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リザルト
第9戦 オランダGP 第9戦 オランダGPview

ヘイデン4番手。デ・アンジェリス5番手とHonda勢がまずまずのスタートを切る

2008年6月26日(木)
1日目フリー走行
会場:アッセン・サーキット
天候:晴れ
気温:22℃
コースコンディション:ドライ

アッセン・サーキットで開幕したオランダGP1日目は、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がトップタイム。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3番手にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)、4番手にニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)。以下、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)とHonda勢が名前を連ね、9番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、11番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)が僅差で続いた。この日は、トップのストーナーから4番手のヘイデンまでが1秒差以内。そのヘイデンからドヴィツィオーゾまでも0.314秒差という大接戦だった。

前戦ドニントンパークをニュウマチックバルブ・エンジンで出場したヘイデン。今大会がニューエンジン2戦目となるが、前回のレースで明らかになった問題点が改良されていることを確認すると、快調にラップを刻んだ。午後の走行でも着実にセットアップを進め、アベレージを上げた。一昨年の大会で優勝、昨年も3位と2年連続で表彰台に立つなど、アッセンはヘイデンが得意とするサーキット。ニューエンジンの高いポテンシャルにモチベーションを高めているだけに、3年連続、そして今季初となる表彰台の獲得に闘志を燃やしている。

5番手には、中盤戦になって上り調子のデ・アンジェリスがつけ、今大会も好調をキープした。第6戦イタリアGPでは今季ベストリザルトの4位。続くカタルニアGPは転倒リタイア。イギリスGPでも転倒を喫し、再スタートしたものの下位に低迷している。その雪辱と、得意のサーキットに気合満点。今大会は、最高峰クラス初表彰台への期待がかかる。

チームメートの中野は6番手に続いた。この日は、低速コーナーでのチャターが解消せず、その改善に向けて多くの時間を割いた。原因はタイヤと車体のマッチング。今大会のベストチョイスと思われるフロントタイヤを装着したときにその症状が出るため、2日目もその改善に取り組むことになる。しかし、ベストタイムでは6番手と速いペースをキープしているだけに、今季ベストグリッドとベストリザルトの獲得に向けて一歩前進した。

デ・ピュニエも今回は順調にセットアップが進んだ。午前中から午後のセッションにかけて、ブレーキングとコーナリングが改善された。タイヤの選択も順調に進み、2日目の予選では、第7戦カタルニアGPの予選4番手をしのぐ、今季初のフロントローを狙う。

前戦イギリスGPで3位を獲得、今季初の2連勝を逃したペドロサは、アッセンの不安定な天候をにらみ、車体のセットアップとタイヤの選択に集中した。特にタイヤのテストでは、ハイペースのレースを想定し、タイヤを換えずに周回を刻んだ。そのためアベレージもベストタイムも物足りないものだったが、今季3勝目に向けて、2日目の予選では、今季6回目のフロントローを狙う。

Honda勢のしんがりとなったドヴィツィオーゾ。カタルニアGPで4位、イギリスGPで5位と、過去2戦は、ルーキーでは最もすばらしい走りをみせ、好リザルトを残してきた。アッセンは250cc時代から苦手とするサーキットの1つだが、この日は、まずまずのスタートとなった。数字上では、1回目7番手、2回目11番手と決して喜べるポジションではないが、Honda勢トップのヘイデンからわずか0.314秒差。2日目のばん回に期待をつないだ。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が暫定PP。今季2回目の表彰台と初優勝を狙う高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は9番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)16番手という結果だった。高橋は、走り込みを中心にセッティングを進めた午前中の走行で自己ベストタイムを更新。午後の予選でも大幅にタイムを短縮して9番手。「最低でも2列目を狙いたい」と2日目はポジションアップを狙う。ウィライローも順調にセットアップを進めたが、予選ではアタックのタイミングを逃して16番手。2日目の巻き返しに気合を入れている。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4番手)

「今日は初夏を感じさせるすばらしい陽気だった。路面の状態もよく、昨年に比べると、ものすごいスピードでセットアップが進んだ。順調な一日だった。午前から午後にかけて、アベレージが上がり安定していたが、もう少しベストタイムを短縮したかった。バイクの状態はかなりいいと思う。しかし、トップグループで戦うためにはもっといい状態を作り上げなくてはならない。明日は、いくつか試してみたいこともあるので、引き続き、セットアップに集中したい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 5番手)

