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リザルト
第9戦 オランダGP 第9戦 オランダGPview

ペドロサ今季6回目のフロントローとなる2番手。ヘイデン4番手とRepsol Honda Teamの2人が好グリッドから決勝に挑む

2008年6月27日(金)
予選
会場:アッセン・サーキット
天候:雨/晴れ
気温:20℃
コースコンディション:ウエット/ドライ

オランダGPの予選は、上位5台のし烈なポールポジション(PP)争いとなり、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がPPを獲得。ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2番手。3番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。4番手にニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)。そして5番手にランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)と、トップ5の選手が、わずか0.465秒差の中でタイムを競う厳しい戦いとなった。

PPを獲得したストーナーからわずか0.032秒差の2番手。惜しくもPPを逃したペドロサだが、この日は快調にラップを刻んだ。ウエットからドライへと路面コンディションが変化した午前中のフリー走行ではトップタイム。青空が広がった午後の予選では、アッセンで自身初のフロントローを獲得し、笑みを浮かべた。

アッセンは「ダッチウェザー」と呼ばれる不安定な天候で知られる。この日も午前中は雨、午後になると一転、青空が広がるも強い風が吹く難しいコンディションとなった。これまでこうした不安定な天候に翻弄されてきたペドロサだが、この日はウエットもドライも完全に克服。今季3勝目に向けて大きな手ごたえをつかんだ。

4番手につけたヘイデンも、順調な一日だった。ウエットからドライになったフリー走行では、レインからスリックへとタイヤを履き替え、3番手タイムをマーク。予選でもすばらしいアタックをみせて4番手につけた。惜しくもフロントローは逃したが、過去2年連続で表彰台に立っているサーキット。決勝ではペドロサとともに表彰台、優勝に期待が膨らむ。

この2人に負けないパフォーマンスを披露したのが、デ・ピュニエだった。難しいコンディションとなったフリー走行では、ペドロサに続き2番手タイム。予選では、ペドロサ、ヘイデンとともにPP争いに加わる快走をみせた。バイクのセッティングが決まったというデ・ピュニエ。予選の好結果をリザルトにつなげる意気込みをみせた。

中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は9番手。第6戦イタリアGP以来、3戦ぶりにシングルグリッドを獲得した。初日はフロントのチャターに悩まされたが、セッティングを変更した2日目は症状が改善された。予選タイヤのアタックでも着実にタイムを伸ばして今季ベストグリッドタイの9番手、3列目を確保。決勝ではトップ6入りを目標に全力を尽くす。

過去2戦、好調な走りを見せているアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)は11番手だった。昨日から今日にかけて、レースに向けてのセットアップは大きく前進した。しかし、予選タイヤのアタックでは、フロントの安定性に課題を抱え不発に終わった。初日5番手と順調なスタートを切ったアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も、決勝に向けてアベレージを上げたが、予選タイヤのアタックは不発に終わり12番手。しかし、両選手ともにレース用タイヤのペースがいいだけに、追い上げのレースが期待される。

250tクラスもドライコンディションで予選が行われた。しかし、午前中の雨の影響でグリップが悪く、風が強かったことで全体的にタイムは伸び悩んだ。初日にベストタイムを出したアルバロ・バウティスタ(アプリリア)がPPを獲得。初日9番手の高橋裕紀(JiR Team Scot 250)はタイムを更新できず10番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)も16番手から17番手へとひとつポジションを落とした。中盤戦に入って、好調を結果につなげられていない高橋とウィライローは、ともに追い上げのレースで、今季ベストリザルトを狙う。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)

「PPは取れなかったけれど、アッセンで初めてフロントローに並べたので、とてもうれしい。コース前半はタイトなコーナーが続くし、フロントローから決勝に挑む意味は大きい。おそらく、スタートからケーシーは逃げると思うし、いいスタートを切ってついていかなければならない。バイクの状態はまだ完ぺきではなく、明日のウオームアップでさらにいいセッティングを見つけたい。このコースはレースの組み立てがとても難しいので、もう少しアベレージを上げなくてはいけない。雨になった午前中のウオームアップではセットアップは何も進まなかった。午後がドライになり助かった。まだタイヤの選択が決まっていない。もし決勝が雨になったら、難しいレースになると思う」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4番手)

「午前中のフリー走行は、ウエットでも、乾き始めた路面でもバイクの状態もフィーリングもよく、いいテストができた。午後の予選では、フロントのセッティングにトライ、これでコース前半部分で走りやすくなったが、全体的に悪い方向にいったので元の状態に戻した。予選タイヤのアタックでは、クラッチにちょっと問題が出て、時間をロス。最後のアタックができず、予選タイヤを1本残してしまった。今日のミシュランタイヤはすばらしかった。しかし、明日も厳しいレースになると思う。どういう展開になるのか予想はつかないが、ベストを尽くしたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 5番手)

