第4戦フランスGPの1日目は、雲の流れが早く、青空が覗いたかと思えば小雨が落ちるという難しいコンディションとなった。ドライコンディションで走れたのは、セッション開始から40分ほど。セッション終盤は断続的に小雨が降り、ほとんどの選手が走行を見送った。
その中で、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が好調な走りを見せてトップタイムをマーク。2番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、3番手に地元大会で気合満点のランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が続き、5番手ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)と、Honda勢が好調なスタートを切った。以下、トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)11番手、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)16番手、高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)17番手だった。
この日、青空が広がったかと思えば、一瞬のうちに厚い雲が空を覆い雨を落とす。同時に強い風が吹き始めるという不安定な天候が選手たちを苦しめることになったが、ル・マンを得意とするドヴィツィオーゾはセッション開始から積極的にペースを上げ、見事にトップタイムをマークした。
前戦スペインGPで今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュしているデ・ピュニエも好調だった。サーキットにつめかけた地元ファンの声援に応えるように真っ先にコースインすると快調にラップを刻んだ。最終的に首位のドヴィツィオーゾからわずか0.157秒差の3番手と、地元ファンの期待に応えた。
不安定な天候となったが、トップから8番手までが1秒差以内という厳しい戦い。その中で5番手につけたペドロサは、セッション終盤に降った雨のため思ったほど周回をこなせなかった。それでも確実にセットアップを進めた。ウインターテストで痛めた左ヒザの状態も順調に回復。日本GP、スペインGPに続く3戦連続表彰台と今季初優勝の期待が膨らんだ。
スペインGP終了後に右腕の腕上がりの手術をしたエリアスは11番手。デ・アンジェリスはセットアップを進めていたが、ペースを上げる前に雨になり悔しい16番手。RC212Vでル・マンを初めて走る高橋は、スペインGPのセッティングでセッションを開始、これからというときに雨になり17番手だった。エリアス、デ・アンジェリス、高橋は2日目のポジションアップに挑む。
250ccクラスは、青空が広がる絶好のコンディションとなり、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)がトップタイム。前戦スペインGPで今季初優勝を達成、今大会は2連勝を狙う青山博一(Scot Racing Team 250cc)が、0.113秒差で2番手につけた。以下、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)12番手、ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)13番手、ヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)14番手。富沢祥也(CIP Moto-GP250)は、セッション中盤までは10番手前後につけるも、転倒を喫し19番手だった。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | 1:36.136 |
2 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.058 |
3 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +0.157 |
4 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +0.165 |
5 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.340 |
6 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.615 |
7 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.888 |
8 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +0.888 |
9 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1.088 |
10 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.133 |
11 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1.134 |
12 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +1.602 |
13 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +1.664 |
14 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +1.739 |
15 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.896 |
16 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +2.187 |
17 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | +2.503 |
18 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +2.980 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | 1:39.302 |
2 | 4 | 青山博一 | Honda | +0.113 |
3 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +0.199 |
4 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +0.592 |
5 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | +0.633 |
6 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +0.744 |
7 | 15 | R.ロカテリ | ジレラ | +0.966 |
8 | 75 | M.パッシーニ | アプリリア | +1.013 |
9 | 6 | A.デボン | アプリリア | +1.191 |
10 | 52 | L.ペセック | アプリリア | +1.367 |
12 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +1.658 |
13 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.681 |
14 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +1.793 |
19 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +2.789 |
24 | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +6.337 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 1:45.258 |
2 | 60 | J.シモン | アプリリア | +0.211 |
3 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +0.228 |
4 | 6 | J.オリベ | デルビ | +0.803 |
5 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.829 |
6 | 77 | D.エジャーター | デルビ | +0.923 |
7 | 93 | M.マルケス | KTM | +0.947 |
8 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.122 |
9 | 12 | E.ラバト | アプリリア | +1.181 |
10 | 24 | S.コルシ | アプリリア | +1.368 |
コメント
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 1番手)
「いい感じでスタートが切れてすごくうれしい。ル・マンは好きなサーキットだし、最初から速いペースで走ることができた。残念だったのは、セッションの途中で雨になり、予定通り周回できなかったことだ。今日は16ラップしか走れなかったので、やり残したことが多かった。しかし、方向性を見つけられたのはよかった。ラップタイムは全体的に速くなかったし、今日のタイムはあまり参考にならないと思う。今の時点でレースを予想するのは難しいが、ここでは何度も表彰台に立ってきたので楽しみにしている」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 3番手)
「不安定な天候だったが、変化が速かったので、なるべくコースに出ているようにした。しかし、残り20分くらいで雨が激しくなったので走行を止めた。これがル・マンの天気だから、特別驚くことはなかった。ドライで走れた時間は短かったが、最初から気持ちよく走れた。スペインGPのセットアップでスタートし、細かな調整をするだけで、かなりよくなった。決勝がドライでもウエットでもいいようにセットアップを進めたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)
「途中で雨になったけれど、ドライコンディションで走れたのはよかった。ここはヘレスとはまったく違うサーキットなので、いろいろセッティングを試しながら調整した。ヒザは100%の状態ではないが、今までの中では一番よく、普通に動かせるようになった。セッション終盤はフルウエットにはならなかったので、ウエットタイヤをキープするために走行しなかった。明日は天気次第。ドライでもウエットでもセットアップを進めたい」
高橋裕紀(MotoGP 17番手)
「前回のスペインと同じセッティングでスタートした。途中から雨になって、結局、なにも分からない内に終わった感じがする。今回からフリー走行が45分から1時間になった。雨のために、ドライで走れたのは40分だけだったが、時間的に余裕があってよかった。ル・マンをMotoGPマシンで走るのは初めてだったけれど、思ったよりもスムーズに乗れた。全体的にブレーキングが深くなりすぎていたので、2日目はリズムよく走れるようにしたい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「アンドレア(ドヴィツィオーゾ)の今日の結果には満足している。チームにとってもよい結果だった。ダニ(ペドロサ)のペースも悪くなかった。まだまだセットアップを進めている段階だが、ライダーのパフォーマンスをフルに引き出せるようないい状態に仕上げたい。天気がどうなるが予想もつかないので、ドライにもウエットにも対応できるようにセットアップを進めたい」
青山博一(250cc 2番手)
「タイム的にはそんなに悪くないけれど、バイクのフィーリングをもう少しよくしたい。前回のヘレスでも旋回性に課題があったけれど、ル・マンでは、その症状がより顕著に出た。ここは旋回性がとても重要なサーキットなので、2日目はそのあたりを改善したい。2日目がもし雨になったら、ウエットコンディションで走ったのは日本GPの一度だけなので、雨のセットアップに専念したい」
富沢祥也(250cc 19番手)
「初めてのサーキットなのでいろいろ考えながら走っていた。セッション中盤までは順調にタイムをつめていたけれど、最終コーナーの縁石に乗り上げてリアがスライドして転んでしまった。残り20分くらいあったので、もったいなかった。ル・マンは楽しいサーキットだ。明日はもっとタイムを上げられると思う」