ペドロサ3位で今季初の表彰台獲得
ドヴィツィオーゾもトップグループに加わり5位でチェッカーを受ける
- 2009年4月26日(日)
決勝
- 会場:ツインリンクもてぎ
天候:雨/晴れ
コースコンディション:ドライ
気温:22℃
観客:4万1533人(3日間:6万5332人)
第2戦日本GP決勝は、朝のウオームアップこそ激しい雨となったが、午後の決勝は青空が広がる絶好のコンディションの中で行われた。優勝したのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。2位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3位にロッシと2位争いを繰り広げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が入った。そして、4位ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、5位アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)と、優勝したロレンソから5位のドヴィツィオーゾまで9.207秒差という厳しい戦いだった。
今季初の表彰台を獲得したペドロサは、予選11番手という厳しいグリッドから3位でチェッカーを受けた。ペドロサは、4列目から絶好のスタートを切り、オープニングラップで2番手に浮上。3周目にロレンソにかわされ3番手にポジションを落としたが、中盤はロッシとし烈な2位争いを繰り広げ、スタンドを沸かせた。終盤はロッシがペースを上げたことでジリジリと引き離されたが、ストーナーとドヴィツィオーゾの追撃を振り切った。
ペドロサは、3月上旬のカタール合同テストで転倒を喫し、左ヒザと左手首を負傷した。そのために満足のいくウインターテストをこなせず、開幕戦カタールGPは11位と苦戦。今大会も雨の影響で満足のいく走行をこなせていなかったが、復活をアピールする快走を見せた。
予選7番手から決勝に挑んだドヴィツィオーゾは、オープニングラップ5番手だったが、2周目にクリス・バーミューレン(スズキ)をかわし4番手に浮上、トップグループの3台を追った。そして、前半から中盤にかけてペドロサをピタリとマーク。Repsol Honda Teamのランデブー走行となったが、ペドロサのペースについていけず、終盤はジリジリと後退。結局、ラスト2周でストーナーにかわされ5位に終わったが、トップとの差を確実に縮める快走は大きな成長を感じさせた。
以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)11位、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)13位と、天候に翻弄されセッティングを決められなかった両選手は厳しい戦いを強いられた。15位のトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)は、前半に好走を見せるも6周目にスリップダウン。最下位から再スタートを切って15位でフィニッシュした。地元の期待を集める高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)は、オープニングラップの混戦の中でニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)と接触して転倒リタイアに終わった。
250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が優勝。予選2番手からトップグループを快走した青山博一(Scot Racing Team 250cc)が2位。ワイルドカードで出場の青山周平(HARC-PRO.)6位、ルーキーの富沢祥也(CIP Moto-GP250)10位と、日本人選手が地元ファンの期待に応える走りを見せた。青山博一は、中盤までレースの主導権を握ったが、終盤、バウティスタに引き離されて悔しい2位だった。しかし、2戦を終えて総合2位と、これからの戦いに期待が集まった。弟の青山周平も、2年ぶりの250ccクラスで快走して6位。雨のために予選がキャンセルとなったことで最後尾25番手から決勝に挑んだ富沢は、すばらしい追い上げを見せて10位でチェッカーを受けた。
決勝リザルト
MotoGP
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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|
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|
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 43:47.238 |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +1.304 |
3 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +3.763 |
4 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +5.691 |
5 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +9.207 |
6 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +30.555 |
7 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +32.756 |
8 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +39.416 |
9 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +43.106 |
10 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +43.245 |
11 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +44.834 |
12 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +46.540 |
13 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +53.525 |
14 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +1:21.804 |
