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リザルト
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ヘイデン2番手。トップ10にHonda勢が5台と好調なスタートを切る

2008年6月20日(金)
1日目フリー走行
会場:ドニントンパーク・サーキット
天候:曇り/晴れ
気温:19℃
コースコンディション:ドライ

前戦カタルニアGPから1週間のインターバルを経て、第8戦イギリスGP、そして第9戦オランダGPと続く今季2回目の2連戦が20日、スタートした。天候が不安定なことで知られるドニントンパーク。この日も終日、雲の多い天候となったが、午前、午後ともにドライで走行が行われた。

トップタイムをマークしたのは、昨年の優勝者ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)で、午前、午後ともに好調な走りで首位に立った。それに続いたのがニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)。ウインターテストからテストを続けてきたニュウマチックバルブ・エンジンを今大会から使い、午前中の走行はセッティングに集中して5番手、午後の走行では確実にタイムを短縮して2番手に浮上。ニューエンジンのポテンシャルを発揮し、上々のスタートを切った。

3番手にはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。4番手にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)。そして5番手には、ここ数戦、調子を上げてきているアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)。6番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。7番手に中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)と続き、ここまでがトップから1秒差内。10番手にランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、13番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)という結果だった。

デ・アンジェリスは、午前中の走行で2番手と好調な走りをみせた。過去2年、250ccクラスで表彰台に立ち続けてきた得意のコース。そしてイタリアGP、カタルニアGPの好調を今大会も遺憾なく発揮。MotoGPクラスでの初表彰台に向けて好スタートを切った。

前戦カタルニアGPで今季2勝目を達成。勢いに乗るペドロサは、ドライコンディションで走れたこの日、タイヤの選択とマシンのセットアップに集中した。午後の走行では痛恨の転倒を喫し、タイムを伸ばせなかったが、安定した走りをみせて今大会も優勝候補の筆頭。カタルニアGP後のテストで腰と肩を痛め、体調は100%ではないが、2日目の予選、決勝の快走に期待が膨らむ。

イタリアGP、カタルニアGPと連続してシングルフィニッシュの9位でチェッカーを受けている中野は、7番手とまずまずのスタート。中野もペドロサ同様、土曜日の雨天を警戒、この日はタイヤテストに専念した。高速セクションのコース前半では快調にラップを重ねたが、スローセクションの後半部分でタイムをロス。今季前半の目標であるトップ6を目指し、2日目はこの課題に取り組む。

デ・ピュニエは、午前、午後ともに10番手。この日はフロントのセッティングに苦しんだが、得意とするサーキットだけに、2日目の巻き返しに期待。一方、ドヴィツィオーゾは、午前中4番手と快調な走りを披露した。好調を確認したドヴィツィオーゾは、午後の走行ではタイヤの選択と車体のセットアップに集中した。昨年の大会では250ccクラスで優勝。前戦カタルニアGPでは今季ベストリザルトの4位でフィニッシュしているだけに、2日目の予選と決勝での巻き返しは必至の状況だ。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が暫定ポールポジションを獲得。Honda勢は、高橋裕紀(JiR Team Scot 250)5番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)18番手という結果だった。午前中のフリー走行で11番手だった高橋は、午後の予選で一気にタイムを短縮して5番手に浮上した。走り出しからほぼセッティングが決まっていたという高橋。この日は、決勝に向けてタイヤの選択と走り込みに重点を置いた。昨年の大会では表彰台にあと一歩の4位。今年はその雪辱を果たす大会。今季2回目の表彰台と、今季初優勝に向けて順調なスタートを切った。今季ベストリザルトを狙うウィライローも、フリー走行20番手から予選では18番手にポジションを上げた。前戦カタルニアGPの予選で転倒。今大会も背中に痛みを抱える状態だが、昨年達成した自己ベスト8位をしのぐリザルトに闘志を燃やす。

コメント

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 2番手)

「今日はHRCに感謝したい。今大会、ニュウマチックバルブ・エンジンを使うことを望み、それをかなえるために全力を尽くしてくれたからだ。トップ3、トップ4に入ることが、ニューエンジンを使う条件だった。午前中は5番手だったが、午後のセッションは2番手だった。今日は、路面温度が低く、表面も汚れていたが、まずまず順調だった。その状況の中でもストーナー(ドゥカティ)は速かったし、まだまだやらなければいけないことはある。しかし、全体的に見ればすばらしいスタートが切れた。このコースはストレートが短くて5速しか使わないけれど、ニューエンジンはとてもアグレッシブで、自分のフィーリングに合っている。新しいシャシーも安定性が増してよかった」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 5番手)

