モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第12戦 チェコGP 決勝
リザルト ポイント
第12戦 チェコGP 第12戦 チェコGPview

中野真矢が今季ベストリザルトの4位
デ・アンジェリスが8位でチェッカーを受ける

2008年8月17日(日)
決勝
会場:ブルノ・サーキット
天候:曇り
気温:20℃
コースコンディション:ドライ
観客:14万6133人(3日間23万9371人)

後半戦の幕開けとなる第12戦チェコGPは、過去2戦にわたり表彰台を独占しているブリヂストン勢が好調をキープ。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝、2位にトニ・エリアス(ドゥカティ)、3位にロリス・カピロッシ(スズキ)と、3戦連続でブリヂストン勢が表彰台独占を果たした。Honda勢でブリヂストンを使う中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)も今季最高位の4位と好走。中野のチームメートのアレックス・デ・アンジェリスも8位と、ブリヂストン勢が上位8位までを占めた。ミシュランタイヤを使うHonda勢は、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)が9位、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)15位、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)16位と、厳しい戦いを強いられた。

Honda勢トップの中野は、今季ベストグリッドとなる8番手から決勝に挑んだものの、スタート直後にカピロッシと接触、そのためにオープニングラップ12番手とポジションを落とした。しかし、金曜日、土曜日と好調な走りを見せていた中野は、中盤からペースを上げて、8台をパスして4位でチェッカーを受けた。シーズン前半は、フリー走行の好調を、予選、決勝になかなかつなげられずフラストレーションのたまるレースが多かった。ニューマシンで挑んだ今大会は、マシンのポテンシャルを遺憾なく発揮。後半戦は表彰台、初優勝への期待も膨らむ。

予選5番手と今季ベストグリッドから決勝に挑んだデ・アンジェリスは、スタートに失敗して1周目13番手と大きくポジションを落とした。その後、前を走る中野を追走してポジションを上げたが、中盤は前を走るシルヴァン・ギュントーリ(ドゥカティ)をなかなか抜けず遅れた。しかし、終盤になってドヴィツィオーゾ、ジョン・ホプキンス(カワサキ)をかわして8位でチェッカーを受けた。

その後方では、ミシュランタイヤを使うHonda勢が苦しい走りを強いられた。予選14番手からオープニングラップ7番手と好スタートを切ったドヴィツィオーゾは、中盤以降、ペースを上げられず苦しい戦いとなったが、ミシュラン勢トップの9位でチェッカーを受けた。予選7番手のデ・ピュニエは、1周目には8番手につけたが、フロントタイヤのグリップに苦しみ、6周目に転倒を喫して最下位に転落。再スタートを切るも16位に終わりポイント獲得を果たせなかった。

第10戦ドイツGPの決勝で転倒して左手と右足を負傷、前戦アメリカGPを欠場し2戦連続ノーポイントのペドロサは、予選12番手から2周目に8番手まで浮上したが、タイヤのグリップに苦しみ15位でチェッカーを受けるのがやっとだった。ランキング3位は変わらずも、今大会で優勝を果たした総合首位のロッシに65点差をつけられ、タイトル争いは厳しい状況となった。

250ccクラスは、アレックス・デボン(アプリリア)が優勝。Honda勢は、高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が6位。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は11位でフィニッシュした。予選8番手から好スタートを切った高橋は、1周目の混戦の中で前車との接触を避けるためにオーバーラン。11番手までポジションを落とすも、確実に追い上げて6位でチェッカーを受けた。ウィライローは、予選20番手から前半に14番手まで浮上。終盤にも3台をパスして11位でチェッカーを受けた。

コメント

中野真矢(MotoGP 4位)

「スタート直後に隣の選手と接触して、1周目に12番手までポジションを落としてしまった。前半はペースをなかなか上げられなかったが、中盤以降は、自分が想定していたラップタイムで走ることができた。久しぶりに気持ちのいいレースができてうれしい。今回は、ニューバイクを用意してくれたHondaに感謝したい。ブリヂストンのサポートにも感謝している。今回は表彰台に立てるチャンスがあると思っていた。それが果たせず残念だったが、今日の結果にみんな喜んでくれた。Honda、ブリヂストン、チーム、スポンサー、そして応援してくれたファンに感謝したい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 8位)

「今日は6位以内でフィニッシュできると思っていたが8位に終わって残念だった。しかし、目標からそれほど離れていないし、サテライトチームのRC212Vでトップでフィニッシュできたこともよかった。今日は1周目にポジションを落としてしまったのが痛かった。次戦はサンマリノGP。ホームGPなので、明日からのテストに全力を尽くしたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9位)

「ミシュランタイヤではトップでフィニッシュできたが、これ以上の走りは、とても無理だった。グリッドについたときはやる気満々だったし、力を出しきれると思っていた。しかし、フロントタイヤに問題を抱え、コーナーリングスピードを上げることができなかった。今日はライディングスタイルを変えなければ乗れなかった。本当に残念な結果だった」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 15位)

「最悪の週末になってしまった。恐らく、自分のレースキャリアの中で最悪のレースだった。今日は、レースを戦うというよりは、ただ走っているだけの状態だった。マシンをコントロールできず、ただ乗るだけだった。あまりにも遅いペースに情けない気持ちだった。途中でレースを止めようかと思ったが、とにかくポイントを獲得しようとがんばった。今日は、序盤から前後輪ともにグリップが悪かった。遅いときはトップグループから3秒から4秒も遅く、それなのに2度も転びそうになったが、最後までベストを尽くした」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 16位)

