モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第14戦 インディアナポリスGP 決勝
リザルト ポイント
第14戦インディアナポリスGP 第14戦インディアナポリスGPview

ヘイデンが今季初表彰台となる2位。地元ファンの期待に応える

2008年9月14日(日)
決勝
会場:インディアナポリス・モータースピードウェイ
天候:曇り/雨
コンディション:ドライ/ウエット
気温:21℃
観客:9万1064人(3日間17万4052人)

第14戦インディアナポリスGPは、大陸を北上してきたハリケーンの影響で大荒れのレースとなった。125ccクラスはレース終盤の雨のために赤旗中断(レース成立)。250ccクラスはグリッドについたころから激しい雨となり、スタートが延期された。MotoGPクラスも、雨と風のために赤旗中断。最終レースに延期された250ccクラスは、強風のためにレースがキャンセルされた。

MotoGPクラス決勝は、250ccクラスのレースの延期、コース上にたまった水を排水する処置などを行い、予定通り午後3時にスタートが切られた。路面はウエット。しかし、レース中盤から再び降り始めた雨と強風のために、20周を終えて赤旗中断された。ピットに戻ってきた全選手。残り8ラップでレースを再開することが検討されたが、強風のために危険と判断、中断した時点の順位でレースが成立した。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝。地元インディアナポリスの大声援に応えたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が2位。3位にホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)。以下、Honda勢はアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)5位。ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)8位。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)10位。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)13位。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)17位という結果だった。

今季初表彰台に立ったヘイデンは、予選4番手から好スタートを切り、1周目2番手につけると、2周目にドヴィツィオーゾをかわしてトップに浮上した。その後、後方から追い上げてきたロッシとトップグループを形成。3番手以下にリードを築いた。しばらくヘイデンがレースの主導権を握ったが、14周目にロッシにかわされて2番手へ。そのころから、ハリケーンの影響で再び雨が降り始め、風も強くなり赤旗中断。優勝こそ逃したが、右足のケガを押して熱走を見せたヘイデンが、サーキットに集まった約9万人の地元ファンの声援に応えて、見事、今季初表彰台となる2位になった。

予選7番手のドヴィツィオーゾが5位でチェッカーを受けた。2列目からすばらしいダッシュを見せてオープニングラップで首位に立つ。2周目にヘイデンにかわされたが、5周目まで2番手をキープ。その後、ロッシ、ロレンゾにかわされ4番手へ。後半はケーシー・ストーナー(ドゥカティ)と激しいバトルを演じ、最終的に5位でフィニッシュした。今大会も表彰台獲得はならなかったが、序盤の好走に大きな拍手が送られた。

今大会が、ブリヂストンタイヤでの初レースとなるペドロサは、予選8番手からオープニングラップ6番手につける。その後、ベン・スピーズ(スズキ)にかわされ7番手。後半は、シルヴァン・ギュントーリ(ドゥカティ)、クリス・バーミューレン(スズキ)と7番手争いを繰り広げたが、赤旗中断のためにギュントーリに続く8位でレースを終えた。

その後方では、10位争いの大集団から抜け出したデ・アンジェリスが10位。トニ・エリアス(ドゥカティ)、ジョン・ホプキンス(カワサキ)とし烈な12位争いを繰り広げたデ・ピュニエが13位。中野は中盤までペースをつかめず19番手までポジションを落としたが、マルコ・メランドリ(ドゥカティ)、 ジェームス・トーズランド(ヤマハ)をかわし17位でレースを終えた。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 2位)

「トップを走っているときは、とても気持ちがよくて、集中していた。しかし、バレンティーノが追い上げてきて、抜かれてしまった。彼はコース中盤から後半セクションが速くて、リードを広げられてしまった。そのうち雨がひどくなり、そのころには、すでにタイヤの左側が消耗していてペースをキープするのが厳しかった。水たまりがひどくて慎重になったが、選手権をリードしているわけでもなく、プレッシャーはなかった。雨の中、大きな声援を送ってくれた大勢のファンに心から感謝している」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5位)

「信じられないコンディションの中で、5位になれてとてもうれしい。雨と風がひどくて、ミスをしやすい状態だった。今日はスタートがよくて序盤にリードを築くことができた。そのままずっとトップを走っていたかった。今日は全力を尽くした。こんな天候でなかったなら、表彰台争いができたと思っている」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 8位)

「厳しいレースだった。スタートは慎重だったが、徐々にペースを上げることができた。しかし、中盤にペースを落とし、タイムをロスしてしまった。終盤に向けて再びリズムを取り戻したが、赤旗で中断となった。風が強く、いろんなものがコース上に飛んできた。そんな状態で4、5周することになった。8位というのは決していい結果ではないが、今日のコンディションではこれ以上は無理だった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 10位)

