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リザルト
第17戦 マレーシアGP 第17戦 マレーシアGPview

ペドロサ今季2回目のPP
ヘイデンも4番手と好グリッドを獲得する

2008年10月18日(土)
予選
会場:セパン・サーキット
天候:曇り/雨/晴れ
気温:33℃
コンディション:ドライ/ウエット

マレーシアGP予選は、不安定な天候と目まぐるしく変わる路面コンディションの中で行われた。午前中、125ccクラスとMotoGPクラスのフリー走行はドライコンディションだったが、250ccクラスのフリー走行は激しいスコールに見舞われた。そのために、125ccクラスの予選はウエット、MotoGPクラスの予選はウエットからドライへ。250ccクラスの予選はドライで行われた。

ウエットからドライへとコンディションが変化したMotoGPクラスの予選は、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が最後のアタックでベストラップを刻み、今季2度目のポールポジション(PP)を獲得した。以下、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)4番手。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)6番手。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)9番手とトップ10内に4台のHonda勢が名前を連ねた。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は15番手、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は17番手だった。

第5戦フランスGP以来、12戦ぶりのPP獲得となったペドロサは、ドライコンディションで行われた2日間3回のフリー走行で着実にセットアップを進めた。そして、ウエットからドライへと変化した予選では、ウエットパッチが残る難しいコンディションの中で2分1秒548という驚異的なタイムをマーク。ブリヂストン(BS)にタイヤをスイッチして4戦目にしてPPを獲得した。最高峰クラスにスイッチして過去2年、セパンで表彰台に立ってきたペドロサ。決勝では、BSタイヤでの初優勝に挑む。

初日10番手。2日目のフリー走行で9番手のヘイデンは、難しいコンディションとなった予選で一気にポジションを上げた。この日のフリー走行では、トップから13番手までが1秒差以内という大接戦となった。しかし、セッションをこなすごとに着実にセットアップを決めたヘイデンは、難しいコンディションとなった予選で、2日間のベストポジションを獲得した。2003年にデビューを飾ったヘイデンは、06年まで4年連続で表彰台に立ってきた。今大会は、ペドロサとともに優勝を狙う。

フリー走行で6番手と順調な仕上がりを見せたドヴィツィオーゾが、予選でも6番手につけた。後半戦に入って確実にトップグループとの差を縮めてきたドヴィツィオーゾ。今大会、レース用タイヤでは優勝争いに加われるラップタイムを刻んでいるだけに、念願の初表彰台の期待が寄せられる。

この日の予選は難しい路面コンディションとなったために、フリー走行の大接戦とは裏腹に、予選タイヤのアタックは大きく明暗を分けた。デ・ピュニエは難しいコンディションの中で、予選タイヤのパフォーマンスを生かしきれずに9番手。初日4番手と好調なスタートを切った中野は、この日も快調にラップを刻んだが、予選タイヤのアタックは時間切れで不発に終わり15番手にダウン。デ・アンジェリスも完全なアタックができないまま17番手と厳しいグリッドとなった。しかし、レース用タイヤではまずまずの走りを見せているだけに、追い上げのレースに期待される。

250ccクラスは雨の影響で路面コンディションが悪く、半数以上の選手がタイムを更新できなかった。PPを獲得したのは青山博一(KTM)で、初日のタイムでのPP獲得だった。初日5番手と好調なスタートを切ったラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、初日のベストタイムで5番手とベストグリッドを獲得。初日7番手の高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、タイムを更新するも8番手へと1つポジションを落とした。ウィライローは午前中のフリー走行で4番手と好調をキープ。高橋は上位陣がタイムを更新できなかった予選で、タイム更新と上り調子。両選手ともに今季ベストリザルトへの期待が膨らむ。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ポールポジション)

「久しぶりのポール。BSで初めてのポールなので特別うれしい。BSはもちろんのこと、すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したい。今日は路面コンディションがウエットからドライへと変化したので、タイヤ交換のタイミングが難しかった。最後のアタックはうまくいき、PPを取ることができた。この数戦は予選用タイヤのパフォーマンスをフルに発揮できなかったが、今回はうまくいった。しかし、ラップタイムが接近しているので、明日はいいスタートを切らなければならない」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4番手)

「午前中のフリー走行で、マシンの状態はかなり改善された。劇的によくなったわけではないが、確実にタイムを上げることができた。午後の予選は、ウエットで始まり、徐々に乾いていった。とても難しいコンディションだったが、最終的に4番手になれてよかった。セッション終盤には15番手までポジションを落としていた。もし雨が降ったら、ばん回することはできなかった。今日は、PPを狙っていた。できればフロントローに並びたかった。今年はまだPPがなく、今回も取れなくて残念だった。ミシュランの予選タイヤはすばらしかった。ウエットパッチに乗ってもすごいグリップだった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)

