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リザルト ポイント
第13戦 サンマリノGP 第13戦 サンマリノGPview

ペドロサが好スタートから4位入賞

2008年8月31日(日)
決勝
会場:ミサノ・サーキット
天候:晴れ
コンディション:ドライ
気温:35℃
観客:5万1157人(3日間8万1097人)

第13戦サンマリノGP決勝は、35℃の猛暑の中で行われ、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝。2位にホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)。3位にトニ・エリアス(ドゥカティ)。そして、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が4位でフィニッシュした。以下、Honda勢は、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)が8位、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は12位。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)はオープニングラップで転倒リタイア、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も2周目に転倒を喫してリタイア。2戦ぶりに復帰したニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、右足の状態が悪く決勝をキャンセルした。

3日間連続で好天に恵まれたミサノ。35℃まで気温が上昇して、タイヤにもライダーにも厳しい条件となり、波乱のレースとなった。決勝レースでは、ペドロサが2列目6番手から好スタートを切って2番手に。PPからホールショットを奪ったケーシー・ストーナー(ドゥカティ)に続いたが、2周目にロッシにかわされて3番手へ。5周目にロレンゾ、6周目にエリアスに先行を許して5番手へとポジションを落とした。しかし、トップを走るストーナーが転倒したことで4位へとポジションを上げ、そのままの順位で28周を走りきった。

この日のペドロサは、ソフトコンパウンドのタイヤをチョイスして序盤からペースを上げた。しかし、高い気温と路面温度にタイヤが消耗し、思うようにペースを上げられず、さらに、中盤以降は、マシンにも問題を抱える苦しい戦いだった。第10戦ドイツGPで左手と右足を負傷。第11戦アメリカGPはフリー走行に出場したが予選と決勝をキャンセル。第12戦チェコGPも、ケガの影響とタイヤのパフォーマンスに苦しみ15位と厳しいレースが続いていただけに、今大会は後半戦に向けて手ごたえを感じさせるレースとなった。

地元大会に闘志を燃やすドヴィツィオーゾは、予選14番手という厳しいグリッドから追い上げて、8位でチェッカーを受けた。好スタートから1周目に8番手まで浮上。中盤には5番手までポジションを上げたが、終盤はフロントタイヤの消耗に苦しんでポジションを落とした。ドヴィツィオーゾにとっては悔しいレースとなったが、中盤までのすばらしい追い上げに地元ファンから大きな声援が送られていた。

前戦チェコGPで4位と上り調子の中野は、今大会は12位に終わった。予選は8番手。スタートもよく、1周目で6番手につけることに成功した。しかし、中盤からはタイヤの振動に苦しみ、ペースを落とした。序盤は1分36秒台と快調にラップを刻んだ。中盤から終盤は、37秒から38秒台という苦しい走りだった。

予選4番手から今季初表彰台を狙ったデ・ピュニエは、1周目で4番手につけたが最終コーナーで転倒。地元サンマリノGPに挑んだデ・アンジェリスも、2周目に転倒を喫し、それぞれリタイアに終わった。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が優勝。今季初フロントローの4番手から決勝に挑んだ高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は2位でフィニッシュ。第2戦スペインGP以来、10戦ぶりに表彰台に立った。スタートではホールショットを奪い、その後、バウティスタ、マルコ・シモンセリ(ジレラ)、エクトル・バルベラ(アプリリア)の4台でトップグループを形成。バウティスタ、高橋、バルベラの順でチェッカーを受けた。予選15番手のラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、好スタートから快調にラップを刻み、今季ベストリザルトタイとなる8位でチェッカーを受けた。第6戦イタリアGP以来、6戦ぶりのトップ10フィニッシュ。走り慣れたサーキットが続く後半戦に期待をつないだ。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4位)

「昨日よりずっと暑く、体力的に厳しいレースだった。正直、今日は4位になれると思っていなかったし、リザルトには満足している。レース終盤にはマシンに問題も抱えていたが、前回のブルノに比べたらはるかにいいレースができた。表彰台に立てなかったが、この数戦のことを考えれば、とてもハッピーだった。今日は、ソフトコンパウンドのリアタイヤをチョイス、序盤にアドバンテージを築こうと思った。結果的にいい作戦ではなかったけれど、最後までベストを尽くせたと思っている」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8位)

「バイクのセッティングでもライディングでも、できることはすべてやった。グリッドが悪くて追い上げなくてはと気合を入れて、たくさんのライダーを抜くことができた。今日は5位を目標にしていた。リアタイヤはとてもよかったのだが、フロントタイヤのフィーリングが悪く、思ったほどペースを上げられなかった。前のライダーに離されないようにコーナーでがんばらなくてはならなかったこともタイヤには厳しかった。8位という結果には満足していないが、我々のポテンシャルを見てもらえたと思っている」

中野真矢(MotoGP 12位)

「朝のウオームアップで、リアタイヤが跳ねる症状が出た。決勝でも同じような状態でペースを上げられなかった。スタートはよかった。序盤は気持ちよく乗れた。しかし、3周目くらいから例の症状が出て、終盤は、リアの振動がフロントにも影響するようになった。フリー走行より1秒から2秒も遅いペース。走りきるのがやっとだった。この問題を月曜日のテストで解消したい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)

「いいスタートが切れたし、それからもいい感じで乗れていた。それだけに、今日の結果にはがっかりした。ストレートでメランドリ(ドゥカティ)に抜かれ、その先のブレーキングで接触してオーバーラン。その遅れを取り戻そうとして転んでしまった。ホームGPだったし、本当に残念だった」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP リタイア)

