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第13戦 サンマリノGP 第13戦 サンマリノGP

サンマリノGPプレビュー

チェコGPから1週間のインターバル。第13戦サンマリノGPが、イタリアのアドリア海に面するミサノ・サーキットで開催される。ミサノは昨年、コースの全面改修を受けて14年ぶりにグランプリに復活した。今年は、コースの安全性を高めるためにさらに改修を受け、昨年の4.180kmから4.226kmへと延長された。

昨年の大会では、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)がスタート直後に他車に追突されて転倒リタイア。そのアクシデントの影響を受けたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)がコースアウトを喫して13位。Repsol Honda Teamにとっては悔しいレースに終わっているだけに、今年はその雪辱を期す戦いとなる。

前戦チェコGPでは、ブリヂストン勢が上位を独占。ミシュラン勢のエース、ペドロサは、タイヤのグリップに苦しんで15位と不本意な結果に終わっている。ヘイデンは右足のケガのためにチェコGPを欠場して今大会が復帰戦。サンマリノGPは、両選手にとって心気一転のレースとなる。総合3位のペドロサは残り6戦で逆転タイトルを目指す最初の戦い。右足に不安を抱えるヘイデンも、得意とするサーキットで今季ベストリザルトを狙う。

12戦を終えて総合5位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)は、所属チームのホームGPを迎える。250ccクラスで出場した昨年の大会では、トップを快走するすばらしい走りを見せたが、不運のトラブルでリタイア。今大会は、昨年の雪辱と、MotoGPクラス初表彰台を狙う大会となる。サンマリノ出身のアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も、ホームGPに闘志満々。ドヴィツィオーゾ同様、今季の最高位は4位。地元ファンの声援を追い風に初表彰台の期待が膨らむ。

前戦チェコGPで今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュした中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)も、チームの地元大会を迎える。チェコでは、スタート直後に他車と接触して出遅れたが、すばらしい追い上げを見せて4位でチェッカーを受けた。ニューマシンで2戦目を迎える今大会は、マシンのポテンシャルをさらに引き出すことは確実で、2年ぶりの表彰台獲得が期待される。また、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)にとっても今大会はチームの地元大会。イタリアをホームとするHonda3チーム4選手すべてが表彰台を狙う大会。地元ファンの声援の中で、初日から気合の入った走りを見せてくれそうだ。

250ccクラスの高橋裕紀(JiR Team Scot 250)も、今大会はチームのホームGPを迎える。昨年は初めて走るミサノに苦戦して9位と、チームと地元ファンの期待に応えられなかっただけに、今年は今季2度目の表彰台と今季初優勝を狙う。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は昨年13位。今年は、第6戦イタリアGP以来のトップ10入りを目指す。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)

「昨年は、スタート直後の1コーナーでぶつけられて転倒する不運なレースだった。ミサノは高速サーキットなのだが、タイトなコーナーが多くて狭く感じる。路面のグリップは悪くないが、とてもバンピーだった。このサーキットで重要なのは、ブレーキングの安定性とコーナーの立ち上がりのアクセレーション。アグレッシブなライディングが要求される。今年はいいレースになることを願っている」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング5位)

「ホームGPなので、地元のファンはもちろん、友人たちの前でいいレースを見せたい。開幕が待ちきれない感じで、すごく気合が入っている。ミサノは、コーナーが多くストレートが短いので、チャンスはある。チャンピオンシップのためにも、イタリアのファンのためにも、モチベーションは高い。昨年の250ccでは、残念ながらトラブルでリタイアに終わったが、予選も決勝もいい走りができた。ミサノは大好きなサーキットなので楽しみだ」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP ランキング8位)

「この日に向けて右足の治療に専念、そして、ジムとプールでできるだけのトレーニングをこなしてきた。今回はまだ完全ではないので、足に装具をつけてブーツを履くことになる。ミサノは、アップダウンをなくしたラグナセカのようなサーキット。タイトなコーナーが続くセクションでは、アグレッシブな走りが要求される。昨年は、このコースを楽しむことができたし、予選もフロントローと悪くなかった。決勝では、スタート直後にコース外に弾き飛ばされて最後尾まで落ちるという残念なレースだった。前回のブルノを欠場しているので、今大会が待ちきれなかった」

中野真矢(MotoGP ランキング9位)

「前回のチェコでは、マシンが新しくなり、Hondaに乗るようになってから自己ベストとなる4位でフィニッシュできた。今回はチームの地元GP。自分自身もミサノに住んでいるので、気合が入っている。ここでレースをするのは今年で2回目だが、コースの印象は悪くない。前回のブルノのように1日目からセットアップを進め、決勝でもミスのないように集中して、いいレースにしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP ランキング13位)

「ミサノはあまり好きなサーキットではないが、地元ファンの前でレースをするのを、とても楽しみにしている。サンマリノの国旗の色でスタンドを陣取る僕のファンクラブの声援が力になってくれるはずだ。昨年は、ブリヂストンがすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。今年もそのパフォーマンスに期待している。ここは長いストレートがないので、我々にも十分チャンスはあると思う。当然、モチベーションも高い。ちょっと興奮しているが、落ち着いて戦いたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング16位)

「前回のブルノは残念なレースだった。フロントタイヤのグリップに苦しみ、レース後のテストでも、あまり前進することができなかった。そのためにテストを早めに切り上げて、今大会に集中することにした。ミサノは好きなコース。トップグループとの差を縮めるために、HRCとミシュランと、ともに全力を尽くしたい。ここは、チームの地元GP。ドイツ、アメリカのようにいいレースをしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「前回のブルノは我々とミシュランにとって厳しいレースだった。その巻き返しに向けてミシュランとともに全力を尽くしたい。今回は、ニッキー(ヘイデン)が復帰する。歩くときにはまだ松葉杖を必要とするし、完ぺきな状態ではないので金曜日の走行を見たい。前回のブルノで完治していない左手の痛みに苦しんだダニ(ペドロサ)は、このインターバルで手の状態は確実によくなっているはず。前回のレースは、タイヤのパフォーマンスに苦しんだが、タイトル奪還に向けて、残り6戦で巻き返したい。昨年は、2人ともに、スタート直後の混戦の中で不運なレースとなった。2人ともにケガを抱えている状態だが、昨年の雪辱を果たせるようなレースにしたい」

高橋裕紀(250cc ランキング8位)

「昨年はミサノを攻略できないうちにレースを終えてしまった。今年は、ここまでいい流れできているので、早い段階でコースを攻略して、トップグループで走れるようにバイクのセットアップを進めたい。チームの地元で、僕もミサノに住んでいるので、みんなが喜んでくれるようなリザルトを残したい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc ランキング14位)

「ブルノのレースが終わったあと、ミサノのレースをすごく楽しみにしていた。ここはタイトなコーナーが多いサーキットだが、嫌いではない。セットアップを順調に進め、今季ベストリザルトを狙いたい。シーズンも終盤戦。これから最終戦まで成績を上げていきたい」