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リザルト ポイント
第11戦 アメリカGP 第11戦 アメリカGPview

ドヴィツィオーゾ今季3回目の4位。地元GP制覇に燃えたヘイデンは5位。デ・ピュニエが6位でチェッカーを受けた

2008年7月20日(日)
決勝
会場:ラグナセカ・レースウェイ
天候:曇り/晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ
観客:4万6879人(3日間:13万1250人)

シーズン前半戦の締めくくりとなるアメリカGPは、PPスタートのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)と予選2番手のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の一騎打ちとなり、ロッシが優勝。ストーナーが2位という結果だった。

今季2回目のフロントロー3番手から決勝に挑んだニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、スタート直後の2コーナーで2番手に浮上、地元ファンを喜ばせるが、オープニングラップにロッシにかわされ3番手へ。その後、クリス・バーミューレン(スズキ)、後半はアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)とし烈なバトルを繰り広げ、最終的に5位でチェッカーを受けた。2年ぶり3回目の母国GP制覇に燃えたヘイデンだが、今大会はタイヤのチョイスが厳しく、表彰台を独占したブリヂストン勢の3人の後塵を拝し、中盤戦に入って勢いに乗るドヴィツィオーゾにも後れを取る悔しいレースに終わった。

そのヘイデンに競り勝ったドヴィツィオーゾは、Honda勢最上位の4位。ミシュラン勢でも最上位でフィニッシュした。予選9番手、3列目から好スタートを切るとオープニングラップ4番手に浮上した。その後、ヘイデン、バーミューレンとし烈な3位争いに加わり、中盤から後半にかけては、ヘイデンとのマッチレースとなり、追いすがるヘイデンを押しきった。

その後方では、予選6番手から好調な走りを見せたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が6位でチェッカーを受けた。序盤は、トニ・エリアス(ドゥカティ)、ジェームズ・トーズランド(ヤマハ)、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)と6位争いのグループを形成する。その中からエリアスが脱落。中盤にはトーズランドをパスして単独6番手に浮上。ドヴィツィオーゾとヘイデンを追撃するも届かず、6位でチェッカーを受けた。

デ・ピュニエ、トーズランドと6位争いのグループに加わり8番手を走行していた中野は、終盤、トーズランドを一度は抜くが、痛恨のコースアウト。グラベルから戻る際にベン・スピーズ(スズキ)とエリアスにもかわされ10位でチェッカーを受けた。

予選で転倒を喫して16番手から決勝に挑んだアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は、予選の転倒で左手親指を骨折したことが影響、思うようにペースを上げられず、シルヴァン・ギュントーリ(ドゥカティ)に続き13位でフィニッシュした。

前戦ドイツGPに続き、今大会もブリヂストン勢が表彰台を独占。ドヴィツィオーゾ4位、ヘイデン5位、デ・ピュニエ6位と、ミシュランを使うHonda勢が、それに続いた。ブリヂストンを使う中野とデ・アンジェリスは、フリー走行の好調を結果につなげられず、悔しいレースに終わった。

コメント

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4位)

「今日のバレンティーノ(ロッシ)とケーシー(ストーナー)は信じられないほど速かったが、Hondaライダー、そしてミシュラン勢のトップでフィニッシュできてうれしい。今日はスタートがよかったが、オープニングラップに目の前でロレンゾ(ヤマハ)が転び、それで離されたが、トップを走る2人にはとても追いつけないと思った。前を走るニッキーは速かった。後ろから追い上げてきたバーミューレンも速かった。そのうち、ニッキーのペースが落ちてきたが、ラグナセカはなかなかパッシングポイントがなく、ニッキーをパスするのに時間がかかってしまった。今回も表彰台には立てなかったが、いいレースができた」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 5位)

「正直、もっといい結果を望んでいた。しかし、タイヤのチョイスが今回は限られていたし、厳しい戦いになってしまった。金曜日の時点でレースで使えるタイヤが決まり、そのタイヤで3日間を戦った。使えるタイヤの本数に限りがあるので、今回のレースは、同じタイヤでロングランをこなしたが、いろんなことを学べた。しかし、その分、ニュータイヤを入れたときにフィーリングが変わり、フロントをプッシュするようになった。地元ファンの声援がうれしかった。もっと前のポジションでチェッカーを受けたかった。これから数週間のサマーブレイクがあるので気持ちを切り替えたい」

