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リザルト
第14戦インディアナポリスGP 第14戦インディアナポリスGPview

デ・アンジェリス2番手、ドヴィツィオーゾ4番手と、イタリアの両選手が好調なスタートを切る

2008年9月12日(金)
1日目フリー走行
会場:インディアナポリス・モータースピードウェイ
天候:雨
気温:23℃
コースコンディション:ウエット

インディアナポリスGP1日目は、午後にかけて雨足が強くなる最悪のコンディションとなり、ほとんどのライダーにとって、午前中1回目のタイムがこの日のベストタイムとなった。トップタイムをマークしたのはアンソニー・ウェスト(カワサキ)。Honda勢は、2番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)。4番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。後半戦に入って調子を上げているイタリアの両選手が好調なスタートを切った。以下、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)8番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)12番手、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)13番手、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は19番手だった。

初日2番手につけたデ・アンジェリスは、初走行となった1回目のセッションから快調にラップを刻んだ。セッション終盤には、ウェスト、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)とし烈なトップタイム争いを繰り広げ、ウェストからわずか0.117秒差の2番手。開幕前日には2009年の契約更改が発表されて、気力も充実。雨の中で元気いっぱいの走りを披露した。

ドヴィツィオーゾも初めて走るインディアナポリスを果敢に攻めた。この数戦、ミシュラン勢のトップタイムや、ベストポジションをマークすることが多いが、この日もミシュラン勢トップの4番手につけて注目を集めた。ドヴィツィオーゾは、ラグナセカで行われた第11戦アメリカGPでも、初体験とは思えないすばらしい走りを見せた。今大会も、インディアナポリス攻略に自信をみせていたが、順調にセットアップを進めた。

インディアナポリスまで、自宅からクルマで3時間というヘイデン。大勢の地元ファンの声援を受け、8番手とまずまずのスタートを切った。8月上旬に右足かかとを骨折。第12戦チェコGPを欠場し、第13戦サンマリノGPも足の状態が悪く、決勝をキャンセルした。今大会でも、歩く際には松葉杖を必要とするが、午前中のベストタイムで8番手につけた。

午前中より雨量が増えたことで、午後のセッションでセッティングを詰めきれなかったデ・ピュニエは、1回目、2回目ともに12番手。中野は1回目13番手、2回目の走行で17番手と、雨量が多かった午後のセッションでは、思うようにセッティングを決められなかった。

今大会からブリヂストンタイヤにスイッチしたペドロサは、初めて使うブリヂストンのレインタイヤの特性に慣れるために走り込みに重点を置き、1回目19番手。このポジションが初日の総合順位となった。しかし、雨がひどくなった2回目のセッションでは、着実にタイムを上げて9番手まで浮上。19台中、ただ一人午後のセッションでベストタイムをマーク。2日目のポジションアップに自信をみせた。

250ccクラスは、カレル・アブラハム(アプリリア)が暫定PPを獲得。高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は12番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は19番手だった。この日は、セッション中盤に雨が激しさを増し、25台中4台が基準タイムをクリアできないという厳しいコンディションとなった。高橋はコンディション悪化のために、チームの判断で走行を早めに切り上げた。この時点で6番手。セッション終盤に雨が上がったため、最終的に12番手へとポジションを落としたが、2日目のポジションアップは必至。2戦連続フロントローが期待される。

コメント

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 2番手)

「今日は最初から気持ちよく乗ることができた。午後は雨の量が多く、セットアップも進まなかったが、順調だった。午後は違う種類のウエットタイヤをテストしたが、午前中から使っているタイヤの方がフィーリングがよかった。初めてのサーキットで、初日が雨になりどうなるかと不安だったが、まずまずのスタートが切れてよかった。明日の予選もこの調子でがんばりたい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 8番手)

「ひどい雨になり、大変な一日になってしまった。午前も午後も慎重に走ったが、午後は雨の量が多く、あまりフィーリングがよくなかった。そこで違うセットアップにしてあるバイクに乗り換えたのだが、このセッティングがよかった。コンディションがどんどん悪くなっているのに、タイムを上げることができたからね。新しい路面はとても滑りやすかったが、古い路面はグリップがよかった。ウエットだったので、右足のかかとにはあまり負担がかからなかった。タイヤも問題はなかった。今日は観客にとっても大変な一日になってしまった」