「今日は路面の乾き方が遅く、濡れている部分が最後まで残る難しいコンディションだった。しかし、2列目に並べてよかった。今日はいいリズムで走ることができた。2分3秒台でラップを刻めたし、決勝でもいい戦いができると思う。今日はソフトコンパウンドから始めて徐々にハードにしていった。ウエットコンディションではすごくフィーリングがよかったし、ウエットでもドライでも、同じセッティングで走ることができた。明日は、トップ5が目標だが、できれば表彰台に立ちたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9番手)

「とても難しい予選だった。ウエットタイヤで始めて、カットスリック、そしてスリックとタイヤを替えていかなければならなかった。カットスリックでは、フィーリングもよくペースもよかった。しかし、予選タイヤのアタックでは、思うようにタイムを短縮できなかった。いつもなら、予選タイヤでタイムが更新できていたので、納得のいかないアタックだった。明日の決勝は、難しいコンディションになっても、いいレースができる自信がある」

中野真矢(MotoGP 15番手)

「今日はすべて順調だったが、最後のアタックだけがうまくいかなかった。今日は2周アタックできる予選タイヤを使ったのだが、1周目のアタックはタイヤの温度が上がりきらず、そのまま2周目のアタックに行こうとしたらチェッカーを受けてしまった。あのままアタックできていたら、4、5番手にはいける感触があった。調子がよかっただけに15番手に終わって残念だった。しかし、レースタイヤのペースはよかったし、決勝は追い上げのレースをしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 17番手)

「本当に難しい予選だった。路面コンディションがころころ変わり、最後の予選タイヤのアタックも、もう1周行こうとしたときにチェッカーを受けてしまった。もしドライコンディションでアタックできていたら、トップ10内には入れていたと思う。明日も今日のような天候になったらすごく難しいと思う。どちらでもいいから、はっきりしたコンディションでレースがしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニが久しぶりにPPを獲得した。ライダーはもちろん、チームのがんばりに感謝したい。マシンのセットアップが順調に進んだお陰でPPを獲得できたが、ターゲットはレースに勝つこと。明日のウオームアップでさらに万全を期したい。BSタイヤに替えて4戦目のPP。チームのモチベーションは高く、結果につなげたい。ニッキーも大きな問題はなく順調だった。タイムアタックは、タイミングがうまくいかなかったが、なんとか2列目を確保してくれた。両選手ともに、ドライ、ハーフウエット、ウエットと好調だったし、どのコンディションでも十分に勝算はある。明日も厳しい戦いになると思うが、いいレースをして勝ちたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 5番手)

「前回のフィリップアイランドも調子はよかったが、今回はさらにいい状態になった。すべてのライダーと一緒に走ることができた。今日はカリオ(KTM)と一緒に走ったが、わずか0.3秒遅かっただけ。エンジンは走っているし、車体のセッティングもよくて、気持ちよく乗れている。フィリップアイランドはスタートに失敗したが、今回はスタートを決めたい。明日はトップグループで戦える自信がある」

高橋裕紀(250cc 8番手)

「昨日よりコンディションは悪かったが、タイムを更新することができた。トップグループでタイムを更新できた選手があまりいなかったし、それを思えば、ポジションを1つ落としてしまったが、内容には満足している。バイクのフィーリングはよくなっている。最後のアタックを失敗しなければフロントローに並べたと思う。明日はいいスタートを切ってトップグループについて行きたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 2 ダニ・ペドロサ Honda B 2:01.548
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.409
3 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +0.623
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.644
5 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.697
6 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.288
7 1 C.ストーナー ドゥカティ B +1.405
8 65 L.カピロッシ スズキ B +1.530
9 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1.562
10 21 J.ホプキンス カワサキ B +1.636
11 7 C.バーミューレン スズキ B +1.723
12 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.734
13 13 A.ウェスト カワサキ B +1.844
14 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.287
15 56 中野真矢 Honda B +2.453
16 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +2.830
17 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +3.131
18 9 青木宣篤 スズキ B +3.287
19 24 T.エリアス ドゥカティ B +3.572

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 4 青山博一 KTM 2:06.893
2 19 A.バウティスタ アプリリア +0.180
3 58 M.シモンセリ ジレラ +0.216
4 36 M.カリオ KTM +0.225
5 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +0.517
6 41 A.エスパルガロ アプリリア +0.562
7 60 J.シモン KTM +0.775
8 72 高橋裕紀 Honda +0.873
9 6 A.デボン アプリリア +1.027
10 55 H.ファウベル アプリリア +1.116

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 29 A.イアンノーネ アプリリア 2:14.676
2 1 G.タルマクシ アプリリア +0.530
3 99 D.ウェッブ アプリリア +0.689
4 44 P.エスパルガロ デルビ +1.000
5 33 S.ガデア アプリリア +1.008
6 6 J.オリベ デルビ +1.184
7 71 小山知良 KTM +1.246
8 24 S.コルシ アプリリア +1.325
9 63 M.ディ・ミリオ デルビ +1.354
10 17 S.ブラドル アプリリア +1.587

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