「午前中2番手、午後の走行も5番手と順調な一日だった。過去2戦、確実に前進してきたが、こんないいスタートを切れるとは思ってもいなかった。バイクの状態はよかった。明日はもっとよくなることを確信している。ブリヂストンのパフォーマンス、そして、新しいニッシン・ブレーキのパワーにも満足している。明日の天気は予想がつかないけれど、ドライでもウエットでもいい走りをする自信がある」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)

「土曜日が雨という天気予報なので、今日の2セッションは、通常のセットアップとタイヤの選択に集中した。午後のセッションで転んだときは、ハードタイヤを使っていた。カタルニアのテストで腰と肩を痛めているが、まだ完全ではなく、転倒したことで痛みが増した。しかし、シリアスな転倒ではなかったし、残りの時間も、セットアップに集中した。バイクは完ぺきな状態ではないが、明日に向けて方向性は見えている。明日もドライで走れるといい」

中野真矢(MotoGP 7番手)

「ドニントンパークは、これまであまりいい成績を残せていないサーキットなので、初日から飛ばしていこうと思っていた。午前中9番手。午後は7番手。タイヤの選択も順調に進んだ。ここは左コーナーが少なく、左側のグリップが難しいのだが、今日はそれを意識しないで走ることができた。明日は周回数を刻み、レースに向けてのセットアップを完ぺきにしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ここはタイヤのチョイスが難しいサーキットで、ダニは一日を通じて、タイヤの選択と通常のセットアップに集中した。午後の転倒はケガもなくラッキーだった。午前、午後とセットアップは確実によくなっているが、明日は、低い路面温度に合わせたセットアップを進めたい。ニッキーは、カタルニアのテストでニュウマチックバルブ・エンジンをテストしているが、今回が初の実戦。2回のセッションともに確実にメニューをこなしてくれた。いいリズムで乗れていると思う。走り出しからタイムもよかった。ダニ、ニッキーともに、明日は、ドライでもウエットでも、天候に合わせてセットアップを進めたい」

高橋裕紀(250cc 5番手)

「フリー、予選と、車体のセッティングをほとんど変えず、走り込みに集中した。決勝用のタイヤもほぼ決まったし、一日を通じて気持ちよく乗れた。今日の走行で自己ベストを更新することもできた。まだ、ライン取りが安定していないので、明日は、この辺りの走りの精度を上げていきたい」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 1:28.253
2 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.576
3 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.656
4 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.716
5 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +0.739
6 2 ダニ・ペドロサ Honda M +0.954
7 56 中野真矢 Honda B +0.954
8 52 J.トーズランド ヤマハ M +1.088
9 7 C.バーミューレン スズキ B +1.157
10 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1.180
11 21 J.ホプキンス カワサキ B +1.188
12 13 A.ウェスト カワサキ B +1.413
13 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.465
14 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1.603
15 24 T.エリアス ドゥカティ B +2.015
16 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +2.037
17 11 B.スピーズ スズキ B +2.513
18 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +2.678

予選1リザルト

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 1:31.834
2 58 M.シモンセリ ジレラ +0.170
3 21 H.バルベラ アプリリア +0.519
4 12 T.ルティ アプリリア +1.001
5 72 高橋裕紀 Honda +1.019
6 4 青山博一 KTM +1.149
7 60 J.シモン KTM +1.229
8 41 A.エスパルガロ アプリリア +1.282
9 52 L.ペセック アプリリア +1.442
10 32 F.ライ ジレラ +1.447
18 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.205

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 1:37.488
2 1 G.タルマクシ アプリリア +0.032
3 33 S.ガデア アプリリア +0.161
4 45 S.レディング アプリリア +0.278
5 44 P.エスパルガロ デルビ +0.461
6 29 A.イアンノーネ アプリリア +0.462
7 18 N.テロール アプリリア +0.546
8 93 M.マルケス KTM +0.556
9 22 P.ニエト KTM +0.616
10 71 小山知良 KTM +0.665

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