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リザルト
第11戦 アメリカGP 第11戦 アメリカGPview

地元Vに向けてヘイデンが2番手と好調なスタートを切る
負傷を押して出場したペドロサは15番手

2008年7月18日(金)
1日目フリー走行
会場:ラグナセカ・レースウェイ
天候:曇り/晴れ
気温:22℃
コースコンディション:ドライ

ドイツGPからの2連戦となる第11戦アメリカGPのフリー走行は、2年ぶりの地元グランプリ制覇に闘志を燃やすニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が2番手と好調なスタートを切った。以下、Honda勢は4番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)。6番手に中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)。8番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。前戦ドイツGPの決勝で左手と右足を負傷したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、完調にはほど遠い状態ながら15番手と健闘。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は17番手だった。初日トップタイムはケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。3番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)という結果だった。

今季初表彰台、そして初優勝に闘志を燃やすヘイデンは、午前中の走行では6番手。午後の走行では地元ファンの声援の中でタイムを伸ばし、2番手で初日を終えた。この日は、ブリヂストン勢が好調だった。雲が多く、最高気温も19℃までしか上がらなかった1回目の走行では、上位6番手までをブリヂストン勢が占め、青空が広がって最高気温が22℃まで上がった午後の走行でも、上位6台中5台がブリヂストン勢と、タイヤのアドバンテージを感じさせるリザルトだった。一方のミシュラン勢は、ヘイデンが孤軍奮闘の2番手。2日目の予選では、好調のブリヂストン勢を相手にポールポジション(PP)を狙う意気込みだ。

雨になった前戦ドイツGPで、今季2回目の4位と好走を見せたデ・アンジェリス。午前中の走行は、タイヤのグリップに苦しんで10番手だったが、午後の走行ではセットアップが進み、一気にポジションを上げて4番手。チームメートの中野も、午前中の走行では3番手。午後の走行では6番手。ブリヂストンタイヤを使うHonda Gresiniの2人が好調なスタートを切った。

ラグナセカを初めて走るドヴィツィオーゾは8番手。ミシュラン勢では、2番手のヘイデン、7番手のコーリン・エドワーズ(ヤマハ)に続き、3番手とまずまずのスタートを切った。シーズン中盤に入って安定した走りを見せるドヴィツィオーゾ。ほかのミシュラン勢が苦戦した1日目だが、今大会も好調をキープ。2日目のポジションアップに期待される。

前戦ドイツGP決勝で転倒、負傷したペドロサが15番手と熱走を見せた。左手の人差し指、中指、そして右足を負傷しているペドロサ。1回目の走行では、トップのストーナーから3.396秒遅れの最下位19番手だったが、午後の走行ではストーナーから1.881秒まで差を縮め、15番手までポジションを上げた。決勝に出場するかどうかは2日目の走行を終えてからの判断になるが、痛みをこらえての力走に、ファンから大きな拍手を集めていた。

デ・ピュニエは、車体とタイヤのマッチングに苦しんでタイムを伸ばせず17番手。2日目のポジションアップに注目される。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 2番手)

「今日は厳しい一日だった。レースに向けて満足できるタイヤオプションがなく、タイムを出すための選択肢が限られてしまった。午後の走行では、タイヤをうまく使いきるためにいろいろとセッティングを試した。セッション終盤に向けて状態はよくなったが、ストーナーとの差はあまりにも大きい。それでも、今日は2番手と、何とかうまくいった。明日はもっとがんばらなければならない。それにしても、このサーキットのファンの自分への声援は信じられないほどだ。期待に応えたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 4番手)

「午前中のフリー走行の状況を考えれば、初めて走るサーキットで、まさか4番手で終われるとは思ってもいなかった。午前中のセッションは、グリップが悪く、チャターも出て、ラインをキープすることができなかった。しかし、午後の走行ではそれを解消できたし、アベレージもよかった。このコースは、本当にスペシャルなコースだが、ザクセンリンクと似ている部分もあり、ほかのライダーの後ろについていろいろ学んだ。明日の予選でも、いいポジションで終えたい」

中野真矢(MotoGP 6番手)

「1回目の走行は3番手だったので、2回目の走行でポジションを落とし、ちょっと残念だった。それでもトップ6にいるので、今回はいいスタートが切れたと思う。去年、グレッシーニ・チームは、このコースでいい結果を残しているので、最初からいい状態で走り出すことができた。今回はタイヤにもアドバンテージがありそうなので、それを生かしたい。しかし、今大会もすごい混戦なので、ちょっとしたタイムの違いでポジションが変わる。明日も集中して走りたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8番手)

「ラグナセカはすごいサーキットだ。いいポイントも悪いポイントもある。安全性の面では決していいとはいえない。しかし、素早い切り返しが必要なコーナーなど、いろんなコーナーがあって攻略しがいのあるコースだった。コークスクリューは、先が見えないので最初は怖かった。その先のロングコーナーもすごくて、最初はびっくりしてしまった。今日はラインを知るために、バレンティーノ(ロッシ)の後ろについて走った。自分のラインが見つけられるようになってからは、楽しくなってきた」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 15番手)

「ケガをしている左手は、すごく痛かった。ここのレースは周回数が多く、体力的に厳しいので、レースに出るかどうか現時点では決められない。午前中の走行は、自分が乗れるかどうかだけを確認する走行だった。信じられないほど痛かったので、午後の走行は痛み止めを使った。それでも痛かったけれど、2秒タイムを短縮することができた。このコースは、左コーナーばかりなので左手の負担が大きく、特に下りの左コーナーは厳しかった。右足は、痛みには耐えられるけれど、歩くときには松葉杖が必要だ」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 17番手)

「こんな結果に終わるとは、正直、思わなかった。今日はたくさんのタイヤをテストしたが、フィーリングがよかったのは1種類だけだった。そのタイヤを午後のセッションのためにセーブした。ほかのタイヤではセッティングに苦しんだ。特にリアのグリップに苦しみ、アクセルを開けることができなかった」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは、相当痛みがあるようで、今日一日、痛みとの戦いだった。しかし、午前から午後にかけて、確実にタイムを上げた。精神力の強い選手だということをあらためて痛感した。彼のファイティングスピリッツに応えるためにも、全力でサポートしていきたい。明日も手の状態を見ながら、レースに出場するかどうかを判断していきたい。ニッキーは2番手タイムをマークしたが、まだセットアップの途中で、楽観はできない。今日の課題を2日目に克服したい。今回も厳しい戦いになる。今日の結果を分析して、セットアップをさらに進めたい」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:21.826
2 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.808
3 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.853
4 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +0.982
5 7 C.バーミューレン スズキ B +1.021
6 56 中野真矢 Honda B +1.098
7 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1.251
8 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.271
9 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.288
10 65 L.カピロッシ スズキ B +1.359
11 11 B.スピーズ スズキ B +1.418
12 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1.491
13 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +1.589
14 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1.669
15 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1.881
16 52 J.トーズランド ヤマハ M +2.117
17 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +2.129
18 12 J.ハッキング カワサキ B +2.224
19 13 A.ウェスト カワサキ B +2.657

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