ランデイ・デ・ピュニエ(MotoGP 6位)

「金曜日のフリー走行は最悪の状態だったが、土曜日、そして日曜日と順調だった。スタートは完ぺきではなかったが、集団の中でバトルできるだろうという自信はあった。中盤までトーズランドと何度も抜き合いになった。中盤に彼を抜き去ってからは、前を走るドヴィツィオーゾとヘイデンとの差を縮めようと全力を尽くしたが、彼らを抜くことはできなかった。しかし、この数戦はなかなか結果につなげられなかったので、6位でフィニッシュできて本当によかった」

中野真矢(MotoGP 10位)

「本当に残念な結果だった。スタートしてすぐに9番手までポジションを上げられたのだが、中盤までトーズランドの後ろについて走ることになった。タイヤのアドバンテージがある分、コーナーでは速かったのだが、彼をなかなか抜けないまま終盤に入ってしまった。ラスト3周のコークスクリューで勝負して前に出たのだが、止まりきれずグラベルに出てしまった。そのときに後ろから来ている選手にも抜かれ、ポジションを落とした。トーズランドを抜けなかったのは残念だが、最後に勝負をしての結果なので仕方がない。シーズン前半戦はトップ10に入るのもやっとだったが、この数戦は、一歩前進できたと思う。今回はフリーでいい走りもできたし、結果は残念だが、後半につながるレースになった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 13位)

「今日は厳しいレースだった。とにかく予選の転倒がすべてだった。グリッドが悪かったし、レース序盤、ウエスト(カワサキ)に引っかかってタイムをロスしてしまった。彼をパスしたときには前のグループとは離れていたし、もうどうしようもなかった。しかし、予選の転倒でケガがなくて、前の集団で走れていたとしても表彰台には届かなかったと思う。今回は調子がよかったし、本当に残念なレースだった。ケガをした親指は夏休み明けのブルノまでには治っているはず。後半戦では表彰台に立ちたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「フリー、予選の段階からタイヤの選択が限られている厳しい状況でも、ニッキーはがんばってくれたと思う。リザルトは決して喜べるものではないが、今回のレースのデータをモディファイして後半戦に挑みたい。とにかく、我々はいま、厳しい状況にいることは間違いない。足踏みしていられないし、後半戦に向けていろいろとアクションを起こしていきたい。欠場することになったダニ(ペドロサ)は、バレンティーノ(ロッシ)とケーシー(ストーナー)に点差をつけられてしまったが、これも予想していた通り。巻き返しに向けて後半戦のチェコからモチベーションを高めていきたい。とにかく、18戦最終戦のチェッカーを受けたときにチャンピオンをとっていられるように全力で戦っていく」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 44:04.311
2 1 C.ストーナー ドゥカティ B +13.001
3 7 C.バーミューレン スズキ B +26.609
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +34.901
5 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +35.663
6 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +37.668
7 24 T.エリアス ドゥカティ B +41.629
8 11 B.スピーズ スズキ B +41.927
9 52 J.トーズランド ヤマハ M +43.019
10 56 中野真矢 Honda B +44.391
11 12 J.ハッキング カワサキ B +46.258
12 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +55.273
13 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +55.521
14 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1:02.380
15 65 L.カピロッシ スズキ B +1:08.207
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:10.962
17 13 A.ウェスト カワサキ B +1Lap
RT 48 J.ロレンゾ ヤマハ M -

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 212
2 C.ストーナー ドゥカティ 187
3 ダニ・ペドロサ Honda 171
4 J.ロレンゾ ヤマハ 114
5 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 103
6 C.エドワーズ ヤマハ 100
7 C.バーミューレン スズキ 89
8 ニッキー・ヘイデン Honda 84
9 J.トーズランド ヤマハ 72
10 中野真矢 Honda 70
13 アレックス・デ・アンジェリス Honda 41
14 ランディ・デ・ピュニエ Honda 40
21 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 241
2 Honda 197
3 ドゥカティ 192
4 スズキ 112
5 カワサキ 52

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