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リザルト ポイント
第17戦 マレーシアGP 第17戦 マレーシアGPview

ペドロサ2戦ぶりの表彰台となる2位。
ドヴィツィオーゾが3位になりMotoGP初表彰台を獲得

2008年10月19日(日)
決勝
会場:セパン・サーキット
天候:晴れ
気温:39℃
コースコンディション:ドライ
観客:3万8560人(3日間5万152人)

快晴となったセパン。250ccクラス決勝は、41℃の最高気温を記録した。MotoGPクラスも39℃という猛暑の中でスタートが切られ、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝、今季2回目のPPから決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2位。その後方では、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)のHonda勢がし烈な3位争いを繰り広げ、ドヴィツィオーゾがMotoGPクラス初表彰台を獲得。ヘイデン、中野と、Honda勢が上位に名前を連ねた。以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)10位。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)14位と、すべてのHonda勢が完走を果たしてポイントを獲得した。

2戦ぶり、今季10回目の表彰台に立ったペドロサは、得意のロケットスタートを決めてホールショットを奪った。その後も快調にラップを刻んでレースの主導権を握ったが、ペースを上げてきたロッシに先行を許して、惜しくも2位に終わった。しかし、ブリヂストンにタイヤをスイッチして4戦目で2回目の表彰台。前戦オーストラリアGPは、スタート直後に転倒を喫する悔しいレースだったが、その雪辱を果たした。これでマレーシアGPでは3年連続表彰台獲得。最終戦バレンシアGPでは、地元ファンの期待に応え、今季3勝目を狙う意気込みだ。

ドヴィツィオーゾが念願の初表彰台を獲得した。金曜日、土曜日と順調にセットアップを進め、表彰台獲得に闘志を燃やしていたが、その意気込みを見事に結果につなげた。2列目6番手から好スタートを切り、オープニングラップは、ペドロサに続く2番手。2周目にロッシにかわされ3番手へ落ちるも、今季最高の好走だった。後半はヘイデン、中野とのし烈な3位争いとなったが、気迫の走りで抑えきった。

予選4番手のヘイデンは、決勝に向けてセッティングを変更。これが功を奏して、ドヴィツィオーゾと壮絶な3位争いを繰り広げ、最終ラップまで抜きつ抜かれつのバトルを見せたものの4位に終わった。

予選15番手からすばらしいスタートを切った中野も、前戦オーストラリアGPに続き、2戦連続の5位でチェッカーを受けた。中野は今大会、フリー走行から好調だったが、予選のアタックに失敗して15番手までポジションを落としていた。しかし、好スタートを決めて波に乗り、見事なリカバリーを見せた。

予選9番手のデ・ピュニエは、スタートに失敗してオープニングラップ13番手。その後、ペースを回復したが10位となった。予選17番手のデ・アンジェリスは、序盤にポジションを上げられず、後半はリアタイヤのグリップに苦戦して14位に終わった。今大会は39℃という厳しいコンディションとなったが、Honda勢すべてがポイントを獲得した。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が優勝。2位に青山博一(KTM)。マルコ・シモンセリ(ジレラ)が3位で今季のタイトルを獲得した。高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は4位。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は8位だった。予選8番手から好スタートを切った高橋は、すぐにトップグループに加わった。その後、表彰台に立つことになる3選手にじりじり離されるが、5台に膨れ上がった4位争いを制した。ベストグリッドとなる予選5番手から決勝に挑んだウィライローは、スタートに失敗して1周目13番手までポジションを落としたが、その後、すばらしい追い上げを見せて8位でチェッカーを受けた。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)

「今回は、なんともあわただしいレースだった。金曜日のフリー走行は17番手。それが予選ではPPを獲得して、決勝では2位でチェッカーを受けることができたからね。前回のフィリップアイランドで転倒しているので、自分にとってもチームにとっても、喜べる結果だった。レース後半、バレンティーノは速かった。どんどんペースを上げてプレッシャーをかけてきたが、今日はついていけなかった。しかし、日本GPで表彰台に立ったときより、その差は縮まっていると思う。ニューバイクは確実に前進しているし、ブリヂストンタイヤにも慣れてきたのでうれしい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 3位)

