リザルト ポイント
第10戦 ドイツGP 第10戦 ドイツGPview

ペドロサ痛恨の転倒リタイア。 デ・アンジェリスが今季ベストタイの4位、ドヴィツィオーゾが5位

2008年7月13日(日)
決勝
会場:ザクセンリンク
天候:雨
気温:14℃
コースコンディション:ウエット
観客:9万8130人(3日間22万1492人)

今季初のウエットレースとなったドイツGPは、Repsol Honda Teamにとっては、残念な結果に終わった。予選2番手から絶好のスタートを切ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ホールショットを奪うと、豪快に水しぶきを上げてオープニングラップから快速ラップを刻んだ。2周目には2番手を走るケーシー・ストーナー(ドゥカティ)に3.2秒差。3周目には5.1秒、4周目には6.2秒、5周目には7.4秒差にまでリードを広げたが、6周目の1コーナーで痛恨の転倒。リタイアに終わった。ドライコンディションで行われた予選では2番手。朝のウオームアップではトップタイムをマークと、今季3勝目に向けて確実に前進していただけに残念な結果に終わった。

予選8番手、ウオームアップで2番手と、決勝に向けて調子を上げていたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も雨に苦戦し、13位に終わった。雨量の少ないウオームアップでは、ペドロサとともに快調にラップを刻んだ。しかし、雨量が多くなった決勝レースでは、オープニングラップからタイヤのグリップに悩んだ。8周目にはピットインしてタイヤ交換。再スタートしたが13位に終わった。

優勝したのはストーナー。2位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。3位にクリス・バーミューレン(スズキ)と、今大会はブリヂストン勢が表彰台を独占した。

Honda勢最上位は、ブリヂストンタイヤを使うアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)で、予選10番手からすばらしい追い上げを見せた。オープニングラップは10番手。2周目には8番手に浮上。3周目以降も着実にポジションを上げ、11周目には4番手に浮上。バーミューレンを激しく追撃した。2人のバトルは最終ラップまで続いたが、わずかに届かなかった。しかし、第6戦イタリアGP以来となるベストリザルトタイの4位でフィニッシュ。ザクセンリンクに集まったファンから大きな拍手を浴びていた。

5位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)も、この日はすばらしい走りを見せた。予選4番手からオープニングラップはペドロサに続いて2番手。2周目にはストーナーにかわされたが、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、ロッシらヤマハ勢を従えて快走。その後、この2人に先行を許し、追い上げてきたバーミューレン、デ・アンジェリスにもかわされたが、最終的にミシュラン勢最上位の5位でフィニッシュした。

予選6番手からまずまずのスタートを切ったランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、8番手を走行していた8周目にコースアウトを喫し、10番手にポジションを落とした。追い上げたデ・ピュニエは、ロリス・カピロッシ(スズキ)とし烈な7位争いを繰り広げ、最終ラップにかわされたが、ミシュラン勢では2番手となる8位でチェッカーを受けた。予選9番手から決勝に挑んだ中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は、朝のウオームアップで5番手と好走。決勝に向けて大きな期待を膨らませたが、雨量の多いコンディションに苦戦し、9位に終わった。

この日のレースは、ブリヂストン勢が上位4位までを独占。さらに、トップ10の8台がブリヂストン勢という結果となり、タイヤのパフォーマンスがリザルトに大きく影響した。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。予選10番手から表彰台を狙った高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、ウエットのセッティングが決まらず苦戦。9位に終わった。予選17番手のラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)も、雨に苦しめられて16位だった。

コメント

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 4位)

「厳しいコンディションだったが、表彰台に立つために最後まで全力を尽くした。予選が10番手だったし、8位、9位争いがやっとかもしれないと思っていた。表彰台には立てなかったけれど、4位という結果はうれしい。今日は、後半の高速セクションでペースが速かった。だから、最終ラップにバーミューレンをかわそうと思っていたが、前にエリアス(ドゥカティ)がいてラインを変えなくてはならず、それを果たせなかった。この数戦、よいレースができていなかったので、よかった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5位)

「3戦連続で5位になれてよかった。しかも、ミシュラン勢では最上位でゴールすることができた。ほかの選手がどんなタイヤを選択したのかわからないが、いいレースができたと思う。しかし、4番手というグリッドからスタートしたことを思えば、もう少し上のポジションでフィニッシュしたかった。次のアメリカは、初めて走るサーキットなのでとても楽しみにしている」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 8位)

「金曜日、土曜日とドライコンディションでしか走っていなかったので、今日のレースは厳しかった。今日はフロントもリアもハードコンパウンドをチョイスしたが、リアは硬すぎたようだ。特に右コーナーのグリップが悪くてペースを上げられず、7周目にコースアウトして遅れてしまった。その後、ロリス(カピロッシ)と7位争いをするが、最終ラップで抜かれてしまった。残念なレースだが、今日のコンディションを考えれば8位で完走できてよかった」

中野真矢(MotoGP 9位)

「朝のウオームアップはいいリズムで走れていた。決勝もいいレースができると信じていたのだが、雨の量が多いせいなのか、1周目からフロントのフィーリングがよくなく、ペースを上げられなかった。序盤にいろいろ試したのだが、どうしてもフィーリングがよくならず、前のグループにどんどん離されてしまった。セットアップもタイヤのチョイスも間違っていなかったと思う。それだけに残念だった」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 13位)

