モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第18戦 バレンシアGP 決勝
リザルト ポイント
第18戦 バレンシアGP 第18戦 バレンシアGPview

ペドロサ2位で最終戦を表彰台で飾る。ドヴィツィオーゾ4位。Hondaラストランのヘイデンは5位

2008年10月26日(日)
決勝
会場:バレンシア・サーキット
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
気温:26℃
観客:11万7788人(3日間20万4788人)

不安定な天候となった2日間のフリー走行、予選から一転、決勝日は朝から快晴となった。気温も26℃まで上昇、絶好のコンディションの中で決勝レースが行われた。その中で、予選2番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2位でチェッカーを受け、最終戦を見事表彰台で飾った。以下、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)4位、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)5位、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)7位、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)10位とトップ10に5台のHonda勢が名前を連ね、オープニングラップで大きく遅れたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が15位でチェッカーを受けた。

今季11回目の表彰台を獲得したペドロサ。期待された優勝こそ逃したが、見事、最終戦を表彰台で飾った。予選2番手から好スタートを切ってホールショットを奪ったものの、2コーナーでケーシー・ストーナー(ドゥカティ)に先行を許し2番手へ。そこからストーナーとの一騎打ちとなり激しく追撃したが、最終的に3.390秒のリードを許して2位でチェッカーを受けた。この日は、レース参戦40周年を迎えるレプソルのスペシャルカラーで出場、昨年のバレンシアGPから続いていたスペイン大会での連勝は更新できなかったが、11万人を超える地元ファンの声援に表彰台で応え、ランキング3位でシーズンを終えた。

来季からRepsol Honda Teamで戦うドヴィツィオーゾは4位でチェッカーを受けた。予選9番手からオープニングラップ5番手。その後、追い上げてきたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に抜かれて6番手にポジションを落としたが、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、そしてヘイデンをかわした。今年はルーキーながらランキング5位と大健闘。Repsol Honda Team入りする来季の活躍に大きな期待が寄せられる。

今大会がRepsol Honda Teamでの最後のレースとなるヘイデン。ラストランを優勝で飾る意気込みだったが、思うようにペースを上げられず5位フィニッシュとなった。朝のウオームアップで痛恨の転倒を喫してスペアマシンで決勝に挑むことになり、完ぺきな走りができなかった。しかし、最後まで全力を尽くした走りに、スタッフから大きな拍手を贈られた。2003年から6年にわたり、Repsol Honda TeamからMotoGPに参戦したヘイデンは、2006年にチャンピオン獲得とすばらしい成績を残した。ラストシーズンもケガをするなど厳しいシーズンとなったが、ランキング6位でシーズンを終えた。

中野は、予選15番手という厳しいグリッドからすばらしい追い上げのレースを見せ、7位でフィニッシュした。好スタートからオープニングラップに10位まで浮上した中野は、2周目にホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)、4周目にジョン・ホプキンス(カワサキ)、14周目にロリス・カピロッシ(スズキ)をかわし7番手に浮上。前を走るエドワーズを追撃したが届かず7位。ランキング9位でシーズンを終えた。このレースがSan Carlo Honda Gresini最後のレース。ピットに戻ってきた中野は、スタッフの大きな拍手に迎えられていた。

チームメートのデ・アンジェリスも、予選16番手から好スタートを切って1周目で11番手に浮上、その後もペースを緩めず10位でフィニッシュして、低迷した予選のうっぷんを晴らした。デ・アンジェリスはランキング14位だった。予選6番手から決勝に挑んだデ・ピュニエは、オープニングラップに痛恨のコースアウトを喫して最下位に転落。猛然と追い上げたが15位。ランキング15位でシーズンを終えた。

250ccクラスはマルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。予選10番手からすばらしい追い上げを見せた高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が、今季3回目の表彰台となる2位でチェッカーを受けた。オープニングラップは9番手、2周目には7番手に浮上。3周目に6番手に上がりトップグループに加わった。後半は、シモンセリ、ミカ・カリオ(KTM)とトップグループを形成。最終ラップでカリオが転倒したことで2位に浮上。250cc最後のレースを表彰台で飾り、ランキング5位でシーズンを終えた。また、予選7番手から決勝に挑んだラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、スタートに失敗して1周目14位と大きく遅れた。その後、全力で追い上げたが8位に終わった。目標とする5位以内を果たせずも後半戦のすばらしい走りは、来季の活躍を期待させた。ウィライローはランキング13位となった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)