中野真矢(MotoGP 13番手)

「今日は午前、午後のセッションともに、うまく乗れなかった。午後の走行は雨の量も多く、タイムを上げることができなかった。1コーナーから3コーナー立ち上がりまでの新しい路面はグリップが悪く、メインストレートも、今日のように雨量が多いと、とても狭く感じた。2日目は、雨でもドライでも、もう少し気持ちよく乗れるセッティングにして、いいグリッドを獲得したい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 19番手)

「インディアナポリスのニューサーキットは、古い路面は驚くほどグリップするが、新しい路面は水たまりがひどく、とても滑りやすかった。ストレートも、たくさんの水たまりがあって全開にすることができなかった。コースレイアウトはとても変わっているが、おもしろいパートもある。今日はセットアップに時間を割いた。2日目に向けていい状態を作れた。ここはグリッドから1コーナーまでが近く、3コーナーまでタイトなので、いいグリッドを得なければならない」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ニッキーの足は、まだ痛みがある状態だが、前回のサンマリノに比べればかなりよくなっている。今日は一日雨になり、足への負担も軽かったようだ。午前中に比べ、午後のタイムの伸び方は遅かったが、まずまず順調だった。ダニは、初めて走るサーキットという点ではみんなとイコールコンディションだが、今回からニュウマチックバルブ・エンジンを使い、タイヤもブリヂストンを使う。初めての部分が多く、慎重にセットアップを進めた。午前中は、初めて使うブリヂストンのレインタイヤに慣れるために1本のタイヤで1時間半を走った。タイヤの特性をつかみ、午前中のデータを生かし、午後のセッションでは徐々にペースを上げることができた。今日はまだ手探りの走りだったが、明日も雨なら、今日の延長線上でセットアップを続けていきたい」

高橋裕紀(250cc 12番手)

「今日は一日雨が降り続けた。午後の予選は、降り方がひどくなり、ストレートでもまっすぐ走れない状態だったので、チームの判断で走行を取りやめた。この時点で6番手だったが、ラスト5分くらいで雨が上がり、タイムを上げた選手がいて12番手まで落ちてしまった。2日目は2列目までに並べるようにポジションを上げたい。初めて走るインディアナポリスは、新しく作られた1コーナーから3コーナー部分のグリップは悪かったが、古い部分のグリップはよかった」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 13 A.ウェスト カワサキ B 1:53.034
2 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +0.117
3 1 C.ストーナー ドゥカティ B +0.156
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +0.670
5 21 J.ホプキンス カワサキ B +0.681
6 7 C.バーミューレン スズキ B +0.737
7 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +0.816
8 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.897
9 11 B.スピーズ スズキ B +1.263
10 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.582
11 46 V.ロッシ ヤマハ B +1.761
12 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +2.038
13 56 中野真矢 Honda B +2.040
14 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.258
15 5 C.エドワーズ ヤマハ M +2.697
16 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +3.091
17 52 J.トーズランド ヤマハ M +3.237
18 65 L.カピロッシ スズキ B +3.311
19 2 ダニ・ペドロサ Honda B +3.748

予選1リザルト

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 17 K.アブラハム アプリリア 2:02.529
2 4 青山博一 KTM +0.162
3 36 M.カリオ KTM +0.243
4 50 E.ラバティ アプリリア +0.788
5 6 A.デボン アプリリア +1.155
6 52 L.ペセック アプリリア +1.422
7 45 D.プラディータ ヤマハ +2.301
8 60 J.シモン KTM +2.825
9 10 I.トース アプリリア +3.052
10 25 A.バルドリーニ アプリリア +3.099
12 72 高橋裕紀 Honda +3.670
19 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +5.891

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 8 L.サネッティ KTM 1:58.491
2 45 S.レディング アプリリア +0.393
3 29 A.イアンノーネ アプリリア +0.622
4 63 M.ディ・ミリオ デルビ +1.106
5 93 M.マルケス KTM +1.124
6 11 S.コルテセ アプリリア +1.498
7 17 S.ブラドル アプリリア +2.055
8 38 B.スミス アプリリア +2.232
9 7 E.バスケス アプリリア +2.588
10 18 N.テロール アプリリア +2.643