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リザルト
第16戦 オーストラリアGP 第16戦 オーストラリアGPview

不安定な天候の中、デ・アンジェリスが3番手と好調なスタート
以下、7番手までHonda勢が続いた

2008年10月3日(金)
1日目フリー走行
会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:晴れ/雨
気温:22℃(晴れ)/13℃(雨)
コースコンディション:ドライ/ウエット

オーストラリアGP1日目は、青空が広がる絶好のコンディションで始まったが、午後は冷たい雨の中でセッションが行われた。その結果、午前中のリザルトで総合順位が決まり、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がトップタイム。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。3番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)。以下、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)が僅差で続き、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は11番手だった。

午前中1回目の走行は、気温が22℃。風はやや強かったが、フィリップアイランドとしては絶好のコンディションとなった。Honda勢でトップタイムをマークしたデ・アンジェリスは、セッション開始から快調にラップを刻み、3番手につけた。前戦日本GPは、3日間で3回の転倒を喫する大荒れのレース。決勝もポイント獲得を果たせないという不本意なリザルトに終わっているだけに、初日から気合の入った走行を見せた。ウエットコンディションとなった午後の走行では転倒を喫し、思うようにタイムが伸ばせず11番手も、終日、モチベーションの高い走りを見せた。

4番手には、日本GPで来季の「Repsol Honda Team」入りが決まったドヴィツィオーゾ。気合満点で挑んだ日本GPでは、序盤の遅れが影響して9位と不完全燃焼のレースとなった。その雪辱に燃える今大会は、ウインターテストのデータを生かし、ドライで4番手、ウエットコンディションとなった午後の走行でも2番手と快速ランを披露した。この日、もっとも安定した速さを見せたドヴィツィオーゾ。今大会こそ、初表彰台の期待が膨らむ。

インディアナポリスGPで右手を痛めているデ・ピュニエも5番手と好調なスタートを切ったが、ウエットコンディションとなった午後の走行では転倒を喫し13番手。しかし今季、フリー走行と予選ではすばらしい速さを見せているだけに、デ・アンジェリス、ドヴィツィオーゾ同様、今季初表彰台に向けて気合を入れている。

ケガのためにフィリップアイランドのウインターテストを走れなかったペドロサが、1年ぶりとなる同コースで着実にセットアップを進め、6番手につけた。ニュウマチックバルブ仕様のエンジンとブリヂストン(BS)タイヤにして、今大会が3戦目。ウエットコンディションとなった午後の走行でも、慎重にセッティングを進めて8番手。インディアナポリスGP以来、BSのレインタイヤを経験するのはこれが2度目となるが、大きな前進を感じさせる走りだった。過去、フィリップアイランドでは優勝のないペドロサだが、この日の走りは、2日目の予選、決勝に向けて大きな期待を抱かせた。

中野は7番手につけた。日本GPでは、期待された表彰台には立てなかったが、サンマリノGP、インディアナポリスGPの低迷から脱出した。今大会は得意とするフィリップアイランド。今季ベストリザルトを目指す。ウエットコンディションとなった午後の走行では、タイヤの選択に時間がかかり15番手だったが、まずまずの走りを見せたドライセッションに自信を深めていた。

ここ数戦、調子を上げているヘイデンは11番手だった。ドライコンディションとなった午前中の走行では、セッティングに時間を費やしタイムを伸ばせなかったが、ウエットコンディションとなった午後の走行ではトップタイムをマーク。上り調子を強烈にアピールした。

250tクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が暫定ポールポジション(PP)を獲得。日本GPで来季のMotoGP参戦が決まった高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が7番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は11番手だった。ドライコンディションとなったフリー走行で11番手とやや出遅れた高橋。ウエットコンディションとなった午後の予選でも7番手と、今大会の目標とするトップ4には届かなかった。ドライコンディションではセッティングに迷ったが、ウエットコンディションで方向性を見つけたという高橋。2日目のポジションアップが期待される。ウィライローは、フリー走行で8番手と好調なスタートを切り、ウエットの予選でも11番手とまずまずのスタートを切った。

コメント

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 3番手)

「もてぎではいい走りができなかったが、今日はとても気持ちよく走ることができてうれしい。ウエットコンディションになった午後のセッションは、転倒してタイムを伸ばせなかったのが残念だった。今日は、ドライで調子がよかったといっても、まだ初日なので、明日はもっとペースを上げられるように全力を尽くしたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4番手)

