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リザルト
第8戦 イギリスGP 第8戦 イギリスGPview

雨の予選でヘイデン4番手。ドヴィツィオーゾ6番手、ペドロサ9番手から決勝に挑む

2008年6月21日(土)
予選
会場:ドニントンパーク・サーキット
天候:雨
気温:12℃
コースコンディション:ウエット

イギリスGP予選は、朝から断続的に雨が降る一日となり、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)がPPを獲得。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3番手にクリス・バーミューレン(スズキ)と、ブリヂストン勢がフロントローを独占した。Honda勢は、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が4番手でミシュラン勢最上位。5番手にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)、6番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)が入り、Hondaのミシュラン勢が2台、2列目を獲得した。前戦カタルニアGPで今季2勝目を挙げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は9番手。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)が10番手で続き、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)13番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)14番手という結果だった。

Honda勢トップの4番手につけたヘイデンは、ウエットコンディションとなった2日目も快調にラップを刻んだ。ヘビーレインの中で行われた午前中のフリー走行では3番手。小降りとなった午後の予選では、上位を独占したブリヂストン勢とPP争いを繰り広げ、4番手と健闘した。今大会からニュウマチックバルブ・エンジンを投入し、セットアップを進めながらの2日間だったが、見事にニューエンジンのパフォーマンスを結果につなげた。ヘイデンは、初日のドライコンディションでも2番手。ドライ、ウエットともに確実にセットアップを進めてきた。決勝では、今季初の表彰台、初優勝の期待がかかる。

6番手のドヴィツィオーゾも、ウエットコンディションですばらしい走りをみせた。午前中のヘビーレインでは、MotoGPデビューを飾ってから初のトップタイムをマーク。雨の降りが弱くなった午後の予選ではやや苦戦したが、今季ベストグリッドとなる2列目6番手を確保。昨年、250ccクラスでも優勝しているだけに、MotoGPクラス初表彰台、初優勝の期待が膨らんだ。

ペドロサは、雨量が変わるとグリップが変化する不安定なコンディション中で厳しい戦いを強いられた。降りの強い午前中のフリー走行では、ドヴィツィオーゾと僅差の2番手。このセッションでは3番手にヘイデンと、ミシュラン勢が上位を独占した。しかし、雨量の少ない午後の予選では、対照的にブリヂストン勢が優位に立った。その中でペドロサは9番手と、今季ワーストグリッドに終わった。しかし、金曜日のドライコンディションでは、ほぼセッティングをまとめ、ヘビーレインでも快調にラップを刻んでいるだけに、決勝では追い上げのレースで、前戦カタルニアGPからの2連勝を狙う。

10番手には中野真矢。午前中の走行では転倒を喫し17番手に沈んだ。この転倒の影響が心配されたが、午後の予選では着実にタイムを上げて、10番手までポジションを回復した。対照的にチームメートのデ・アンジェリスは、午前中の走行では7番手とまずまずの走りをみせたが、午後の予選では痛恨の転倒を喫し13番手。デ・ピュニエも午前中の走行で2度の転倒を喫し、その影響で予選では14番手に終わった。しかし、デ・アンジェリスもデ・ピュニエもドニントンパークを得意とするだけに追い上げのレースが期待される。

250ccクラスは、ウエットコンディションのために初日の順位でグリッドが確定。アルバロ・バウティスタ(アプリリア)がPPを獲得した。予選5番手の高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、2日目のウエットコンディションでも好走をみせた。午前中のフリー走行では2番手。午後の予選でも4番手と好走。初日のドライに続き、ウエットでも順調な仕上がりをみせた。昨年の大会はウエットで4位。今大会は、今季2回目の表彰台はもちろん、今季初優勝の期待も膨らむ。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)もフリー走行で13番手とまずまずの走りをみせ、決勝では、昨年の8位をしのぐベストリザルトの獲得に闘志をみせていた。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 4番手)

「フロントローに並びたかった。しかし、4番手というのはそれほど悪いポジションではないし、スタートでトップグループから遅れることはないと思う。今大会は、ニューエンジンを使っているが、ウエットコンディションでもいい走りができてよかった。エンジンはアグレッシブで、ウエットに合わせたセッティングにやや時間がかかったが、うまくコントロールすることができた。完ぺきな状態にするにはもう少し時間はかかる。タイヤの持ち、燃費など、レースをしてみないと分からないことはあるが、全体的にいい状態に仕上がっていると思う。今日の路面はとてもスリッピーで、雨量によってコンディションがころころ変わった。どんなレースになるか自分でも楽しみだ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)

「雨が強かった午前中のセッションは、ヘビーレインを想定したレースシミュレーションに取り組んだ。午後は雨の量が少なくなり、コンディションもグリップも変化した。そのために、ベストなタイヤを見つけるのに時間がかかってしまったが、最終的に2列目を確保することができた。ドライコンディションでは、金曜日のままの状態では、トップグループについていくのは難しい。しかし、2列目に並べたので、いいスタートを切って、トップグループについていきたい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)