「今日はセッション開始から順調で、午前も午後も5番目のタイムをマークできてうれしかった。ここでは、250ccのラップレコードを持っているし、大好きなサーキット。それはMotoGPマシンになっても変わらないし、大きな自信になった。今日はタイヤテストも十分に行えたし順調な一日だった。今日スムーズに走れなかった部分を明日改善できれば、もっとパフォーマンスを上げることができる」

中野真矢(MotoGP 6番手)

「午前中のセッションからコンディションもグリップもよく、最初から攻めていけた。今日は昨年のセッティングでスタートしたが、高速セクションでギアボックスが合っていない個所があり、午後に向けて変更した。今日は、1回目、2回目ともにヘアピンでフロントのチャターが出たので、その改善に集中した。グリップのいいミディアムを使うと特にひどく、違うレンジのタイヤでは出なかった。明日もドライなら、レースで使いたいタイヤでセッティングを出したい。明日も晴れてほしい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)

「明日の天気がどうなるかわからないので、今日はドライコンディションのセッティングに集中した。今日の午後は、これまでと違う車体のセットアップにトライしたが、予想したような結果が得られず、ペースを上げることができなかった。決勝に向けてタイヤのテストも行った。できることなら、明日も晴れてほしい。ドライなら、さらにアベレージを上げるためにセットアップに全力を尽くしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニは基本的に通常のセッティングを行った。順調にセットアップは進んでいる。前回のドニントンパークは、レース後半に離されてしまったので、今日はレース後半を考えて、タイヤを換えずに周回を刻むようにした。2日目もドライになれば、今日のセッティングをベースにさらにセットアップを進めていきたい。ニッキーは、前回より一歩進めたセットアップを行っている。ドニントンパークでは、フリー、予選と順調だったが、決勝で若干トラブルが出てペースを崩してしまった。その対策も今日確認できたし、ドニントンの状態より、より効果的にセットアップは進んでいる。2日目もこの調子をキープして決勝に向けての準備をしたい」

高橋裕紀(250cc 9番手)

「タイヤの割り当てがあるので、午前中はレースに使う予定のタイヤを温存。午後の予選では、決勝で使うタイヤで走った。午前中のフリーで自己ベストを更新できた。午後の予選では、セッション中にちょっとエンジンに問題が出たが、終盤は順調だった。あと0.1秒短縮すれば、昨年、アンドレア(ドヴィツィオーゾ)が出したベストを更新できる。2日目もドライなら、それを目標に走りたい。できれば2列目に並びたい」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:36.087
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.732
3 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.844
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.925
5 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +1.039
6 56 中野真矢 Honda B +1.050
7 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1.100
8 21 J.ホプキンス カワサキ B +1.164
9 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1.193
10 7 C.バーミューレン スズキ B +1.195
11 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.239
12 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1.270
13 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.751
14 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +1.873
15 65 L.カピロッシ スズキ B +1.995
16 13 A.ウェスト カワサキ B +2.326
17 24 T.エリアス ドゥカティ B +2.569
18 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.933

予選1リザルト

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 1:39.510
2 21 H.バルベラ アプリリア +0.231
3 58 M.シモンセリ ジレラ +0.468
4 41 A.エスパルガロ アプリリア +0.700
5 12 T.ルティ アプリリア +0.945
6 60 J.シモン KTM +1.176
7 52 L.ペセック アプリリア +1.232
8 6 A.デボン アプリリア +1.234
9 72 高橋裕紀 Honda +1.286
10 36 M.カリオ KTM +1.339
16 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.033

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 1:45.533
2 38 B.スミス アプリリア +0.340
3 6 J.オリベ デルビ +0.363
4 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.364
5 11 S.コルテセ アプリリア +0.402
6 45 S.レディング アプリリア +0.495
7 35 R.デ・ローザ KTM +0.572
8 18 N.テロール アプリリア +0.606
9 33 S.ガデア アプリリア +0.785
10 17 S.ブラドル アプリリア +0.796

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