目には4番手に浮上。予選でもペドロサ、ドヴィツィオーゾと僅差の6番手。本来の走りを取り戻し、明るい表情だった。

ペドロサとドヴィツィオーゾ。そして今季最高の仕上がりとなったエリアス。2列目から決勝に挑むHonda勢の3選手に大きな注目が集まっている。

デ・アンジェリスはタイヤと車体のマッチングにやや苦しんだが、トップから1.326秒差の12番手。セットアップに苦しんだデ・ピュニエは14番手だったが、両選手ともに追い上げのレースに挑む。タルマクシは17番手からポイント獲得を目指す。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)

「とてもいい感じで予選セッションが始まり、最後まで気持ちよく走ることができた。ただ、セッション終盤に向けて、タイヤの温度が上がりにくかった。そして、終盤になって何人かが転倒しているのを見たので、ラップタイムを上げるのは難しかった。もちろん、フロントローに並びたかったが4番手は悪くない。今回の目標の1つはたくさん周回することだったし、それを達成できてうれしい。明日のウオームアップで、さらにアベレージを上げたい。このサーキットは、いつも厳しいレースになる。集中を切らさないようにしないといけない。昨日、今日と順調だった。トップグループについていけたら、自分のリズムを取り戻すことができると思う。決勝が楽しみだ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手)

「午後の予選は気温が上がることを予想してハードタイヤで走行した。思ったほど上がらなかったが、午前中のフリー走行よりラップタイムを改善することができてよかった。決勝レースは、さらに路面のコンディションがよくなると思うし、ハードタイヤにはいい条件がそろうはずだ。今日はいいペースで走れたと思う。2列目に並べたこともよかった。予選セッションでは、ソフトタイヤでアタックしているときに、ロレンソが転びイエローフラッグが出たので、完ぺきなアタックにはならなかった。それを考えれば、今日の結果には満足している。明日はいいスタートを切ってトップグループに加わりたい」

トニー・エリアス(MotoGP 6番手)

「初日から好調で今日もすべてが順調だった。バイクの状態はよかった。今年のベストグリッドとなる6番手から決勝に挑めることもうれしい。すべてが完ぺきだった。明日はいいレースをするチャンス。ロッシとストーナーについていける自信はあるし、スタートを決めてトップグループで戦いたい。今年はチーム一丸となってバイクのセットアップに取り組んできたが、ここまでなかなか結果につなげられなかった。今回のレースは、我々にとって大きなターニングポイントになると思う。今度こそ結果につなげたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 12番手)

「バイクのセットアップに苦しんできたが、今回は大きなステップを刻めたと思う。予選12番手というのは、決して喜べるものではないが、レースに向けてのアベレージはよかった。特にフロントの安定性が出たので気持ちよく走ることができた。1つだけ問題があるとすれば、ハードタイヤでちょっとだけチャタリングが出たこと。これもソフトタイヤにチェンジしたら解決した。明日のウオームアップでもう一度セットアップを確認したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 14番手)

「午前中のフリー走行から午後の予選にかけて、バイクのセットアップはかなり進んだ。しかし、ソフトタイヤでアタックしたときに、セッティングが完ぺきでないことを感じた。加えて、クリアラップが取れなかったし、アタックしているときにミスもした。順調だったとは言えない一日だった。バイクの状態は決して完ぺきではないし、明日のウオームアップでさらにセットアップをしなければならない」

ガボール・タルマクシ(MotoGP 17番手)

「ラグナセカは挑戦的なコースで、とにかく気を抜けるところがないサーキットだ。フリー走行ではラップするごとにタイムを上げられた。しかし、予選ではタイムアタックのときにタイヤをうまく使えなかった。明日の決勝に向けてウオームアップでトライしてみたいことがある。それがうまくいけばアベレージをもう少し改善できると思う」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「小さなステップだが、確実にバイクのポテンシャルを向上させることができた。両ライダーともに、それを体感できたと語っていた。しかし、強力なライバルたちからは、まだまだ劣っている部分もあり、決勝に向けて、最後までバイクのセットアップに努めたい。この2日間、全体的には順調に推移した。明日はいいレースをしてくれると信じているし、楽しみにしている」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:21.678
246V.ロッシヤマハ+0.167
327C.ストーナードゥカティ+0.232
43ダニ・ペドロサHonda+0.435
54アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+0.457
624トニー・エリアスHonda+0.468
75C.エドワーズヤマハ+0.812
869N.ヘイデンドゥカティ+0.862
97C.バーミューレンスズキ+0.955
1065L.カピロッシスズキ+0.984
1133M.メランドリカワサキ+1.164
1215アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.326
1359S.ジベルノードゥカティ+1.428
1414ランディ・デ・ピュニエHonda+1.469
1552J.トーズランドヤマハ+1.712
1688N.カネパドゥカティ+2.234
1741ガボール・タルマクシHonda+2.850