「MotoGPで初めて表彰台に立てて、本当にうれしい。今日の表彰台は、自分にとって、そしてチームにとって、とても重要なものになった。来年、僕はRepsol Honda Teamに移籍するが、最終戦でもう一度表彰台に立って、7年間お世話になったチームに恩返しをしたい。このチームで僕は、125ccでチャンピオンを獲得したが、もっと大きな目標を達成したかった。今日のレースは本当に厳しかった。スタートはよかったが、バレンティーノとダニにはついていけなかった。そこで3位争いにターゲットを絞った。後ろを見ると集団になっていたので、ミスはできないと思った。終盤、ニッキーに何度か抜かれたが先にチェッカーを受けることができた。チームのスタッフ全員の献身的な仕事に感謝したい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4位)

「今回は厳しいレースになると思っていた。予選は4番手だったが、レースに向けてのアベレージでは、6、7番手がやっとだった。天候もころころ変わって、ベストなセッティングを見つけることができなかった。朝のウオームアップでも前進できなかった。そこで、順調に走れた土曜日の午前中のデータを見直して決勝に挑んだのだが、予想以上に順調で、ドヴィツィオーゾとバトルすることができた。表彰台には立てなかったが、彼との表彰台争いは楽しかった。ドヴィツィオーゾをかわすために全力を尽くした。最終ラップで、もう少し何かできたのではないかと思うが、表彰台に立ったドヴィツィオーゾにおめでとうと言いたい」

中野真矢(MotoGP 5位)

「予選で15番手に沈んでいたので、スタートを決めて前に出ようと思っていた。125と250ccのレースを見て、1コーナーに入るライン取りを決めていたのだが、その通りに走ることができて、1コーナーに入ったときには6番手までポジションを上げていた。自分でもびっくりする完ぺきなスタートだった。その後も、3位集団の中で走ることができた。今日はハードのタイヤを選択していたので、タイヤの持ちは心配なかった。終盤、ブレーキングでケーシーをかわして5番手へ。その後、ニッキーとドヴィツィオーゾに迫ったが、ついていくのがやっとだった。15番グリッドから5位でチェッカーを受けられて本当にうれしい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 10位)

「スタートでウイリーさせるミスをしてポジションを落としてしまった。しかし、1周目からリズムよく走れたし、暑さを感じないほど快適に走ることができた。トーズランド(ヤマハ)とのバトルは楽しかった。最終的に彼は転んでしまったが、その後は、ホプキンス(カワサキ)をかわし、トップグループの大集団に追いついた。ペースはよかったと思う。しかし、最終コーナーで転びそうになり、ややペースを抑えた。レース中盤には、ケガが完治していない右手首が痛み始めてブレーキングが厳しくなってしまった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 14位)

「今日の結果には、本当にがっかりした。スタートはよかったのだが、序盤に遅れた。その後、ペースを上げようとしたのだが、メランドリ(ドゥカティ)を抜くのに時間がかかり、後半はタイヤとの格闘になってしまった。予想していたラップタイムで最後まで走ることができなかった。本当に残念な結果だったが、気持ちを切り替えて次のバレンシアに挑みたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニの2位という結果は、両手を挙げて喜べるものではないが、トップ争いをすることができたのはよかった。最終的にバレンティーノに置いていかれた形だが、今日のレースのデータを、次のレースにしっかりと生かしたい。そういう意味では、最終戦に向けて、いいレースができたと思う。ダニのコメントもポジティブで、最終戦はベストなレースをしてくれると信じている。チームの状況もいい。今日は観客席のHonda応援団の声援が力になったと思うし、応援してくれるファンに感謝したい。ニッキーは、最後まで全力を尽くしてくれた。表彰台に立てなかったのは残念だが、ニッキーらしい戦いだった。次のレースは、Repsol Honda Teamで走る最後のレースになるが、ぜひ、優勝を飾って欲しい」

高橋裕紀(250cc 4位)

