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リザルト
第11戦 アメリカGP 第11戦 アメリカGPview

ヘイデン、今季2回目のフロントローとなる3番手
母国GP制覇に向けて絶好のグリッドを獲得

2008年7月19日(土)
予選
会場:ラグナセカ・レースウェイ
天候:曇り/晴れ
気温:23℃
コースコンディション:ドライ

アメリカGP予選は、フリー走行から好調な走りを見せたケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がポールポジション(PP)を獲得。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、そして3番手に2年ぶりの母国GP制覇を狙うニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が続いた。以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)6番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)9番手、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)12番手、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)16番手。なお、前戦ドイツGPの決勝で左手と右足を負傷したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、体調が万全ではないために今GPの欠場を決めた。

初日2番手と好調なスタートを切ったヘイデンは、2日目も順調にセットアップを進めた。フリー走行が開始されるころには濃い霧が晴れたものの、雲が多く、気温も16℃までしか上がらなかった。しかし、決勝に向けて入念にセットアップを進めたヘイデンは、このセッションで6番手。初日に続きブリヂストン勢が好調な中、ミシュラン勢のトップタイムをマークし、午後の予選に期待をつないだ。

迎えた予選セッションは、青空が広がり、気温も23℃まで上昇。絶好のコンディションの中で、激しいアタックが繰り広げられた。トップタイムをマークしたのはストーナー、2番手はロッシと、予選用タイヤのアタックでもブリヂストン勢の2人が好タイムをマーク。だが、ヘイデンも地元ファンの声援を追い風にミシュランの予選用タイヤのパフォーマンスを発揮し、3番手につけた。ラグナセカがGPに復帰した2005年と、翌06年に優勝しているヘイデンは、3度目の母国GP制覇に向けて絶好のグリッドを獲得した。

初日17番手と苦しいスタートだったデ・ピュニエは、2日目になってレースタイヤのセットアップが進み、さらに予選用タイヤのアタックでも見事、6番手にまで浮上を果たした。また、初日8番手だったドヴィツィオーゾは、2日目フリー走行では決勝に向けたセットアップに集中して11番手にとどまったものの、予選用タイヤのアタックでは大接戦の中で9番手まで浮上した。

一方、中野真矢は初日6番手、2日目フリー走行では3番手と、今季一番の好走を見せていたが、予選用タイヤのアタックで12番手までポジションを落とした。最初のアタックで転倒を喫し、2号車で挑んだ2回目以降のアタックでは、100%の走りができなかった。しかし、レース用タイヤのアベレージでは、十分に表彰台を狙える仕上がり。4列目から追い上げのレースが期待される。チームメートのデ・アンジェリスも、予選セッションで痛恨の転倒を喫して16番手に沈んだ。デ・アンジェリスは、この転倒で左手親指を負傷。厳しい状況になったが、レース用タイヤのアベレージは上位を狙えるものになっている。

この日は、フロントローに並んだ3選手と、4番手につけたホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)までが、トップから1秒差以内。そして、5番手から13番手までが、0.279秒以内にひしめく大接戦となった。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 3番手)

「今日の予選は転倒者が多く、難しいセッションだった。このサーキットはパッシングポイントが少ないので、予選はとても重要になる。転倒が多かったのは、それをみんなが知っていて、少しでもいいグリッドを得ようとしたからだと思う。今回はフロントローに並べたが、レース用タイヤのペースは決して万全ではない。ケーシーは熱い走りをしている。それに比べて、自分はまだいくつかの課題を抱えている。ウオームアップで最後のセットアップにトライしたい。明日は厳しいレースになると思う。フロントローに並べたのは、チームが全力を尽くしてくれたからだ。決勝では全力を尽くすだけ。地元のファンの前で走ることは本当に楽しい。そして熱狂的なサポートに心から感謝している。決勝に向けて、正直ちょっと緊張している」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 6番手)

「予選がうまくいって、すごくうれしい。チームのスタッフには本当に感謝している。昨日は車体とタイヤのマッチングがうまくいかず厳しい一日だったが、今日はエンジンブレーキなど電子制御のセッティングを変更したことでフィーリングがよくなり、レース用タイヤのアベレージも上げることができた。リアのグリップの問題も解決したので、明日の決勝が楽しみだ。この数戦、決勝で結果を残せていないので、今回はいいリザルトを残したい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9番手)

「フリー走行から引き続き、予選セッションでもレースに向けてのセットアップに集中した。しかし、予想したほど前進できなかったのは残念だ。ラグナセカはスタートで追い越しが難しく、3列目からのスタートでは厳しい。今回はタイムも接近しているし、明日の決勝はスタートが本当に重要になる。明日はいいスタートを切り、最後までコンスタントに走らなければならない」

中野真矢(MotoGP 12番手)

「とても残念な結果だった。午前中のフリー走行までは、すごく順調だった。2日間の総合で3番手だったし、予選でも上位を狙っていた。だが、予選用タイヤの最初のアタックで転んでしまった。フロントのタイヤが十分に暖まってなかったためだと思う。その後は2号車でアタックしなければならず、完ぺきには攻めきれなかった。明日は追い上げのレースになる。いいスタートを切って、とにかく1つでも上のポジションを狙いたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 16番手)

「残念な結果だった。予選用タイヤでアタックする前に転倒してしまった。ピットに戻ってマシンを乗り換えて走ろうと思ったが、左手親指の痛みがひどくてあきらめた。転んだときに左手親指をハンドルと路面の間に挟んだのだと思う。まだ予選セッションは20分ほど残っていたが、走れる感じではなかった。フリー走行で調子がよかっただけに、本当に残念だ。明日はできるだけ追い上げたい」

ダニ・ペドロサ(欠場)

「欠場することを決断するのは、本当に難しかった。しかし、昨日のセッションは、痛み止めを使っても想像を絶する痛みで、とても厳しい走りを強いられた。昨日の午後、9ラップ連続で走ってみたが、40ラップにも感じられるほど辛かった。走り終えた後も痛みが残っていたし、朝起きたときも痛みは消えていなかった。指も腫れていた。この状態ではとてもレースはできないと感じたので、欠場することを決断した。しかし、こうしてラグナセカに来て、マシンに乗って初めて分かったことであり、ベストは尽くしたと思う。サポートしてくれたすべての人たちに感謝したい。次戦のチェコGPまで3週間あるので、ケガを治し、ベストな体調で挑みたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは手の痛みがひどく、十分にマシンコントロールできないことと、周りの選手たちに迷惑をかけることから欠場を決めた。夏休み明けのチェコGPに向け、100%の体調で復帰させたい。今回は欠場を決めたが、タイトル争いをあきらめたわけではない。チェコGPから再び、タイトル獲得に向けて全力を尽くす。ニッキーはフロントローを獲得したが、ケーシーとバレンティーノのペースが速いので、明日のウオームアップでさらにアベレージを上げられるように全力を尽くす。フロントローからのスタートなので、そのチャンスを最大限に生かせるよう全力でサポートしていく。ラグナセカでは、たくさんのファンがニッキーを応援してくれている。その声援が彼を後押ししてくれるはず。チーム一丸となって優勝を目指したい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:20.700
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.447
3 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.730
4 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +0.936
5 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.148
6 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1.221
7 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1.247
8 7 C.バーミューレン スズキ B +1.271
9 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.274
10 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.299
11 65 L.カピロッシ スズキ B +1.339
12 56 中野真矢 Honda B +1.392
13 11 B.スピーズ スズキ B +1.427
14 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +2.019
15 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.257
16 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +2.335
17 12 J.ハッキング カワサキ B +2.609
18 13 A.ウェスト カワサキ B +3.825

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