15 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1Lap |
RT | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +7Laps |
RT | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | - |
RT | 72 | 高橋裕紀 | Honda | - |
250cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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|
1 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | 44:06.488 |
2 | 4 | 青山博一 | Honda | +5.889 |
3 | 75 | M.パシーニ | アプリリア | +21.832 |
4 | 28 | G.タルマクシ | アプリリア | +25.906 |
5 | 6 | A.デボン | アプリリア | +30.785 |
6 | 73 | 青山周平 | Honda | +33.788 |
7 | 52 | L.ペセック | アプリリア | +36.972 |
8 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +41.018 |
9 | 17 | K.アブラハム | アプリリア | +41.649 |
10 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +52.863 |
|
12 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1:06.347 |
16 | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +1Lap |
RT | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +5Laps |
RT | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +17Laps |
125cc
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム/差 |
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|
1 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 42:23.716 |
2 | 60 | J.シモン | アプリリア | +1.346 |
3 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +5.039 |
4 | 17 | S.ブラドル | アプリリア | +6.904 |
5 | 93 | M.マルケス | KTM | +13.061 |
6 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +14.841 |
7 | 6 | J.オリベ | デルビ | +16.420 |
8 | 94 | J.フォルガー | アプリリア | +16.483 |
9 | 77 | D.エジャーター | デルビ | +27.500 |
10 | 38 | B.スミス | アプリリア | +30.359 |
ポイントスタンディング
ライダー | MotoGP
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
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|
1 | J.ロレンソ | ヤマハ | 41 |
2 | V.ロッシ | ヤマハ | 40 |
3 | C.ストーナー | ドゥカティ | 38 |
4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | 22 |
5 | ダニ・ペドロサ | Honda | 21 |
6 | C.エドワーズ | ヤマハ | 17 |
7 | M.カリオ | ドゥカティ | 16 |
8 | C.バーミューレン | スズキ | 15 |
9 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | 13 |
10 | M.メランドリ | カワサキ | 12 |
11 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | 11 |
12 | L.カピロッシ | スズキ | 9 |
13 | トニー・エリアス | Honda | 8 |
14 | J.トーズランド | ヤマハ | 7 |
15 | N.ヘイデン | ドゥカティ | 4 |
16 | S.ジベルノー | ドゥカティ | 3 |
17 | N.カネパ | ドゥカティ | 2 |
18 | 高橋裕紀 | Honda | 1 |
コンストラクター | MotoGP
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | ヤマハ | 45 |
2 | ドゥカティ | 38 |
3 | Honda | 27 |
4 | スズキ | 18 |
5 | カワサキ | 12 |
ライダー | 250cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | A.バウティスタ | アプリリア | 34 |
2 | 青山博一 | Honda | 33 |
3 | H.バルベラ | アプリリア | 30 |
4 | J.クルーゼル | アプリリア | 20 |
5 | G.タルマクシ | アプリリア | 19 |
6 | T.ルティ | アプリリア | 18 |
7 | M.パシーニ | アプリリア | 16 |
8 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | 16 |
9 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | 15 |
10 | A.デボン | アプリリア | 13 |
|
13 | 富沢祥也 | Honda | 10 |
14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | 8 |
17 | ヘクトル・ファウベル | Honda | 5 |