「今日の結果にはがっかりしている。スタートはよかった。しかし、フロントのフィーリングが悪く、序盤に、コーナーの進入で何人ものライダーに抜かれてしまった。それでペースを落とすことにしたのだが、それでもフィーリングは悪く、シケインでペドロサをパスしようと思ったときに転んでしまった。金曜日の午後にも同じような転倒を経験している。その問題を解消するためにチームは全力を尽くしてくれたが、レースを戦えるまでにならなかった。今日のことは早く忘れたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今日の結果には、失望したというコメントしかできない。我々にとっては惨たんたる結果だった。今日は、タイヤパフォーマンスをより引き出すために、いろいろと試みた。しかし、ひどい状態だったことは、ダニのラップタイムが物語っている。実際、あれ以上ペースを上げていたら転んでいたと思う。チームはベストを尽くしたが、これ以上は難しかった」

高橋裕紀(250cc 6位)

「スタートはうまくいったが、3コーナーで前の選手がラインを変えたので接触しそうになりオーバーラン。それで11番手までポジションを落としてしまった。しかし、3、4周目からペースを上げられるようになり、ミスしないように集中して前のライダーをパスしていった。最終的に6位に終わったけれど、今大会は得るものが多かった。今回は天候が不安定で、決勝もぶっつけ本番のセッティングになったが、今週では一番いい状態だった」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 11位)

「今回は3日間ともに、天候とコンディションが変わり、難しいレースだった。レースでは序盤に遅い集団にひっかかってしまったが、フィーリングはよかった。周回を重ねるごとにペースも上がり、11位でフィニッシュすることができた。しかし、目標とするトップ10に届かなかったのは残念。もっともっとがんばらなければならない。しかし、2日間の予選を考えれば、今日の結果には満足している。3日間を通じて全力でサポートしてくれたチームに感謝したい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 43:28.841
2 24 T.エリアス ドゥカティ B +15.004
3 65 L.カピロッシ スズキ B +21.689
4 56 中野真矢 Honda B +25.859
5 13 A.ウェスト カワサキ B +29.465
6 7 C.バーミューレン スズキ B +30.608
7 33 M.メランドリ ドゥカティ B +36.453
8 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +36.750
9 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +38.822
10 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +39.573
11 21 J.ホプキンス カワサキ B +39.610
12 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +40.892
13 52 J.トーズランド ヤマハ M +1:11.490
14 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1:21.133
15 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1:37.038
16 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1:38.407
RT 1 C.ストーナー ドゥカティ B +16Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 6 A.デボン アプリリア 41:08.168
2 19 A.バウティスタ アプリリア +0.280
3 58 M.シモンセリ ジレラ +0.325
4 21 H.バルベラ アプリリア +0.827
5 36 M.カリオ KTM +1.249
6 72 高橋裕紀 Honda +13.713
7 75 M.パシーニ アプリリア +13.826
8 55 H.ファウベル アプリリア +16.026
9 15 R.ロカテッリ ジレラ +19.084
10 41 A.エスパルガロ アプリリア +20.692
11 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +29.495

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 17 S.ブラドル アプリリア 41:05.176
2 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.881
3 6 J.オリベ デルビ +4.070
4 1 G.タルマクシ アプリリア +4.118
5 18 N.テロール アプリリア +7.048
6 38 B.スミス アプリリア +9.334
7 11 S.コルテセ アプリリア +12.813
8 44 P.エスパルガロ デルビ +16.491
9 29 A.イアンノーネ アプリリア +17.637
10 24 S.コルシ アプリリア +17.855

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 237
2 C.ストーナー ドゥカティ 187
3 ダニ・ペドロサ Honda 172
4 J.ロレンゾ ヤマハ 120
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 110
6 C.エドワーズ ヤマハ 102
7 C.バーミューレン スズキ 99
8 ニッキー・ヘイデン Honda 84
9 中野真矢 Honda 83
10 L.カピロッシ スズキ 77
13 アレックス・デ・アンジェリス Honda 49
16 ランディ・デ・ピュニエ Honda 40
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 266
2 ドゥカティ 212
3 Honda 210
4 スズキ 128
5 カワサキ 63

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 180
2 M.カリオ KTM 164
3 A.デボン アプリリア 139
4 A.バウティスタ アプリリア 138
5 H.バルベラ アプリリア 126
6 M.パシーニ アプリリア 117
7 青山博一 KTM 101
8 高橋裕紀 Honda 95
9 T.ルティ アプリリア 86
10 J.シモン KTM 72
14 ラタパーク・ウィライロー Honda 39

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 237
2 ジレラ 196
3 KTM 174
4 Honda 102
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 186
2 S.コルシ アプリリア 142
3 S.ブラドル アプリリア 126
4 G.タルマクシ アプリリア 122
5 J.オリベ デルビ 110
6 N.テロール アプリリア 102
7 B.スミス アプリリア 89
8 P.エスパルガロ デルビ 83
9 S.コルテセ アプリリア 77
10 S.レディング アプリリア 70

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 256
2 デルビ 219
3 KTM 72
4 Honda 3
5 ロンシン 1

フォトギャラリー

  • 第12戦 チェコGP
  • 第12戦 チェコGP
  • 第12戦 チェコGP
  • 第12戦 チェコGP
  • 第12戦 チェコGP
  • 第12戦 チェコGP