「3列目からのレースは厳しい。このサーキットはタイトで、ラインが1本しかないからね。もし、明日がドライなら、金曜日の2セッションでかなりセットアップは決まっているし、自信はある。今日のウエットコンディションも、自分としてはかなりいいフィーリングだったが、何人かのライダーは、驚くほど速いペースで走っていた。できることなら、決勝はドライで行いたい。カタルニアのテストで痛めた身体の状態はよくはなっている。しかし、昨日の転倒の影響で、まだ痛みはある」

中野真矢(MotoGP 10番手)

「午前中のフリー走行で転倒して、午後の予選がどうなるのか心配だったが、とりあえず10番手で終えることができてホッとした。午前中のヘビーレインは、なかなかタイムを上げられなかったが、雨が小降りになった午後の予選は、確実にタイムを上げていくことができた。明日の決勝がどんな天気になるのか予想もつかないが、ドライでもウエットでもベストを尽くしたい。目標のトップ6入りを目指し、一つでも前でチェッカーを受けられるようにしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 13番手)

「今日はコーナーの立ち上がりでスピニングが収まらず、アクセレーションが難しかった。そんな状態だったが、転倒さえなければこんな結果に終わっていなかったと思うし、今日の結果にはがっかりしている。4列目からのスタートは、正直厳しい。しかし、このコースはパッシングポイントが多いので、追い上げのレースに全力を尽くしたい。明日の決勝に向けて、ウオームアップで自分のライディングスタイルに合ったセッティングを見つけたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 14番手)

「午前中のフリー走行で2度も転倒したため、バイクの修復に多くの時間を要し、午後の予選に影響を与えてしまった。予選では、車体のセットアップに集中した。完ぺきな状態ではないが、路面が乾き始めたセッション終盤は、フィーリングもよくなりペースを上げることができた。しかし、タイヤの選択も決まっていないし、やり残した仕事はたくさんある。すべてはフリー走行で転倒した自分のミス。決勝では追い上げのレースをしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「午前中のフリーはヘビーレインとなり、午後の予選は雨量が減っていくという難しいコンディションだった。今回、ニュウマチックバルブ・エンジンを使っているニッキーは、昨日はドライ、今日はウエットと、すべてのセッションで順調にセットアップを進めることができた。この2日間で得られたデータとセットアップで明日のレースに挑むことになるが、好結果を残してくれるに違いない。彼自身の走りも調子が上がっているし、いい状況だ。モチベーションも高く、明日のレースには期待している。ダニも、午前中のヘビーレインは悪くなかった。しかし、午後の予選は、路面とタイヤがうまく噛み合わずややグリッドを下げてしまった。今後の課題としてミシュランと協力して対策していきたい。確かに3列目はいいグリッドではないが、ドライ、ウエットともに悪くないし、彼の実力からいえば、必ず優勝争いに加わってくれるはず。優勝はもちろん、ニッキーともども、2人の選手が表彰台に立つことを目標に全力を尽くしたい」

高橋裕紀(250cc 5番手)

「雨になったことでグリッドは昨日のままだが、2列目なので悪くはない。いいスタートを切ってトップグループに絡みたい。今日は、雨量の多かった午前はすごくフィーリングがよかった。それに比べて雨が小降りになった午後はあまり感じはよくなくて、セッションの最後に転んでしまった。ケガがなくてよかった。しかし、転倒の原因はわかっているし、決勝に影響はない。明日は、ドライでもウエットでもいいレースができると思う。表彰台を狙っていきたい」

ラタパーク・ウィライロー(250cc 18番手)

「雨になってポジションを上げるチャンスはなかったが、ウエットコンディションのセットアップに集中した。午前中のフリーは13番手。午後の予選は19番手だったが、雨のセッティングは悪くない。昨年は8位。今年もトップ10内でフィニッシュできるように頑張りたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:38.232
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.649
3 7 C.バーミューレン スズキ B +0.786
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +1.038
5 5 C.エドワーズ ヤマハ M +1.369
6 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.551
7 13 A.ウェスト カワサキ B +1.763
8 11 B.スピーズ スズキ B +2.012
9 2 ダニ・ペドロサ Honda M +2.118
10 56 中野真矢 Honda B +2.185
11 21 J.ホプキンス カワサキ B +2.307
12 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +2.363
13 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +2.435
14 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +2.878
15 33 M.メランドリ ドゥカティ B +3.147
16 52 J.トーズランド ヤマハ M +3.519
17 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +3.641
18 24 T.エリアス ドゥカティ B +4.701

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 1:31.834
2 58 M.シモンセリ ジレラ +0.170
3 21 H.バルベラ アプリリア +0.519
4 12 T.ルティ アプリリア +1.001
5 72 高橋裕紀 Honda +1.019
6 4 青山博一 KTM +1.149
7 60 J.シモン KTM +1.229
8 41 A.エスパルガロ アプリリア +1.282
9 52 L.ペセック アプリリア +1.442
10 32 F.ライ ジレラ +1.447
18 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.205

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア +1:37.488
2 1 G.タルマクシ アプリリア +0.032
3 33 S.ガデア アプリリア +0.161
4 45 S.レディング アプリリア +0.278
5 44 P.エスパルガロ デルビ +0.461
6 29 A.イアンノーネ アプリリア +0.462
7 18 N.テロール アプリリア +0.546
8 93 M.マルケス KTM +0.556
9 22 P.ニエト KTM +0.616
10 71 小山知良 KTM +0.665

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