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リザルト ポイント
第9戦 オランダGP 第9戦 オランダGPview

ペドロサ2位で今季8回目の表彰台となり総合首位に浮上
ヘイデンは惜しくも表彰台を逃す

2008年6月28日(土)
決勝
会場:アッセン・サーキット
天候:曇り/晴れ
気温:20℃
コースコンディション:ドライ
観客:9万4978人(3日間13万5071人)

第9戦オランダGP決勝は、PPスタートのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が優勝。予選2番手からホールショットを奪ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ストーナーを追撃したが届かず2位。最終ラップまで3位を走行していたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、チェッカー目前にトラブルが発生して惜しくも4位に終わった。3位にはコーリン・エドワーズ(ヤマハ)。5位にはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)が今季ベストリザルトとなる8位。ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)はオープニングラップにバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触し転倒、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も1周目に転倒してリタイアに終わった。

今季8回目の表彰台に立ったペドロサは、好スタートからホールショットを奪ったものの、今大会、快速ラップを刻むストーナーに首位を奪われ、じりじりとリードを広げられてフィニッシュ。オランダ初制覇は逃したが、アッセンでベストリザルトとなる2位。総合首位のロッシが11位に終わり、11ポイント差を逆転して4ポイントのリードを築き、第4戦中国GP以来となる首位に返り咲いた。次戦ドイツGPは昨年優勝しているだけに、これからの戦いぶりに大きな期待が集まる。

ヘイデンも今大会はすばらしい走りを見せた。予選4番手から好スタートを切ると、ストーナーとペドロサを激しく追撃した。中盤以降は、ストーナー、ペドロサ、そしてヘイデンと、やや間隔を空けての単独走行となるが、今季初の表彰台に向けて快調にラップを刻んだ。しかし、最終ラップの最終コーナーでマシントラブルが発生してスローダウン。後方のエドワーズに3位を譲った。ヘイデンは、スロー走行ながらチェッカーを受けて4位。表彰台を逃すも、今大会が2戦目となるニュウマチックバルブ・エンジンの高いポテンシャルを印象づけた。

予選11番手から好スタートを切ったドヴィツィオーゾは5位でフィニッシュした。4列目から一気にジャンプアップ。オープニングラップで5番手につけると、5周目に中野をかわし4番手へ。その後、後方から追撃してきたクリス・バーミューレン(スズキ)と激しいバトルを繰り広げた。そして中盤には、追い上げてきたエドワーズとともに、バーミューレンを引き離す。終盤はエドワーズにやや遅れたが5位でフィニッシュした。第7戦カタルニアGPで5位。第8戦イギリスGPで4位と、中盤戦になって調子を上げているドヴィツィオーゾが、今回もルーキー勢トップでチェッカーを受けた。

予選9番手から好スタートを切った中野も、今季ベストリザルトとなる8位でフィニッシュした。オープニングラップで4番手。その後、ドヴィツィオーゾにかわされ5番手に落ちたが、バーミューレン、エドワーズ、ホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)と5位争いのグループを形成、終盤はバーミューレンとし烈なバトルとなり8位でチェッカーを受けた。今季、最初の目標となるトップ6まであと一歩。次戦ドイツGPに期待をつないだ。

250ccクラスは、レース中に小雨が降る難しいコンディションとなり、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が優勝。予選10番手から決勝に挑んだ高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は8位だった。好スタートを切ってトップグループに加わったものの、序盤はペースが上がらずじりじり後退する苦しい戦いを強いられ、中盤以降にペースを回復。青山博一(KTM)とミカ・カリオ(KTM)を猛追撃して8位でチェッカーを受けた。予選17番手から決勝に挑んだラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、着実にポジションを上げ、終盤は、ヘクター・ファウベル(アプリリア)、ファブリツィオ・ライ(ジレラ)、アレックス・バルドリーニ(アプリリア)らとし烈な11位争いを繰り広げ12位でチェッカーを受けた。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)

