モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第7戦 カタルニアGP 決勝
リザルト ポイント
第7戦 カタルニアGP 第7戦 カタルニアGPview

ペドロサが独走で今季2勝目
ドヴィツィオーゾは4位と健闘

2008年6月8日(日)
決勝
会場:カタルニア・サーキット
天候:晴れ
気温:27℃
コースコンディション:ドライ
観客:11万3150人(3日間20万5350人)

カタルニアGP決勝は、27℃まで気温が上がる暑さとなり、地元グランプリに闘志を燃やすダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が今季2勝目を達成。2位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3位にはケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が入った。前戦イタリアGPで3位に終わったペドロサが、見事、雪辱を果たした。

以下、Honda勢は、予選7番手からすばらしい追い上げをみせたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)が、開幕戦カタールGP以来の4位。今季初フロントローからスタートしたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は8位。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は9位でフィニッシュした。10番手を走行していたアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は11周目に転倒リタイア。今季ベストグリッドから決勝に挑み、6番手を走っていたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も、12周目に転倒リタイアという残念な結果だった。

第2戦スペインGP以来、5戦ぶりに優勝を飾ったペドロサは、予選2番手から好スタートを切りホールショットを奪う。そして、オープニングラップから一気にペースを上げて、2周目には1分42秒台のファステストラップを刻むと、3周目、4周目とファステストラップを更新しながら10周目まで同42秒台のタイムで快走。この時点で2位以下に約7秒の大差をつけ勝利をほぼ手中にした。終盤、ペドロサは43秒台で走り、後続との距離をキープ、11万3000人のファンの声援の中で見事、優勝を飾った。この優勝で、ヘレス・サーキットに続きカタルニア・サーキットでも、125cc、250ccクラスとともに、3クラス制覇を達成。ライバルを圧倒する快勝だった。

その後方では、ロッシとストーナーがし烈な2位争いを繰り広げ、ロッシ2位、ストーナー3位という結果だった。予選7番手から好スタートを切ったドヴィツィオーゾは、ロッシ、ストーナーとセカンドグループを形成。ドヴィツィオーゾは、オープニングラップ2番手からセカンドグループをリードするが、その後、ストーナー、ロッシにかわされ、開幕戦カタールGP以来となる今季ベストリザルトの4位に入った。

予選11番手からオープニングラップ11番手の中野真矢は、序盤12番手にポジションを落とすも、中盤にアンジェリス、ロリス・カピロッシ(スズキ)、デ・ピュニエらが脱落したことで、9番手に浮上。後半は、ジェームス・トーズランド(ヤマハ)、クリス・バーミューレン(スズキ)、ヘイデンの6位争いを追い上げる好走を見せるも、届かず9位だった。今季初、フロントローの3番手から1周目6番手につけたヘイデンは、このポジションをキープするが、次第にペースを落とす苦しい戦いとなり、最終的に8位でフィニッシュした。

予選10番手から追い上げのレースを見せたデ・アンジェリスは、10番手を走行中の11周目、カピロッシと接触して転倒。予選4番手からセカンドグループの中で5番手を走っていたデ・ピュニエも12周目に1コーナーで転倒を喫し、ともにリタイアに終わった。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝。予選7番手から好スタートを切り5番手につけた高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、オープニングラップにロベルト・ロカテッリ(ジレラ)と接触し、コースアウトを喫して最下位の23番手にダウン。しかし、猛烈な追い上げで12位でフィニッシュした。予選14番手のラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、序盤、青山博一(KTM)、ルーカス・ペセック(アプリリア)とのし烈な10位争いに加わったが、予選で転倒した影響で体調が完全ではなく終盤にペースダウン、11位に終わった。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 優勝)

「応援してくれたすべての人たちに『ありがとう』という言葉を送りたい。チャンピオンシップを考えれば、5ポイント縮めることができたし、今日の優勝はとても重要なものだ。しかし、シーズンはまだまだ長く、たくさんのレースがある。今回のようなレースをキープしていかなければならない。プラクティス(1日目)ではいくつかの問題を抱えていたが、決勝に向けてチームはすばらしいバイクに仕上げてくれた。チームに感謝したい。それにしても、今日のファンの声援は信じられないほどだった。どこを走っていても、みんなの声援を聞くことができたからね。月曜日と火曜日は、次のレースに向けてテストに集中したい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4位)