「冬のテストで得たデータを今回はきっちりと生かすことができた。ドライコンディションだった午前中は、ウインターテストのときより気温も路面温度も低かったが、順調だった。ウエットになった午後も、そのまま気持ちよく走れたし、セッション終盤までトップにいたこともうれしかった。今日は、ミシュランの新しいウエットタイヤをテストしたが、それがとてもよかった。フィリップアイランドはスピードがとても重要なコース。今日はリズムよく乗ることができた」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 5番手)

「ドライコンディションだった午前中の走行は気持ちよく走れたが、ウエットになった午後のセッションは、まるで違うバイクに乗っているような感じだった。レインタイヤはソフトから始めて徐々にハードに変えていったのだが、思ったほどタイヤの温度が上がらず、ミスをしてコースアウト、転倒してしまった。チームには本当に申し訳なかったと思っている」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)

「今日はフィーリングもよく、1日目としては順調だった。午前中のセッションでは、ケーシーがとても速かったので、それに追いつくために全力でがんばった。このコースは、バイクのバランスがとても重要になるので、それに取り組んだ。ウエットでは、着実にペースを上げていこうと思った。周回するごとにタイムを上げることができた。あと2〜3周あればもっといいポジションだったと思う。全体的にいい一日だった。明日はドライコンディションで走れることを願っている」

中野真矢(MotoGP 7番手)

「午前中の走行は、タイヤの選択も順調に進み7番手だった。ウエットコンディションになった午後の走行は、ソフトだとやわらかすぎて、ミディアムだと硬すぎるという状態で、なかなかベストなセッティングを見つけられなかった。明日の天気がどうなるかわからないが、ドライなら今の方向性でセットアップを進め、ウエットになったら、今日の課題をクリアしたい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 11番手)

「ドライコンディションのフリーで11番手に終わったのは残念だが、ウエットになった午後の走行でトップタイムをマークできたのはうれしい。ドライだったフリー走行のベストから7秒遅れまでペースを上げることができたからね。ドライコンディションでは、トラクション不足に苦しんだ。もう少し時間があれば解決できたかもしれないが、午後はウエットになってしまった。明日はドライでもっと速く走れるようにしなければならない」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ニッキーは、ウエットコンディションで、ライダーとタイヤのパフォーマンスをしっかりと発揮していた。決勝が雨になったことも想定し、ロングランもこなすことができた。午前中がドライ。午後がウエットという一日だったが、今日のニッキーは、確実にセットアップを進められた。ダニは、1年ぶりのフィリップアイランドとなったが、ドライ、ウエットともに悪くなかった。午後のウエットでは、インディアナポリスGPと比較しても、BSのレインタイヤのパフォーマンスをうまく引き出していた。ドライでもネガな部分がクリアになり、セッティングで解消できることも確認できた。2日目も引き続き、セッティングに集中したい」

高橋裕紀(250cc 7番手)

「ドライコンディションだったフリーで気持ちよく乗れず、ウエットになった予選も、途中まではリズムに乗れなかった。しかし、セッティングを変更してもらったことで乗りやすくなり、いいリズムをつかむことができた。もう少し時間があればもっとタイムを上げられたと思う。2日目は、ドライでもウエットでも、今日のデータを生かせるはず。フロントローを狙っていきたい」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:30.094
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.670
3 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +0.949
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +0.957
5 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +0.976
6 2 ダニ・ペドロサ Honda B +1.067
7 56 中野真矢 Honda B +1.127
8 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +1.141
9 65 L.カピロッシ スズキ B +1.154
10 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.183
11 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +1.190
12 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1.274
13 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1.438
14 7 C.バーミューレン スズキ B +1.625
15 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1.709
16 21 J.ホプキンス カワサキ B +1.720
17 13 A.ウェスト カワサキ B +2.117
18 24 T.エリアス ドゥカティ B +2.321

予選1リザルト

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 1:43.839
2 60 J.シモン KTM +0.384
3 52 L.ペセック アプリリア +0.405
4 58 M.シモンセリ ジレラ +0.664
5 32 F.ライ ジレラ +0.827
6 36 M.カリオ KTM +1.003
7 72 高橋裕紀 Honda +1.046
8 6 A.デボン アプリリア +1.372
9 15 R.ロカテッリ ジレラ +1.843
10 4 青山博一 KTM +1.953
11 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.075

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 63 M.ディ・ミリオ デルビ 1:48.319
2 99 D.ウェッブ アプリリア +0.774
3 60 M.ランセダー アプリリア +1.218
4 17 S.ブラドル アプリリア +1.913
5 12 E.ラバト KTM +2.055
6 8 L.サネッティ KTM +2.060
7 51 S.ボンジー アプリリア +2.101
8 18 N.テロール アプリリア +2.351
9 11 S.コルテセ アプリリア +2.532
10 56 H.バンデンバーグ アプリリア +2.574

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