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リザルト
第13戦 サンマリノGP 第13戦 サンマリノGPview

デ・ピュニエがHonda勢最上位の5番手
以下、Honda勢は厳しいスタートとなる

2008年8月29日(金)
1日目フリー走行
会場:ミサノ・サーキット
天候:晴れ
気温:32℃
コースコンディション:ドライ

サンマリノGPのフリー走行は、快晴、最高気温32℃の暑さの中で行われ、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がトップタイムをマーク。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ロリス・カピロッシ(スズキ)、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)と続き、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が5番手でHonda勢最上位。以下、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)8番手、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)9番手、2戦ぶりに復帰したニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)11番手、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)12番手、そしてアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)13番手と、Honda勢は全体的にタイムが伸びなかった。

その中で、快調にセッティングを進めたのがデ・ピュニエだった。1回目の走行は12番手と出遅れたが、2回目の走行で一気にタイムを短縮、総合5番手に浮上した。ミサノが大好きだというデ・ピュニエはこの日、エンジンブレーキやトラクションの調整とタイヤの選択に専念。順調にセットアップを進めた。前戦チェコGP予選でも、ミシュラン勢最上位につける快走を見せたデ・ピュニエは、今大会もタイヤのパフォーマンスをうまく引き出し、2日目のポジションアップに期待をつないだ。

地元サンマリノGPで上位入賞を狙うデ・アンジェリスは8番手だった。午前中は、ストーナー、エドワーズに続く3番手と好調なスタートを切った。RC212Vでミサノを走るのは、この日が初めて。コースに慣熟するのに多くの時間を割き、午後の走行も順調にタイムを短縮したが、全体的にタイムが上がっていく中で8番手にダウン。しかし、「手応えを感じた一日」と語るだけに2日目の予選に注目される。

前戦チェコGPで今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュした中野は、チェコGPと同じセッティングでスタート。1回目の走行はサーキットのキャラクターの違いに苦戦して10番手。午後の走行ではセットアップの方向性をつかみ、タイムを短縮したが、思うようにポジションは上がらず9番手だった。しかし、チームメートのデ・アンジェリス同様、2日目のばん回が期待される。

サマーブレイク中にスーパーモタードで右足を負傷し、2戦ぶりの復帰に注目が集まったヘイデンは、まずまずのスタートを切った。今大会は松葉杖を使って歩かなければならない状態だが、ライディングに大きな支障はなく、総合11番手で初日を終えた。負傷している足の影響で右コーナーでタイムをロスした。2日目はこの課題の克服に取り組むことになる。また、ヘイデンはセッション終盤に転倒を喫し、周囲をヒヤッとさせたが、負傷している右足に影響はなかった。

ペドロサは、タイヤテストと車体のセットアップに専念。12番手で初日を終えたが、着実にセットアップを進めるペドロサだけに、多くのデータを収集することに成功。2日目のポジションアップの準備を整えた。第11戦アメリカGPは、左手甲の骨折のために欠場。前戦チェコGPも15位と不本意なリザルトに終わっているだけに、今大会の復活に闘志を燃やす。タイトなコーナーが連続するミサノでは、グリッドが決勝に大きな影響を与える。ペドロサの予選の走りに期待したい。

所属するチームの地元グランプリとなるドヴィツィオーゾは、高速コーナーでタイムロス。思うように攻められないという問題を抱えて、初日13番手。しかし、ミサノはもっとも得意とするサーキットだけに、他のHonda勢とともに、2日目の走りに注目だ。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が暫定PPを獲得。高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、フリー走行でセッティングに時間を割いて11番手だったが、午後の予選では一気にタイムを短縮。5番手に入り、今季初のフロントローの期待が膨らむ。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は18番手だった。

コメント

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 5番手)

「順調なスタートが切れた。今日はとても暑く厳しいコンディションだったので、午前中はタイヤテストに集中した。午後はエンジンブレーキ、トラクションコントロールなど制御系のセッティングも行い、全体的にセットアップが進んだ。今日は気持ちよく走ることができた。チームはすばらしい仕事をしてくれた。明日もこの調子でセッティングを進めたい」

中野真矢(MotoGP 9番手)