「厳しいレースだった。しかし、2位になって20ポイントを獲得、チャンピオンシップでもトップに立つことができてうれしい。今回は、プラクティスであまりうまくいかなかったが、決勝に向けてバイクの状態はよくなった。全力を尽くしてくれたチームには本当に感謝している。今年は、アッセンで初めてフロントローに並べた。決勝でもベストを尽くすことができた。しかし、今日のケーシー(ストーナー)は速くてついていけなかった。そのギャップを縮めるためにも、次に向けて全力を尽くさなければならない。ザクセンリンクでは去年優勝しているので、今年も勝てるようにしたい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4位)

「今日は本当に残念な結末だった。フィニッシュラインまでもう少しだったし、表彰台に立ちたかった。しかし、なんとかチェッカーを受けられ、ポイントも獲得することができた。チームが全力を尽くしてくれたおかげだ。今日はバイクの状態はよかったが、スローコーナーでうまく走れなかった。しかし、終盤は、ダニに追いつこうとプッシュすることができた。最終ラップにトラブルが出てしまったが、これから1週間半、次のレースに向けて対策する時間が取れた。次は、今回よりいいレースができるはずだ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 5位)

「今日はベストを尽くしたし、これ以上の結果は難しかった。5位になれてうれしい。4列目からいいスタートを切って、かなりポジションを上げて、トップグループの後ろにつくことができた。しかし、バレンティーノ(ロッシ)が転んだときに、前とのギャップが開いてしまった。しばらく5番手を走っていたが、バーミューレンに抜かれた。そのうちコーリン(エドワーズ)が抜いていったので、自分もバーミューレンを抜いた。今日は表彰台に立とうと全力を尽くした。今日は立てなかったが、これからも表彰台に立つためにがんばりたい」

中野真矢(MotoGP 8位)

「3列目からのスタートだったので、いいスタートを切って前に出ることができた。その後もいいペースで走ることができた。今日は、フロントのチャターを解消するために、フリー走行のときに、レースで使おうと決めていたミディアムではなく、ソフトをチョイスした。それがよかった。タイヤが消耗してきた終盤はフロントの跳ねが出てきてポジションを落としたが、タイヤチョイスも作戦も、現状ではベストだったと思う。久しぶりにバトルができた。最後にバーミューレンに抜かれたけれど、今季のベストリザルト。次戦も予選で前にいけるようにしたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP リタイア)

「スタートもよかったし、トップグループにつくことができた。しかし、ロッシが転び、運悪く巻き添えになってしまった。彼はペースが速すぎてリアのグリップを失ったのかもしれない。今回はよいレースができると思っていたし、本当に残念だった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)

「スタートはよかったが、バレンティーノとデ・ピュニエが自分の前で転倒、それを避けるために遅れてしまった。そして次のコーナーでグリップを失い、転倒してしまった。タイヤの温度が上がりきっていなかったせいかもしれない。残念な結果だったが、ケガがなくてよかった。次のレースは、今回の雪辱を果たしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今日のケーシー(ストーナー)は予想していた通り、速いペースで逃げた。フリー走行、予選セッションでも、ダニより、0.3秒から0.5秒ほどアベレージで速かったが、その差を埋めることができなかった。しかし、シーズンの折り返しを迎えるこの時点で、ポイントリーダーにいるというのは、ライダー、チーム、そしてみんなががんばってくれたおかげだ。我々はチャレンジャーであり、これからもチャレンジングスピリッツでシーズンに挑んでいきたい。ニッキーはゴール目前にトラブルが発生して3位を逃した。ゴールラインをなんとか越えることはできたが、コーリンに抜かれてしまった。ライダーをサポートする我々としては、早急に改善して、次のドイツでは、こういうことがないようにする。すでに、今日の結果を踏まえて仕事に取り掛かっている。ニッキーは、シーズン前半は波に乗れず、中盤になってやっと調子を取り戻している。次につながるレースになったと思うし、次戦は、表彰台、優勝を狙っていきたい。これからも応援よろしくお願いします」

高橋裕紀(250cc 8位)

