第2戦日本GP1日目のフリー走行は、終日、厚い雲が空を覆い、最高気温13℃という4月下旬としては季節外れの寒さとなった。そのため、選手にとっては難しいセッションとなり、3クラスともに全体的にタイムが伸びなかった。MotoGPクラスは、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)がトップタイム。ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が2番手、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が3番手と続いた。
Honda勢は、開幕戦カタールGPで5位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)が7番手。トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)9番手、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)11番手、高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)13番手、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)15番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)16番手と、厳しいスタートとなった。
Honda勢でトップタイムのドヴィツィオーゾは、低い気温と路面温度に苦戦。セットアップが思うように進まず、トップから1.485秒差の7番手。セットアップの方向性に戸惑ったペドロサも、トップから1.846秒差の11番手と、Repsol Honda Teamの両選手は苦しいスタートとなった。しかし、この日の走行で問題点もクリアになり、パートによってはいい走りを見せているだけに、2日目のばん回は必至。声援を送るHondaファンの期待に応える意気込みだ。
MotoGPルーキーの高橋は、ギアが合わず、コーナーの立ち上がりでタイムロスも13番手につけた。走り慣れているサーキットだけに問題点もクリアで、2日目のセットアップに向けて大きく前進した。MotoGPデビュー戦の開幕戦カタールGPでは15位で1ポイント獲得。今大会の初日もMotoGPルーキーながら、Honda勢ではドヴィツィオーゾ、エリアス、ペドロサに続く4番手。2日目の予選では目標とするシングルグリッドを狙う。
一昨年の大会で3位表彰台に立っているエリアスは9番手からポジションアップを狙う。初日出遅れたデ・アンジェリスとデ・ピュニエも、ツインリンクもてぎを得意とするだけに、2日目のばん回に気合を入れていた。
250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)がトップタイム。Honda勢は、開幕戦カタールGPで4位の青山博一(Scot Racing Team 250cc)が2番手と好調なスタートを切った。青山(博)は過去、ツインリンクもてぎの日本GPで2度の優勝を達成している。今年は3度目の優勝に闘志満々。2日目の予選では今季初PPを狙う。青山(博)のチームメートのラファエレ・デ・ロサも6番手と好調なスタートを切った。以下、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)12番手、ワイルドカードで出場の青山周平(HARC-PRO.)は17番手だった。ルーキー富沢祥也(CIP Moto-GP250)は、トラブルのためにわずか2周しか走行できず基準タイムをクリアできなかったが、2日目の予選では一気にポジションを上げる意気込みだ。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 1:48.545 |
2 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.056 |
3 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.420 |
4 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +0.837 |
5 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +1.152 |
6 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1.435 |
7 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +1.485 |
8 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1.578 |
9 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1.664 |
10 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +1.797 |
11 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +1.846 |
12 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.848 |
13 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | +1.859 |
14 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +1.993 |
15 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +2.056 |
16 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +2.124 |
17 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +3.098 |
18 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +3.384 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | 1:53.093 |
2 | 4 | 青山博一 | Honda | +0.602 |
3 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +0.743 |
4 | 75 | M.パシーニ | アプリリア | +0.847 |
5 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +1.404 |
6 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.491 |
7 | 28 | G.タルマクシ | アプリリア | +1.501 |
8 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +1.502 |
9 | 15 | R.ロカテリ | ジレラ | +1.664 |
10 | 6 | A.デボン | アプリリア | +2.010 |
12 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +2.115 |
15 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +2.495 |
17 | 73 | 青山周平 | Honda | +2.836 |
DNQ | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +8.860 |
DNQ | 48 | 富沢祥也 | Honda | +10.785 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | 2:00.685 |
2 | 60 | J.シモン | アプリリア | +0.179 |
3 | 17 | S.ブラドル | アプリリア | +0.344 |
4 | 12 | E.ラバト | アプリリア | +0.687 |
5 | 18 | N.テロール | アプリリア | +0.864 |
6 | 77 | D.エジャーター | デルビ | +0.880 |
7 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.923 |
8 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +1.096 |
9 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +1.112 |
10 | 93 | M.マルケス | KTM | +1.183 |
コメント
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 7番手)
「ツインリンクもてぎはHondaのホームサーキット。たくさんのHondaファンのサポートを受け、とてもエキサイトしている。今日は予想以上に気温が低くて、セットアップが思うように進まず、マシンをコントロールするのも難しかった。コーナーの立ち上がりでフロントが浮くので走りにくかったこともタイムロスにつながった。明日はこのあたりを調整していきたい。明日の予報は雨だが、できることならドライで走りたい」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 11番手)
「Hondaファンがたくさんいる前で走れることがとてもうれしい。とても興奮している。しかし、今日はマシンのセットアップの方向を間違えて、セッティングが思うように進まなかった。データの収集も予定通りにいかなかった。もし明日の予選が雨になったら、ドライコンディションのセットアップを決めることが難しくなってしまう。しかし、どんなコンディションであれ、ベストな状態を見つけていきたい」
高橋裕紀(MotoGP 13番手)
「もてぎは走り慣れているコースなので、ほかのサーキットで感じていたことが、ここではよりクリアになった。今日はコンディションが悪かったが、フィーリングは悪くなかった。ただ、ギアなど合わない部分もあってタイムをロスしていた。45分間のフリー走行で試せることは少ないが、もてぎだからこそ感じ取れることも多かった。明日の天気が心配だが、どんな天気でも、1つでも上のグリッドを目指したい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「今回はHondaにとってとても重要なレース。ライダーはもちろん、スタッフも気合が入っている。しかし、今日はコンディションが難しく、ダニとアンドレアの両ライダーから同じような内容のレポートが上がっている。気温が低かったことでマシンのコントロールが難しかったようだ。今日のデータを基に明日はセッティングを進めたい」
青山博一(250cc 2番手)
「走っているフィーリングもよくなく、全体的にタイムも悪かった。今日はタイヤのグリップをうまく出せず、セッション終盤になって、少しだけ攻める走りができた感じだった。もてぎを走るのは去年のGP以来だが、路面が少しバンピーになっているようで、ブレーキングが難しかった。明日は雨の予報だが、今年はまだ雨で走ったことがないので、ちょっと不安がある。明日もできることならドライで走ってセッティングを完ぺきにしたい」
青山周平(250cc 17番手)
「250ccで走るのは2年ぶり。このバイクで本格的に走るのはほとんど初めてだったので、バイクもタイヤもうまくポテンシャルを引き出せなかった。絶対的に走行量が少ないので仕方がない。明日は2度のセッションをうまく使って、前との差を少しでも縮めたい」
富沢祥也(250cc DNQ)
「コースインして3周目にトラブルが出てピットに戻った。時間内に直すことができず、たった2周で終わってしまった。本当に短い時間だったけれど、いいフィーリングは感じ取れた。明日が楽しみだ」