「予選まで順調だったから、今日の結果にはがっかりした。2列目からいいスタートが切れたし、気持ちよく乗れていた。しかし、最終コーナーで転んでしまった。チームはすばらしい仕事をしてくれた。それに応えられず残念だった」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 欠場)

「欠場の決断は難しかった。自分としては走りたかったのだが、最終的にキャンセルすることにした。金曜日、土曜日と足の状態が悪化していた。朝起きたときには、思ったよりも足の腫れがひどく、ブーツに足が入らなかった。今日、無理をして走っていれば、次のインディアナポリスに向けて何か得るものがあったかもしれない。しかし、足を悪化させては何もならないので走ることをあきらめた。残念だが、次のインディでは、ファンに喜んでもらえるような走りをしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは全力で走ってくれた。途中、タイムが落ちたのは、マシンに問題が発生したため。それでエリアスにギャップを広げられてしまった。今日の問題については、明日のテストで改善に取り組みたい。ニッキーは、日を追うごとに足の状態が悪くなったことから、レース前にミーティングをして欠場を決めた。ファンに申し訳ないとニッキーは言っている。次のインディは彼のホームGP。2戦欠場しているので、これまでのうっぷんを晴らせるようなレースを期待している」

高橋裕紀(250cc 2位)

「厳しいレースになると思っていたが、4台のトップグループで戦えてうれしかった。今回は、いいスタートを切って少しでも前に出ようと思っていた。前に出てもすぐに抜かれる苦しい戦いだったが、ベストは尽くせたと思う。シモンセリとバルベラが激しくやりあっていたし、チャンスがあると思っていた。とにかく離されないように、ミスをしないように集中した。第2戦スペインGP以来の表彰台に立ててうれしい。チームの地元で、僕もミサノに住んでいるし、いいレースができて本当によかった」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 8位)

「スタートがよかったのだが、デボン(アプリリア)と接触していくつかポジションを落としてしまった。しかし、今日は、1分40秒台のペースをキープできて、8位でチェッカーを受けることができた。この結果を残せたのは、サポートしてくれたすべての人たちのおかげ。みんなに感謝している。総合ポイントでも13位のファウベル(アプリリア)と2点差の14位。残り5戦でもっとポジションを上げたい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 44:41.884
2 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +3.163
3 24 T.エリアス ドゥカティ B +11.705
4 2 ダニ・ペドロサ Honda M +17.470
5 7 C.バーミューレン スズキ B +23.409
6 52 J.トーズランド ヤマハ M +26.208
7 65 L.カピロッシ スズキ B +26.824
8 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +27.591
9 33 M.メランドリ ドゥカティ B +33.169
10 5 C.エドワーズ ヤマハ M +36.529
11 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +42.081
12 56 中野真矢 Honda B +43.808
13 13 A.ウェスト カワサキ B +54.874
14 21 J.ホプキンス カワサキ B +55.154
RT 1 C.ストーナー ドゥカティ B +21Laps
RT 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +27Laps
RT 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M DNF
  69 ニッキー・ヘイデン Honda M DNS

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 43:15.831
2 72 高橋裕紀 Honda +2.088
3 21 H.バルベラ アプリリア +3.752
4 15 R.ロカテッリ ジレラ +7.472
5 60 J.シモン KTM +10.862
6 58 M.シモンセリ ジレラ +21.180
7 12 T.ルティ アプリリア +29.440
8 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +33.882
9 52 L.ペセック アプリリア +35.051
10 17 K.アブラハム アプリリア +45.405

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 G.タルマクシ アプリリア 40:03.679
2 38 B.スミス アプリリア +5.402
3 24 S.コルシ アプリリア +14.388
4 93 M.マルケス KTM +17.058
5 18 N.テロール アプリリア +17.321
6 29 A.イアンノーネ アプリリア +17.482
7 11 S.コルテセ アプリリア +17.485
8 77 D.エジャーター デルビ +18.657
9 12 E.ラバト KTM +19.148
10 33 S.ガデア アプリリア +34.650

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 262
2 C.ストーナー ドゥカティ 187
3 ダニ・ペドロサ Honda 185
4 J.ロレンゾ ヤマハ 140
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 118
6 C.バーミューレン スズキ 110
7 C.エドワーズ ヤマハ 108
8 中野真矢 Honda 87
9 L.カピロッシ スズキ 86
10 J.トーズランド ヤマハ 85
11 ニッキー・ヘイデン Honda 84
13 アレックス・デ・アンジェリス Honda 49
16 ランディ・デ・ピュニエ Honda 40
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 291
2 ドゥカティ 228
3 Honda 223
4 スズキ 139
5 カワサキ 66

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 190
2 M.カリオ KTM 164
3 A.バウティスタ アプリリア 163
4 H.バルベラ アプリリア 142
5 A.デボン アプリリア 139
6 M.パシーニ アプリリア 117
7 高橋裕紀 Honda 115
8 青山博一 KTM 101
9 T.ルティ アプリリア 95
10 J.シモン KTM 83
14 ラタパーク・ウィライロー Honda 47

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 262
2 ジレラ 209
3 KTM 185
4 Honda 122
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 186
2 S.コルシ アプリリア 158
3 G.タルマクシ アプリリア 147
4 S.ブラドル アプリリア 126
5 J.オリベ デルビ 114
6 N.テロール アプリリア 113
7 B.スミス アプリリア 109
8 S.コルテセ アプリリア 86
9 P.エスパルガロ デルビ 83
10 A.イアンノーネ アプリリア 77

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 281
2 デルビ 227
3 KTM 85
4 Honda 3
5 ロンシン 1

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