「うれしいレースだった。今大会は、スタート練習を何度も行ったが、そのお陰で決勝ではいいスタートが切れた。1周目、2周目は2番手だった。しかし、前を走るダニの速さは信じられないほどだった。その後、ケーシーが自分をパスし、バレンティーノにも抜かれたが、この2人のペースについていくことができた。しかし、バレンティーノがケーシーを抜いていった周に、自分のミスで0.5秒ほど遅れ、結果的にその遅れを取り戻すことができなかった。あれがなければ最後まで表彰台争いに加われたと思う。しかし、いいレースができてうれしい。チーム、スタッフに感謝したい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 8位)

「厳しいレースになることは予想していた。今日はグリップはとてもよかったのだが、タイヤを持たせることができなかった。序盤は問題なく走れていたが、次第にペースをキープできなくなり、後半はポジションを落としてしまった。8位という結果にはがっかりしているが、タイヤを持たせるセットアップを見つけ、一日も早く、トップグループで戦えるようにしたい。明日からの2日間のテストで問題の解決に取り組みたい」

中野真矢(MotoGP 9位)

「スタートもまずまずで、1コーナーの混乱もうまくかわすことができた。しばらくは自分のポジションをキープして走れたが、カピロッシとアンジェリスの転倒の影響で、前のグループとの差が開いてしまった。それからは単独になり、トーズランド、バーミューレン、ニッキーのグループに追いついたが、そこからの決め手がなく、抜けないままチェッカーを受けた。今年は、追いついても抜けないというレースが続いている。その状態から抜け出すためにも、明日のテストに全力で取り組みたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP リタイア)

「今季ベストグリッドからいいスタートを切って、トップグループの中で走れていただけに残念だった。序盤は5番手だった。ロッシに抜かれて6番手に落ちたが、前を走っているエドワーズ(ヤマハ)に追いつくことができた。ペース的には楽に走れていたのだが、1コーナーでフロントから転倒してしまった。金曜日にも同じような転倒を経験しているが、バイクの状態はすごくよくなっているし、どうして転倒したのか分からない。自分のミスではないと思うし、これからデータをチェックしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)

「残念な結果だった。スタートは悪かったが、確実にポジションを上げていた。そして、カピロッシに追いつくことができたのだが、彼がコーナーではらんだので、インから抜こうとしたら、彼が出口をふさぐ形となり、接触してしまった。あのまま走っていたら、いいポジションでフィニッシュできたと思う。残念な結果だが、レースウイークを通じてみればポジティブな3日間だった」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今日のダニは、スタートで飛び出して逃げるという作戦通りのレースをやってくれた。ライダーのがんばり、そしてメカニック、スタッフのがんばりに感謝したい。このサーキットは、ダニの地元ということで、どこのコーナーでもファンが応援してくれたと本人が言っていた。それがすごく大きな力になったとも言っていた。私としても、地元ファンにありがとうという気持ちでいっぱいだ。ヘレス以来の優勝になった。Hondaを応援してくれるすべての人たちに感謝している。

この数戦、ミシュランが全面的にバックアップしてくれた。ショーワもすばらしいサポートをしてくれた。そして、スポンサーにも心から感謝したい。ニッキーは今日、徐々にペースを落としてしまったが、最後までファイトある走りを見せてくれた。チームとしては本当にありがたいと思っているし、今の走りを結果につながるように全面的にバックアップしていく。

明日、明後日の2日間のテストでは、タイヤテストとムジェロで岡田(忠之)が使ったニューエンジンのテストを行う。ライバルたちに早く追いつけるようにこれからも全力を尽くしたい」

ラタパーク・ウイライロー(250cc 11位)

「スタートもよく、序盤は、ペセック、青山博一とバトルとなり、何度も抜き合いになった。しかし、金曜日の予選で転倒したときに痛めた背中と右手首が痛み出し、思うように乗れなくなってペースも落ちてしまった。不完全燃焼に終わったレースだが、今日のレース内容はよかったと思う」

高橋裕紀(250cc 12位)

