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リザルト ポイント
第16戦 オーストラリアGP 第16戦 オーストラリアGPview

ヘイデン今季2回目の表彰台となる3位。中野真矢が5位でフィニッシュ

2008年10月5日(日)
決勝
会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:晴れ
気温:17℃
コースコンディション:ドライ
観客:5万541人(3日間10万8182人)

快晴に恵まれたオーストラリアGP決勝は、PPから好スタートを切ったケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が優勝。そのストーナーを中盤まで追撃したニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が、今季2回目の表彰台となる3位でチェッカーを受けた。

その後方では、ホルヘ・ロレンゾ、ジェームス・トーズランドのヤマハ勢、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)とし烈な4位争いを繰り広げた中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)が、最終ラップでトーズランドとドヴィツィオーゾをかわして5位。オープニングラップでコースアウトを喫して最後尾に落ちたドヴィツィオーゾは、すばらしい追い上げを見せて7位でチェッカーを受けた。予選4番手から今季初表彰台の期待が膨らんだランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、序盤の混戦から抜け出せず、9位という悔しい結果だった。予選6番手から好スタートを切ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は1周目の2コーナーで転倒。予選10番手から好スタートを切ったアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)もオープニングラップの4コーナーで転倒を喫し、ともにリタイアに終わった。

今季2回目の表彰台に立ったヘイデンは、2戦連続フロントローから絶好のスタートを切って、ストーナーとトップグループを形成。しかし、フィリップアイランド・サーキットは左コーナーが多く、予選から課題になっていたタイヤの左側の消耗に苦しみ、中盤に入るとストーナーにじりじりと引き離される苦しい展開となった。それでもヘイデンは単独2位をキープする熱走を見せたが、追い上げてきたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に最終ラップでかわされて、3位でチェッカーを受けた。今大会のヘイデンは、今季初の優勝が期待された。最終的に3位に終わったが、中盤まで見せたストーナーとのバトル、そして終盤のロッシとの戦いは、サーキットに集まったファンを熱狂させた。

その後方では、ロレンゾ、トーズランドのヤマハ勢と、予選9番手から好スタートを切った中野、後方からすばらしい追い上げを見せたドヴィツィオーゾの4台がし烈な戦いを繰り広げた。息詰まる戦いの末、終盤、グループのトップに出たロレンゾが4位、最終ラップでトーズランドとドヴィツィオーゾをかわした中野が5位でチェッカーを受けた。

その中野にかわされ、トーズランドにも先行を許したドヴィツィオーゾが7位だった。ドヴィツィオーゾは、オープニングラップでロレンゾとの接触を避けるためにコースアウトを喫して、最下位に転落した。しかし、1周目に10番手までポジションを上げる猛追撃。さらに4位争いの集団に追いつく快走でファンを喜ばせた。予選4番手のデ・ピュニエは、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)と終始、し烈な戦いを繰り広げて9位。完走した4台のHonda勢すべてがトップ10内でフィニッシュした。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。2位にアルバロ・バウティスタ(アプリリア)、3位にミカ・カリオ(KTM)という結果だった。予選7番手から好スタートを切った高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、序盤、前を走るエクトル・ファウベル(アプリリア)の転倒の影響でトップグループから遅れた。しかし、アレックス・デボン(アプリリア)、ロベルト・ロカテッリ(ジレラ)とし烈な5位争いを繰り広げ7位でチェッカーを受けた。予選12番手から決勝に挑んだラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、スタートに失敗、後方からの追い上げを強いられたが、今季4回目のトップ10フィニッシュとなる9位でチェッカーを受けた。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 3位)

「今日はすべてがよかった。中盤までケーシー(ストーナー)についていくことができたし、とても気持ちよく乗れた。しかし、次第にコーナーでスピードをキープできなくなり、徐々に離され始めてしまった。このサーキットで27周、いいペースをキープするのは難しく、終盤、バレンティーノ(ロッシ)に追いつかれてしまった。それで再びプッシュしたが、思ったほどペースは上がらなかった。最終ラップは全力で彼を抑えようとしたが抜かれてしまった。しかし、今日は面白いレースができたし、楽しかった。最終的に表彰台に立ててよかった」