コンストラクター | 250cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 50 |
2 | Honda | 33 |
3 | ジレラ | 7 |
4 | ヤマハ | 2 |
ライダー | 125cc
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | A.イアンノーネ | アプリリア | 37.5 |
2 | J.シモン | アプリリア | 30 |
3 | P.エスパルガロ | デルビ | 22.5 |
4 | S.コルテセ | デルビ | 18 |
5 | S.ブラドル | アプリリア | 17 |
6 | J.フォルガー | アプリリア | 13 |
7 | B.スミス | アプリリア | 11.5 |
8 | M.マルケス | KTM | 11 |
9 | D.エジャーター | デルビ | 9.5 |
10 | J.オリベ | デルビ | 9 |
コンストラクター | 125cc
順位 |
コンストラクター |
総合ポイント |
|
|
|
1 | アプリリア | 37.5 |
2 | デルビ | 24 |
3 | KTM | 11 |
4 | ロンシン | 4 |
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日の結果はとてもうれしい。昨年の10月からケガが続いていたので、2戦目で表彰台に立てるとは思わなかった。とてもうれしい。スタートがよかった。2〜3周が精一杯かと思っていたが、最後までトップグループで走ることができた。信じられなかった。終盤、ロレンソに追いついた。ロッシと2位争いもできた。まだ改善しなければいけないポイントはあるが、ヘレスに向けていい結果が残せた。チームとファンに感謝したい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5位)
「フリー走行から大変だったが、こうして上位を走れたことがうれしい。今日は表彰台に立とうと全力を尽くした。ブレーキングがハードで体力的に厳しかったが、最後まであきらめずに走り、結果を残せた。カタールではトップから27秒離されたが、ここでは9秒差までつめることができた。今日のダニは、とてもよいレースをしたと思う。スタートもペースもよかったが、もっと上を狙うためにも、マシンを仕上げなくてはいけない」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 11位)
「最後列からのスタートはとても厳しかった。序盤、ジベルノー(ドゥカティ)の後ろでタイムをロスしたが、9周目にジベルノーを抜いて9番手に上がることができた。それからトーズランド(ヤマハ)を追ったが、届かなかった。リアのトラクション不足で思うようにペースを上げられなかった。特に左コーナーで厳しく、バーミューレンにも抜かれた。しかし、予選のグリッドを考えれば、決して悪い結果ではなかった。次のヘレスを楽しみにしている」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 13位)
「たった1回だけ走れた金曜日のドライセッションで抱えていた課題を決勝レースまで解決するチャンスもなく、厳しい戦いを強いられた。今日はハードタイヤを選択したが、うまく機能しなかった。自分の前に4台のグループがいたので、そのグループを必死に追った。しかし、追いつくことができず、最後はペースを落とした。13位で3ポイントを獲得した。納得できるリザルトではないが、完走することができてよかった」
トニー・エリアス(MotoGP 15位)
「オープニングラップはフィーリングが悪くてペースを上げられなかったが、3周目くらいからペースを上げることができた。メランドリ(カワサキ)とバーミューレンのグループに追いついたが、その後、路面の汚れた部分で転んでしまった。再スタートすることができたが、今日の結果にはガッカリした。しかし、今日のレースで得ることは多かったし、次につながった。バイクのセットアップも進んだし、次のレースが楽しみだ」
高橋裕紀(MotoGP リタイア)
「1周目の混雑の中で、ニッキー(ヘイデン)に追突して転んでしまった。全体的にペースが遅く渋滞していた。その中の誰かがブレーキをかけたのだと思う。それで前がつかえてぶつかってしまった。そういう状況になっても、止まれる余裕がなかったことがいけなかった。今回は、厳しいコンディションとなり、ドライもウエットも満足のいくセッティングができなかったが、ウエットではいろいろと学ぶことができた。レースでも、いろいろ経験できると思っていたし、本当に残念だった」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「今日は大勢のファンの声援が両ライダーの力になったと思う。スタンドには、たくさんのHondaの応援フラッグがあり感激した。今日は、ダニ、アンドレアともに力強い走りをしてくれたが、マシンが十分なポテンシャルを発揮していなかった。セッションを終えるごとに両ライダーから同じようなコメントを聞かされている。ライバルとのギャップを縮めるためにも、マシンの性能を上げていかなければならない。最後に、ライダーはもちろんのこと、ファンの皆様に感謝の気持ちを伝えたい。ありがとうございました」
青山博一(250cc 2位)
「序盤からなるべく前に出ようと思った。しかし、3周目に転倒寸前のハイサイドを喫し、それから冷静に走ることにした。気持ちを落ち着かせ、タイヤのライフを考えて走った。今回はバイクのセッティングをする時間がなかったけれど、ベストは尽くせたと思う。優勝できなかったのは悔しいが、大勢のファンの声援がうれしかったし、表彰台に立てたこともうれしい。2戦を終えて1点差の総合2位というのもうれしい」
青山周平(250cc 6位)
「結果は6位だったけれど、優勝したみたいにうれしかった。今日は、序盤に置いていかれないようにがんばったが、離されてしまった。それから、ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)に負けられないと思い、必死に追い上げた。今回、こうして出場するために協力してくれたすべての人たちに感謝したい」
富沢祥也(250cc 10位)
「ウオームアップも路面が微妙で、ドライのセットアップを最後までできなかった。とにかく最後尾からのスタートなので、スタートで前に出ようと、この瞬間にかけた。1周目に10番手くらいポジションを上げることができてよかったし、それから最後まで全力を尽くした。この順位で納得することはできないけれど、集中して楽しく走れた。日本なので、恥ずかしいレースをしたくなかった。みんなが喜んでくれたのならうれしい。目標は完走することだったし、転ばなくてよかった」