「ウエットレースになり、自分としてはもっといいリザルトを期待していた。しかし、思ったよりも早くリアタイヤが消耗して、スライドが激しくなってしまった。金曜日の雨はとても気持ちよく走れた。自信があっただけに残念だった」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 13位)

「厳しい一日だった。ドライだった朝のウオームアップではとても気持ちよく走れたし、決勝が楽しみだった。しかし、雨になり、スタートにも失敗して大きくポジションを落としてしまった。今日は、フロントのグリップに苦しんだがベストを尽くせたと思う。日本GPも雨の可能性が高いので、ウエットでいいセッティングを見つけなくてはいけない」

中野真矢(MotoGP 17位)

「厳しい3日間だった。今回はウエットもドライも気持ちよく走ることができなかった。決勝はスタートは悪くなかったのだが、ペースを上げられずポジションを落とした。中盤からは徐々にフィーリングをつかみ、ペースを上げることができた。メランドリとトーズランドを抜いたが、赤旗中断になってしまった。今週はいいところがなかった。しかし、朝のウオームアップで4番手につけられたのはいい材料。このイメージで、次の日本GPに挑みたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ニッキーは、足に痛みを抱えている状態だが、3日間とも気合で走ってくれた。今回はスタートから逃げる作戦だった。楽なレースではなかったが、すべてがうまく噛み合ったようだ。赤旗中断になる前にロレンゾに迫られた。20周でレースは終わったが、28周を走っても、2位でチェッカーを受けてくれたのではないかと思う。いまの状態を考えれば好リザルト。マシンとタイヤのセットアップもよかった。ニッキーを応援してくれた地元ファンに感謝したい。ダニも全力で戦えた。8位という結果には、ダニもチームも満足していないが、初めてのマシン、初めてのタイヤ、そしてウエットコンディションということを考えれば、次のレースに向けて得られるものは多かった。この数戦、ケガなどで、2人のライダーがちゃんと走ることが少なかった。次の日本GPでは、2人ともに、さらに上のリザルトを目指せるように全力を尽くしたい」

高橋裕紀(250cc レースキャンセル)

「雨になって今日はサバイバルレースになると思った。金曜日のウエットでうまく走れていたし、その中で自分は生き残れるという自信があった。でも、今日の中止はいい判断だったかもしれない。今回はランキングを上げるチャンスだったので残念だった」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 37:20.095
2 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +5.972
3 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +7.858
4 1 C.ストーナー ドゥカティ B +28.162
5 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +28.824
6 11 B.スピーズ スズキ B +29.645
7 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +36.223
8 2 ダニ・ペドロサ Honda B +37.258
9 7 C.バーミューレン スズキ B +38.442
10 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +42.437
11 13 A.ウェスト カワサキ B +47.179
12 24 T.エリアス ドゥカティ B +55.962
13 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +57.366
14 21 J.ホプキンス カワサキ B +58.353
15 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1:00.613
16 65 L.カピロッシ スズキ B +1:05.620
17 56 中野真矢 Honda B +1:05.854
18 52 J.トーズランド ヤマハ M +1:07.968
19 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:21.023

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 18 N.テロール アプリリア 29:51.350
2 44 P.エスパルガロ デルビ +1.708
3 17 S.ブラドル アプリリア +3.984
4 45 S.レディング アプリリア +4.277
5 11 S.コルテセ アプリリア +4.413
6 93 M.マルケス KTM +4.454
7 24 S.コルシ アプリリア +6.261
8 38 B.スミス アプリリア +7.782
9 51 S.ボンジー アプリリア +12.035
10 63 M.ディ・ミリオ デルビ +12.251

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 287
2 C.ストーナー ドゥカティ 200
3 ダニ・ペドロサ Honda 193
4 J.ロレンゾ ヤマハ 156
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 129
6 C.バーミューレン スズキ 117
7 C.エドワーズ ヤマハ 109
8 ニッキー・ヘイデン Honda 104
9 中野真矢 Honda 87
10 T.エリアス ドゥカティ 86
14 アレックス・デ・アンジェリス Honda 55
16 ランディ・デ・ピュニエ Honda 43
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 316
2 Honda 243
3 ドゥカティ 241
4 スズキ 149
5 カワサキ 71

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 192
2 S.コルシ アプリリア 167
3 G.タルマクシ アプリリア 149
4 S.ブラドル アプリリア 142
5 N.テロール アプリリア 138
6 J.オリベ デルビ 118
7 B.スミス アプリリア 117
8 P.エスパルガロ デルビ 103
9 S.コルテセ アプリリア 97
10 S.レディング アプリリア 83

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 306
2 デルビ 247
3 KTM 95
4 Honda 3
5 ロンシン 1

フォトギャラリー

  • 第14戦インディアナポリスGP
  • 第14戦インディアナポリスGP
  • 第14戦インディアナポリスGP
  • 第14戦インディアナポリスGP
  • 第14戦インディアナポリスGP