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第17戦 マレーシアGP 第17戦 マレーシアGP

マレーシアGPプレビュー

第17戦マレーシアGPが、17日、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開幕する。マレーシアGPは、1991年にスタートして今年で18回目。シャーラム、ジョホールの両サーキットを経て、1999年からマレーシアGPの舞台となったセパンは、今年で10回目を迎える。熱帯の国マレーシア。一年を通じて高温多湿だが、気候が安定しているため、シーズンオフのテストサーキットとしてすっかり定着している。チーム、選手ともに、もっともデータが豊富なサーキットなだけに、初日からレベルの高い走りが繰り広げられる。

シャーラム、ジョホールを含め、過去17回のマレーシアGPでHondaは、これまで8回の優勝を飾っている。しかし、セパンはまだ2度しか優勝していないサーキット。しかも、過去4年は優勝を逃しているだけに5年ぶりの優勝に全力を尽くす。

前戦オーストラリアGPでは、オープニングラップに痛恨の転倒を喫したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。悔しいレースに終わっているだけに、今大会は、その雪辱に燃えている。MotoGPクラスにスイッチした過去2年は、2年連続の3位と表彰台に立ってきた。125cc、250ccクラスに続き、今年は3クラス制覇を目指す。1月のウインターテストでは、転倒を喫してケガをしたために合同テストを途中で切り上げた。十分に走り込んだとはいえないサーキットだが、セパンを得意とするペドロサだけに、今季3勝目への期待が膨らむ。

チームメートのニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も、上り調子でマレーシアGPを迎える。セパンでは、MotoGPクラスにデビューを飾った2003年から4年連続で4位とわずかの差で表彰台を逃してきた。そして昨年は、スタートに失敗して9位という悔しいレース。それだけに今年はその雪辱と、今季初優勝に闘志を燃やしている。セパンのウインターテストでは、常に最速を誇ってきたヘイデン。インディアナポリス、フィリップアイランドで表彰台に立ち、上り調子。今大会は大いに注目を集めそうだ。

来季の「Repsol Honda Team」入りが決まったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。前戦オーストラリアGPでは、スタートの遅れをリカバリーするすばらしい追い上げを見せ、大集団となった3位争いに加わった。しかし、最終的に7位に終わり、念願の今季初の表彰台を逃しているだけに、今大会にかける意気込みは強い。ウインターテストでは、ルーキーながらすばらしい走りを見せている。今大会は、MotoGPクラス初表彰台だけでなく、初優勝への期待も膨らむ。

前戦オーストラリアGPで5位でチェッカーを受けた中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)も、今大会は今季ベストリザルトに闘志を燃やす。99年に250ccクラスでGPデビューを飾り、セパンは第1回大会から参加している。250cc時代には優勝しているサーキット。MotoGPクラスでも常にトップ10フィニッシュしてきたコースだけに、今季初表彰台に闘志を燃やす。

チームメートのアレックス・デ・アンジェリスも、セパンはウインターテストで徹底的に走り込んできたサーキット。過去2戦、フリー走行の好走を結果につなげられていないだけに、その雪辱に気合満点。昨年の大会で4位になっているランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も、今季初表彰台への期待が膨らむ。今年は、ここまで2列目グリッド9回と、予選では常にすばらしいパフォーマンスを披露してきた。今大会は、その走りを結果につなげる意気込みだ。

250ccクラスでは、来季のMotoGP参戦が決まった高橋裕紀(JiR Team Scot 250)と、隣国のタイ出身で、地元から大勢の応援団を迎えるラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)が今季ベストリザルトに気合を入れている。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)

「今回は、自分のミスであっけなくレースを終えた前戦オーストラリアGPの雪辱を果たしたい。セパンは、テスト量の多いサーキット。今大会は、インディアナポリスから使っているニューマシン、ニュータイヤとなるが、最初からペースを上げていきたい。前回の転倒で左のヒザがまだ少し腫れているが、大会はベストな状態で挑めると思う。セパンは右と左のコーナーのバランスがよく、とても面白いサーキット。ハードブレーキングと、そこからのスムーズな加速も要求される。セパン独特のコーナーも多い。ここは、気温も路面温度も高いので、タイヤにも体力的にも、厳しいレースとなる」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング5位)

