第7戦オランダ大会の1日目は、開幕戦から安定した速さをみせるランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が今季初のトップタイムをマーク。以下、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)と続き、5番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、6番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)と、Honda勢がまずまずのスタートを切った。
この日のアッセンは、風はやや強いものの青空が広がる絶好のコンディション。気温26℃と好条件がそろい、好タイムの応酬となった。トップタイムをマークしたデ・ピュニエは、走り出しから順調にタイムを更新。ベストタイムはもちろん、アベレージでもライバルをしのぐ好走だった。
5番手のドヴィツィオーゾは、前戦カタルニアGP後のテストで投入されたニューシャシーのセッティングに集中。コーナーの進入にやや課題を抱えるも、2日目に向けてセッティングの方向性を見出すことに成功。今季初表彰台、初優勝に向けて2日目の予選では今季初のフロントローを狙う。
ペドロサは、前戦カタルニアGPから1週間の休養を取ったことで、右足大たい骨のケガも順調に回復。今大会は痛み止めの注射なしでセッションに挑んだ。ペドロサもドヴィツィオーゾ同様、この日はニューシャシーのセッティングに集中。デ・ピュニエから1秒差以内に11台という大接戦の中で、トップから0.352秒差の6番手とまずまずの順位につけた。本来の走りが戻ってきていることを感じさせる力強いライディングは、2日目のポジションアップに期待が膨らんだ。
以下、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)がトップから1秒差以内の11番手。初日はセッティングが決まらずに苦戦したトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)が15番手。セッション前半に痛恨の転倒を喫した高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)が17番手。MotoGP2戦目を迎えたガボール・タルマクシ(Scot Racing Team MotoGP)は、19番手から2日目のポジションアップに挑む。
250ccクラスはアルバロ・バウティスタ(アプリリア)がトップタイム。Honda勢では、青山博一(Scot Racing Team 250cc)がトップから1.124秒差の8番手。ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)12番手、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)14番手、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)16番手、富沢祥也(CIP Moto-GP250)18番手と全体的に厳しいスタートとなったが、2日目のポジションアップが期待される。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | 1:37.842 |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.005 |
3 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.035 |
4 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.219 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.250 |
6 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.352 |
7 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.363 |
8 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +0.508 |
9 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +0.537 |
10 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +0.587 |
11 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +0.653 |
12 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.086 |
13 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +1.622 |
14 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1.755 |
15 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1.800 |
16 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +2.309 |
17 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | +2.343 |
18 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +3.178 |
19 | 41 | ガボール・タルマクシ | Honda | +3.538 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | 1:40.817 |
2 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +0.185 |
3 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +0.655 |
4 | 6 | A.デボン | アプリリア | +0.863 |
5 | 75 | M.パシーニ | アプリリア | +0.893 |
6 | 52 | L.ペセック | アプリリア | +1.015 |
7 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | +1.049 |
8 | 4 | 青山博一 | Honda | +1.124 |
9 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +1.665 |
10 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +1.685 |
12 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +1.857 |
14 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +2.000 |
16 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +2.073 |
18 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +3.433 |
23 | 53 | V.ドゥビーズ | Honda | +5.082 |
24 | 54 | T.マーカム | Honda | +6.429 |
25 | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +6.713 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 60 | J.シモン | アプリリア | 1:46.725 |
2 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +0.200 |
3 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.318 |
4 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.388 |
5 | 99 | D.ウェッブ | アプリリア | +0.552 |
6 | 93 | M.マルケス | KTM | +0.847 |
7 | 7 | E.バスケス | デルビ | +0.899 |
8 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +0.994 |
9 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +1.049 |
10 | 35 | R.クルメンナッハ | アプリリア | +1.136 |
コメント
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 1番手)
「トップタイムだったことに自分でも驚いている。なぜなら、セッション開始からフィーリングがよくなくて、なかなか気持ちよく走ることができなかったからだ。セカンドバイクも同じ状態だったが、ソフトからハードにタイヤを変えてからだんだんよくなって、リズムある走りができるようになった。終盤になって、セッティングを変えた1号車に乗り換えたのだが、このときは自分でも速いラップを刻めていると感じた。でも、トップタイムを取れるなんて思ってもいなかった。とてもハッピーだ」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5番手)
「走り出しとしてはまずまずだった。トップから0.250秒差の5番手というのも悪くないと思う。ただ、全体的にセットアップはあまり進まず、特にコーナーの進入のブレーキングに課題を残した。しかし、今日のデータを分析してバイクのバランスを見直せば、明日はもっとよくなるはずだ。今日は体調が悪く、厳しい一日だった。今日は身体を休めて、明日は万全な体調で挑みたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)
「前回のカタルニアGPに比べたら、とても気持ちよく乗ることができた。痛み止めの注射を打たなくても、いいペースで走れたし、今日のリザルトと内容にはとても満足している。しかし、走り終えた後はさすがに痛かった。今日は十分に冷やして、明日のセッションに備えたい。今回はニューシャシーを使っているが、ファーストインプレションとしては、ブレーキングの安定性がよくなったようだ。明日はさらにセッティングを詰めていきたい」
高橋裕紀(MotoGP 17番手)
「今日はすごくいい感じで走リ出すことができたのだが、10コーナーの進入で転んでしまった。フロントがスライドして転びそうになったのだが、転ばないようにがんばり過ぎて、結局ハイサイドになってしまった。ヒザを打ったので医務室で検査を受けたが、骨には異常はなかった。今日は、タルマクシが前回のテストで試したフロントのセッティングにしたら、それがすごくよかった。前回のカタルニアでは、フロントフォークに新しいパーツを入れてすごくよくなったが、一段とよくなった感じだ。今日は残念な結果だったので、明日は巻き返したい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「タイムがとても接近している中で、両選手ともにトップとの差もなく、いいスタートが切れたと思う。アンドレア(ドヴィツィオーゾ)は、セッションを通じて安定した走りをしてくれたし、明日に向けて貴重なデータを残してくれた。これを基にセットアップをさらに進めていきたい。ダニは身体の状態も走りも、前回のカタルニアに比べて格段によくなった。ケガから回復していることを感じさせる走りは、明るい材料だ。今回はこれまでにない大接戦になっているので、2日目も気持ちを引き締めていきたい」
青山博一(250cc 8番手)
「トップから約1秒差の8番手。正直、あまりいい結果とはいえない。今日は走り出しからあまりフィーリングがよくなくて、いろいろなセッティングにトライした。しかし、タイムを詰めていけるところがたくさんある状態なので、2日目のフリー走行と予選でバイクを仕上げれば、一気にタイムを上げられると思う。明日もいい天気になることを願っている」
富沢祥也(250cc 18番手)
「原因はわからないが、セッション途中からエンジンの伸びが悪く、最後は6速に入らない状態だった。初めてのサーキットの最初のセッションで18番手というのは、とても悪いわけではないが、タイム的には差がありすぎて残念だった。2日目はバイクをちゃんと仕上げて、3列目を目標にがんばりたい」