「ドライコンディションでは順調にセットアップは進んだと思うが、今日のレースはうまくいかなかった。雨のレースには自信があったし、正直、ウエットレースになったことを喜んでいた。タイヤの選択も悪くなかったと思うのだが、いろんなコンビネーションがよくなかったのかも知れない。レース中、リアタイヤを交換してペースを戻すことができた。しかし、周回遅れになっていたし、レースの邪魔をしないように走っていた。残念な結果だが、次は地元ラグナセカ。いいレースにしたい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)

「今日はすばらしいスタートが切れたし、その後も順調だった。フィーリングもよかった。リアは少し滑っていたが、フロントは完ぺきな感じがした。それだけに転倒したのは残念だった」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今年初めてのレインレースとなったが、ダニはスタートもよく、ラップタイムもよかった。今日は雨のセットアップも決まっていたし、序盤から逃げる作戦だった。状況としては、決してリスクのある走りではなかったと思うが、1コーナーへの進入で転倒してしまった。手を負傷したが、バルセロナに戻り、次戦のラグナセカに向けて検査と治療を受ける。ニッキーは、序盤からタイヤのフィーリングを得られずペースを上げられなかった。ピットに戻りタイヤを交換して、多少ペースは上げられたが、13位という残念な結果に終わった。マシン、タイヤには問題はなかった。ペースを上げようとすると転びそうになっていけなかったようだ。我々にとっては厳しい結果となったが、次戦からのばん回に向けて、さらにマシンのポテンシャルを上げるために全力で取り組んでいく」

高橋裕紀(250cc 9位)

「朝のウオームアップがウエットだったので、昨日から予定していたセットアップの変更を試せなかった。昨日のセッティングを雨用にしてレースに挑んだのだが、高速セクションでリアのグリップが得られず、その区間で大きく離されてしまった。前半のスローセクションではいいペースで走れたと思う。今回は前半戦の締めくくりのレース。よい結果を残して鈴鹿8耐に行きたいと思っていただけに残念だった」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 16位)

「雨のセッティングが決まらず、ペースを上げられなかった。ポイントも獲得できず残念だった。次戦チェコGPまで夏休みに入るが、後半戦はいいレースをしたい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 47:30.057
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +3.708
3 7 C.バーミューレン スズキ B +14.002
4 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +14.124
5 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +42.022
6 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +46.648
7 65 L.カピロッシ スズキ B +1:04.483
8 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1:04.588
9 56 中野真矢 Honda B +1:16.773
10 13 A.ウェスト カワサキ B +1:29.275
11 52 J.トーズランド ヤマハ M +1Lap
12 24 T.エリアス ドゥカティ B +1Lap
13 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +2Laps
RT 5 C.エドワーズ ヤマハ M +10Laps
RT 33 M.メランドリ ドゥカティ B +21Laps
RT 2 ダニ・ペドロサ Honda M +25Laps
RT 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +28Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 45:36.703
2 21 H.バルベラ アプリリア +2.257
3 19 A.バウティスタ アプリリア +2.423
4 36 M.カリオ KTM +4.150
5 60 J.シモン KTM +4.846
6 75 M.パシーニ アプリリア +8.132
7 12 T.ルティ アプリリア +38.302
8 4 青山博一 KTM +48.926
9 72 高橋裕紀 Honda +50.062
10 15 R.ロカテッリ ジレラ +51.670
16 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +1:29.976

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 63 M.ディ・ミリオ デルビ 40:03.710
2 17 S.ブラドル アプリリア +2.010
3 1 G.タルマクシ アプリリア +2.733
4 38 B.スミス アプリリア +2.847
5 24 S.コルシ アプリリア +9.117
6 11 S.コルテセ アプリリア +9.249
7 18 N.テロール アプリリア +9.257
8 45 S.レディング アプリリア +30.778
9 93 M.マルケス KTM +33.034
10 77 D.エジャーター デルビ +33.121

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 187
2 ダニ・ペドロサ Honda 171
3 C.ストーナー ドゥカティ 167
4 J.ロレンゾ ヤマハ 114
5 C.エドワーズ ヤマハ 98
6 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 90
7 C.バーミューレン スズキ 73
8 ニッキー・ヘイデン Honda 73
9 J.トーズランド ヤマハ 65
10 中野真矢 Honda 64
12 アレックス・デ・アンジェリス Honda 38
17 ランディ・デ・ピュニエ Honda 30
20 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 216
2 Honda 184
3 ドゥカティ 172
4 スズキ 96
5 カワサキ 47

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.シモンセリ ジレラ 164
2 M.カリオ KTM 153
3 A.バウティスタ アプリリア 118
4 A.デボン アプリリア 114
5 H.バルベラ アプリリア 113
6 M.パシーニ アプリリア 108
7 青山博一 KTM 98
8 T.ルティ アプリリア 86
9 高橋裕紀 Honda 85
10 J.シモン KTM 68
14 ラタパーク・ウィライロー Honda 34

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 212
2 ジレラ 180
3 KTM 163
4 Honda 92
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 166
2 S.コルシ アプリリア 136
3 G.タルマクシ アプリリア 109
4 S.ブラドル アプリリア 101
5 J.オリベ デルビ 94
6 N.テロール アプリリア 91
7 B.スミス アプリリア 79
8 P.エスパルガロ デルビ 75
9 S.コルテセ アプリリア 68
10 S.レディング アプリリア 65

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 231
2 デルビ 199
3 KTM 69
4 Honda 3
5 ロンシン 1

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