「セパンはすばらしいサーキット。MotoGPマシンで走るのを楽しみにしてきた。2本のストレートはハイパワーなエンジンを必要とする。ここは、ウインターテストで十分に走り込んでいるので、セッティングの方向性はわかっているし、最初からペースを上げていけるはずだ。シーズンも残り2戦。ベストリザルトを狙っていきたい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP ランキング6位)

「この2、3戦、楽しいレースができている。気分もよく、今回はさらに楽しくハッピーなレースにしたい。バトルができるというのは、本当に最高だ。とにかく、Honda、ミシュラン、そしてすべての関係者には、心から感謝したい。セパンは、テストが多いので、MotoGPクラスを戦うすべてのライダーが知り尽くしているサーキットだ。去年はここで4回もテストをして4週間も過ごした。2つ目の家のようだ。セパンはダイナミックなコースで、ライダーもマシンもごまかしがきかない。大好きなコースなので、ベストを尽くしたい」

中野真矢(MotoGP ランキング9位)

「セパンはテスト量が多いので、知り尽くしているサーキットの1つ。しかし、今年はシーズン途中からバイクが変わり、ニューマシンで走るのは初めてとなる。そのためにセットアップが必要になるが、データがたくさんあるサーキットなので、それほど心配はしていない。最初からペースを上げていくことができるはずだ。ここは、ハードなブレーキングポイントが多く、とても集中力を要求される。気温も路面温度も高く、厳しいレースになる。前回のオーストラリアで5位になれたので、今回はそれより上を目指したい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP ランキング14位)

「シーズンオフのテストでは、チャターに苦しんだ。そのために集中したテストを行い、多くの改善を成し遂げることができたサーキットでもある。そのテストから今日まで、どのくらいマシンのセットアップが進んでいるのか、楽しみにしている。250cc時代は、表彰台に2度立っている。常に表彰台争いができたサーキットなので、MotoGPクラスでもいいレースができると信じている。過去2戦、フリー走行の走りを結果につなげられず悔しいレースとなっている。今回はいいリザルトを残したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング15位)

「今回も順調にいくことを願っている。チームとともに全力を尽くすし、予選でいいグリッドを得て、いいスタートを切り、結果を残したい。シーズンも残り2戦。今季ベストリザルトを狙っていく」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは、前回のオーストラリアで転倒した際にケガをした左ヒザに、まだ痛みがある状態だ。今回はバイクに大きな変化がないので、セットアップを順調に進め、レースアベレージを上げていきたい。ここは、午後になるとスコールが来る可能性が高いので、そういった状況もシミュレーションしていかなければならない。シーズンも残り2戦。モチベーションをキープしてしっかりと成績を残していきたい。ニッキーは、タイヤもよく気分も乗っている。ダニと同様、セットアップを進め、ベストリザルトを狙っていく」

高橋裕紀(250cc ランキング6位)

「2年前のレースで4位になっているサーキットなので、今年はもっと上を狙いたい。ここは2本の長いストレートがあり、RS250RWにとっては決してアドバンテージのあるレイアウトではないが、今年はいい状態でここまできたので、それを結果につなげたい。セパンは、特に好きでも嫌いでもないサーキットだが、250ccクラスで走るのもあと2戦なので、納得できるレースをしたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc ランキング13位)

「前回のオーストラリアGPは、スタートに失敗して悔しいレースに終わったので、今回はその雪辱を果たしたい。セパンは暑く、湿度も高く、シーズンを通じて、特別なコンディションとなる大会のひとつ。コースレイアウトも決して簡単ではないが、タイから応援団がたくさん来るのでいいレースを見せたい」