「今日はスタートも決まり、いいポジションで1周目に入ることができた。しかし、前にロカテッリがいて、このままだと、シモンセリやバウティスタ(アプリリア)、バルベラ(アプリリア)に逃げられると思い、ロカテッリを早く抜きたかった。しかし、インを刺しきれず、アウトにいたロカテッリも僕の姿が見えなかったようで接触してしまった。それで、コースアウトして最後尾から追い上げることになり、12位に入るのがやっとだった。転倒してしまったロカテッリには申し訳ないことをした。残念な結果に終わったが、次のドニントンパーク・サーキットでは、結果に残したい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 2 ダニ・ペドロサ Honda M 43:02.175
2 46 V.ロッシ ヤマハ B +2.806
3 1 C.ストーナー ドゥカティ B +3.343
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +10.893
5 5 C.エドワーズ ヤマハ M +16.426
6 52 J.トーズランド ヤマハ M +21.482
7 7 C.バーミューレン スズキ B +21.548
8 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +22.280
9 56 中野真矢 Honda B +22.375
10 21 J.ホプキンス カワサキ B +46.835
11 33 M.メランドリ ドゥカティ B +57.991
12 13 A.ウェスト カワサキ B +59.168
13 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1:00.779
RT 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +14Laps
RT 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +15Laps
RT 65 L.カピロッシ スズキ B +15Laps
DNQ 24 T.エリアス ドゥカティ B -

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 41:01.859
2 19 A.バウティスタ アプリリア +0.039
3 21 H.バルベラ アプリリア +11.291
4 6 A.デボン アプリリア +21.373
5 12 T.ルティ アプリリア +26.621
6 75 M.パシーニ アプリリア +26.720
7 4 青山博一 KTM +35.818
8 55 H.ファウベル アプリリア +36.321
9 60 J.シモン KTM +36.964
10 52 L.ペセック アプリリア +41.237
11 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +52.391
12 72 高橋裕紀 Honda +56.656

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 63 M.ディ・ミリオ デルビ 41:08.708
2 44 P.エスパルガロ デルビ +0.268
3 1 G.タルマクシ アプリリア +0.338
4 17 S.ブラドル アプリリア +8.765
5 24 S.コルシ アプリリア +10.141
6 45 S.レディング アプリリア +11.178
7 51 S.ボンジー アプリリア +13.671
8 11 S.コルテセ アプリリア +13.755
9 33 S.ガデア アプリリア +15.541
10 93 M.マルケス KTM +18.962

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 142
2 ダニ・ペドロサ Honda 135
3 J.ロレンゾ ヤマハ 94
4 C.ストーナー ドゥカティ 92
5 C.エドワーズ ヤマハ 69
6 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 57
7 J.トーズランド ヤマハ 53
8 L.カピロッシ スズキ 51
9 ニッキー・ヘイデン Honda 48
10 中野真矢 Honda 42
14 アレックス・デ・アンジェリス Honda 24
16 ランディ・デ・ピュニエ Honda 18
19 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 160
2 Honda 135
3 ドゥカティ 97
4 スズキ 63
5 カワサキ 35

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.カリオ KTM 106
2 M.シモンセリ ジレラ 103
3 M.パシーニ アプリリア 98
4 A.デボン アプリリア 92
5 青山博一 KTM 70
6 H.バルベラ アプリリア 69
7 高橋裕紀 Honda 63
8 A.バウティスタ アプリリア 61
9 T.ルティ アプリリア 46
10 J.シモン KTM 43
14 ラタパーク・ウィライロー Honda 30

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 151
2 ジレラ 119
3 KTM 115
4 Honda 70
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.ディ・ミリオ デルビ 112
2 S.コルシ アプリリア 98
3 S.ブラドル アプリリア 77
4 N.テロール アプリリア 75
5 P.エスパルガロ デルビ 75
6 G.タルマクシ アプリリア 68
7 J.オリベ デルビ 65
8 S.ガデア アプリリア 49
9 B.スミス アプリリア 49
10 A.イアンノーネ アプリリア 47

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 161
2 デルビ 134
3 KTM 36
4 ロンシン 1

フォトギャラリー

  • 第7戦 カタルニアGP
  • 第7戦 カタルニアGP
  • 第7戦 カタルニアGP
  • 第7戦 カタルニアGP
  • 第7戦 カタルニアGP
  • 第7戦 カタルニアGP