「2位になれてうれしい。今日は全力でケーシーを追いかけたが、少しずつ離されてしまった。バイクは最高の状態だった。ペースも悪くなかったが、ケーシーにギャップをうまくキープされてしまった。全力を尽くしてくれたチームとレプソルに感謝したい。今日も地元の大観衆の声援が大きな力になった。すばらしい気分でレースを戦えた。今年はシーズン途中にタイヤを変えたが、この数戦の戦いには満足している。今年は厳しいシーズンだった。開幕前のマレーシアで右手、中盤のドイツでは左手と左ヒザを負傷した。後半戦のオーストラリアでも左ヒザを痛めた。ケガをしたことでマシンの開発が止まり、ケガから回復するためにも多くの時間を要した。明日から2009年に向けたテストが始まる。すごく楽しみにしている」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4位)

「7年間一緒に戦ってきたチームとの最後のレースになった。まだイタリア選手権を走っているときに、チームから連絡があった日のことを今でも覚えている。明日からはHondaワークスで走ることになる。ワークスチームに入ることが夢だったし、そのチャンスを与えてくれたチームを去るのは、寂しい気持ちになる。今年はすばらしい一年だった。何戦かは、ワークスチームより前でチェッカーを受けることができた。今年の目標はすべて達成できたと思う。今日は、ニッキーとエドワーズに追いつくのに時間がかかってしまった。2人を抜いたときには、前のグループとのギャップが開いていた。来年は念願のワークスチームで走ることになる。まだまだ成長しなくてはいけないが、新しいチャレンジをとても楽しみにしている」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 5位)

「今回は、自分でも信じられないくらい順調だった。フリー走行では3セッションともにトップタイムだったし、予選でもフロントローに並べた。しかし、朝のウオームアップで転倒したため、決勝は別のバイクで出場しなければならなかった。使っているパーツが違っていたので、転倒したバイクからパーツを移植してレースに挑んだ。しかし、転倒したバイクほど完ぺきな状態ではなかった。スタートも決してよかったとはいえなかった。自分のリズムもよくなかったし、トップグループにはついていけなかった。もっといいリザルトで最後のレースを終えたかった。しかし、ベストは尽くせたと思う。僕を世界チャンピオンに育ててくれたHondaとミシュラン、そしてすべての人たちに感謝したい。これでRepsol Honda Teamを離れることになるが、本当にすばらしい6年間だった。明日から新しいチャレンジに向けてスタートを切りたい」

中野真矢(MotoGP 7位)

「予選で15番手に終わったとき、厳しいレースになると思っていた。しかし、前回のマレーシアのような追い上げのレースをしようと思っていたし、全力を尽くした。スタートはよかった。前半が勝負だと思っていたので序盤からペースを上げた。7位まで上がったが、前にいるコーリンには、なかなか追いつけなかった。後ろも追い上げてきていたし、難しいレースだった。しかし、最終戦なので絶対にチェッカーを受けようと思った。7位だったけれど、いいレースができたと思う。一年間お世話になったチーム、スタッフ、Honda、そしてブリヂストンに心から感謝したい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 10位)

「予選までは最悪だったが、最終的にいい形でレースを終えることができてうれしい。もっといいリザルトを残せればよかったが、それでも今日の10位には満足している。みんな同じ条件だが、今週末の不安定な天候がセットアップを遅らせた。この数戦、セッティングの方向性に迷っていたことも影響した。そんな状態だったので、いい形でレースを終えることができてよかった。MotoGPを戦う初めてのシーズンだったが、サポートしてくれたチームスタッフを始め、すべての人に感謝したい。明日からは、新しいバイクでニューシーズンに向けてスタートを切ることになるが、楽しみにしている」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 15位)

「最終戦ということで、今年のベストリザルトを狙っていた。15位に終わり、本当に残念だった。オープニングラップに小さなミスを犯し、さらに、トーズランド(ヤマハ)を避けるためにコースアウトして、1周目にトップから12秒も遅れてしまった。それから全力で追い上げたが、これが精一杯だった。完治していない手首にも痛みが出てきた。正直、もっといいレースができると思っていたので、残念な結果だった。すばらしい仕事をしてくれたチームスタッフとHonda、ミシュランに心から感謝したい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは優勝という目標は果たせなかったが、スタートからゴールまで常にプッシュしてベストを尽くしてくれた。優勝したケーシーとの差は、マシンを含めての差であり、もっともっとがんばらなければならない。今シーズン一緒にやってきて、ダニはクレバーなライダーだった。彼の期待に応えられるよう、マシンを開発していく。勝てる体制を作り、来年は開幕からいいレースをお見せしたい。Hondaファンの皆さんの応援には、心から感謝したい。来年はタイトルを獲得することで期待に応えたい。

ニッキーは、これが我々のチームでの最後のレースとなった。いつでもどこでも常に全力でプッシュしていく彼の姿勢は忘れられない。学ぶべきことも多かった。今日は、ファイナルレースということで全力を尽くしてくれた。結果は5位だったが、それ以上の価値あるリザルトだった。来年は我々の強力なライバルになると思うし、彼に負けないようがんばりたい。コース上ではこれからライバルになるが、これまで通り、彼とはいい関係を築いていくつもりだ。今後の彼の活躍を期待し、エールを送りたい。ミシュランタイヤにとっても今回は最後のレースになった。これまで一緒に戦ってこれたことを誇りに思うし、心から感謝したい」