中野真矢(MotoGP 5位)

「朝のウオームアップが終わったときに、予選が終わった時点で使おうと決めていたハードではなく、ミディアムでレースに挑もうと決めた。タイヤの持ちという点でやや不安はあったが、グリップがいいのでペースをキープできると思った。中盤まではタイヤをセーブするためにペースを抑えていたが、ラップタイムはよかった。ラスト5周は勝負をしようと思っていたし、最終ラップにトーズランドとドヴィツィオーゾを抜くことができた。今日は最後まで冷静に組み立てができた。今年のベストリザルトではないが、攻めの走りができたし、今季一番のレースだったと思う」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 7位)

「今日はすばらしいレースができた。スタート直後にコースから外れて最後尾に落ちてしまったが、3位争いの集団まで追い上げることができたからね。コースアウトしたのは、1コーナーでロレンゾがアウトに寄ってきて、行き場がなくなったためで、グリーンを走ることになった。そこから全力で追い上げた。そのためにラスト10周ではタイヤが終わっていた。終盤は4位争いの集団になったが、ラストラップでは、前を走るトーズランドをパスするコーナーを決めていた。ブレーキングで彼のインに入ったときに、中野がさらにインに入ってきてワイドラインになり、2人に前に行かれてしまった。7位という結果だが、今日は最高の追い上げだったと思う」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9位)

「今日はもっといいポジションでフィニッシュできるはずだった。しかし、序盤にエドワーズを抜けず、彼をパスしたときには、すでに前の集団から後れていた。それから自分のリズムを取り戻し、キープしようと思ったが、終盤に再びエドワーズに追いつかれてしまった。今回、バイクの状態はよかった。それにはとても満足しているし、トップ5でフィニッシュできると思っていただけに残念だった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)

「いいスタートを切って、ポジションを上げることができただけに、本当に残念だった。1コーナーを抜けたときにデ・ピュニエの後ろにいた。その後、ヘアピンのブレーキングで彼がミスをして、それを避けるために転んでしまった。今日は、いいレースをすることができると思っていた。3日間を通して常に前進することができていただけに、本当に残念だった」

ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)

「スタートはよかった。しかし、3番手で2コーナーに入ったときにリアタイヤが滑り始め、コントロールしようと思ったがラインを外し、グリーンに飛び出して転んでしまった。そのときに左のヒザを強く打ち、痛みがひどいので、再スタートするのをあきらめた。しばらくは痛みがひどく、腫れていたので、じん帯を痛めたか、骨折したのではないかと思ったが、幸いにもケガはなかった。今回はいいペースで走れると思っていた。先週の日本GPに続き表彰台に立てるという自信があった。それだけに残念だった。チームには申し訳ない気持ちでいっぱいだ」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ニッキーは、目標とする優勝は果たせなかったが、最低限の目標である表彰台に立つことができた。序盤はケーシーと逃げることができた。中盤以降はタイヤの消耗でペースを落とし、最後はバレンティーノに抜かれるなど課題は残ったが、ラスト2戦につながるレースだったと思う。よくやってくれた。ダニは、スタート直後の2コーナーで転倒した。タイヤのグリップを過信したミスで、ダニ自身、自分のミスと語っている。いい意味でいい経験になったと思う。ダニはもちろん、チームもこの苦い経験を次に生かしたい。残り2戦、これまで以上にがんばらなくてはいけない」

高橋裕紀(250cc 7位)