「チェコGPと同じセッティングでスタートしたが、ブルノとミサノではコースのキャラクターが違いすぎて、セッティングを変えなければならなかった。エンジンとタイヤはOKなのだが、コーナーの進入でフロントの安定性がなく、そのために旋回性も悪かった。路面がバンピーなことも原因の1つだが、みんな同じ条件。今日は、サスペンションのよいバランスを見つけられなかった。しかし、方向性は見えてきたので、明日は一発のタイムもアベレージも上げたい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 11番手)

「思ったより順調な一日だった。特別よかったわけではないが、バイクの状態はよく、タイヤもよく機能していた。ミシュランに感謝している。正直、もっと楽しく乗れることを自分で期待していた。しかし、今日はケガをしている足の影響で、右コーナーでうまく乗れなかった。左コーナーはほぼ完ぺきだった。あせらず着実にタイムを上げていきたい。今日は、ペースを上げているセッション終盤に左の最終コーナーで転んでしまった。路面のギャップに乗ってフロントから転んだが、ケガをしている右足をかばい、足を上げたまま滑ったので、影響なかった」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 12番手)

「難しい一日になった。今日の結果は残念だが、とても重要な一日だった。ラグナセカで走れず、前回のブルノもたくさんの問題を抱えていた。それを思えば今日は、いつものリズムを取り戻すことができた。今日は新しいタイヤのテストを行った。決勝に向けて明日もセッティングに全力を尽くすわけだが、今日得られたデータはとても貴重だった。去年のレースは、スタート直後に他車と接触してしまった。明日の予選はよいグリッドを得るためにがんばらなければならない。明日は自分の走りのリズムを取り戻せると思っている」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「前戦チェコGPに比べれば、ダニの体調はもちろん、マシン、タイヤの状態もよくなっている。まだ、トップグループとの差はあるが、マシンのセットアップも進み、ダニもライディングに集中できたようだ。明日もミシュランのフルサポートの中で、アベレージを上げていきたい。ニッキーは、まだ右足に痛みはあるが、思ったよりも普通に走れている。セットアップも順調に進んでいる。最後に転倒したが、痛めている右足に影響がなくてよかった。リザルトはよくなかったが、決して悲観するようなタイムではない。明日のフリー走行、予選でとさらに前進できるよう全力で取り組んでいきたい」

高橋裕紀(250cc 5番手)

「フリー走行では、2台ともにエンジンの慣らしを行わなければならず、セッティングだけで終わってしまい、タイムを出す時間がなかった。しかし、午後の予選では、走り出しから気持ちよく乗れて、タイムを上げることができた。セッション中に一度、セッティングを変えて失敗したが、すぐにいい方向に戻せた。今週は暑いレースになりそうなので、タイヤの持ちをよくする状態にしたい。2日目が楽しみだ」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:34.806
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.418
3 65 L.カピロッシ スズキ B +0.571
4 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.618
5 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +0.814
6 7 C.バーミューレン スズキ B +0.937
7 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +0.960
8 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +1.055
9 56 中野真矢 Honda B +1.294
10 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.299
11 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +1.383
12 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1.413
13 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.550
14 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.619
15 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1.813
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.290
17 13 A.ウェスト カワサキ B +3.123
- 21 J.ホプキンス カワサキ B -

予選1リザルト

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 1:38.400
2 21 H.バルベラ アプリリア +0.512
3 12 T.ルティ アプリリア +0.709
4 4 青山博一 KTM +0.833
5 72 高橋裕紀 Honda +1.020
6 60 J.シモン KTM +1.076
7 36 M.カリオ KTM +1.104
8 75 M.パシーニ アプリリア +1.146
9 55 H.ファウベル アプリリア +1.151
10 41 A.エスパルガロ アプリリア +1.277
18 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.007

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 G.タルマクシ アプリリア 1:44.172
2 45 S.レディング アプリリア +0.167
3 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.441
4 38 B.スミス アプリリア +0.474
5 18 N.テロール アプリリア +0.534
6 11 S.コルテセ アプリリア +0.620
7 17 S.ブラドル アプリリア +0.884
8 77 D.エジャーター デルビ +0.967
9 33 S.ガデア アプリリア +0.978
10 24 S.コルシ アプリリア +1.165

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