バレンシアGPプレビュー
シーズン中にスペインで開催される第3のグランプリとしてスタートしたバレンシアGP。1999年に第1回大会が開催され、今年で10周年を迎える。2002年からは最終戦として定着。ファンの脳裏に刻み込まれる、数多くの名勝負とドラマが繰り広げられてきた。
2006年には、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)とバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)のタイトル争いの最終決着の舞台となり、ヘイデンが見事にチャンピオンを獲得した。昨年は地元ファンの期待に応えたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝を飾った。過去2年、Repsol Honda Teamが、最終戦に集まった12万人を超えるファンを魅了してきたが、今年もペドロサとヘイデンが、最終戦に並々ならぬ闘志をかきたてられている。
ペドロサは、前戦マレーシアGPで2位。ブリヂストン(BS)にタイヤをスイッチしてから4戦を戦い、2度の表彰台に立った。レースをこなすごとにBSタイヤの特性をつかみ、リザルトを上げているペドロサだけに、最終戦は優勝候補の筆頭に挙げられている。今年は第2戦スペインGP、第7戦カタルニアGPで優勝と、地元スペイン大会でパーフェクトな戦いを見せてきただけに、スペイン3大会完全制覇とバレンシアGP2連勝への期待が膨らんでいる。
Repsol Honda Teamでの最後のレースとなるヘイデンも、ラストランに闘志満々。ロッシと最終戦決着となった戦いで3位表彰台に立ち、チャンピオンを獲得した一昨年の大会は、いまでも多くのファンの脳裏に焼きついている。それはヘイデンにとっても同じであり、「自分にとって特別なサーキット」というバレンシア。Hondaラストランとなる最終戦は今季初優勝を狙う意気込み。ペドロサとの優勝争い、そして、Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュへの期待も大きい。
前戦マレーシアGPで3位になり、MotoGP初表彰台を獲得したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)も、2戦連続表彰台に気合を入れる。来季はRepsol Honda Teamからの参戦が決まっており、今大会は、長年所属した「Team Scot」での最後のレース。同チームでのラストランを、表彰台で飾る意気込みだ。
オーストラリアGP、マレーシアGPと2戦連続5位と上り調子の中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)も、得意とするバレンシアで今季ベストリザルトを狙っている。250cc時代の2000年には優勝している。最高峰クラスではこれまで表彰台はないが、今季最高の状態で最終戦を迎えた。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も250cc時代の2003年に優勝、2004年に表彰台に立つなど、バレンシアは得意なサーキット。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も、250cc時代の過去2年は、優勝、2位と好リザルトを残しているだけに、Honda勢の好走が期待される。
250ccクラスの高橋裕紀(JiR Team Scot 250)とラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)も最終戦でベストリザルトを狙う。来季、MotoGPクラスにスイッチする高橋は、前戦マレーシアGPで4位と表彰台にあと一歩に迫った。バレンシアは、これまで表彰台に立ったことはないが、最も得意とするサーキットの1つ。今季3回目の表彰台はもちろん、250ccラストランを優勝で飾る意気込みだ。オーストラリアGP、マレーシアGPと上り調子のウィライローも今大会はベストリザルトを狙う。前戦マレーシアでは、過去最高の予選5番手から、自己ベストタイの8位でフィニッシュした。今大会は、予選、決勝ともに、自己ベストを更新する意気込みだ。
|