高橋裕紀(250cc 2位)

「昨日までフロントに問題を抱えていたが、朝のウオームアップでセッティングを変更して、タイヤを変えたことで見違えるようなフィーリングになった。今日は、天候がよくなり、気温と路面温度が上がったことが追い風となった。序盤はなかなか前に出ていけなかったが、とにかく悔いのないレースをしようと思い最後まで全力を尽くした。今年は3回表彰台に立ったが、どのレースもうれしかった。今回は250ccクラスで戦ってきた7年間の集大成としての表彰台であり、こみ上げてくるうれしさがあった。明日から気持ちよくMotoGPにチャレンジしていけるのが何よりもうれしい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 8位)

「今日は5位以内を目標にしていたが、スタートに失敗して1周目に14番手までポジションを落とした。しかし、今回はエンジンがよく走っていたし、そのアドバンテージもあってポジションを上げていくことができた。しかし、パシーニ(アプリリア)を抜くのに時間がかかり、前のグループに離されてしまった。今日のトップグループのペースは速かった。今年は大きく成長できたと思うし、満足のいく一年だった。来年はさらにいいシーズンにしたい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 46:46.114
2 2 ダニ・ペドロサ Honda B +3.390
3 46 V.ロッシ ヤマハ B +12.194
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +24.159
5 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +26.232
6 5 C.エドワーズ ヤマハ M +32.209
7 56 中野真矢 Honda B +34.571
8 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +35.661
9 65 L.カピロッシ スズキ B +38.228
10 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +47.583
11 52 J.トーズランド ヤマハ M +52.107
12 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +52.350
13 7 C.バーミューレン スズキ B +52.833
14 21 J.ホプキンス カワサキ B +53.227
15 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +53.411
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:08.387
17 13 A.ウェスト カワサキ B +1:11.181
18 24 T.エリアス ドゥカティ B +1:37.055

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 43:29.003
2 72 高橋裕紀 Honda +5.164
3 19 A.バウティスタ アプリリア +8.648
4 15 R.ロカテッリ ジレラ +15.605
5 4 青山博一 KTM +20.991
6 55 H.ファウベル アプリリア +22.212
7 41 A.エスパルガロ アプリリア +23.199
8 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +23.321
9 75 M.パシーニ アプリリア +37.424
10 12 T.ルティ アプリリア +38.887

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 40:45.715
2 18 N.テロール アプリリア +0.106
3 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.223
4 38 B.スミス アプリリア +0.776
5 11 S.コルテセ アプリリア +1.333
6 29 A.イアンノーネ アプリリア +21.578
7 71 小山知良 KTM +29.387
8 45 S.レディング アプリリア +29.419
9 22 P.ニエト KTM +38.059
10 12 E.ラバト KTM +38.481

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 373
2 C.ストーナー ドゥカティ 280
3 ダニ・ペドロサ Honda 249
4 J.ロレンゾ ヤマハ 190
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 174
6 ニッキー・ヘイデン Honda 155
7 C.エドワーズ ヤマハ 144
8 C.バーミューレン スズキ 128
9 中野真矢 Honda 126
10 L.カピロッシ スズキ 118
14 アレックス・デ・アンジェリス Honda 63
15 ランディ・デ・ピュニエ Honda 61
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 402
2 ドゥカティ 321
3 Honda 315
4 スズキ 181
5 カワサキ 88

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 281
2 A.バウティスタ アプリリア 244
3 M.カリオ KTM 196
4 A.デボン アプリリア 176
5 高橋裕紀 Honda 167
6 H.バルベラ アプリリア 142
7 青山博一 KTM 139
8 M.パシーニ アプリリア 132
9 R.ロカテッリ ジレラ 110
10 J.シモン KTM 109
13 ラタパーク・ウィライロー Honda 73

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 343
2 ジレラ 300
3 KTM 245
4 Honda 174
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 264
2 S.コルシ アプリリア 225
3 G.タルマクシ アプリリア 206
4 S.ブラドル アプリリア 187
5 N.テロール アプリリア 176
6 B.スミス アプリリア 150
7 J.オリベ デルビ 142
8 S.コルテセ アプリリア 141
9 P.エスパルガロ デルビ 124
10 A.イアンノーネ アプリリア 106

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 401
2 デルビ 319
3 KTM 123
4 ロンシン 4
5 Honda 3

フォトギャラリー

  • 第18戦 バレンシアGP
  • 第18戦 バレンシアGP
  • 第18戦 バレンシアGP
  • 第18戦 バレンシアGP
  • 第18戦 バレンシアGP
  • 第18戦 バレンシアGP