「決勝に向けてセッティングを変えた。朝のウオームアップでそれを確認したかったのだが、雨のためにできなかった。それで、ぶっつけ本番となったのだが、フルタンクのときにリズムをつかめずペースを上げられなかった。タンクが軽くなってからは調子を取り戻すことができた。レース中盤、コース終盤で雨が降っていたが、自分はそれほどペースを落とさずに走れた。それで前のグループに追いつくことができた。序盤にペースを上げられればよかったが、次につながるレースだった」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 12位)

「スタートはよかったのだが、1コーナーでミス、苦手な2コーナーでも何人かのライダーに抜かれポジションを落とした。しかし、今日は落ち着いて走ることができたし、何人かのライダーを捕らえた。小雨が降り始めたとき、ラップタイムが落ちたが、11位争いの4台のグループ全体のペースも落ちて離されなかった。今回は、3日間を通じてバイクの状態はよかった。課題は予選グリッド。次戦からは、もっといいグリッドに並べるように予選でがんばりたい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 42:12.337
2 2 ダニ・ペドロサ Honda M +11.310
3 5 C.エドワーズ ヤマハ M +17.125
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +20.477
5 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +27.346
6 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +28.608
7 7 C.バーミューレン スズキ B +32.330
8 56 中野真矢 Honda B +34.892
9 52 J.トーズランド ヤマハ M +38.566
10 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +38.817
11 46 V.ロッシ ヤマハ B +46.025
12 24 T.エリアス ドゥカティ B +48.213
13 33 M.メランドリ ドゥカティ B +59.594
RT 13 A.ウェスト カワサキ B +19Laps
RT 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M -
RT 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B -

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 40:54.117
2 12 T.ルティ アプリリア +4.597
3 58 M.シモンセリ ジレラ +6.003
4 6 A.デボン アプリリア +9.034
5 21 H.バルベラ アプリリア +9.079
6 4 青山博一 KTM +11.515
7 36 M.カリオ KTM +12.874
8 72 高橋裕紀 Honda +13.622
9 15 R.ロカテッリ ジレラ +21.168
10 60 J.シモン KTM +28.789
12 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +37.741

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 G.タルマクシ アプリリア 9:04.520
2 6 J.オリベ デルビ +0.128
3 24 S.コルシ アプリリア +0.255
4 11 S.コルテセ アプリリア +0.340
5 38 B.スミス アプリリア +0.425
6 12 E.ラバト KTM +0.568
7 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.846
8 29 A.イアンノーネ アプリリア +0.928
9 18 N.テロール アプリリア +1.438
10 35 R.デ・ローザ KTM +2.554

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 ダニ・ペドロサ Honda 171
2 V.ロッシ ヤマハ 167
3 C.ストーナー ドゥカティ 142
4 J.ロレンゾ ヤマハ 114
5 C.エドワーズ ヤマハ 98
6 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 79
7 ニッキー・ヘイデン Honda 70
8 J.トーズランド ヤマハ 60
9 C.バーミューレン スズキ 57
10 中野真矢 Honda 57
15 アレックス・デ・アンジェリス Honda 25
17 ランディ・デ・ピュニエ Honda 22
20 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 196
2 Honda 171
3 ドゥカティ 147
4 スズキ 80
5 カワサキ 41

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.カリオ KTM 140
2 M.シモンセリ ジレラ 139
3 A.デボン アプリリア 114
4 A.バウティスタ アプリリア 102
5 M.パシーニ アプリリア 98
6 H.バルベラ アプリリア 93
7 青山博一 KTM 90
8 高橋裕紀 Honda 78
9 T.ルティ アプリリア 77
10 J.シモン KTM 57
14 ラタパーク・ウィライロー Honda 34

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 192
2 ジレラ 155
3 KTM 150
4 Honda 85
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 141
2 S.コルシ アプリリア 125
3 J.オリベ デルビ 94
4 G.タルマクシ アプリリア 93
5 N.テロール アプリリア 82
6 S.ブラドル アプリリア 81
7 P.エスパルガロ デルビ 75
8 B.スミス アプリリア 66
9 S.ガデア アプリリア 62
10 S.コルテセ アプリリア 58

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 211
2 デルビ 174
3 KTM 62
4 ロンシン 1

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