「スタートはよく、序盤は混戦の中でミスをしないようについていった。そのうち前のグループがペースを上げたのでついていこうと思ったのだが、コーナーの進入でフロントが切れ込んで転びそうになった。それで、乗り方を少しづつアジャストしてペースを落とさないよう、タイヤに負担をかけないようにした。後半は、後ろのグループが追いついてきて大集団になったのでペースを上げた。表彰台には立てなかったが、自分としては、内容のある戦いができたと思っている。最終戦バレンシアは得意なサーキットなので優勝を目指したい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 8位)

「今日は緊張していなかったのだが、前回のオーストラリア同様、スタートに失敗してしまった。それから全力で追い上げたが8位になるのがやっとだった。今日はいいレースができたことを喜びたいが、スタートの失敗は悔やまれる。最高の状態に仕上げてくれたチームには感謝している。今日はとても暑くて厳しいレースだったが、バイクは最後まで完ぺきだった」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 43:06.007
2 2 ダニ・ペドロサ Honda B +4.008
3 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +8.536
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +8.858
5 56 中野真矢 Honda B +10.583
6 1 C.ストーナー ドゥカティ B +13.640
7 65 L.カピロッシ スズキ B +15.936
8 5 C.エドワーズ ヤマハ M +18.802
9 7 C.バーミューレン スズキ B +23.174
10 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +25.516
11 21 J.ホプキンス カワサキ B +27.609
12 13 A.ウェスト カワサキ B +41.399
13 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +45.617
14 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +49.003
15 24 T.エリアス ドゥカティ B +59.139
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:03.328
17 9 青木宣篤 スズキ B +1:48.363
RT 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +9Laps
RT 52 J.トーズランド ヤマハ M +19Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 42:56.428
2 4 青山博一 KTM +2.586
3 58 M.シモンセリ ジレラ +8.343
4 72 高橋裕紀 Honda +11.032
5 41 A.エスパルガロ アプリリア +13.846
6 6 A.デボン アプリリア +14.274
7 15 R.ロカテッリ ジレラ +15.101
8 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +16.987
9 12 T.ルティ アプリリア +25.356
10 52 L.ペセック アプリリア +26.846

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 G.タルマクシ アプリリア 43:00.716
2 38 B.スミス アプリリア +3.416
3 24 S.コルシ アプリリア +6.896
4 11 S.コルテセ アプリリア +6.925
5 63 M.ディ・ミリオ デルビ +7.115
6 44 P.エスパルガロ デルビ +15.122
7 6 J.オリベ デルビ +21.805
8 77 D.エジャーター デルビ +21.869
9 18 N.テロール アプリリア +21.958
10 29 A.イアンノーネ アプリリア +23.615

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 357
2 C.ストーナー ドゥカティ 255
3 ダニ・ペドロサ Honda 229
4 J.ロレンゾ ヤマハ 182
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 161
6 ニッキー・ヘイデン Honda 144
7 C.エドワーズ ヤマハ 134
8 C.バーミューレン スズキ 125
9 中野真矢 Honda 117
10 L.カピロッシ スズキ 111
14 ランディ・デ・ピュニエ Honda 60
15 アレックス・デ・アンジェリス Honda 57
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 386
2 ドゥカティ 296
3 Honda 295
4 スズキ 174
5 カワサキ 86

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 256
2 A.バウティスタ アプリリア 228
3 M.カリオ KTM 191
4 A.デボン アプリリア 176
5 高橋裕紀 Honda 147
6 H.バルベラ アプリリア 142
7 青山博一 KTM 128
8 M.パシーニ アプリリア 125
9 フリアン・シモン KTM 109
10 T.ルティ アプリリア 102
13 ラタパーク・ウィライロー Honda 65

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 327
2 ジレラ 275
3 KTM 234
4 Honda 154
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 248
2 G.タルマクシ アプリリア 206
3 S.コルシ アプリリア 200
4 S.ブラドル アプリリア 187
5 N.テロール アプリリア 156
6 J.オリベ デルビ 142
7 B.スミス アプリリア 137
8 S.コルテセ アプリリア 130
9 P.エスパルガロ デルビ 124
10 S.レディング アプリリア 97

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 376
2 デルビ 303
3 KTM 114
4 Honda 3
5 ロンシン 2

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