「フリー走行からいいフィーリングで走れた。今日は予選タイヤのアタックだけではなく、全体的に仕上がりがよかった。レースタイヤでもいいペースで走ることができた。明日は2列目からのスタートになるが、この2日間の成果を発揮できれば、トップグループについていけると思う。明日は接戦になると思うし、いいリザルトを残したい」

中野真矢(MotoGP 9番手)

「今回の目標は、最低でも3列目に並ぶことだった。ギリギリだけど目標を達成することができた。午前中は、ウエットからドライという難しいコンディションでセットアップは進まなかった。その状態で午後の予選を迎えたので、集中して走った。予選タイヤのアタックは4回。最後のアタックはタイムを更新できなかったが、まずまずのアタックができたと思う。今回はリアタイヤのグリップが高く、その分、旋回性が落ちて難しかった。この数戦、徐々にいいリズムが作れるようになってきた。明日は、いいスタートを切って、前のグループについていきたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 11番手)

「予選は11番手だが、明日の決勝は4位か5位争いに加われる自信がある。ここは前半部分にパッシングポイントがないので、とにかくいいスタートを切って1コーナーで少しでも前に出なければならない。レースタイヤのペースでは本当に接戦になっているので、明日のウオームアップで、もう少しいい状態を作りたい。いま、1分37秒中盤でラップを刻めているので、トップ5には入れるはず。予選タイヤのアタックでは、フロントに振動が出て完ぺきな走りができなかった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 12番手)

「ブリヂストンのおかげで、この数戦いい状態を作ることができているが、今回は予選タイヤのアタックに苦戦してパフォーマンスを発揮できなかった。今日はレース用タイヤで1分37秒台でラップを刻めた。レースに向けていいパッケージが作れているだけに、12番手は残念だった。厳しいレースになると思うが、いいレースをしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「昨日できなかった部分を、今日は改善することができた。午前中がウエット、午後の予選がドライになったことで、結果的にレインタイヤ、スリックタイヤの確認ができたこともうれしい。ダニとニッキーの2人とも、いい状態を作り上げることができたと思う。今日は難しい天候だったが、特に大きな混乱もなく、ダニが2番手、ニッキーが4番手になり、上出来だった。明日の天候がどうなるかわからないが、天候が急変してもそれに対応していけるようにしたい。ケーシー、バレンティーノという強豪はいるが、明日は2人ともに表彰台に立てるように全力でサポートしていく」

高橋裕紀(250cc 10番手)

「今日はうまくいかない一日だった。午前中に昨日と同じトラブルがあり、その対策でちょっと時間をロスした。雨上がりのドライコンディション。風が強かったこともあり、思ったようにセッティングが進まなかった。昨日のタイムも更新できなかったし、不完全燃焼だった。目標とする2列目にグリッドを上げられなかったが、好スタートを切ってトップグループについていきたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 17番手)

「昨日から今日にかけて、フロントのセッティングを変えた。しかし、思ったほどよくならず、元のセッティングに戻した。エンジンの調子はいい。最終的に車体もタイヤもよかった。予選では、いい感じで走り始めたのだが、終盤はいいリズムをつかめなかった。明日はポイントを獲得できるように全力を尽くしたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:35.520
2 2 ダニ・ペドロサ Honda M +0.032
3 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.139
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.455
5 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +0.465
6 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.758
7 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +1.012
8 7 C.バーミューレン スズキ B +1.248
9 56 中野真矢 Honda B +1.284
10 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1.303
11 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.379
12 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +1.428
13 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.458
14 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.767
15 21 J.ホプキンス カワサキ B +2.123
16 13 A.ウェスト カワサキ B +2.273
17 33 M.メランドリ ドゥカティ B +3.206
DNS 65 L.カピロッシ スズキ B -

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 1:39.510
2 21 H.バルベラ アプリリア +0.231
3 58 M.シモンセリ ジレラ +0.344
4 6 A.デボン アプリリア +0.549
5 41 A.エスパルガロ アプリリア +0.700
6 12 T.ルティ アプリリア +0.945
7 60 J.シモン KTM +1.176
8 52 L.ペセック アプリリア +1.232
9 15 R.ロカテッリ ジレラ +1.249
10 72 高橋裕紀 Honda +1.286
17 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.033

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 1:45.533
2 38 B.スミス アプリリア +0.340
3 6 J.オリベ デルビ +0.363
4 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.364
5 11 S.コルテセ アプリリア +0.402
6 45 S.レディング アプリリア +0.495
7 35 R.デ・ローザ KTM +0.572
8 18 N.テロール アプリリア +0.606
9 33 S.ガデア アプリリア +0.785
10 17 S.ブラドル アプリリア +0.796

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