「今日は、グループのトップでフィニッシュしたかった。しかし、最終ラップ、前を走るデボンのスリップに入りたかったのだが、周回遅れが絡んでそれができず、今度はロカテッリにスリップに入られて抜かれてしまった。今日はスタートはよかったが、ファウベルの転倒で前のグループと離れてしまった。集団の中でついていくのは難しくなかったが、抜こうとするとフロントの安定性がなく、厳しかった。次に向けて課題は残ったが、ベストは尽くせたと思う」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 9位)

「緊張したことでスタートに失敗した。それで1周目に大きくポジションを落とし、ポジションを回復しようと全力を尽くした。ペセック(アプリリア)の後ろに迫ったが、そこからなかなか差を縮められず厳しいレースになった。ラストラップに彼が遅れたことで抜くことができたが、9位がやっとだった。今回はもっといいリザルトを期待していたので残念だった」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 40:56.643
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +6.504
3 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +7.205
4 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +11.500
5 56 中野真矢 Honda B +11.914
6 52 J.トーズランド ヤマハ M +12.243
7 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +12.780
8 5 C.エドワーズ ヤマハ M +25.920
9 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +26.037
10 65 L.カピロッシ スズキ B +26.799
11 24 T.エリアス ドゥカティ B +27.027
12 13 A.ウェスト カワサキ B +47.808
13 21 J.ホプキンス カワサキ B +48.333
14 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +48.899
15 7 C.バーミューレン スズキ B +48.935
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:11.767
RT 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B -
RT 2 ダニ・ペドロサ Honda B -

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 39:02.553
2 19 A.バウティスタ アプリリア +0.223
3 36 M.カリオ KTM +14.450
4 60 J.シモン KTM +14.478
5 6 A.デボン アプリリア +26.226
6 15 R.ロカテッリ ジレラ +26.392
7 72 高橋裕紀 Honda +26.434
8 41 A.エスパルガロ アプリリア +40.546
9 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +1:00.219
10 32 F.ライ ジレラ +1:20.825

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 63 M.ディ・ミリオ デルビ 37:55.589
2 17 S.ブラドル アプリリア +10.255
3 1 G.タルマクシ アプリリア +13.106
4 29 A.イアンノーネ アプリリア +13.149
5 44 P.エスパルガロ デルビ +26.796
6 11 S.コルテセ アプリリア +27.123
7 12 E.ラバト KTM +27.181
8 93 M.マルケス KTM +27.287
9 24 S.コルシ アプリリア +27.871
10 45 S.レディング アプリリア +35.087

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 332
2 C.ストーナー ドゥカティ 245
3 ダニ・ペドロサ Honda 209
4 J.ロレンゾ ヤマハ 182
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 145
6 ニッキー・ヘイデン Honda 131
7 C.エドワーズ ヤマハ 126
8 C.バーミューレン スズキ 118
9 中野真矢 Honda 106
10 L.カピロッシ スズキ 102
14 アレックス・デ・アンジェリス Honda 55
15 ランディ・デ・ピュニエ Honda 54
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 361
2 ドゥカティ 286
3 Honda 275
4 スズキ 165
5 カワサキ 81

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 240
2 A.バウティスタ アプリリア 203
3 M.カリオ KTM 191
4 A.デボン アプリリア 166
5 H.バルベラ アプリリア 142
6 高橋裕紀 Honda 134
7 M.パシーニ アプリリア 125
8 J.シモン KTM 109
9 青山博一 KTM 108
10 T.ルティ アプリリア 95
13 ラタパーク・ウィライロー Honda 57

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 302
2 ジレラ 259
3 KTM 214
4 Honda 141
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 237
2 S.ブラドル アプリリア 187
3 S.コルシ アプリリア 183
4 G.タルマクシ アプリリア 181
5 N.テロール アプリリア 149
6 J.オリベ デルビ 133
7 B.スミス アプリリア 117
8 S.コルテセ アプリリア 117
9 P.エスパルガロ デルビ 114
10 S.レディング アプリリア 97

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 351
2 デルビ 292
3 KTM 109
4 Honda 3
5 ロンシン 2

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